過去ログ - これから日記を書く 七冊目
1- 20
680: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/20(火) 15:10:45.94 ID:WwhLp3bQ0
だが、強大さには決定的な違いがあった。それは、どこどこまで言っても、キングの能力そのものは個であり続けたということだ。己の思考の下、ゾンビや変異体を操る。美しき世界を守るための手駒、当人はそう考えていないかもしれないが、それは誰がどう考えてもそういう結論に至れる。

一方、放浪者はその力を支配には使っていない。あくまで、自分を信じてくれる拠点のメンバーや仲間の為に振るわれる守護の為のものだ。どんな時でも、彼は見捨てず最高(さいぜん)を尽くした。それを知っているメンバー達は、それに惹かれて募っている者が大半だ。

数は確かに、キングの方が圧倒的だ。人間の方が少ない今、多数のゾンビを従えられる。数の暴力に、太刀打ちできる人間は限られる。しかし、観点を変えれば、それらは全てキングであり、単一。放浪者側はそれぞれが考え、動ける集団。今は、そちらの数の暴力が勝った。
以下略



681: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/20(火) 15:40:59.43 ID:WwhLp3bQ0
実のところ、キングもこの決戦において、その技術を磨いていた。大型駅内で放浪者と対峙した亜種も、その訓練相手としていたのだ。だが、結果は無残な敗北。具体的なダメージも負わせられないどころか、脅威を改めて理解させられた。

はっきり言うなら、キングの技術は処理された亜種達と何ら変わらない。今何とか、放浪者に付いてきているのは、全身全霊で能力を使い放浪者に集中し、激情という感情を糧に喰らいついているからだ。

だが、感情というものにも限界がある。すべからく、維持し続けられるものではない。喜び、悲しみ、怒り、楽しみ。それらを四六時中、維持し続けられる存在はいない。それは生き物として、変化し続けなければならない以上、避けられないことだ。
以下略



682: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/20(火) 15:59:51.37 ID:WwhLp3bQ0
それは間違いなく、この決戦と、この長い戦い自体に終止符を打つ一撃だった。誰がどう考えても長く苦しい戦いに勝利した、そう言っても過言ではないにも関わらず、放浪者に微塵の油断もない。あくまで、上半身と下半身を斬り分けたに過ぎない、まだ、脅威である頭部の破壊は終わっていない。そう考えてだ。

『…。くく、はははははは!』

放浪者の頭の中で、意図がわからない笑い声が木霊する。諦めではなく、どちらかというと狂気に満ちたものだった。
以下略



683: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2018/02/20(火) 16:02:45.22 ID:WwhLp3bQ0
>>677
さてどうなることやらねぇ・・・。

>>678
まぁ、いつも通りです。いつまでも、どこまでも。


684:名無しNIPPER[sage]
2018/02/20(火) 16:48:04.69 ID:s7UI8/mW0
ラストダンジョンは崩壊する……普通だな!(錯乱)
乙!


685:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/20(火) 23:36:00.84 ID:6iM4yFDj0
死なば諸共の捨て身の策だが、放浪者はそれすら想定していなかった訳ではない


686:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/21(水) 07:02:54.73 ID:A857vyLF0

バケモノって言うには、その意思力も行動も、人間と同じ過ぎる


687:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/21(水) 10:16:46.92 ID:eluu0Cot0
新環境適応人間(放浪者)VS上位支配変異人間(キング)


688: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/22(木) 02:02:28.75 ID:EKIG7vKR0
『―――――――!』

爆発音とそのすぐ後に、声とは認識できたものの、高音すぎるそれは何であったかさえも聞き取れない。何より、予期せず襲った直接脳に叩きつけられたそれのせいで、バリケード外周も含めて、全員が頭を押さえた。

「くぅ、なんなんだぞ!?」
以下略



689: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/22(木) 02:22:45.78 ID:EKIG7vKR0
『こちら山中、急ぎそちらに向かいます。まだ、ゾンビの群れが規則正しく動く兆候はありませんが、もし、パラノイアを処理出来ていればそちらに集まります。警戒は怠らないように』

「こちら佐原、了解っス。オーガみたいな化け物に、そっちも気をつけテくださいっす」

無線からの連絡は途絶えた。流石に爆発までの規模が起きたのと、明らかにゾンビの群れの指揮系統が乱れたことで、山中は連絡をしたようだが、佐原としてはこのやり取りは大丈夫なのか。少しだけ心配だった。彼からすると、まだパラノイア討伐の報は放浪者からされていないのだ。
以下略



690: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2018/02/22(木) 02:42:00.20 ID:EKIG7vKR0
取り除いた瓦礫の下に、サンダーボルトは埃がまみれただけで無事な状態で見つかった。放浪者の所有物なら、ある意味では不思議ではないことかもしれない。

「さてと、後は肝心ナ兄貴っすね」

幸いホテルの爆発は最上階部分を吹き飛ばした程度だった。恐らくだが、2階分ぐらいは壊れているように見える。あそこで爆発が起きたとするなら、逃げ場はない。佐原であってもあの高度から飛び降りれば、命はないだろう。
以下略



1002Res/657.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice