【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:46:49.42 ID:u1xI7N2CO
 一方で二人が一線を越えた日のことは二人ともはっきりと覚えている。それはある土曜の白昼のことであった。

 その日、というよりもその前日から千足は機嫌が悪かった。もちろん千足はそんなことなどおくびにも出さないように振る舞っていたが見る人が見ればどこかしらぎこちないところが見てとれた。しかしその理由までわかる人はいなかったであろう。普段から話を聞いていた兎角を除いては。

 土曜日の朝は雨であったがそれが千足の機嫌をさらに悪くさせた。こんな天気ではランニングもできない。千足は悶々としたものを抱えたままだった。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:48:19.09 ID:u1xI7N2CO
 二人は一時間ほど走ったのち汗を流すために寮の共用のシャワールームに入った。
 シャワールームは一人用のシャワー室が八個あり、個々の個室の扉は上下に隙間はあるものの基本中の様子は見えないようになっていた。また兎角らが入ってきた時ここは無人であった。

 千足は何気無しに一番奥の部屋に入り扉を閉めようとした。しかしその扉を兎角が掴み中に押し入ってきた。
 当然慌てる千足。服は既に脱いであり体を隠すのは小さなタオル一枚しかなく、そしてそれは兎角も同じであった。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:49:33.38 ID:u1xI7N2CO
 脳の奥がしびれるような快感。全身の力が抜けるような快感。そして自分が密かに求めていた快感。
 千足は情けなくもその一撫でで一回目の絶頂を迎えた。
 そして兎角の指は今も優しく愛撫を続けている。
 頭が真っ白になり、幸福感に包まれる。
 しかし一方で微かに残っている理性がこの状況の異常さに警告をする。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:50:55.08 ID:u1xI7N2CO
「上映時間までまだ少しありますね。どうしましょうか、一ノ瀬さん」

「そうだねー……町まで出るの久しぶりだから色々見て回ろっか」

 今の自分達は回りの人達からどのように見られているのだろうか。兎角は楽しそうにはしゃぐ晴と柩をぼんやりと見ながらそう考えていた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:52:46.26 ID:u1xI7N2CO
 四人は上映時間が来るまでアパレルショップ巡りをすることとなった。
 ただし目的は服を買うことではなく、晴と柩が兎角と千足に色々な服を着せて楽しむためであった。

 兎角にしても千足にしてもあまり服に頓着しない性格なため普段のデートでは薦められた服を一着二着試着する程度で、後はそれぞれの相方のファッションショーの観客役になっていた。
 しかし口には出していなかったが不満だったのだろう、晴も柩も好機とばかりに兎角と千足を着せ替え人形にして楽しんだ。
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:54:57.68 ID:u1xI7N2CO
 映画館自体には十分程度で着いた。
 大きく横に長いショーウィンドウには上映中の映画のポスターが並んでいる。
 今人気なのはCMもバンバン流れているハリウッドのアクションものと少女マンガを原作とした青春恋愛ものだ。
 しかし四人が選んだのは公開から既に大分日の経った、あまりぱっとしない国内のアクションものの映画であった。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:57:30.43 ID:u1xI7N2CO
 二回目は『あの日』から四日後の朝で場所は同じくシャワー室であった。
 ただし二回目は千足が兎角の個室に押し入る形であった。

 その日明らかに兎角は不満げであった。
 兎角の機嫌が悪いのは珍しいことではないがその理由まで明らかなことはあまりない。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:01:13.10 ID:u1xI7N2CO
 その日から兎角と千足の秘密の逢瀬が始まった。

 場所は朝のシャワー室。条件はどちらかが欲求不満で且つ他に人がいないときのみ。
 初めの数回こそ互いに遠慮して週に一回もない逢瀬であったが、回数を重ねる内に慣れてきて週に三回四回を越えることも珍しくなくなった。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:02:34.51 ID:u1xI7N2CO
 初めての日から二ヶ月ほど経った頃、兎角と千足の二人は互いの異変に気付いていた。
 ほとんど毎日のように処理をしているにも関わらず、高まる性欲が一向に静まってくれないということに。

 皮肉な話であるが行為を重ねることで二人の未成熟だった性感が開発され一回十分程度の処理では、もしくは晴や柩との穏やかなセックスでは満足できない体になってしまったのだ。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:03:37.81 ID:u1xI7N2CO
 あえて二人の言い分を尊重するなら、それは決して愛情からの行動ではなく、友情の延長線上の行為であった。

 互いに性生活に悩みを抱えており、しかしだからといってそれを理由に今の恋人と別れるつもりも傷つけるつもりもない。
 そんな行き場のない悩みを友人として解決してやり、そしてそのお返しとしてこちらの悩みも解決してもらっているのだ。
 だから二人はキスはしない。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:05:52.79 ID:u1xI7N2CO
 運命の日は10号室を使うようになってから一月ほどした頃に訪れた。

 その日も兎角と千足の二人は互いに快楽をむさぼりあっていた。
 開始から既に二十分ほど経過しており体は流れる汗で満遍なく濡れていた。小さなもしくは中ほどの絶頂回数は二人合わせて十は越えていたが大きな絶頂は今日はまだなかった。

以下略 AAS



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