過去ログ - 小日向美穂「瞳を閉じないで、歩みを止めないで」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:39:55.31 ID:XPJyqG6Wo
歩みさえ止めなければ夢に近づける。そう信じてレッスンを繰り返す中、私にとって一つの転機が訪れました。
その日はレッスンが休みでしたがトレーナーさんにお願いして自主レッスンをしていました。ワンツースリーとステップを踏んで、鏡に映る自分の姿はジャージだけど気持ちだけは大観衆の前で歌い踊るアイドル。その時はアイドル気分を味わうだけでよかったのに。
「小日向美穂さん、ですよね。実は――」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:40:36.61 ID:XPJyqG6Wo
「で、でも……いきなりで、夢かと思って」
「……夢、といえば夢なのかもしれないね。アイドルになりたいって夢にまた一つ近づけたわけだし。そして俺は君の夢を叶える手伝いがしたいんだ。急に現れて信じてくれ、とは言っても信じられないかもしれないけど……」
私はプロデューサーの瞳をじっと見てみました。いつかお母さんが私にそうしたように、いやらしい言い方をすると値踏みするみたいに。
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:41:04.45 ID:XPJyqG6Wo
正式にアイドルとしての活動を初めてすぐにCDを出してお茶の間に流れる、なんてことはありませんでした。養成所でレッスンを積んできたとは言っても、小日向美穂というアイドルはまだまだ無名でまずは方々に名前を売ることから始まりました。
レッスンの合間にプロデューサーさんが運転する車に乗ってあちこちに挨拶に行って。
「こ、小日向美穂ですっ!」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:41:39.66 ID:XPJyqG6Wo
時にはこんな辛いこともあったっけ。あまりにそっけない態度をとられて困惑する私の隣でプルプルと震えているプロデューサーさんの姿が印象的でした。
「ごめんな、美穂。あの時ガツン! と言いたいこと言えたら良かったんだけど……情けないなぁ」
階段を降りる彼の足音は力任せなほどに大きく響いていて、やりきれなさが私にも伝わってきます。
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:42:28.24 ID:XPJyqG6Wo
「もしもし、卯月ちゃん? どうしたの?」
事務所に所属するアイドルとの交流も増えて行きました。大きな事務所はまるで童話に出てくるお城のようで、個性豊かなアイドルの仲間たちが輝くステージを目指して活動しています。
そんな中で一番仲が良いアイドルは? と聞かれると卯月ちゃんの名前を挙げると思います。彼女は私と同い年で養成所出身という共通点があって笑顔の可愛い女の子です。
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:42:56.70 ID:XPJyqG6Wo
「うぅ……」
「お疲れ様、美穂。可愛かったよ。先方も今日のステージを気に入ったみたいで、また来て欲しいって言ってもらえた。やったな」
プロデューサーさんとの地道な営業活動の結果、アイドルとしてのデビューイベントが決まりました。ショッピングモールの屋上でのトークイベント――緊張しいな私にとってはまさに試練と言っても差し支えなかったでしょう。
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:51:40.99 ID:XPJyqG6Wo
レッスンをしたり小さなステージに立ったり。そんな毎日を過ごしていましたが、ある日プロデューサーさんに事務所に呼ばれました。事務所に行くことは珍しいことではないんですけど、プロデューサーさんから来て欲しいって言われたのはあんまりなかったので何があったんだろうと思いながら階段を上りました。
「おはようございます、プロデューサーさん!」
「おはよう、美穂。悪いね、急に呼び出して。今日はビッグニュースがあるんだ」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:52:10.98 ID:XPJyqG6Wo
「わ、私が……CDデビュー……」
いつかは、と思っていましたがこんなに早く来るなんて想像していませんでした。驚く私をよそにプロデューサーさんは続けます。
「ある作曲家さんの目にとまったみたいでな。自分が作った曲をこの子に歌ってほしいってリクエストがあったんだ」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:54:25.67 ID:XPJyqG6Wo
「はぁ、はぁ……」
「小日向さん、今日はそこまでにしておいたほうが」
「まだ、頑張れます……」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:54:53.23 ID:XPJyqG6Wo
本番当日。
「熊本の女は強いんです……誰がなんと言おうと強いんです……」
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◆XUWJiU1Fxs
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2017/04/27(木) 22:55:41.57 ID:XPJyqG6Wo
「怖いかい?」
プロデューサーは子供をあやすような優しい声色で話しかけます。
「怖い、に決まっています。テレビに映るなんて初めてですし、多くの人が私を見るんですし……ど、堂々とした姿を見せなきゃ! って思っても、まだ、心がついてこなくて」
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