【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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175:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:10:05.66 ID:Eb2omwdb0
微笑んだ坂月が、続けて何かを言いかけ……そして彼は弾かれたように顔を上げた。

「予想よりかなり早いな……やはり、あの子の改造は失敗だったのか……」
「え……?」
「猫ちゃん、この子が目覚めるまで頼むよ。俺はどうやら、ここまでみたいだ」
以下略 AAS



176:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:10:48.28 ID:Eb2omwdb0
汀(なぎさ)は頭を抑えて悲鳴を上げた。
割れた空の向こうは、銀色のどろどろしたものが流動している空間だった。
そこをかき分けるようにして、小さな病院服の女の子が落ちてくる。
彼女は持っていたチェーンソーを砂浜に叩きつけた。
轟音と砂煙が上がり、彼女がゴロゴロとすり鉢状にえぐれた地面を転がる。
以下略 AAS



177:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:11:21.83 ID:Eb2omwdb0
暗い笑みを発した坂月を、歯ぎしりして睨みつけ……しかしソフィーは、続けて砂浜に落下してきたもう一つの影を見て、慌ててショットガンを何発も発射した。
もうもうと砂煙が上がり、銃声と飛び散る薬莢に、汀が固まって体を丸める。

「私の体に、スカイフィッシュの腕を移植して……こんなことに……!」

以下略 AAS



178:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:12:04.27 ID:Eb2omwdb0
「手伝いなさい、坂月健吾。アレをどうにかしないと、ここで私達は全員殺されるわ」
「勿論、できるだけ足掻かせてはもらうつもりだよ」

車椅子をソフィーの脇に移動させた坂月は、自嘲気味に小さく笑った。

以下略 AAS



179:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:12:42.94 ID:Eb2omwdb0
唖然として動けないでいる汀(なぎさ)の目に、細切れの肉の塊になったアンリエッタと、砂浜に幾百も突き刺さる日本刀という悪夢のような光景が飛び込んでくる。
吐き気を抑えきれず、その場に胃液をぶちまける。
しかしその光景を見ていたソフィーと坂月は表情を険しくて汀(なぎさ)を守るように少し後退した。
細切れの肉塊になったアンリエッタの、「それぞれ」が蟲のように蠢いた。
それぞれから百足のように節足動物の足が生え、カサカサと動き回り始める。
以下略 AAS



180:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:13:23.89 ID:Eb2omwdb0
「冷静に解説している暇があって?」

ソフィーに睨まれ、坂月は黒い百足が砂浜に軍隊のように整列し、ムクムクと膨れ上がり始めたのを見て、ギプスの指先で鼻の頭を掻いた。

「確かに、その暇はなさそうだ」
以下略 AAS



181:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:13:54.30 ID:Eb2omwdb0
「あなたの分裂スカイフィッシュを呼ぶことは出来ないの?」
「この夢は俺の隔離された夢の中だ。『俺の悪夢の元』は入ることが出来ない。それに……」

坂月は軽く笑った。

以下略 AAS



182:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:14:27.85 ID:Eb2omwdb0
落ちそうになった彼女を、舵を取るもう片方の手で押しとどめ、ソフィーはヨットを、暗い海へと驀進させた。

「あ……」

手を伸ばした汀(なぎさ)の目に、車椅子に乗った坂月が、無数の手斧に叩き潰され、そして黒い影に飲み込まれるのがうつった。
以下略 AAS



183:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:15:01.02 ID:Eb2omwdb0
ガクン、とヨットが止まり、エンジンが空ぶかしされる音が響く。
ソフィーがまた舌打ちをし、舵から手を離して左腕を振った。
ヨットの上におびただしい数の手榴弾が、どこからか現れ、ゴロゴロと転がる。
白い子猫が、口を開いて

以下略 AAS



184:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:15:33.85 ID:Eb2omwdb0
髑髏だった。
カタカタと顎骨を鳴らした、おぞましい頭蓋骨が、眼窟の奥を鈍く光らせながらこちらにゆっくり進んで来る。
天を衝くほどの、巨大な頭蓋骨だった。
あまりの光景に腰を抜かして唖然とする。
どうすればいいのか、という次元を越えていた。
以下略 AAS



185:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:16:02.53 ID:Eb2omwdb0
その手から赤いビー玉が離れ、ゆっくりと光を発しながら浮かび上がっていく。
そこに手を伸ばし、彼女はハッとした。
足を誰かに掴まれている。
慌てて下を見ると、白い骨に腐りかけの肉をまとった、腐乱死体のようなものが……海の底におびただしい数漂っているのが見えた。
その中の一体が手を伸ばし、ガッチリと汀(なぎさ)の足を掴んでいたのだ。
以下略 AAS



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