2: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:34:13.79 ID:wEYB5TOK0
授業で職業体験があったの。
社会学習ってことで、一日だけ外のお店で働くんだ。
3: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:36:54.33 ID:wEYB5TOK0
丁度あたしがついていた店員さんが、店長さんと相談してた。
レジはあたしのところだけ空いていて、だからあたしのところに来たんだと思う。
4: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:39:24.21 ID:wEYB5TOK0
嬉しくって、駆け足で。
5: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:41:08.57 ID:wEYB5TOK0
事務所に行く途中に、公園を通った。
その場所からは、公園を通った方が近道なの。
6: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:43:48.34 ID:wEYB5TOK0
日をたくさん浴びながら、すらりと伸びた綺麗な足を組んで本に目を落としてた。
綺麗な赤みがかった髪は、日の光でルビーみたいに輝いてた。
7: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:45:55.63 ID:wEYB5TOK0
時子さんはぱたんと本を閉じる。
「財前時子よ。よろしく」
8: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:47:20.32 ID:wEYB5TOK0
「ドーナツ、嫌いだった？」
「嫌いじゃないわ。貴方の提案に驚いたのよ」
9: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:50:12.17 ID:wEYB5TOK0
あたしは時子さんの隣に座って、膝の上で箱を開けた。
色とりどりのドーナツが、透き通った陽光に照らされて宝石みたいにきらきら輝いてた。
10: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:52:17.98 ID:wEYB5TOK0
時子さんは、今まで忘れてたみたいにはっとなってドーナツに目を向けた。
「……あなたが豚みたいに食いついてるから、興味深かったのよ」
11: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:54:12.39 ID:wEYB5TOK0
時子さんは、瞳を少し見開いてあたしを見てたけど、それから眼を伏せて、口元に笑みを浮かべた。
自信ありげで、カッコよくて。とっても似合ってた。
12: ◆saguDXyqCw
2017/01/13(金) 17:57:55.06 ID:wEYB5TOK0
「えぇ、ドーナツだよ？」
「うるさいわね。いらないならその辺に投げ捨てるわよ」
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