480: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:18:13.93 ID:ps5/gbfR0
〜
最後まで生き残る者は抵抗力の強い人間であるから、彼らに対しては『相応の対応』が必要になる。
ラインハルト ハイドリヒ
481: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:19:17.71 ID:ps5/gbfR0
宿舎から10分走った所、有刺鉄線で囲われた禍々しい所でバスは止まり、歩哨のいる門の前で降ろされました。そこは肉が腐った、思わず眩むような臭いが立ち込めていて、咳き込みながら持っていたハンカチで口を塞ぎました。それでも臭いは抑えきれません
すると門から男が出てきました。その男こそ今回の戦車道大会の実行委員長の北野です。教官とかと似た服を着ていますから、普通に見ればただのおじさんです。周りの臭いとハエと異様な雰囲気さえなければ
482: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:20:55.02 ID:ps5/gbfR0
歩いているとある人から水溜りに踏み入れるような音がしました。その人が足を確認すると靴から赤い液体が垂れていました。その足元の赤い流れの源は死体が積み重ねられた所の血の池でした
「ああ、埋めるのが間に合いませんでな、置き場所が無いんですわ。試合があるといっつもこうです。ま、この先もちょくちょくあるんで、滑らんように気いつけてください。特に内臓は滑りますからな」
483: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:21:29.91 ID:ps5/gbfR0
すると私達の前を縦縞の作業服を着た女子がすぐそばを死体を大量に載せたリアカーを引いて通り過ぎていきます。その顔をつい最近見たことがありました
「お姉ちゃん、あの娘……私達に投降したプラウダの戦車兵です」
484: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:22:02.18 ID:ps5/gbfR0
日が傾いてきた頃、作業服を脱がされたさっきの女子が穴の中に他の数人の者とともに立たされ、間も無く数発の銃声がそちらに向けられます
「こうして朝会場近くの仮置き場から移送され1日働かせた者は夕方に処理し、翌日朝にまた作業員を選びます。これを期間中に数度繰り返して、全員処分します。その間飯らしき飯は用意してません。ま、最後に処分する奴は大概爪や唇がひでぇことになってますな。場合によっちゃ歯型があることすら……」
485: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:24:04.59 ID:ps5/gbfR0
次の日、12月8日の朝
遠軽町 大洗女子学園陣地 捕虜収容所
486: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:24:34.24 ID:ps5/gbfR0
「何か……釈然とせんな」
広がる無人の捕虜収容所を見渡す。先ほどまでの喧騒はすでになく、仕事と呼べるものはここを明け渡した上で、学園にある資産を元手に帰宅資金を用意し、彼らに渡すのみだ
487: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:26:15.89 ID:ps5/gbfR0
12月8日の昼に出た列車は、丸2日かけて旧熊本県嘉島町にある黒森峰女学園に向かう。決勝戦会場は黒森峰女学園の南東の森林地帯と高台である。黒森峰が相手を呼んで試合を行うときは決まってここだった。地形や風の通りなど、状況は今でも詳細に思い起こせる
本州を日本海側と瀬戸内沿岸を通って縦断し、関門トンネルを越えて熊本から豊肥本線に直通し、水前寺から黒森峰支線に入る。健軍本町、秋津を通過し、到着するのは黒森峰駅貨物ターミナル。やはり戦車の積み下ろしがある為、旅客ホームに入れないのだ
488: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:27:18.79 ID:ps5/gbfR0
その日の夜、泊まった建物は欧米調の立派なものだったが、部屋は全員同じ和室の大部屋である。17人が布団を並べる。因みに隣とさらに隣の大部屋2つも空き部屋だが、使いようがない。この部屋1つでも空きスペースがかなりあるし、わざわざ離れ離れになる理由もない
夕飯はそこそこまともな代物が出た。一応プラウダ潰しに協力した縁もあるのだろう。腹にも溜まったし、何よりそこそこ美味かった。珍しい
489: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:28:03.90 ID:ps5/gbfR0
近い。近い。本当に近い。同じ布団に入った2人が顔を見合わせているのだから当然といえば当然だ
「フフ」
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