2: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:00:51.63 ID:XfSadNeEO
何かが起こる時は、大抵何かしらの予兆がある。
そう言われた人間は少なくはない。
では具体的に、何の予兆があると、何があるのか?
3: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:01:41.27 ID:XfSadNeEO
「…」
真っ直ぐにするのにかなりの時間を要するだろう癖っ毛を持つパジャマ姿の少女。
「…」
4: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:02:26.72 ID:XfSadNeEO
少年は、走っていた。
ただひたすらに、走っていた。
何処に向かっているか、場所は分からないが方向ならば分かる。
5: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:03:11.35 ID:XfSadNeEO
助けを求めるでもない叫びを上げた後、卯月は再び自分の置かれた立場に目を向けた。
何処かも知らない場所。
寝間着のままの自分。
6: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:03:45.88 ID:XfSadNeEO
「…な、何…?」
音がした訳ではない。
声がした訳ではない。
7: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:04:28.86 ID:XfSadNeEO
「…!……!」
人は、本当の恐怖に対面するとこうなるのか。
極度の緊張からか、声が出ない。
8: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:05:04.24 ID:XfSadNeEO
「…」
その風貌、その大きさ。
一瞬で分かる、自分にはどうにも出来ないだろう、生き物としての差。
9: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:05:59.87 ID:XfSadNeEO
『…!…!』
その大きなムカデは、何かを嫌がるような仕草をし出した。
肉食で、食欲旺盛なムカデが今、目の前にいる獲物を捕えることを中断してでも、だ。
10: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:06:44.31 ID:XfSadNeEO
…。
「…ゃん…」
誰かが、自分を呼んでいる。
11: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:07:40.54 ID:XfSadNeEO
…。
「…」
「…ったく…なんたってそんなカッコであんなとこに居たんだよ…」
12: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:08:27.74 ID:XfSadNeEO
「……ご、ごめんなさい…」
「…良いよ。……で?」
「え?」
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