1: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/11/16(金) 02:54:56.47 ID:p3JDxvnj0
渋谷凛は悩んでいた。
そして、眼前の喧騒を見るでもなく眺め、何度目かのため息を吐いて、どうしよう、とこぼすのだった。
2: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/11/16(金) 02:59:59.47 ID:p3JDxvnj0
時は三十分ほど前に遡る。
フリートークを交えながら、数曲を披露し、最後に「ありがとうございました」と頭を下げて、凛はステージを降りた。
疎らな拍手を背で聞きながら、全身に浮かぶ汗も気に留めず、やりきった、という感慨にふけっていた。
3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/11/16(金) 03:05:38.77 ID:p3JDxvnj0
凛は車の鍵を操作して、ドアのロックを解除する。
そのまま滑り込むようにして後部座席へ乗り込んだ。外の様子をちらりと見やり、男がこちらを向いていないことを確認する。
よもや覗くなどはしまいが、気になるものは気になってしまう。
4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/11/16(金) 03:08:21.50 ID:p3JDxvnj0
「おまたせしました」
凛が男の後ろ姿に声を投げると、男はゆっくり振り返る。
5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/11/16(金) 03:10:06.97 ID:p3JDxvnj0
というものが、現在までの経緯であった。
6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/11/16(金) 03:11:47.34 ID:p3JDxvnj0
しばらくして、凛のもとへ祭りの喧騒には不似合なスーツ姿の男が小走りでやってきた。彼女の担当プロデューサーだ。
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