【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
1- 20
94:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:47:13.71 ID:+j5AeXst0


静まり返った会議室で、圭介はアイパッドをデスクに置いてそこを見つめていた。
「Albert Godark」と書いてあるアイコンが点滅し、重苦しい声が流れ出す。

以下略 AAS



95:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:47:59.66 ID:+j5AeXst0
「失敗? 世界医師連盟の重鎮である、あなたらしくもない断言ですね」
『どういうことだ?』
「ことは予定の範囲内です。私の計算通りならば、テロリストの保有するスカイフィッシュは、今回の無茶なジャックで行動不能になっているはずです。しばらくは動けないかと思われます」
『……君は……』

以下略 AAS



96:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:50:34.94 ID:+j5AeXst0
「予定通り、大河内医師達を沖縄の那覇空港に着陸させてください」
『待て。今テロリストのスカイフィッシュが動けなくなっているのならば、叩くのは今ではないのか? 奴らの航空機の座標をロストする前に……』
「流石にあなたといえど、三機も自衛隊の戦闘機をお釈迦にしておいて、今後何もないとは思えませんが……やめておいた方がよろしいかと」

淡々と言い放った圭介に、アルバートは声を張り上げた。
以下略 AAS



97:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:51:17.57 ID:+j5AeXst0
「まぁそうカッカせず。いい関係を築いていきましょう。私は、『まだ』あなたの敵ではありませんから」

プツッ、と一方的に通話を切り、圭介は背もたれに体を預けた。
そして、ぬるくなったコーヒー缶の中身を喉に流し込んで立ち上がる。
部屋の対角側には、ジュリアが重苦しい顔をして座っていた。
以下略 AAS



98:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:51:51.33 ID:+j5AeXst0
そして俯いた彼女に覆いかぶさるようにその顔を覗き込み、無表情の目を向けた。

「理緒ちゃんを殺しておいて、よくそんなこと言えるな」
「あれは……!」

以下略 AAS



99:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:52:39.64 ID:+j5AeXst0
「何を言いたいの……? 私を責めているんですか!」
「いや……全然そんなことは。ただおかしくてね」
「……おかしい?」
「一人殺せば、十人殺しても百人殺しても同じさ。結局は人殺しなんだ。医者なんて。一万の命を救ったとしても、一人殺したら、そのカルマを永遠に背負わなければいけない。消えることがないカルマだ」
「…………」
以下略 AAS



100:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:53:17.56 ID:+j5AeXst0
「施術は十四時からだ。遅れないで来てくれ」

圭介の姿が廊下の向こうに消える。
ジュリアはしばらく、形容し難い痛みに襲われているかのようにうずくまっていたが、やがてポケットから携帯電話を取り出し、番号を押した。
そして耳に当て、数コール後に応答した相手に、英語で何かを言う。
以下略 AAS



101:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:53:51.83 ID:+j5AeXst0


「着いた……のか……?」

ざわつくファーストクラスのエリア内で、大河内は汗を拭って口を開いた。
以下略 AAS



102:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:54:24.84 ID:+j5AeXst0
そこには、酸素吸入器を口に取り付けられ、空港の職員達により真っ先に運び出されていくマティアスの姿があった。
おそらく、もう事切れている。
殺したのだ。
あのスカイフィッシュの少年少女達が、あっさりと。
汀(みぎわ)の施術をしたマティアスが死亡してしまった今、彼女の精神真皮がどこにいったのかを知る術はない。
以下略 AAS



103:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/22(月) 18:55:09.68 ID:+j5AeXst0
死。
汀(みぎわ)は既に死んでいた。
その残酷過ぎる、しかしあっさりとした事実を大河内はまだ理解ができていなかった。
じゃあ、目の前にいるこの子は何だ。
汀(みぎわ)の顔をし、声をし、同じように笑い、同じように怒る。
以下略 AAS



281Res/203.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice