50:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:45:10.28 ID:ha7ZcpN9o
どこか遠くから、ガラガラと猛烈な倒壊音が響いてきた。
ツバサは音の方向へちらりと目を向け、「英玲奈ね」と小さく呟く。
ツバサ「今の音、巻き込まれたのはアナタのお友達のどっちかしら」
51:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:46:03.52 ID:ha7ZcpN9o
ことり(この子たち、野生で見かけたコラッタさんよりも気性が荒そう。もしかして、性格も調整されてるのかな…)
短く呼吸を整える。
海未のように落ち着き払い、穂乃果みたいに肝を据えるイメージ。
52:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:46:32.56 ID:ha7ZcpN9o
『ブイ!ブイッ!?』
ツバサ「フフ、まさか自分を盾にして防ぐとはね。生きてる?」
ことり(………っ!死んじゃうぐらい、痛い…痛いよぉ…っ…。けど、イーブイを心配させちゃダメ…!)
53:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:47:03.09 ID:ha7ZcpN9o
ことりの指示に従い、イーブイはその全身から特殊な電波を撒き散らす。
シンクロノイズは自分と同タイプの相手にのみ効果を及ぼす怪電波。
それ以外の相手には無効になるが、条件さえ揃えばその威力は最上級。
そして広い範囲を巻き込む全体攻撃!
54:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:47:36.48 ID:ha7ZcpN9o
ことりの表情に戦慄が走る。
トレーナーを志す人間で、そのポケモンの名を知らない者はいないだろう。
ツバサのボールから現れたのは、青い肌に凶眼、シュモクザメめいた、それでいて竜。
その強さだけを依代に、数々の逸話を打ち立ててきたドラゴンタイプの雄。
最強のポケモンはと聞かれれば伝説級を差し置いて、このポケモンの名を挙げる者も少なくない。
55:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:48:08.19 ID:ha7ZcpN9o
ツバサ「私たちがどうしてこの国に来たかってね、このクスリを売りたいのよ。
ロケット団にギンガ団、マグマ団とアクア団。ヤクザだのヤバめの思想団体だの、この国には過激な組織が育ちやすい土壌がある」
ことり(わからないよ…なにを言ってるのか全然わからない…)
56:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:48:38.95 ID:ha7ZcpN9o
『………』
瀕死だったはずのイーブイが、むくりと起き上がる。
しかしその目には、ことりを慕っていたつぶらな輝きは残されていない。
57:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:49:07.77 ID:ha7ZcpN9o
仲が良かったからこそ、大切な子だったからこそ、今の一撃はことりに決別をはっきりと理解させてしまう。
ことり「そんな…そんなの…、ことりのせいで…ごめんね…ごめんなさい…」
58:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:49:34.85 ID:ha7ZcpN9o
『ポロっ』
ことり「駄目、駄目だよモクローさん…守るから…ことりが絶対に守るから!そのまま…!」
『ポロロッ!』
59:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:50:04.15 ID:ha7ZcpN9o
…
キリキザンの斬撃で完全に崩れた大量の鉄骨。
折れて曲がって突き刺さり、山のように折り重なったその頂上に、小さな呻き声が漏れている。
60:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:50:32.25 ID:ha7ZcpN9o
同じく崩落に巻き込まれたはずなのに、英玲奈はさも当然のように無傷でいる。
殺される。
海未は唇を噛みしめる…が、英玲奈は少し離れた位置で、ただ面白そうに海未を見つめている。
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