2: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:37:06.59 ID:JntGMmXe0
 「かんぱーい!」 
  
 大潮型姉妹は、次女満潮の暮らすマンションで揃って雑談を交わすことになった。 
  
 姉妹が全員揃ったのは、戦争が終わり、軍部のもとで義務教育を受け、そこを卒業してから初めてのことだ。 
3: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:38:03.79 ID:JntGMmXe0
 姉妹はみんな、荒潮に何があったのかを察した。男の浮気による婚約破棄。 
  
 姉妹の脳裏に、婚約を幸せそうに自慢する、荒潮の笑顔が浮かび、消えていく。 
  
 開口一番の暗い話に、空気は重く静かになり、外の雑音が部屋に響く。 
4: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:38:43.35 ID:JntGMmXe0
 「あれ・・・」 
  
 満潮がこめかみを抑え、難しい顔で考え事を始めた。大潮がどうしたと尋ねる。 
  
 「大潮姉さんが前に言っていたこと。大潮は、長女じゃないっていうの。あれ、私も最近気になっているのよね。 
5: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:39:21.12 ID:JntGMmXe0
 「朝潮・・・朝潮、お姉さん」 
  
 荒潮は、架空であるはずの姉に対し、拭えない濃いモヤを感じる。思い出せそうで思い出せない。喉に骨が刺さったような、妙な違和感。 
  
 それは霞も同様だった。何かが記憶から欠けている。それが何かがわからない。 
6: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:40:36.28 ID:JntGMmXe0
 後日、霰が出社する。 
  
 「おはようございます、海野さん」 
  
 「おはよう、大海さん」 
7: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:41:30.46 ID:JntGMmXe0
 唐突に出てきた『朝潮』の名前に、明石は硬直する。しかしすぐに我を取り戻し、霰の話に、真剣に耳を傾ける。 
  
 「大潮姉さんは提督の説明で納得したんですけど、今度は満潮、荒潮、霞姉さんがそれに嵌ってしまったようで。 
  
 あ、私はそういうのあまりないんですけど・・・」 
8: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:42:16.89 ID:JntGMmXe0
 提督に約束を取り、いつも通り、適当なカフェで待ち合わせをする。そして、提督との、数カ月ぶりの対面。 
  
 「こんにちは」 
  
 「久しぶりだな」 
9: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:42:58.93 ID:JntGMmXe0
 「あっ、それより・・・朝潮型のみんなのことですが・・・ 
  
 きっといつか、噛み合わない話に不信感を抱き、再び、提督の下にやってくると思います。 
  
 そうしたら、提督はどうするのですか? 
10: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:43:34.40 ID:JntGMmXe0
 「なるようになる。これが、今のところの俺の答えだ。 
  
 知りたいというのなら、知ってもらえば良い。それだけだ。 
  
 隠したのには理由がある。それをありのままに伝えようではないか」 
11: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:44:06.90 ID:JntGMmXe0
 某料理店。提督の計らいにより、店でご飯を食べながらの話となった。 
  
 店に入ってくる朝潮型姉妹に対し、明石は優しく接する。 
  
 「満潮ちゃん! こっちよ」 
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