15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:46:16.08 ID:3OYwXlIW0
私の発言を聞いて、江ノ島はふうと息を吐きながら全身の緊張を緩め、再びゆっくりと腰を下した。
「なら良かったです。恐々院先輩と争っても、正直、あたしじゃどうにもならないって思ってましたから」
「どうして?女性的魅力という点において、私では君に逆立ちしたって敵わないと思うが」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:48:30.16 ID:3OYwXlIW0
4
江ノ島の告白宣言を聞いてしまってから、私の生活は一変した。
無論、良い方ではなく悪い方に、である。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:51:47.75 ID:3OYwXlIW0
5
期末試験の準備で校内に残る生徒もまばらなってきていた六月二十四日の放課後、今後の部活動について相談があるという口実で、織野を校舎の屋上まで連れ出した。
外は既に夕焼け色に染まっていて、普段は活気のあるグラウンドも、奇妙なくらい静まり返っている。
「壊子さん、相談なら美術室でも良かったんじゃないですか」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:54:14.45 ID:3OYwXlIW0
決死の覚悟を抱いて臨んだというのに、一番肝心なところで待ったをかけられた。
これでどうでもいいことを宣い始めでもしてみろ、舌を引っこ抜いてやる。
「壊子さん、これってつまり……そういうことですよね」
「君の考えている通りだ。あとは煮るなり焼くなり好きにしろ……覚悟はできてる」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:56:56.77 ID:3OYwXlIW0
織野が描いてきた絵に宿る並々ならぬ迫力の根源は、彼の想いそのものだった。
「壊子さん……もし迷惑でないのなら、今より近い場所で僕と一緒に絵を描きませんか。壊子さんに手伝ってもらえれば、きっと、凄く素敵な絵が描けると思うんです」
お互いの意思を汲み取るよう見つめ合った後、織野の真剣な眼差しから逃れるよう、くるりと回って背を向ける。
20:名無しNIPPER
2017/01/08(日) 16:00:43.53 ID:3OYwXlIW0
練習として去年の夏頃に書いたもの
供養として投下しました
21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 17:20:45.53 ID:AqztlzSzo
乙
22:名無しNIPPER[sage]
2017/01/09(月) 12:36:02.14 ID:Ae0C+GyM0
なんかすごい(小並感)
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