過去ログ - 緒方智絵里「一番ではなくても」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:31:17.61 ID:6tbK9NB80
「……ごめんなさい」

「ごめんなさい。……本当に、本当に、ごめんなさい」

「……プロデューサーさん」

「でも、私は……」

「ごめんなさい……プロデューサーさん、誰よりも、大好きです……」


 謝罪の言葉を口に出して……表情を沈めて陰らせて、声の調子ををどんよりと曇らせて、胸の中へ言葉の通り偽りない謝罪の思いをぐるぐると渦巻かせて……だけど身体の位置はそのまま、続けて愛を口にする。

 プロデューサーさんへ。

 ほのかな薄明かりにぼんやりと照らされた身体。熱い紅色がまだ少しだけ引ききらずに差し込む、もう長い時間日を浴びていない真っ白な肌。それを晒して、何も纏わせることなくただ裸のままでそれを晒しながら、同じようにただ裸のありのままを晒してくれている身体へ。間に何もない本当のすぐ傍へいてくれる、私の横のプロデューサーさんへ。

 抱きつく。寄り添う。擦りつく。

 ほんの少し前まで私を愛して求めてくれていた、その身体。

 ほんの少し前まで私を愛して求めさせられていた、その身体。

 泥のような眠りへ落ちたプロデューサーさん。

 泥のような眠りへ堕とされたプロデューサーさん。

 そのプロデューサーさんの身体へと、自分を重ねる。

 ぴったりと、わずかな隙間も空けてしまわないよう近く。

 ぎゅうっと、このまま溶け合って一つになれてしまいそうなくらい強く。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:32:15.54 ID:6tbK9NB80
 重ねて、繋げて、結ぶ。

 すると伝わる。

 潰れるほど押し付けた胸から、鼓動が。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:33:02.41 ID:6tbK9NB80
 後悔や罪悪感。重なりすぎて、積み上げすぎて、もういっそ朽ちて掠れてしまったそんな思いを引き摺りながら、でも止まらない。

 もっともっともっと。溢れて止まらないプロデューサーさんへの想いに流されて、ただずっとまっすぐ、求めてしまう。

 自分をプロデューサーさんへ。溶かして、染み込ませて、その中へと入り込ませるように押し付く。どうしようもなく望んで……どうにもならないくらい、プロデューサーさんを願ってしまう。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:33:35.52 ID:6tbK9NB80
 愛でる。

 言葉を紡ぎながら……

 もう顔も思い出せない、声も忘れて容姿もおぼろげな、たくさんの人。
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:34:29.29 ID:6tbK9NB80
 目の前のプロデューサーさんへ愛を注ぐ。無防備なプロデューサーさんへ愛を伝えて、愛おしいプロデューサーさんを私のこの身体で、心で、何もかも全部を懸けて愛する。

 プロデューサーさんを愛でる。

 絡めた腕や足をゆっくり、ねっとり、舐めるように擦らせながら味わうように這わせて、
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:35:16.30 ID:6tbK9NB80
 言う。

 プロデューサーさんへ向けて紡ぎ、告げて、送る。

 身体も、心も、私の全部はプロデューサーさんのものなんだ、と。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:35:48.41 ID:6tbK9NB80
 願った通り。

 祈った通り。

 望んだ通り。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:36:59.37 ID:6tbK9NB80
 昔、私は目指していた。

 レッスンを積んでライブを繰り返して、アイドルとしての輝きを高めていた。

 摂生に努めて研鑚を重ねて、女としての魅力を磨いていた。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:37:39.66 ID:6tbK9NB80
 そして、私は手に入れた。

 友達を捨てた。仲間を捨てた。家族を捨てた。

 能力を捨てた。世界を捨てた。自分を捨てた。
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:38:20.72 ID:6tbK9NB80
「だから、ごめんなさい」

「こんな駄目な私でごめんなさい」

「こんな私がプロデューサーさんを愛してしまって、ごめんなさい……」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:38:58.57 ID:6tbK9NB80
 引きかけていた紅色にまた塗られながら。沸き上がってくる熱さに全身を焼きながら、私の中へ満ちる想いを溢れさせて。

 涎に塗れた舌をぐるりと這わせて舐めて、もう濡れていた唇をもっと……ぐちゅぐちゅ、と粘っこい音を帯びるまで濡らして。そうしながらじゅるじゅる水音を立てて口の中も溢れさせる。いっぱいに溜めたその熱い液を、中で何度か泡立て弾ませて。

 そうしてから、もう近い距離を詰め、そっと少しずつ近づいて……。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/28(火) 13:39:53.67 ID:6tbK9NB80
以上になります。
お目汚し失礼しました。


13:名無しNIPPER[sage]
2017/03/29(水) 00:25:14.22 ID:r9A0HZiLo
そそられる出来だなあ、毎度。


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