過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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13: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/23(金) 23:49:07.48 ID:YeaCfPgp0
少年が食堂へとやってくるとそこには既に席について満足気な表情を浮かべる料理人たちと、エプロンをつけた少女が仁王立ちをしていた。

マリベル「来たわね アルス。」

アルス「…………………。」
以下略



14: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/23(金) 23:49:56.29 ID:YeaCfPgp0
涼しい風が帆を柔らかく押していく。船は遥か南の地へ向け、夕日を追いかけてゆっくりと航行を続けていた。

マリベル「綺麗ね…。夕日を じっくり見つめるなんて いつぶりかしら。」

沈みゆく夕日を見つめ少女が呟く。
以下略



15: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/23(金) 23:51:10.59 ID:YeaCfPgp0
マリベル「……そう。それじゃあ ほぼ 世界一周って感じなわけね。」

アルス「せっかくだから あの時 凱旋で会えなかった 人たちにも 顔を出したいね。」

マリベル「そうね。また あっちこっちから 引っ張りだこに なるのは ごめんだけどね。」
以下略



16: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/23(金) 23:53:45.71 ID:YeaCfPgp0
ボルカノ「アルス お前 本当は どう思ってるんだ?」

少女のいなくなった甲板で、父は隣に立つ息子に問いかける。

アルス「…………………。」
以下略



17: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/23(金) 23:56:04.22 ID:YeaCfPgp0
すっかり辺りは暗くなり、漁船アミット号の調理場は夕食の仕度で再び熱を帯びていた。

マリベル「はあ……。」

そんな中、鍋の中見を掻きまわしながら少女が大きな溜息をつく。
以下略



18: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/23(金) 23:58:28.84 ID:YeaCfPgp0
眠っていた月が夜を謳歌し始めた頃、夕食を終えたアミット号の中ではこれからの漁の成功を祈って少しばかりの酒が振舞われた。
そんな中、少年は自分が甲板に残るといって早々に退席してしまい、
少女のほうは後片付けやら明日の朝の仕込みやらで炊事場にて料理人たちと動いていたのだが、
それをよそに船乗りたちは一人、また一人と吊り下げられたハンモックに横になっていくのだった。

以下略



19: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/24(土) 00:00:27.50 ID:8lPBK+pa0
アルス「…………………。」

少年はまだ船首で見張りをしていた。

まだ遠くに見える南の大灯台の灯りを見つめ、少年は伸びてきた黒髪を後ろで束ねて潮風になびかせている。
以下略



20: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/24(土) 00:03:20.49 ID:8lPBK+pa0
アルス「嘘だね。」

マリベル「!」

ピクっと肩を揺らし、少女は驚いた様子で少年の方に向き直る。
以下略



21: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/24(土) 00:06:23.53 ID:8lPBK+pa0
少女の翡翠色のまなこから一筋の涙が伝った。その透き通る瞳から溢れた水は天からこぼれた雨水のように彼女の足元を濡らしていく。

マリベル「あたしは…」

これまでずっと誤魔化し続けた感情が、とめどなく溢れる雫となってボロボロと流れ出す。
以下略



22: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/24(土) 00:09:12.79 ID:8lPBK+pa0
アルス「…………………。」

マリベル「…………………。」

いったいどれほどの間そうしていただろうか。
以下略



23: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/24(土) 00:12:17.88 ID:8lPBK+pa0
ボルカノ「なんだ 完全に 出ていくタイミングを 見失っちまったな。」
ボルカノ「これじゃあ 交代の奴を 起こしにいけねえじゃねえか。」
ボルカノ「……しかし アルスのやつ オレがいること 忘れてんじゃないだろうな?」

船の後ろの方では行き場を失った船長が盛大なため息をついていた。
以下略



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