510:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:30:59.86 ID:05yusEqno
言い終わると、ミキはまるでヤヨイたちなど居ないかのように、
キサラギに対しての攻撃を開始した。
その様子をマコトは微かに眉根を寄せて見下ろす。
アミたちだけではない、マコトにとってもミキの意図するところは不明であった。
511:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:36:49.88 ID:05yusEqno
自分を無視しようとする相手への苛立ち。
それは確かにあった。
しかしかつてのヤヨイであれば、ミキの言葉など無視して直ちに攻撃していただろう。
そして相手の愚かさを笑っただろう。
512:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:39:54.41 ID:05yusEqno
“お前は必要ない”
ミキの口から出たこの言葉は、
一瞬の間にヤヨイの頭の中を何度も、何度も駆け巡った。
513:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:42:04.62 ID:05yusEqno
ミキ「っあ……!?」
瞬間、異常音と同時に激しい衝撃がリッチェーンを襲った。
コクピット内の計器が光と音を発し、危険を知らせる。
だが知らされるまでもなく、ミキはその目ではっきりと見た。
514:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:43:25.84 ID:05yusEqno
ヤヨイ『私が必要ないだと!? ふざけるんじゃねぇよ!
私の方が上だ! 上なんだよ! お前なんかより私の方が上なんだ!
誰がお前なんかにっ……お前なんかに負けてたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
我を忘れたように絶叫しながら、ヤヨイは倒れたリッチェーンに向けて火炎を撒き散らす。
515:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:49:05.19 ID:05yusEqno
マミがキサラギを止めた理由を、アミは聞かなかった。
聞くまでもなく気付いたからだ。
キサラギが踏み出した足から前方数十メートルの地点に、誰か居る。
すっと背筋を伸ばして佇む姿。
美しく整った涼やかな顔立ち。
516:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:50:08.14 ID:05yusEqno
アミとマミは、そんなマコトに眉をひそめて怪訝な表情を向ける。
この敵は何をしているんだ?
どう見ても生身だし、武器を持っているようにも見えない。
見た目にはただの人間だ。
にもかかわらず、巨大ロボに対して格闘の構えを見せるなど、ふざけているとしか思えない。
517:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:52:47.77 ID:05yusEqno
落下し始めたマコトは空中で姿勢を変えたかと思えば、後方へと脚を蹴り出した。
すると、大地を蹴ったかの如くマコトの体がキサラギに向かって急加速した。
アミ「!? キ、キサラギ!」
518:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:56:31.10 ID:05yusEqno
マコト「さて、念のため聞いておこう。キサラギのパイロット、アミとマミ。
今ので力の差が分からないほど君たちは愚かではないはずだ。
大人しく希煌石と希照石を渡してはくれないか?
もうこうなった以上、『命だけは助けてやる』なんてわけにはいかないけど、
抵抗をやめるなら安らかに眠らせてあげることを約束しよう。
519:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 21:58:22.99 ID:05yusEqno
マコト「……そうだね。君たちがもう少し賢いことを願っていたけれど……残念だよ」
マミ「希石は渡さないし、私たちはヤヨイっちを止めなきゃいけないんだ!」
アミ「お前のこともハルシュタインのことも、私たちが倒してやる!
520:名無しNIPPER[saga]
2017/02/26(日) 22:01:50.23 ID:05yusEqno
それを見て、マコトは初めて表情に戦意を宿す。
希煌石の輝きを見、迫る拳を見……
マコトがキサラギを “敵”として認識した瞬間であった。
マコト「はああああっ!」
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