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俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.11 -
SS速報VIP 過去ログ倉庫
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/14(火) 12:16:07.06 ID:uUL2WMz0o
■前スレ
俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.10
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304480500/
■関連SSスレ
○京介「桐乃…お前に人生相談があるだが…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297644807/
○【俺の妹】高坂京介は落ち着かない
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1296372251/
○グラハム「私の妹がこんなに可愛いわけがないっ!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297087278/
○【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300627984/
○黒猫「まったく、とんだクソゲーだわ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301808614/
○京介「モデル……?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1302140065/
○あやせ「おにーちゃん♪」京介「えっ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306013748/
○京介「妹たちに安価で悪戯する」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307162334/
■まとめwiki
http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/
・鬱、エロ、NTR、オリキャラ、クロス作品の場合は、投下前に断り書きをしましょう
・完結させてからの投下が望ましいです。3回以上中断する場合は別スレを検討しましょう
・やむを得ず中断させた場合は、再開時に前回のものをアンカーで知らせてください
・前の作者の投稿から3時間程度の間隔をあけるのが望ましいです。無理な場合は一言断りましょう
・被り、苦情防止のために事前に投下時刻とカップリングを宣言しておくのもオススメ
・SS作家さんには惜しみない賞賛を
・
>>980
を踏んだ人が次スレを立てましょう
感想や雑談などご自由に
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
旅にでんちう @ 2024/11/10(日) 19:37:13.76 ID:p+/3UobyO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1731235033/
(安価&コンマ)オーブの鬼眼鏡が(ガンダムSEEDシリーズ)PART7 @ 2024/11/09(土) 23:24:17.68 ID:HQuRLE1lO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1731162257/
【殆どコンマ】グイード・ミスタが人理を修復するようです。その2【時々安価】 @ 2024/11/09(土) 22:41:51.35 ID:HbZ2lkk10
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1731159711/
ミジンコ @ 2024/11/09(土) 10:02:08.86 ID:cxzxG3vUo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731114127/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/08(金) 07:20:40.26 ID:1fixyvE/o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731018039/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/08(金) 07:20:07.54 ID:mNUrday/o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731018006/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/08(金) 07:19:28.52 ID:8UZcLFp5o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731017967/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/08(金) 07:18:56.90 ID:ymCA8r3jo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1731017936/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/14(火) 12:45:01.21 ID:4qFZIz970
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
〃 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ
/ : : : : : : : : : : : : l: : i、 : : : : : : : : : ハ
. ′ : : : : : : : : : : ハ|: : | \: : : ヽ: : : : :.
. ′: : : : :/: : : : : / |: : l _\--:l: : l: : !
|: : :|: : :/ : : : / |: / '´ \:ハ: :l: : l
|: : :l: : ,|‐:':/ ̄` l/ ヽ|: :|_: |
|:| : ヘ: :|/,ィ=ミ / z==-r': lハ!
lハ: : :ヘ:|_〃r':: :ハ ′ | : lノ/!
|.∧ : : |、ヽ マ::リ ///:/:K | 1乙っす
|、:: ::ヘ /// 丶 /;イ: l: : |
|:ヘ :\\ _ -=┐/ ,|: :|: : |
(\(\: ハ、 ∨ ノ /|: ;': : :!
∧r(\ \: > 、 `ー / |/:/: : : |
//|:ゝ、r、\\ヘ: }` ー ' |:/: : : : :!
///: :\、 \\\ヽ K- 、: : :|
. ///: :_ -:ハヽ ヽ ∨ / \!
.. //r ´ { { ヘ ヘ ∨ / \
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/14(火) 15:20:30.85 ID:523pbr/DO
>>1
乙
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/14(火) 16:53:15.48 ID:k97QgJuI0
>>1
乙
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/06/14(火) 19:22:01.30 ID:X9EUBzVzo
>>1
乙ぱい
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/14(火) 21:44:15.48 ID:biuL9xc30
>>1
乙です
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/14(火) 22:20:17.99 ID:QSGChloIO
いちをつ
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/14(火) 22:22:56.08 ID:FkQo5VtUo
乙だぜー
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/15(水) 01:29:44.21 ID:ENqvgoRTo
:: /::::::::::/ `゙==彡 /:::::::::,.イ{_ ‘,:::::
:/::::: / /::::::/ ー===―- _ ',:::::
::::::: ′ -―==ミ、 ヽ} /:::/ `ヽ |::::
:::::,' / ´ // {> \ |::::
: / /, 〃ハ ,ィ==ミ、 |::::
〈 ー彡 、‘ノ `\ |::::
>>1
乙してくれって言ってくれたじゃないですか
:‘, 丶 / 〃ハ ':, |:::: 全部嘘だったんですか?
:: ‘, ー――‐ ..::, l 、‘ノ :, ./::::
∧::'. 、::. i /:::::::
i \:、 .:/ \ 人, /:::::::::
| \ {j ー― ' ///:::
| /"´ /:::::
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/15(水) 20:47:01.72 ID:C5U0nqFY0
>>1
桐乃の乙パイ
おや?だれか来たようだ…?
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/15(水) 23:10:20.82 ID:E1BiIJRH0
>>10
通報しておきました
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 00:03:44.06 ID:jCP8BaCSO
1発目に京介×浩平が読みたいです
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 00:57:55.58 ID:rHQoT3po0
>>12
瀬菜ちゃんは帰れww
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 01:04:39.12 ID:YuTQhZGDO
>>12
瀬奈ちゃんは可愛いよ〜瀬奈ちゃんは悪くないよ〜
だから瀬奈ちゃんハウス
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 12:25:02.72 ID:jH9BstuSO
>>1
見る限り断り入れればこっちにエロ入れてもいいんだよね?
最近向こうが不穏だからできればこっちに書きたいんだが
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 12:34:34.36 ID:IKS7kstio
大歓迎
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2011/06/16(木) 12:35:40.01 ID:RhgT266AO
>>15
ゲー研の男子部員達の濃厚な絡み合いが見たいです!
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東日本)
[sage]:2011/06/16(木) 14:31:47.88 ID:12xF0py/0
>>17
瀬ハ
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagasage]:2011/06/16(木) 17:49:09.22 ID:Yh4BJeEl0
あやせが妹のやつ書いてたら、
あやせx京介じゃなくて、京介x桐乃になったorz
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/06/16(木) 17:53:30.33 ID:+5QOrtZko
血縁というタブーがなくなっちゃったから、恋愛としてはそうなっちゃうのは正道だと思う
ドタバタコメディーならあやせルート(曖昧END)もありだと思うけど
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagasage]:2011/06/16(木) 17:58:29.26 ID:Yh4BJeEl0
くそ短いし、駄文だけど。
投下して良いのかな。
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/16(木) 18:00:34.29 ID:bNZaj4GAO
>>21
何か問題があるのか?
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/16(木) 18:01:02.60 ID:SKBhNumR0
>>21
断る理由などない
むしろ早く!
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 18:01:37.57 ID:rHQoT3po0
閉まって置くくらいなら投下しろ!いや、してくださいお願いします。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします。
[sage]:2011/06/16(木) 18:02:16.35 ID:3ASTIT4so
誘い受けなところが問題だな
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagasage]:2011/06/16(木) 18:02:35.43 ID:Yh4BJeEl0
もう少し待ってて。
今日中には投下するよ。
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagasage]:2011/06/16(木) 19:11:06.56 ID:Yh4BJeEl0
連投ごめん。
>>22-24
投下した。で、完結した。
駄文披露(笑
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 20:35:24.72 ID:rHQoT3po0
まさか桐乃が新垣家の娘であやせが京介の実妹の話か?
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/06/16(木) 21:13:55.47 ID:zxDypYQ0o
どこに投下したんだ?
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/16(木) 21:24:51.86 ID:SKBhNumR0
>>27
乙!って
コッチで言っていいのかな?コッチでのアンカなんでコッチでかえすよ
スレたてから完結まで速すぎだなw
そして俺得だったよ!
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagasage]:2011/06/16(木) 21:38:49.86 ID:Yh4BJeEl0
>>28
そう。
>>29
一応、前に言われたとおり新スレ立てた。
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 12:15:12.99 ID:f1rtiUHSO
そろそろカプ問わず純愛ものが読みたいところ
ちなみに京浩でも可
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 12:24:54.77 ID:/Ge7fjD0o
瀬ハ
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東日本)
[sage]:2011/06/17(金) 12:27:18.39 ID:wKLF+SDx0
瀬菜ちゃん大量発生しすぎだろwwwwww
ということでここはひとつ瀬菜ちゃんものを
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/17(金) 12:42:52.33 ID:9lBIqFez0
あれ?
新スレ開始からまだ1作もきてないよ...
といいつつ自分もおねだりするあやせたんまだーーーー?
36 :
◆XUsplk79ik
[sage]:2011/06/17(金) 13:32:57.83 ID:uhr7UXYvo
前スレ
>>999
を受けて完成させてみたものの、コレジャナイ感がどうにも。
沙織様は本当に動かすのが難しいお方……
というわけで京介×沙織です。R-15?
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:33:24.15 ID:uhr7UXYvo
とある10月の土曜の昼下がり、俺は机に向かって勉強をしていた。
最近この行動が日課になってきつつある俺であったが、受験生だからという殊勝な理由はあまり大きくはなかった。
じゃあ何かって言えば、今同じく部屋にいて問題を解いているこいつの存在である。
「京介さん、ここがちょっとわからないのですが……」
「ああ。……こりゃ、積分公式の使い方だな。ここをこう移項すればわかりやすくなる。
しかし相変わらずお前は1年とは思えない問題解いてるな……」
「他の高校よりいろいろ詰め込んでますからねうちの女子高は。京介さんも普通に教えるより歯ごたえがあって面白いでしょう?」
「物は言い様だな。まあ解けないレベルじゃないからいいが、よくやるよ」
「もともと勉強は嫌いじゃないですから。知らないことを覚えるって面白いと思いませんか?」
「……そうかい」
すらすらと正面に座る女――沙織の問題に手を加えながら俺は肩をすくめた。
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:34:16.02 ID:uhr7UXYvo
俺が沙織と付き合うようになったのはここ2ヶ月前程度、夏休みの盆も過ぎた頃だった。
直接の契機となったのは沙織がお見合いで結婚させられそうになった、という事件だ。
事の仔細は省くが、サークルを姉の結婚という形で離散した沙織が同じ轍を踏むように勝手な都合で結婚させられようとしていると聞いた時、またそれを問い詰めたとき沙織がなお気丈にふるまった時、俺はそんな事を許すことなんか絶対にできなかった。
結果として俺はそのお見合いに対して大立ち回りを演じて沙織を強引に救い出した結果、”責任を取る”という体裁でその場から沙織との交際が即刻決まった。
桐乃も黒猫も大層驚いていたが、事の次第を知った後は呆れと諦観をもって迎え入れてくれたらしい。
と、色々つらつらと書き連ねたが、要は「俺と沙織が自他公認に付き合うことになった」という1行に集約され、それ以外のことが(各々の心象はともかく)特に変わったわけではなく、ただ2人っきりの時間が少し増えた、それだけの事ともいえる。
そんなこんなで、受験も控えた俺は沙織と共に休日は勉強に勤しんでいるわけである。俺は俺のメニューをこなすし、沙織の課題も普通より質は高いものの解けないものではない。
また、解けないにしてもそれを2人でこねくり回すのはそれはそれで楽しいものだ。
「京介さん、もうそろそろ休憩にしませんか?」
「ああ、そうだな。麦茶でも持ってくるか」
「はい、ありがとうございます」
俺が台所から麦茶を持ってきて2人で一息つくと、沙織が唐突にある提案をしてきた。
「京介さん、ところで耳掃除でもしていただけませんか?」
「耳掃除?どうしてまた」
「いや、こういうのをするとまた恋人としての絆が深まるかなぁ、と」
「そりゃ吝かじゃないが……」
“また”始まった。そう思った俺は所在なく遠くに視線を送った。
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:34:44.74 ID:uhr7UXYvo
俺が沙織と付き合うようになってまだ日は浅いが、わかり始めてきたことが一つあった。この女は良くも悪くも食えないというか、掴みどころがないのだ。
“引っ込み思案で大人しい”とは本人の弁だったが、蓋を開けてみれば――あるいはそれだけ信用されているのかもしれないが――非常に表情のころころ変わる娘だった。
面白そうな事があればどんどん取り入れようとするし、それに対する俺の反応をいちいち面白がるような小悪魔さがそのω口によく表れていた。
黒猫も言っていたが、『沙織・バジーナ』と比べたら典型的なオタク言動がなりを潜めただけで、本質は悪戯っ子なのだこの沙織という人間は。
それに度々振り回されることはあれども不思議と俺は全く嫌とは感じない。これも惚れた弱みってやつだろうかな。
「では、京介さんから先にお願いします」
そう言うなり沙織はわざわざベッドの上で横に倒れた。
俺は無心で沙織の頭のそばに正座し、沙織の頭を乗せて綿棒を手にした。
ちなみにこの綿棒は部屋にあったわけではなく沙織がわざわざ持参してきたものだ。変なところで用意周到なのもこの彼女の特徴である。
「耳からごっそり出てきたりしないだろうなぁ?」
「ふっふっふ、こんなこともあろうかと今日まで2週間余りも」
「嘘だろ?」「嘘ですけど」
んなしたり顔で言われても俺としてもリアクションに困る。
まあシチュエーションを楽しむのが本題なんだから正直そこまで手を入れる必要はないとも感じたが、せっかくの機会だから念入りに乗ってあげることにした。
「ふぁっ……」
「……」
「だ、だめです京介さん……そんなとこ……あっ……」
「……」
「そ、そこ気持ちいいです、あっ、ああっ」
「……」
俺が耳に綿棒を入れるたび、無駄にエロい矯正を上げる沙織。
ついでに言うとこの沙織の格好もラフなTシャツにホットパンツと、体のラインがこれでもかと浮き出る無駄に煽情的な格好をしていたりする。
なんで俺が欲情しないかって?一言でいえば”慣れてる”からだ。フハハハハ羨ましかろう、とでも言っておくべきか。
それに大方こいつの狙いはわかってるので、下手に反応するのも面倒だというのもある。
しばらくすると俺の正面にある壁からおもむろにガン!という蹴り飛ばした音が聞こえてきた。そりゃそうだ。
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:35:17.20 ID:uhr7UXYvo
「悪趣味なやっちゃな……」
「ふふっ、きりりんさんだって京介さんに常々こういうことをやってもらってるんでしょう?」
「そりゃたまにはやってやってるが、お前みたいな露骨に喘いだりはしないぞ」
あいつが次に耳掃除してやった時に突然喘いできたらどうするんだ。
「兄妹愛がさらに深まっていいじゃあありませんか」
「そんな妙に歪んだ愛はいらん!ほら、終わったぞ」
「あら残念。ふぅ……」
俺が頭をどかすと沙織はわざとらしく力を抜いて体を横たえる。こいつは俺と付き合い始めてから妙にエロくなった気がしてならない。
ちなみにこいつはこの格好で外を歩いてきたのかと言うとそうでもない。じゃあどういうことかというと、ここで着替えたのだ。ここで。大事なことなので二回言いました。
『恥ずかしいから京介さん以外の人はこっち見ないでください』と恥じらいながら俺しかいない部屋でのたまう様子は、俺にこいつ痴女だろと思わせるに十分足るものだった。こんな彼女で大丈夫か?
「大丈夫です、キャラ付けの為なので問題ありません」
「心の中を読むな」
あとメタ発言はほどほどにしておけ。
そんな下らない問答をしていると、不意に部屋の扉がけたたましく開いた。桐乃だ。
「アンタ達ねぇ……じゃれ合うのは構わないケドよそでやってくれない?」
完全にビキビキ来ている様子だった。
そりゃただでさえ薄い壁なのにあんな事されたらストレスがマッハなのも頷ける話だ。コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実だろう。
「いやぁー、きりりんさんだって実はまんざらでもないんでしょう?」
「なっ、何変なコト言ってんのよ!そんなことっ、そんな」
「まあまあ、積もる話は女だけで語りましょうぞ。京介さん、ちょっとしばらく」
こいつ悪い顔してるなぁ、と他人事のように思いながら俺は沙織が真っ赤に赤面した桐乃を抱き上げて部屋を出るのを黙って見送った。
あいつは180cmもの体躯してるだけあって下手をすれば俺でも持ちあげられるからなあ。
ほどなくして隣の部屋から桐乃の嬌声が聞こえてきたので俺は何も言わずトイレへと足を向けた。
……あいつ、何を仕込んでるんだろうか……
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:35:47.26 ID:uhr7UXYvo
トイレで一度落ち着いてから帰ってくると、やけに上気した沙織がお出迎えしてくれた。
「済んだのか?」
「やり遂げました」
そういって恍惚とする沙織に『……すごい漢(おんな)だ』と内心付け加えておいた。聞けばナニをしたのか丹念に話してくれそうだが長くなりそうなのでやめておく。
「じゃあ交代しましょうか。私が京介さんのを掃除します」
「まだ続いてたのかあれ。別にかまわないけど疲れてないのかお前?」
「ふふふふ、コミケに幾度も通い詰めたこの肉体があの程度で根を上げるとお思いか?」
そう言うと元々ある胸を張ってどんと拳で叩く。肉体てのも乙女の言う言葉かと思うが、まあいい。
そそくさと俺は沙織の膝の上に頭を乗せる。素朴に思ったが、あの胸って耳掃除するのに邪魔にならんのだろうか?
という疑問も杞憂だったようで、沙織は俺がしたように丹念に耳の中を掃除してくれた。
いつもとは違う母性的な温かさに俺は思わずまどろみそうになったが、眠っちゃ勿体無いとばかりに俺は意識を集中し直した。
すると、沙織はある程度掃除が終わった後、まるで独り言のように言葉を紡ぎ始めた。
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:36:45.58 ID:uhr7UXYvo
「京介さん。わたし、今とっても幸せなんです。キャラを演じることなくこうして全てをさらけ出せる京介さんたちと出会えたことが」
「だけど、たまに不安になるんです。京介さんがわたしに関心を寄せてくれなくなったらどうしようって。
えっちで打算的で独占欲の深いわたしなんかを京介さんは救ってくれたけれど……本当にわたしは京介さんを楽しませてあげられてるのかって」
だんだんとか細い声になっていく沙織の声を耳に受けて、俺は顔を上に上げて沙織の頬に手を添えた。
「京介さん……?」
「俺は何にも興味を持って、何でも受け入れようと努力して、挫けず諦めないお前が好きだ。
何より、沙織と一緒にいると俺はいつも新鮮な気持ちでいられる。楽しくないわけがないじゃないか」
そして、俺にだけ見せてくれるこの精神的な脆さもまた俺を魅了してやまないと思っている。
「だ、だったら……どうして誘いに乗ってくださらないんです……?わたしはこんなにも京介さんと交わりたい、重なりたいと思ってますのに。わたしは京介さん以外の”男性”には決してこんなこと致しませんわ!」
「あー……それはな……」
頭を少し強めに掻いて軽く息を吐く。
「沙織が意味もなくそんな格好するわけがないのもわかってる。けど、回数を重ねれば重ねるだけその行為の”重み”がなくなっちまうんじゃないか、って思ってな……」
俺と沙織が始めて”いたした”のは夏休みも終わりの頃だ。あの時のは本当にひどかった。
ゴムのつけ方もろくに分からず沙織にも痛いばかりでろくに感じさせることもできず、あの日は俺たちソッチの相性は悪いんじゃないかと本気で悩んだりした。
やがて週1程度で経験を積む内に少しずつコツがつかめてきたものの、その行為そのものを神聖な――というと変だが――と思い始めていた俺には、いつか惰性で沙織を抱くようになってしまうのではないかということが非常に怖かった。
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:37:32.25 ID:uhr7UXYvo
「だから、沙織のことが大切すぎて逆に――……っ!?」
言葉を紡ぎきる前に俺の口は沙織の唇で塞がれていた。目には大粒の涙がぽろぽろと流れていて、俺は快楽と困惑がないまぜになって宙に浮いた感覚だった。
唾液が橋になるほど濃厚なキスを終え、嗚咽混じりに沙織は俺の胸に飛び込んできた。
「京介さんのばかっ……ばかばかばかっ……!!わたしは……わたしはっ……!!」
「……悪かった」
沙織の背に手を回し、俺は沙織をぎゅっと抱き締めた。
愛なんてものは片一方の都合だけで軽々と決め付けられるものじゃない。そんなことは分かっていたはずだったが、何のことはなかった。
俺も沙織もまだ始まったばかりなんだから、2人で乗り越えていけばいい。それだけのことだったのだ。
俺は沙織を抱きかかえてベッドまで運ぶと、ふと思い出したように壁に拳を向けて質問した。
「そういえば、アイツは大丈夫なのか?」
「ええ。多分眠ってます。しばらくは目を覚まさないと思います」
「そっか」
それ以上は野暮の極みだったので、俺は沙織と今一度軽いキスを交わすと、静かに沙織のシャツに手をかけた。
翌朝。久しぶりにやりすぎたせいか腰が物凄く痛い。
俺は全裸でシーツにくるまった沙織の寝顔を見て、心から目を奪われていた。こんな無邪気な寝顔を見せてくれるのが俺にだけというのはとてつもない優越感だ。
すると、沙織もぱちぱちと瞼を上下させて目覚め始めたようだった。
「おはよ、沙織」
「うぅ……おはようございます」
「お前相変わらずとんでもない体力だよ……何個ゴムがなくなったっけか」
「そりゃお互い様じゃないですかぁ」
「俺のは単なるやせ我慢だけど、お前は眠いだけでもう元気だろうが」
こいつはやった後の眠りこそ深いが、その後の活動にほとんど支障がないというとんでもない回復能力を持っているのだ。
プロのサッカー選手ならハーフタイムできっちりと後半戦分の体力を取り戻すというが、そんな体質というかコツがあるのだろうか。
「沙織」
「はい?」
「今までその……すまなかった。改めてごめんな」
「分かり合えた今なら何も言いませんよ。ただ、もう隠し事はやめてくださいよ?」
「ああ」
俺たちは互いに笑い合いながら、もう一度キスをした。
(終わり)
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:37:59.03 ID:uhr7UXYvo
[おまけ]
沙織が着替えてる間に俺は先に着替えを済ませてトイレに向かうと、階段で桐乃と鉢合わせした。
「おはよう」
「おはよ、兄貴。あ、あのさ」
「何だ?」
「たまには、姉モノもいいかもしんない……」
ポッと顔を赤らめて桐乃は階段を駆け上っていった。
あいつ、昨日本当に何を仕込んだんだ……!?
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/17(金) 13:42:56.36 ID:uhr7UXYvo
終わりです。沙織は9巻でどんな描写がされるのか非常に楽しみですね。シリアス寄りで話を進めたのでバジーナ一切登場させずなのが個人的に残念なところ。
あとガン放置してしまってますがこの板に沙織メインのSSを書いてます。土日用事があるのでそれ以降になってしまいますが、続ける気はあるのでよかったら来週以降にご覧頂けると幸いです。
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 17:03:26.71 ID:BzXxxlFSO
◆XUsplk79ikさん たいへん乙でありました
大好物の沙織SSが食べられて超HAPPYです
ぜひ、また書いてください
あと、デリケートでナイーブなかた達へ
沙織の微エロ有りです。
荒さいでね
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 17:33:38.77 ID:WsGIHdTIO
やっぱ姉物いいなあ
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/17(金) 18:36:33.58 ID:I3RQptO10
乙
なんか百合ものがみたくなった
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/06/17(金) 19:47:50.07 ID:vRVgt62Go
睾丸って、百合の球根に似てるよね
つまり、京介×浩平ものを
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/17(金) 20:04:18.05 ID:Tsp1HuLR0
京介×浩平需要がすごいんだけどww
……冗談だよね?
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 20:13:23.29 ID:nZ/SKCRso
瀬菜ちゃんの布教率ぱねぇな
努力の成果やで
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/17(金) 20:21:00.02 ID:Tsp1HuLR0
とは言っても、
実際ホントに甘々京浩SS書いて投下したら場が凍るのが目に見えてるけどね
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/06/17(金) 20:39:27.15 ID:vRVgt62Go
甘々よりも、愛憎満ち満ちた京浩モノを
浩平に京介を寝取られてしまう黒猫とか
冗談だけどさ
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/06/17(金) 20:45:56.47 ID:6SDGur67o
>>27
新スレ用意するほどのもんじゃなかったかもね。Pixcivにでも投下したほうが良かったんじゃね?
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 22:36:26.36 ID:f1rtiUHSO
真京ならアリ
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 22:44:00.52 ID:YL2gZHPp0
ちょ、いつからここはBLスレになったんだww
とりあずID:vRVgt62Go ID:f1rtiUHSOは瀬ハ
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/17(金) 22:57:44.72 ID:gZFW4Q0DO
京介にこだわる辺り、最近毒されたらしい桐乃かもしれんぞ
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(群馬県)
[sage]:2011/06/17(金) 23:45:15.95 ID:LDeDhDq00
腐ってやがる。
瀬菜すぎたんだ。
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 01:50:49.38 ID:S6cuGuv+0
とりあえずこの流れを無視して・・・怖いのでね
SS投下します。明確なカップリングはないけど・・・ご了承ください
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 01:51:58.46 ID:S6cuGuv+0
俺は高坂家の本当の・・・高坂大介と高坂佳乃の息子じゃない。別に親父とお袋から聞かされたわけでも
まして桐乃から聞いたわけでもない。多分だが桐乃は気づいていないと思う。
でも俺は親父もお袋もきっと俺を本当の息子のように思ってくれている。俺はそう信じていた。
今日の俺はどうかしてる・・・俺が選んだ選択肢は
『桐乃の趣味を守る!』
「親父、そのゲームは俺のだ!!」
「なに?お前は実の妹に実妹にたいしていかがわしいことをするゲームをさせていたのか!?」
「そ、そうだ・・・別に男がそういうゲームに手を出したって問題ないだろ!!お袋はエロ本だって
黙認してくれてんだ!!どうだ、参ったか!?」
「この!!」
数発は殴られるくらいの覚悟をしていたが思っていた衝撃はこなかった。
「俺がお前なんぞを引き取ったのは間違いだったようだな!!」
変わりに親父が放った言葉は俺の何かを粉々に壊した。・・・だけどいま逃げるわけにはいかない。
「・・・だから、桐乃の趣味を認めてやってくれ」
俺はそう言うのだけで限界だった・・・親父の顔も見ず答えも聞かぬままリビングをでていった。
なんとか気力をしぼって部屋までもどったがドアを閉めるなり俺は崩れ落ちた。
そして俺は自分の部屋が気持ち悪く感じた。俺はここにいたらいけない。自分が異物のように感じた。
俺はまだお袋と桐乃が帰ってこないうちに家を出て行った。
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 01:52:24.31 ID:S6cuGuv+0
「ただいま・・・」
あたしは嫌な予感がした。自慢じゃないがあたしの感は良くも悪くもよく当たる。家に帰ってリビングに戻るとお父さんが
ソファに座っていた。珍しく入り口に背を向けるように座っていた。
「桐乃・・・お前の趣味を認めてやる」
「ありがとう、お父さん!!」
なんだ、あたしの感は良いほうに当たってくれたのか。あのお父さんを兄貴はどうやって説得したのだろう。
でも・・・お礼くらいは言わないとね。あたしじゃどうやってもお父さんを説得できなかった気がするし。
だけどお父さんはなんであんなに暗いんだろう・・・兄貴によっぽど酷いことでも言われたのだろうか。でも
あのお父さんが何か言われたくらいで暗くなるようには思えないけど。
「ただいま〜」
お母さんの間の抜けたような声がリビングに響いた。
「あら?暗くなってどうしたの?」
お母さんがお父さんに聞くとあのお父さんがビクッと震えた。
「佳乃・・・俺は京介に言ってはならないことをいってしまった」
「え?まさか・・・」
「俺は”お前を引き取らなければよかったと”・・・なんてことを言ってしまったんだ」
お父さんはよほど後悔してるのか物凄く弱々しい声だった。・・・まって・・・どういうこと?
「ねえお母さん、お父さん・・・引き取るってどういうこと?」
「桐乃・・・京介はね私たちの本当の子どもじゃないの。桐乃は私たちの実の子よ」
そして聞いた。兄貴の秘密を。
兄貴はお母さんのお兄さんの子どもだったらしい。しかし兄貴がまだ小さい頃本当の父親、つまりお母さんのお兄さんが事故死。
母親も病に倒れ亡くなったらしい。そして施設に入れられそうになった兄貴を引き取るとお母さんが言ったらしい。
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 01:53:04.29 ID:S6cuGuv+0
「すまない、佳乃・・・」
私は慌てて兄貴の部屋に走った。バンッと勢いよく兄貴の部屋に入るがそこに兄貴はいなかった。
「お、お父さん、お母さん、兄貴がいない・・・」
「え?」
私はフラフラとしながらリビングに戻るとそう告げた。お母さんはショックを受けているようだ。
「探しに行かないと・・・」
私が言うがお父さんは動かない。お母さんも呆然としている。・・・沸々と怒りが湧き上がってきた。
「お父さん!お母さん!いつまでそうしてるの!?兄貴がほんとにいなくなってもいいの!?」
「まさか本当に兄貴を引き取ったの後悔して「そんな訳ないだろ!!!!」
あたしの声をさえぎってお父さんが叫んだ。
「あいつは誰にも優しい立派な奴だ。俺の自慢の『息子』だ!!」
だったら・・・
「だったら早く兄貴を探しに行こうよ!!いま行かないと絶対に後悔する・・・」
「行きましょう。大介さん・・・私たちの『息子』を探しに」
「そうだな、行くぞ・・・まさか娘に言われないと動けないとは。情けない父親だ」
お父さんは立ち上がると兄貴を探しにいった。
お父さんはまるで兄貴のいる場所が分かっているかのようにどこかに向かっているようだ。
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 01:55:43.54 ID:S6cuGuv+0
そして近くの高台の公園にきた。
「お前はいつになっても変わらないな・・・」
「ほんと、昔から何かあるとここに来るんだから」
お父さんとお母さんが並んで街を見下ろせる位置に座っている兄貴に話しかける。
「親父?お袋?・・・いや俺は他人だろ?よくてただの甥なんじゃないのか?」
兄貴は振り向かずに言う。
「っ・・・知っていたのか?」
お父さんが驚きつつも聞く
「知っていた・・・高校の修学旅行で戸籍謄本をとりにいって知った」
「どうせ、兄の子が施設行きとかが哀れで引き取ってくれただけなんだろ」
「そんな哀れみや義務感だけで育ててくれたんだろ」
兄貴はこっちを見ていないのでどんな顔をしているかわからない・・・だけど、声が震えている。
「この・・・大馬鹿息子が!!」
お父さんが急に兄貴の襟をつかむと叫んだ。
「お前を1度して他人と思ったことはない!!お前は俺の自慢の息子だ!!お前がどう思おうがそれだけは変わらない!!
・・・さっきはすまなかった。だから帰って来てくれ・・・俺が悪かったから」
始めて見た。お父さんが泣く所を
「京介・・・私もあなたを自慢に思っているわ。私の大好きな息子なんだから」
お母さんは兄貴を抱きしめた。慈愛に満ちた優しい顔をしている。
「俺は・・・俺は親父とお袋の息子でいいのか?」
「何を言っている・・・当たり前のことを言うな」
「京介がどう思おうと私の大切な息子よ・・・」
兄貴は安心したのか、分からないけど泣いていた。なぜかあたしも涙が出てきた。
馬鹿兄貴のせいで泣くなんて・・・
それから兄貴とお父さん、お母さんの・・・親子の絆っていえばいいのかな?はより深まったように見えた。
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 01:57:42.56 ID:S6cuGuv+0
ちょっとあまりなさそうなSSを書いてみました・・・同じようなのがあるかもしれませんが
感想いただけると嬉しいです
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)
[sage]:2011/06/18(土) 02:36:59.83 ID:ZAcuQQPLo
誰もいないからあと1、2レス続けて見ないかい?
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/06/18(土) 08:15:39.66 ID:iqw2vxcr0
そこからは桐乃..
後は言わなくとも分かるよな
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/18(土) 09:25:38.33 ID:B76ks+7W0
どうしてそこで諦めるんだよ、諦めんなってお前!そこは後2、3レス使って桐乃√突入だろう!
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 09:46:37.21 ID:S6cuGuv+0
ちょっと時間かかるかもしれませんが書いてみます。今日中には投下します
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/18(土) 09:53:48.87 ID:7cCJy53AO
よし
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/18(土) 09:57:10.50 ID:1x1CcDZDO
義理設定は萎え要素
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/18(土) 10:05:45.75 ID:B76ks+7W0
よっしゃ
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/18(土) 12:23:02.91 ID:nLbLdA1IO
妹物はBMWが重要なのです
偉い人にはry
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 14:07:48.09 ID:S6cuGuv+0
あれから数日たった。親父とお袋は言葉の通りにいままでとなにも変わらなかった。
だけど1人、桐乃の態度がよそよそしくなった。今までのように睨んでくることもなければろくに話すこともない。
冷戦状態のときとはまた違った感じだがいったいどうしたんだろうか。
「ハア・・・」
「どうしたの、京ちゃん?」
俺が教室でため息をついていると麻奈美が話しかけてきた。
「・・・まあ、いっか」
そして俺はあの日のことを話した。
「そんなことがあったんだ・・・う〜ん、私は何もできそうにないな〜
でも、妹が元気なかったらお兄ちゃんが頑張んないと」
そうだな、麻奈美。俺はあいつの兄貴だもんな・・・帰ったらあいつに聞くか。
「ねえ桐乃、最近なんか暗いけどどうしたの?」
机に座ってぼーっとしてるとあやせが話しかけてきた。別に暗くなってるつまりはないのだけど
「え?そんなに暗い?」
「うん、何かをずっと考え込んでるみたいで・・・どうしたの?」
そっか、そんなに顔に出ていたのか。でもこんなこと誰にも相談できない。
・・・あたしが『兄貴を好きなんて』
「ごめん、これはちょっと相談できないんだ」
「私ってそんなに頼りない?」
「ううん、そんなことない!!でもこれはあたしの問題だから」
そう、あたしの問題なのだ・・・
「分かった、でもいつでも私を頼ってね」
あたしの親友は本当に優しい。親友のためにも解決しないと。
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 14:08:24.13 ID:S6cuGuv+0
「ただいまー」
桐乃はもう帰ってきているようだ。いつものように麦茶をのみ落ち着き着替えまで済ませると
俺は桐乃の部屋に向かった。
「おい、桐乃ちょっといいか?」
「なに?」
中から不機嫌そうな声が聞こえてきた。
「話があるんだけど、入っていいか?」
「・・・うん」
そう言うと桐乃は俺を中にいれてくれた。いつものように座布団を渡された。
「なあ桐乃、お前最近おかしくないか?」
「はあ?何言ってんの?」
この態度・・・俺の気のせいだったか?
「なんていうかさ・・・よそよそしくないか?」
「そんなこと!!・・・ううん、たしかに最近、兄貴のこと避けてた」
桐乃は叫ぶように否定しようとしたが急に俯きつぶやいた。
「あたしさ・・・兄貴が本当の兄貴じゃないって聞いてショックだった」
「だけど・・・それ以上に嬉しかった!!」
まあ・・・こんな不出来な兄と血が繋がってないとしると嬉しいよな・・・じゃあなんで最初ショック受けたんだ?
「だって・・・あたしは兄貴が好きだったんだよ!許されないと思ってたけど・・・」
俺はあの事件と同じくらいショックを受けた。だけど桐乃は泣きながら気持ちを教えてくれた。
俺はどうすればいい?俺は桐乃の兄だ・・・この答えはどの答えをだしてもおそらく俺と桐乃は今までと同じ
関係ではいられないだろう。
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 14:08:53.16 ID:S6cuGuv+0
「兄貴があたしを妹としか見てないのは分かってる・・・だけどあたしは好きだった。小さい
頃から兄貴だけをみてきた。それは今も変わってない!!愛してるといってもいい!!」
俺に必死に思いを伝えてくる桐乃・・・俺はどうすればいい・・・このまま行けばどうなるか分からない。
もしかしたら冷戦よりも酷く冷めた関係になるかもしれない。親父とお袋は息子だといってくれたが嫌な言い方だが
俺は他人だ。もう2度と桐乃との仲は戻らないかもしれない。
俺はそれでいいのか?またあの冷え切った関係に戻ってもいいのか?・・・・・・そんなのは嫌だ。
なら答えは・・・
「桐乃、本当にいいのか?」
「え?」
「俺みたいなのが彼氏で・・・それに色んな人から侮蔑の目で見られるかもしれない。その覚悟はあるのか?
親父とお袋を嫌でも巻き込んでしまうけど、それでもいい覚悟はあるか?」
「お母さんとお父さんには酷いことするかもって何度も考えたけど・・・でも何度も同じ答えだった」
「あたしは兄貴が好き。大好き」
桐乃は最高の笑顔で言い切った。なら俺も覚悟決めるか。
「桐乃・・・俺はまだお前を妹としてみてるけど、それでもお前が好きだ。こんな俺でいいなら
彼氏にしてくれ」
「うん・・・ありがとう。兄貴!!」
桐乃は俺に飛び込むように抱きついてきた。
そんな桐乃を俺は抱きしめた・・・絶対に離すまいとするように。
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 14:09:32.35 ID:S6cuGuv+0
何か、続きと言っていいのかわからない出来ですが感想いただけると嬉しいです
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/18(土) 15:39:07.95 ID:hgg98IZA0
麻奈実やっちゅーに
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/18(土) 20:47:48.98 ID:64xoUHhN0
最近◆Neko./AmS6さん見かけないね?
定期的にこのスレに書いてた方だから見かけなくってちょっと気になってるけど...
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/18(土) 21:14:08.41 ID:S6cuGuv+0
名前間違いすいませんでした
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/18(土) 21:50:32.43 ID:f8joCQoSO
>>78
確か最後の作品投下時にちょっと揉め事があったけど……そのせいじゃないと信じたいな。
でも氏に限らず、他にも見かけなくなった書き手さんは結構いるよね。
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/18(土) 22:41:56.63 ID:64xoUHhN0
>>80
そんな事もあったな...
黒猫スキーなのにあやせSSをよく書く俺得な作者だから
アレのせいでここを離れたとしたら寂しいものだ
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/06/18(土) 22:44:02.23 ID:iqw2vxcr0
感想?んなもんねーよ!
まだ物語の途中だろ?
いちゃいちゃ、楽しみにしてるぜ
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/19(日) 00:35:22.40 ID:OlLJ8cBp0
>>78
馬鹿が桐乃スレで騒いでたアレか
◆Neko./AmS6さん、あんなの気にしないで新作落として下さい
待ってますんで
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/19(日) 10:06:35.49 ID:Rj24URa20
後日談
俺と桐乃が付き合うようにはなったが表面上はできるだけいつものように振舞うようにした。
いきなり恋人のようにしたら。どうなるかわからないからな・・・桐乃は不満げだが一応は納得してくれている。
「ねえ、兄貴。今度の休みでかけるわよ」
「ああ?・・・ったく、わかったよ」
桐乃は相変わらず我侭だが悲しいかな、俺は抗うすべを持っていない。可愛い彼女の多少の我侭は受け入れてやらないとな。
そして約束の日・・・
「ほら兄貴、次はここ行くから」
「分かったから、そんな慌てんなよ」
桐乃はあらかじめ行く場所を決めていたのだろう。あちこち俺を連れまわしてくれている。
今までと変わらない?いや・・・気恥ずかしいんだが桐乃と俺はずっと腕を組んで行動している。
周りの視線が地味にいたい。
「あ・・・あのアクセサリーショップ行ってみよ」
目的の店の少し前で桐乃は目に入った小さなアクセサリーショップが気になったようだ。
「はいはい、わかったよ」
中は静かな雰囲気の漂う店だった。アクセサリーも種類は小さい店構えのわりに結構あり驚いた。
「へ〜、結構いろんなの置いてんだ」
「そうだな・・・」
ふと見回すと1つのアクセサリーが目に付いた。銀色のシンプルなデザインのネックレスだ。
「また今度こよ・・・次いこ、京介」
「ああ、ちょっと外で待っててくれ」
桐乃は怪訝そうにしていたがたいして何も言わずに外へ行ってくれた。ちなみに桐乃は2人だけになると
俺のことを京介と呼ぶようになった。最初は照れて赤くなりあわあわしだしてムチャクチャ可愛かった。
「すいません、これください」
俺はそのアクセサリーを手に取ると購入した。
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/19(日) 10:07:54.17 ID:Rj24URa20
そして桐乃の予定してたのは全て夕方には終わった。
「さて・・・帰ろうか京介」
「そうだな、と言いたいところだがちょっと行くとこがある」
そういうと俺は桐乃をある店に連れて行った。じつはネットで検索して有名なレストランを予約していたのだ。
「ここって有名なレストランじゃん。大丈夫なの?」
「大丈夫だから連れてきたんだよ」
桐乃は珍しく緊張した様子で店に入る。おかげで俺は逆に落ち着いていられるが。
俺たちは予約していた席に案内された。
「な、なんでここを予約してくれてたの?」
「俺たちが付き合いだして1ヶ月だろ?記念とお礼をかねてだな・・・」
うっわー恥ずかしい・・・俺は気恥ずかしさから目をそらしながらいう。
「な、なななな・・・」
「それとこれ、今日買ったやつだけど・・・プレゼント」
そして俺はアクセサリーショップで買ったネックレスを渡す。
「なんでこんなに・・・」
「俺ってさ、普段は何もしてやれてないだろ・・・それに普段桐乃に我慢させている
たまには彼氏らしいことしてやりたくてだな」
「あ、ありがと」
桐乃は照れながら大事そうにネックレスを抱きしめ最高の笑顔でお礼を言ってくれた。
ちょっと奮発したかいがあったぜ。
「失礼します」
料理が運ばれてきたようだ。
「さっ・・・食べようぜ」
「・・・うん」
俺はこんな幸せがいつまでも続くといいなと思った。
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/19(日) 10:10:14.30 ID:Rj24URa20
これで本当に終わりです・・・結局ぐだぐだとやってしまったようになりまして、すいませんでした
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/19(日) 13:31:47.07 ID:YOuB+MsEo
乙ー
加奈子成分が最近足りない
加奈子ルートと特典小説のためだけにPSPと俺妹ぽーたぶる買いたい
金に余裕ないけど読みたいいいいいいいいいいいああああああああああ
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/19(日) 19:35:46.52 ID:PXvMdI3AO
乙だぜ
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/19(日) 20:22:15.18 ID:7FUwpxaro
乙ですー
ラノベのSSではあるけど、もうすこし文章丁寧にするともっとよくなるかも
>そして桐乃の予定してたのは全て夕方には終わった。
こういうところとか。「のは」とか他に言い回しがあると思う
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/19(日) 20:39:27.35 ID:Rj24URa20
>>89
ありがとうございます、勉強になります
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/06/19(日) 22:28:09.63 ID:EZvngveQ0
乙!
桐乃かわいいよ桐乃
で、あやせの話は誰が書くんですか?
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/19(日) 23:30:44.37 ID:cpFFB2Xco
よし、俺が!
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/06/20(月) 00:23:20.26 ID:MzVmTmWU0
どうぞ、どうぞ
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/20(月) 00:31:26.47 ID:F3dViJP4o
>>93
はえーよ
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 00:25:02.95 ID:yIC2+Vkno
地の文書けねえ…
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 01:46:40.83 ID:yIC2+Vkno
加奈子SSが無いなら自分で書けばいいじゃない
と思って書いてみた。
口調とかおかしくても見逃してください。
では投下します
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 01:48:34.13 ID:yIC2+Vkno
「ところでさ桐野ー、ちょっと頼みがあんだけどさー」
放課後、三人で帰ろうとしたとき、加奈子があたしに向かってそう言った。
「どうしたの加奈子?先に言っとくけど、お金は貸さないよ?」
「金の話じゃねーし!桐野さー、前にスイーツショップで一緒だった彼氏いんじゃん?
そいつにちょっと用があんだけど会わせてくんねー?」
スイーツショップで一緒だった…ってことは、あのバカ兄貴の事か。
そういえば彼氏ってことにしてたんだっけ。…それにしても、ブリジットちゃん可愛かったなあ…
なんて考えていると、
「…桐野?彼氏ってなんのこと……?」
瞳から虹彩の消えたあやせが、黒いオーラを纏いながら静かな口調でそう聞いてきた。
「いやあの…違うの!えっと…その…と、ところで加奈子!あいつに何の用があるの!?」
とてもじゃないけど、「あのバカ兄貴とデートしてました」なんて言えるわけがない。
あたしはなんとか誤魔化そうと、話題を加奈子の方に戻す。
「んー、なんていうか、ちょっと相談したいことがあんだよねー」
「相談したいこと…?相談ならあたしが乗るよ?」
「いや…ほら…女に聞くより男に聞いた方がいいことってあるじゃん?
それで、特に周りに相談できそうな奴いねーかなーって考えて、ふと思いついたのが
あいつだったんだよ」
「ふーん…?」
あいつとあたしの親友を合わせるなんてあいつに何されるかわかったもんじゃないけど、
加奈子の頼みとあっては仕方ないか…
それにしても、加奈子が「相談したいことがある」なんていうだけで珍しいのに、
男に聞いた方がいいことだなんて一体なんなんだろ?
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 01:50:35.23 ID:yIC2+Vkno
――――――――――――
「……で、俺を呼び出して、いったい何の用なんだ?」
桐野に言われて喫茶店へと出向いた俺は、目の前にいるチンチクリンを一瞥した後、
注文したコーヒーを啜り、加奈子は運ばれてきたパフェに口をつける。
まったく、桐野が「あたしの友達がアンタに用があるから」なんて言うもんだから、
あやせたんが俺に会いたがってるのか なんて思って浮かれてたのに……
よりにもよって、俺に用があるのってこいつかよ!
「あん?『何の用なんだ』じゃねーだろーがよぉ。おめー、あの時の糞マネだよな?」
「ブッ!…気づいてたのか!?」
思わず口に含んでいたコーヒーを吹き出してしまった。ヤバい。バレてることがあやせに知られたら、
下手したら殺されるんじゃ…!?
「まぁ、あの時は喋ったらマズそうな感じだったし、気づいてないフリしてやったけどな。
ってゆーか気づいてないと思ってたのかぁ?加奈子様をナメんなヨ」
「そ…そうか…できればそのまま黙っておいてくれよ…?」
一応コイツにも気遣いとかできるんのか…
っていうか、マネージャーだってことは気づいてても、俺が桐野の兄ってことには
気づいてねえんだな…
「それで、マネージャーだってことをわざわざ確認しに来たのか?」
「ちげーし。それもあるけど、それとは別に頼みがあって来たんだって」
「……頼みってなんだ?」
どうせコイツのことだから、黙っててやるからなんか買ってよこせよ、とか言うんだろ…
…と思っていたのだが、
「また加奈子のマネ―ジャーやってくんね?」
…なんて、予想外の事を言い放った。
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 01:52:06.25 ID:yIC2+Vkno
「…はぁ?…なんで俺が?」
「それは…その…あれだ、他のマネージャー使えねーやつばっかなんだよ」
「……それは俺なら奴隷扱いできるってことか?」、
「そ、そーじゃなくて…んーっと……あー…なんていうかさ、ほかのヤツがマネージャーだと…
…なんか調子でねーんだよなー…気持ちが乗らないってゆーかさ…」
パフェを食べる手が止まり、加奈子の声のトーンが少し下がる。
コイツでも弱音を吐いたりすることってあるんだな…
「ふーん……?まあ、俺になんかできるってんなら協力してやるよ」
「ホントか!?やりぃ!もう約束したかんな!『やっぱやめた』なんてふざけたこと
言うんじゃねーゾ!」
「はいはい、わかったよ」
一転してテンションが高くなる。忙しい奴だな、なんて思ってたら、
モジモジしながら、小さめの声で、
「……ところでさ、おめー…桐野と付き合ってん…だよな?」
なんてことを聞いてきやがった。
冗談じゃねえ。誰がアイツなんかと恋人になるか!
つーかそもそも常識的に考えて兄妹で恋人になるわけねーだろ!
と言おうと思ったが、ふと、それを言っていいのか迷う。
……まあ今更兄妹ってことを隠したところで特に意味ねーよな。
「いや、付き合ってねーよ。つーか兄妹だからそもそも付き合うとかありえねーって」
「はぁ!?じゃあなんであの時二人でデートしてたんだよ!?」
うっ!やっぱりそのことをツッコんできたか…
まあ、ある程度予想はしていたが…
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 01:53:35.61 ID:yIC2+Vkno
「あれはその…まあいろいろあったんだよ。いろいろと…」
「ふーん?…まあよくわかんねーけど付き合ってねーんだな?
ま、フツーに考えたら桐野がおめーみたいな冴えないヤツと付き合うわけねーよな。
ってゆーか明らかに彼女いなさそーな顔だし」
「うっせえほっとけ!彼女居なさそうな顔で悪かったな!」
そんなやりとりをして、イヒヒと加奈子が笑う。
まったく、言ってくれるぜこの野郎。
……まあ実際彼女居ないから言い返せねえんだけどな……
「そっか、彼女いねーのかぁ。…それならまだ加奈子にもチャンスはあるってことだよな」ボソッ
「ん?なんか言ったか?」
「な、なんでもねーし!とにかくマネージャーの件頼んだからな!」
そう言って、赤い顔をしながらその場から立ち去る加奈子。
俺は「…変なヤツだな」と呟いた後、その加奈子の後ろ姿と、
テーブルの上に置いてある空のグラスを見て、こう考えるのだった。
(……やっぱり金は俺が払うのか…)
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 01:55:42.30 ID:yIC2+Vkno
以上です。
投下してみると結構短かったことに驚き。
加奈子SS増えろ
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 02:03:18.00 ID:Tkl7y8I0o
桐乃
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 02:05:45.94 ID:4tz0FBL3o
乙。
加奈子は確変が起きたら、他のどんなキャラにとっても脅威になると思う。
PSPのようなあんな早業は加奈子にしかできない。
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/21(火) 02:05:52.09 ID:Bxi0p+fW0
乙
かなかなは可愛かったけど桐乃になんか恨みでもあるのか
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 02:08:34.91 ID:MZsuAOG+P
乙
始めだけの間違いかと思ったけど通して名前が間違ってる
桐野→桐乃
わざとか知らないけど名前が間違ってるだけでも結構萎えちゃうのでご注意を
加奈子の友達なんだからちゃんと呼んであげてと桐乃スキーな俺が言ってみる
やっぱ加奈子も可愛いんだよな。もっとSS増えてほしいね
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/21(火) 02:38:37.72 ID:1NqHtwyWo
乙ー!
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/06/21(火) 02:55:53.78 ID:k3QyEiDNo
まあ
桐乃や麻奈実や瀬菜は出ないからな。
特に後ろ二人はほとんど正しく書かれない。
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/21(火) 06:02:22.83 ID:01AA/fVU0
乙です
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 07:44:45.29 ID:YOWm0DYIO
磯野ーかとおもた
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/21(火) 08:10:59.82 ID:CILNcgAP0
乙!
加奈子のきりのに対する気遣いはいい...
だが、
>>101
おめーはだめだwww気遣いがたりない!
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 09:43:16.16 ID:yIC2+Vkno
やっちまったか
加奈子の方にばかり気を取られてたぜ…
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 19:55:14.44 ID:JpqINJfSO
沙織ものを書こうとする→単機だと話を転がしにくいから桐乃黒猫を混ぜる→ハーレム寄りになって本末転倒
沙織自身が争いを嫌うキャラだし本当話作りがきついわー
あと単純に他より人気g(ry
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 19:59:34.24 ID:rLtLO97to
沙織のメガネに自我が芽生えた!
という、良く判らんネタが思い浮かんだが
話の転がし方がサッパリ判らんかったので、ゴミ箱に捨てた
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 19:59:59.36 ID:MZsuAOG+P
沙織ものを書くならパラレルだとわかっていてもゲームED後が一番やりやすい気がする
どうしても一歩引いてしまうところあるもんな。沙織の場合
だから既に関係が確定してるほうが書きやすいと思うんだ
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/22(水) 00:59:10.39 ID:29eO5xN3o
自分の知らないところで恋愛くっついたり離れたりされてたことを知った沙織がキレて
「オタクっ娘あつまれー」を終わらせることを決断
自宅の豪邸に3人を招いて睡眠薬入りの紅茶を飲ませ、3人を槙島家の地下室に監禁
そして繰り広げられる暴力と拷問の数々…苦痛の限りを味わいながら息絶える3人
「さて、また新しいサークルを開設するござるか…」
沙織が猟奇殺人者で、サークルに飽きるとその都度メンバーを消していた、という設定を思いついた
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 01:36:32.45 ID:pjDUainIO
>>101
は桐乃に何か恨みでもあるのだろうか…
加奈子も大好きだから、悶える反面ちょっと悲しかった
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 07:38:20.77 ID:KO5Wk3tSO
もし京介のラブリーマイエンジェルが黒猫だったら
(黒髪繋がり的な意味で)
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 07:45:50.38 ID:1bRSXmlPo
最近投下が少なくて涙目。
>>117
に対して『もしドラ』と絡めたレスをしようと思ったけど無理だった
俺のウィットの乏しさが憎い……
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 09:22:58.36 ID:XAGqdI4eP
もしも設定のトンでも展開な話を思いついた
続きは書くかわからないけど冒頭だけを投下してみる
3レスほど失礼を
PiPiPiPi PiPiPiPi
「はい、沙織です」
とある日の夕方。学校から出された課題も終わり一息ついていたころ。私にその連絡が入ったのはそんな時でした。
『沙織お嬢様、鈴木でございます』
「鈴木さん? どうかなさいましたか?」
室内の子機の電話に出ると、相手は鈴木さんでした。
鈴木さんというのは、私の家の所謂執事をされている方です。
普段学業や趣味、家庭の事情などで家を空け気味にしている私に代わって、家の管理をしてくださるとても頼りになる方なんですよ。
鈴木さんはとても優秀な方で、私が何もしなくてもほとんどのことを問題なく処理されてしまわれるんです。後で自分で処理しようと思っていた案件もいつの間にか処理されていて、つい手持ち無沙汰になることもしばしば。
そんな鈴木さんが私に直接連絡してくるなんて珍しい。何か問題でもあったのでしょうか?
『連絡差し上げたのは他でもございません。『観測』の結果についてでございます』
「――何か変わったことでも?」
『観測』というのは、槙島家に代々伝わる、所謂お役目のようなものです。
実は世界には不思議なチカラを持つ人が数多く存在します。多くの方はそのチカラを持っていてもそれに気付かず、それを振るうことはありません。
しかし時折そのチカラを自覚し、それを生業とするのがTVや雑誌に載るような霊能力者や占い師と言った方々になります。とはいえ、そういった職業の方でも実際にそういう力をもった方はせいぜい数%。本物は極々少数だったりします。
仮に自覚していないとしても、そういったチカラを潜在的に持っているとそれだけで回りに影響を及ぼしたり、本人の知らぬ間にそれを発揮して事業などで成功を収めたりすることがあります。それは持つチカラが強いほど顕著になりがちです。
少し話がそれましたが、『観測』というのはそういった方々をこちらで把握し、そのチカラを悪い方向へと使わないように管理することが目的です。
しかしこの『観測』もなかなか難しかったりするんですのよ……。先ほどそういった方々を把握するといいましたが、これがまた厄介だったりするんです。
チカラというのは不思議なもので、常に回りや自身に影響を与えているのにも関わらず、ただ漠然と見るだけでは発見することもできません。
そういったチカラを持つことを疑い、注視して、慎重に観察することで初めてそのチカラを把握することができます。
一度把握してしまえば、槙島家に伝わる専用の機器で観測できるようになるのですが……中々上手くいくことはありませんね。難しいものです。
『はい。つい最近、こちらである人物を観察していたところ、その方がチカラを持っていることが判明いたしました』
「あら、ほんとうですか?新しくチカラをもっている方が発見されるのは久しぶりですね」
『はい。ですがその方はチカラを自覚しているわけではないようです』
「そのほうがいいでしょう。チカラを自覚することが幸せに繋がるとは限りませんから」
『そうでございますね』
自身のチカラを自覚してしまったが為に破滅した人もなかにはいました。
まあ、そういった方は大体がよくない目的でチカラを使おうとしたがためでしたが。
「それで、そのチカラを持ったかたというのは?」
『沙織お嬢様のご友人であられます、桐乃様でございます』
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 09:24:29.23 ID:XAGqdI4eP
その答えに、私はやっぱりですかという思いに至りました。
きりりんさんの活躍は本当に素晴らしいものばかりです。学業優秀、容姿端麗、運動神経も抜群。モデルでの仕事の成功や陸上での成績を残されていること。それらがきりりんさんの努力の賜物であることは知っていますが、それでもそういった結果がチカラによるものもあるんじゃないかとは思っていましたし。ああ、もちろんそのチカラも立派なきりりんさんのもつものの一つなのですから、それに対してなんら恥じるものはありませんのですけど。チカラもただじゃありません。努力したからこそ、そのチカラがいい方向へと働いた結果なんですから。
『ですが、その桐乃様のチカラに関してどうも今までとは違った結果が出たために、色々とこちらで他にも調べてみましたところ……』
「違った結果?」
『はい。その観測結果は後ほどお伝えしますが、桐乃様以外にもチカラをもつ方を発見いたしました』
「本当ですか?」
『はいにございます。桐乃様のご友人であられます、五更様御姉妹方。新垣様、来栖様、御鏡様、赤城御兄妹様……』
「ちょ、ちょっと待ってください! 本当にそんなに沢山の方がチカラを持っているんですか!?」
流石に私も取り乱さずをえませんでした。それほどまでにチカラをもつ方というのは珍しいんです。こんなにも沢山のチカラを持つ方々が一同に会しているなんて前代未聞です。
『はいにございます。こちらといたしましても信じがたい結果ではございますが、全て真実にございます』
「……そうですか。ですがそれにしてはおかしくありませんか?これだけチカラをもった人が一箇所に集中しているのに何事もないというのは考えられません」
先ほども言いましたが、チカラは無意識のうちに周りにも影響を与えます。それが強ければ強いほど、集まれば集まるほど何かしらの怪奇現象となってそれが現れるのが普通です。怪談話や幽霊の話などはこういったもののせいであることがほとんどだったりもします。ですがこの辺りではそういった話は一切聞いたことがありません。どういうことでしょうか。
「……もしかして、先ほどおっしゃった今までと違う結果というのが?」
『さすが沙織お嬢様。その通りにございます。先ほどは伝え切れませんでしたが、先ほどの名前に更に田村様、伊織様の名前を付け加えさせていただきます』
「……まるでチカラのバーゲンセールのようですわ」
『心中お察し致します』
なんなのでしょうこれは。これではまるで何かによってたかってるようじゃ――――まさか
「きりりんさん」
『左様です。桐乃様のチカラが、全ての答えにございます』
「詳しい説明を」
流石にこの規模の問題は放っておくには問題があります。状況の把握を早急にしないといけません。
『了解いたしました。まず、桐乃様のチカラが回りに多大な影響を与えてることはまず間違いないでしょう』
「そうですわね」
『恐らくですが、桐乃様のチカラにあてられて周りの方々もチカラに目覚めたのでは、とこちらでは推察しております』
「きりりんさんのチカラに?」
『はい。桐乃様のチカラはこちらで観測している中でもかなり大きなものになります。加えて、ご自身もそうですが、回りに与える影響が他を比にしないほど強いこともわかっています』
「それほどに強い影響が……」
『更に追加いたしますと、桐乃様は強いチカラを持つ人を本能的に察知、引き寄せているのかもしれません』
「どういうことですか?」
『……桐乃様のご友人に、ハグリィ一族とエヴァンス一族の御息女を確認いしました』
「な……っ!?」
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 09:25:46.72 ID:XAGqdI4eP
あの、ハグリィ一族とエヴァンス一族の!?
ハグリィとエヴァンス。この2家は代々強いチカラをもつことでこちらでも常に観測を続けている一族です。
強いチカラを持ってはいるものの、自覚をしたことは今までに確認はしていないのですが、そのチカラの程はよく知っています。決して無視できないほどの影響力を持っているのは確か。まさかそんな所にまで繋がりを持っていたなんて……。
「本当に、ありえないほどのチカラが一箇所に集中しているのですね……」
『…………』
「それで、それほどにまで集中したチカラが何も事件を起こしていないことと、きりりんさんの何の関係が?」
『…………』
「鈴木さん?」
何かを言いよどむように黙ってしまった鈴木さんに、私は嫌な予感を感じ取っていました。
『事件は……怪奇は今なお起き続けています。世界に落とされた一つの矛盾。それを、世界からの修正を受けないように他のチカラを持つ方々から得続けることによって支えている。それが桐乃様のチカラの正体です』
「矛盾?」
『そうでございます。私としてもこれは信じられないことではございました。そして、沙織お嬢様に伝えるべきか否か、それを迷うほど残酷な真実が隠されていたのでございます』
「残酷な、真実?」
気がつけば喉がからからに渇いてるのに気付きました。まるでこれから伝えられることを予見しているかのように、背筋に冷たい汗が流れます。
『――今からおよそ五年前、三人の子供が事故にあっております』
「鈴木さん?」
突然関係ない話をしだした鈴木さんに私は困惑しましたが、鈴木さんはそれを知ってか知らずか話を続けます。
『男子一人に女子二人。当時中学生の男子女子一人ずつに小学校4年生の女子が一人。事件はひき逃げ。犯人はすぐに捕まり、処罰を受けております』
「……それで、その子供は?」
『確認いたしましたところ、女子二人は無事だったようです。命の別状はなく、怪我も擦り傷程度にすんでいたようです。しかし、その場にいた男子一人は――女子二人をかばったのでしょう。怪我が酷く、懸命の処置もむなしく他界されております』
「――それが、何か?」
聞いてはいけない。心の中の私がそう叫んでいるのに、私は子機から耳を離すことが出来ません。
「その時事故にあわれた子供のお名前は――」
そして私は
「田村麻奈実様。高坂桐乃様。そして――」
どこまでも残酷な真実を
「亡くなった男の子のお名前は……高坂京介様にございます』
世界から突きつけられた。
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 09:32:46.69 ID:XAGqdI4eP
アルバムに載っていない京介
学校での影の薄さや話題に乗り切らない京介の人間性
中途半端な記憶の曖昧さ
両親の原作開始時での京介に対する冷たさ
アニメで桐乃の乗っている雑誌に兄と買い物に出かけることと乗っているのにも関わらず
あやせが桐乃に兄がいることを知らなかった矛盾
桐乃が妹モノのエロゲにはしった理由
桐乃の陸上を始めた理由
麻奈実を嫌う理由
色々諸々を考えてるうちに出てきたトンでも設定
これ誰得だ?
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/22(水) 10:03:31.47 ID:A8XQ0er+o
アニメではあやせは兄いるの知ってただろ
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 10:12:16.10 ID:XAGqdI4eP
あら?そうだったっけ……イカン、うろ覚え過ぎてるな
一度DVD貸りて見直さないと……録画とかしてなかったし……
スレ汚し失礼しました
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/22(水) 14:44:40.84 ID:29eO5xN3o
京介ェ…
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 15:03:27.25 ID:zw+sZlV4o
京介が黒猫姉妹の長男になる話が浮かんだ
でも、すでに誰かやってそうだな
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/22(水) 15:07:24.04 ID:7C5LaXPOo
被っててもかまわない
書いて
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage saga]:2011/06/22(水) 18:45:10.55 ID:D5Bzn3vqo
理想郷で見たな。日向ちゃんと珠希ちゃんが出てくる前だったので、五更姉妹の妹たちはねこシスとのクロスだったけど。
タイトルは「俺の妹がこんなにイタいわけがない」だったかな?
でも、五更姉妹が原作に登場しているから、今なら完全に別物になるだろうし、書くことに障害はないはずだ。
書くんなら応援してる。頑張ってくれ。
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/22(水) 20:10:58.48 ID:gub5FL+AO
投下されてる作品スルーして自分のアイデアの話とか、ちょっと寂しいな
そんなんじゃスレが寂れるぞ
>>124
乙だぜ
130 :
QEK
[sage]:2011/06/22(水) 23:03:15.59 ID:wx3/y/DAO
ここって、微エロはあらかじめ注釈しとけばokだっけ?
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/22(水) 23:21:06.80 ID:cy0BlhgAO
事前に書いとけばおKのはず
数行の小ネタでも良いんかな?
132 :
QEK
[sage]:2011/06/22(水) 23:33:38.84 ID:wx3/y/DAO
うじゃ、0時ごろに投下予約。
京介×加奈子
1レスのみ
133 :
QEK
[sage]:2011/06/22(水) 23:59:17.25 ID:wx3/y/DAO
その日、加奈子とのちょっとした勝負に勝った俺は頼みごとを一つきかせる権利を得た。
心持ち警戒するような加奈子に要求を突きつける
「添い寝、してくれ。」
困惑しつつも引き受けた加奈子いわく
「どんな厄介な頼みごと言われんのかと思ったら、案外普通っていうか…ホントにそれでいいのな?」
「大丈夫だ。男に二言はない」
ベッドイン。
とはいえ別に隙を見てどうこう、だとか企んじゃいない。
ってよりそもそも俺の部屋でこの状況を受け入れてる時点で隙だらけだろコイツ
「come on」
「なんで英語っぽく言ってんだょ…」
さすがに恥ずかしいらしく、視線を泳がせながら加奈子が隣に横になった。
軽く抱き寄せると、身長差があるので当然のこと加奈子の頭が俺の胸の位置にちょうどよくおさまる
「ち、近くねっ」
「添い寝っていったらこーゆーもんだろ。なにか問題でも?」
「えー…え〜と…問題は…あれ、問題ないのかこれ…」
密着した体勢が思考に支障をきたしたのか、普段のシャッキリした物言いが鳴りを潜めている。
しばらく身じろぎする加奈子。
それでいて特に嫌だとも放せとも言わないのをいいことにその小さな体躯の温もりを存分に堪能する。
「あったけーなぁ」
「……ん」
俺の頼みごとは叶えられた。
さて、もう切り上げる頃合いかと意を決して加奈子と少し距離をとる。
のだが。
加奈子の顔を伺うと、気のせいだろうか、このまま離れることをコイツも惜しんでいるんじゃないか…
なんて妄想が急激に胸を満たす。
まるで俺の迷いを読み取ったかのように、俺の妄想を肯定するかのように、加奈子は呟いた
「もう、終わり…?」
その瞬間の電撃的な衝動を正確に言い表すすべを、俺は知らない
加奈子の慎ましやかな膨らみに顔を埋め、力強く、しかし精一杯優しく、再び抱き寄せ……もとい抱き締めた。
「だ、だめ、胸ちっちゃいから、つぶれちゃうって」
「ちっちゃくて良い。俺はお前のおっぱいが好きだ」
「ふえぇ……」
その間にも鼻で頬で口でささやかなバストを愛でていると、加奈子が息も絶え絶えの様子で俺の腕を掴む。
「ね…待って。ちょっと、待ってって」
改めて見るとうっすら涙目だ。やばい、調子に乗りすぎたか!?
反射的に謝りかけたところで、加奈子は言葉を継いだ。
「服、こすれて痛いから…」
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/23(木) 00:14:09.40 ID:ZMFMUtOto
で、続きは?
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2011/06/23(木) 00:52:30.81 ID:mI274w6Zo
続きが気になって寝れないじゃないか
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/23(木) 01:02:29.96 ID:EQwT58ZZ0
ちょ、なんてもんを投下してくれたんだww今から寝ようと思ったのに全裸待機するしかなくなっちまったww
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/23(木) 02:03:53.22 ID:swGI2cJR0
俺も股間が擦れて痛いんだけど
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/23(木) 05:28:37.36 ID:90Ewna/AO
わっふるわっふる
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/24(金) 07:07:43.71 ID:n7Lr+mTDO
おいwwここで止めはひどいだろwwww
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/06/24(金) 11:38:38.27 ID:A6Enw/640
かなかなちゃん最高!!!
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/06/24(金) 14:39:37.74 ID:b91mcMly0
普通の女子は新郎新婦のうち新婦の花嫁姿にあこがれるものだが、
婦女子の場合、新郎神父となり、新郎×神父、神父×新郎というシチュエーションにあこがれるのでは?
そういう妄想を吐く瀬菜の夢を見たんだ
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/24(金) 14:48:42.67 ID:kJldt3eYo
新郎×新婦父←新郎父 が正義なんです!
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東日本)
[sage]:2011/06/24(金) 18:06:31.01 ID:jJLgngsc0
>>142
瀬菜ちゃんハウス
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(群馬県)
[sage]:2011/06/24(金) 23:10:28.19 ID:UP2z5klc0
6月25日放送分のこのナレーション、瀬菜の中の人なの?
http://www.nhk.or.jp/bs/t_nature/
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鳥取県)
[sage]:2011/06/25(土) 00:40:25.66 ID:tiIuI4MHo
ついったで本人つぶやいてるね
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/25(土) 00:45:30.27 ID:H5mzE/uAO
やっと書き溜めてたSSが書きあがった・・・
今PC使えないから明日つか今日の夕方前くらいに投下しようと思う
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/25(土) 01:19:40.16 ID:kn8vZSO1o
期待して待ってるよ!
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2011/06/25(土) 08:34:21.93 ID:aSqnA25R0
>>144
普通に面白そうなので録画予約しちゃったじゃないか
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/25(土) 14:31:52.25 ID:5cOXbTu20
家に帰ってきたから
>>146
で宣言したSSを投下するよ
発売から一か月経ってるから大丈夫だとは思うけど、注意が一つ
一か所、8巻ネタバレ含んでるからそれが嫌な人はスルー推奨
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/25(土) 14:32:20.10 ID:5cOXbTu20
その日は珍しいことに親父は仕事、お袋も用事があるとかで家に帰るのが遅くなるらしく、俺と桐乃の2人だけで夕食を迎えることになった。
図書館で麻奈実と恒例の勉強会を終え、帰りにスーパーに寄って出来合いのものを買ってから俺は家に帰ってきた。
麻奈実は今日は俺と妹の二人だけだと知ると夕食を作りに来ようとしてくれた。
俺としては何もしなくて済むし、味は保証されているからありがたいんだが、以前に
麻奈実がうちに飯を作りに来てもらったときの事を思うと嫌な予感しかしないので遠慮させてもらった。
「ただいまー」
家に帰ってきたのは良いが、桐乃の声がしない。
あいつのことだから親がいないのを良いことに部屋に籠もってエロゲーか
リビングでメルルでも見て奇声をあげてると思ったんだが。
とりあえず一度荷物を置きに部屋へ戻ったが、隣の妹の部屋は
ドアが開きっぱなしになってるだけで桐乃はいなかった。
どうやらリビングにいるらしい。
一階の廊下へ戻り、リビングの扉を開きながらもう一度帰ってきたことを告げる。
「ただいまー」
「チッ……お帰り」
何こいつ、なんでいきなり喧嘩腰なんだよ……。
俺が黒猫にふられて落ち込んでたときみたい、とまではいかなくても
もう少し優しくしてくれても良いんじゃねーの?
しかし……
「いつまでそこに突っ立ってんの?」
「あ?あぁ。
いや、お前がキッチンに立ってるなんて珍しいと思ってな」
「あんたに買い物任せるとろくなの買ってこないと思ったから、簡単そうな野菜炒め作ってんの」
「……そ、そうか」
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/25(土) 14:32:47.76 ID:5cOXbTu20
その日は珍しいことに親父は仕事、お袋も用事があるとかで家に帰るのが遅くなるらしく、俺と桐乃の2人だけで夕食を迎えることになった。
図書館で麻奈実と恒例の勉強会を終え、帰りにスーパーに寄って出来合いのものを買ってから俺は家に帰ってきた。
麻奈実は今日は俺と妹の二人だけだと知ると夕食を作りに来ようとしてくれた。
俺としては何もしなくて済むし、味は保証されているからありがたいんだが、以前に
麻奈実がうちに飯を作りに来てもらったときの事を思うと嫌な予感しかしないので遠慮させてもらった。
「ただいまー」
家に帰ってきたのは良いが、桐乃の声がしない。
あいつのことだから親がいないのを良いことに部屋に籠もってエロゲーか
リビングでメルルでも見て奇声をあげてると思ったんだが。
とりあえず一度荷物を置きに部屋へ戻ったが、隣の妹の部屋は
ドアが開きっぱなしになってるだけで桐乃はいなかった。
どうやらリビングにいるらしい。
一階の廊下へ戻り、リビングの扉を開きながらもう一度帰ってきたことを告げる。
「ただいまー」
「チッ……お帰り」
何こいつ、なんでいきなり喧嘩腰なんだよ……。
俺が黒猫にふられて落ち込んでたときみたい、とまではいかなくても
もう少し優しくしてくれても良いんじゃねーの?
しかし……
「いつまでそこに突っ立ってんの?」
「あ?あぁ。
いや、お前がキッチンに立ってるなんて珍しいと思ってな」
「あんたに買い物任せるとろくなの買ってこないと思ったから、簡単そうな野菜炒め作ってんの」
「……そ、そうか」
簡単そうって言ってんのに、どうして炒めてる野菜より皿に分けてある黒々とした何かの方が多いんだろうな?
これを見てると思い出したくもない
バレンタインの時にこいつが作った石炭(チョコ)を思い出す……。
数分後、桐乃は
「あれ?おっかしーなー……?お母さんがたまに作るのをマネしたはずなんだケド……」
と首を傾げながら、炒めた野菜を全滅させた。
マネしただけで料理が作れるなら誰でも料理人になれるっつーの!
「あんた、これ食べる?」
「そんな明らかに失敗したものなんて食べるか!」
恐ろしいことを素で聞いてきやがったぞ、コイツ……。
「それじゃ、あんた今からスーパー行って野菜買ってきて」
「なんで俺が行かなきゃなんねーんだよ」
自分で行けば良いじゃねーかと思ったが、桐乃は
「今ので家にあった野菜切れちゃったから。」
だからと言って俺が買いに行く理由にはならないだろ。
そもそも、1日くらい野菜を取らなくても別に良いだろうとも思ったが口には出さないでおく。
「大体、あんた中学生の女の子にこんな時間に買い物に行けっての?バカじゃん」
と言って受け付けなかった。
どうやらヘルシー志向の桐乃には野菜がないのは耐えられないらしい。
結局、俺は野菜の出来合いのものを買いに行かされた。
152 :
>>150はミスしたからするーして
:2011/06/25(土) 14:34:10.41 ID:5cOXbTu20
翌日、俺は放課後に「桐乃のことで話がある」と言ってメールであやせをいつもの公園に呼び出した。
放課後、公園に着いてしばらくするとラブリーマイエンジェルあやせたんがやってきた。
「お兄さん、こんにちは。お待たせしました」
「いや、たいして待ってないから大丈夫だ。それにあやせを待つのは苦にならないしな」
それに、あやせと待ち合わせして待ってると可愛い恋人を待ってる気分になれるんだよな。
「っ!人を見ながらニヤニヤしないで下さい!汚らわしい!」
酷い言い種だな……。
いくらあやせに罵られても平気な俺でも傷つくよ?
「それでお兄さん、桐乃のことでお話があるということですが一体なんでしょうか?」
「あ、あぁ、実は昨日は親父もお袋も夜にいなくてな、俺と桐乃の2人だけだったんだが……」
説明に入ろうと、昨夜の状況を説明し始めたところ
「まさか!桐乃と2人きりなのをいいことに桐乃に手を出したとか言い出しませんよね?
お兄さん、私、言いましたよね?桐乃に手を出したらブチ殺しましよ?って」
こえぇー!瞳から光彩が消えてやがる……。
「ちげーよ!そんなんじゃねーっての!」
ここは否定しなければなるまいっ!
否定しなければ俺の命が危うい!
いくら俺がシスコンであやせには近親相姦上等の変態鬼畜兄貴と思われてる
とは言え、実際に妹に手を出す気は全くない。
あやせに対してこの誤解を解くわけにいかないのが辛いぜ。
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/25(土) 14:34:48.33 ID:5cOXbTu20
「人の話は最後までちゃんと聞け!
そんなわけで、昨日は桐乃と2人だけだったんだが……」
そして俺は昨日の一連の流れをあやせに説明した。
「そんなわけで、桐乃に自分の料理の下手さ加減を自覚してもらいたい。」
「それがどうして私を呼び出したことと繋がるんですか?」
「あやせには桐乃に自分の料理を自覚してもらったあと、あいつに料理を教えて欲しい。」
「わ、私が、桐乃に料理を教えるんですか!?」
美味い不味いはこの際おいといて、桐乃には形だけでも料理が出来るようになって欲しい。
でないとあいつ、いつか料理だけで人を殺しそうな気がしてならん。
「私が桐乃に料理を教えるのは良いですけど……
どうして桐乃のお母さんやお姉さんじゃだめなんですか?」
桐乃は麻奈実のことをなんでか知らんが毛嫌いしてるから今回の件については頼れそうにない。
それと実はお袋については、昨日の話に少し続きがあってな……。
お袋が帰ってきてから黒こげになって原形を留めてないアレを見て、何かを問いたげにしてるときに
「それ、こいつが作ったやつで私が作ったんじゃないから」
こ、こいつ……!
兄の尊厳より自分のプライドを躊躇いもなく選びやがった!?
そんなこと言ったら長男の扱いが妹より低いお袋はあっさり信じるじゃねーか!
そんなわけで、桐乃がごまかしたせいでお袋も頼れないんだよな……。
「そ、そういうことなら協力させてもらいます。
私も桐乃が作った料理は食べてみたいですから。」
と、微笑みを返してくるあやせ。マジ天使。
「そうか、良かった。ありがとうな」
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/25(土) 14:35:25.48 ID:5cOXbTu20
思わずにやけで頬が緩みそうになる俺。
しかし、桐乃絡みのことだから断られないとは思ってたが
万一あやせに断られてたらどうしようもなかったんだよな。
「なぁ、あやせ」
「なんですか?」
「桐乃が1人でも料理が平気になったらさ、俺と結婚してくれ」
「[
ピーーー
]ェェエェェェエェェェェェェエェェ――!」
ブ―――――――――――ッ!!
「ぐぐっ……悪かった!
俺が悪かったから通報ブザーを今すぐ止めて!」
あやせのハイキックから立ち上がりつつ、俺は懇願する。
無実なのに俺が性犯罪者になっちまう!
「な、何当たり前の様にセクハラしてくるんですか!?気持ち悪い!」
た、確かに少し調子に乗りすぎたかもしれんがハイキックされて防犯ブザーも鳴らされたのに酷くないか!?
その後、桐乃に料理を教える件についてはあやせの家で行うことになったのだが……。
俺はあやせに桐乃があやせの家で料理を行う日は新垣家に出入り禁止を
言い渡され、あやせが作る料理すらもらえなくなってしまった。くそ、なんて理不尽なんだ!
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/25(土) 14:39:06.34 ID:5cOXbTu20
おわれ
桐乃ってなんでもできんのに料理は下手なんだよなー、とか
あやせが桐乃に料理教える話ねーかな?とか考えてたらこんなSSになった
しかも京介とあやせの絡みを再現してみたかったからあやせ出したけど、あやせと桐乃絡ませてないとかね
つか
>>154
にsaga入れ忘れたorz
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)
[sage]:2011/06/25(土) 15:35:22.58 ID:vqB2M1Nlo
おわれってなんだおわれって
そんな無理して終わらなくてもいいぞ?
先を書いてもいいんだぞ?
157 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/25(土) 16:10:33.38 ID:lgx2eZvW0
せめて桐乃の料理を食べたあやせがレイプ目になるとこまで書いてください
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/25(土) 21:38:09.83 ID:Q8jqEkXo0
>>155
乙
一先ず手を止めるだけだろ?
続きを待つわ
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/25(土) 23:02:14.82 ID:jtnWyJKDO
8巻に手を出してないから読んでないんだが、乙という言葉を謹んで送らせていただこう。
それにしても、投下がないですな。
暑さのせいかな?
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/25(土) 23:47:54.88 ID:0EGIRLMM0
暑さのせいで頭がやられている中書いた駄文ならありますが投下してもいいですか?カップリングが京介と星野きららという妄想をしてみたんですが・・・
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 00:33:48.44 ID:LYsCMDGAO
>>160
頭ならみんなやられてる
御託の前に、まずは投下だ
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/26(日) 00:36:20.59 ID:Waahk35Qo
早くしろ待ってるから。
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:36:34.33 ID:27/dsp0d0
ではとりあえず投下します
俺は以前、桐乃たちのオフ会で行ったあのメイド喫茶にきていた。俺は別にメイドがよかったとか・・・
いや、そのまあ・・・メイドの人自体は可愛いですよ。だけど俺がここに来たのはメイドをみるためじゃない。
「お帰りなさい、ご主人様」
メイド喫茶お決まりの文句で出迎えられ適当な席に案内される。そこでメニューを開き、注文するのを探す。
ま、このサンドイッチと紅茶でいいか。
注文の品を決めると呼び鈴を鳴らす
「は〜い」
鳴ってすぐにあるメイドさんが走ってきた。
「ご注文はなんでしょう?お兄ちゃん」
「このサンドイッチと紅茶をお願いします。・・・あとこの前かしてもらったこのハンカチを返しにきました」
俺の本当の用事はこのハンカチを返すことだ。桐乃のオフ会についていって沙織の名前に思わず水を吹いてしまった時に
ここのあるメイドさんに借りていたものだ。
メイドさんは気にしなくてもいいのにと笑顔で言ってくれた。
それから俺はちょくちょくこのメイド喫茶に来るようになった。
「へー妹さんとお父さんが、大変だったね〜」
「まあ、最後は親父が折れてくれて一件落着だったけどな」
「頑張ったね、お兄ちゃん」
「お、おにい・・・そういやそうだったな」
ここでは俺はなぜかお兄ちゃんと呼ばれているのだった。理由が知りたい気もするがさして気にしない。気にしたら負けだ。
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:37:27.95 ID:27/dsp0d0
「この前の夏コミは楽しかった?」
「ブフッ!!・・・俺が行ったって何で知ってるの?」
注文して少したつとお客が少なくなった頃を見計らってあのメイドさん、名前は『星野きらら』と言うらしい。
きららさんが、夏コミのことを聞いてきたのだ。行くなどとは一言も言っていないのになぜ知っているのだろう。
「妹が参加していたので、聞いたんですよ」
「妹さんが・・・もしかして、あのメルルの同人誌売っていた」
「そうそう、その娘が私の妹なんですよ」
あのきららさんに似ていると思ってたら・・・以外に世間は狭いものだなと感じた。
「すごいな、あいつ」
俺は加奈子のコスプレに純粋に驚いていた。正直なとこ桐乃の興奮状態も頷ける。
桐乃の興奮からちょっと目をそらすと一人の女性が目に入った。あの人は・・・
「桐乃、ちょっと知り合いがいたんで話してくる」
「はいはい、ちょっと話しかけないで」
こいつ、まったく話を聞いてないな。・・・まあいいか。
「きららさん?」
「あっ、京介・・・君?」
そういえば今、変装してるんだった。すっかり忘れていた。
「そうですよ」
グラサンをはずすとようやく気づいてくれた。
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:38:20.76 ID:27/dsp0d0
「きららさんもメルルのファンなんですか?」
「それもあるんだけど、妹がでるから見たくて」
もしかしてコスプレ参加者のなかに?
「あっ、妹っていうのはメルルの声優のくららのことだよ」
「ええ!?・・・そういえば似てますね」
よく見なくてもそっくりなのはわかる。
「それにしても、今の娘は似てたね〜。私も耳と目を疑ったもん」
「俺もびっくりしましたよ」
そう俺たちが話してると1人の少女が近づいてきた。あやせだ。
「お兄さん・・・何をしているんですか?」
あの光彩の消えた目で俺に話しかけてきたあやせ。なんで怒ってるんだよ、俺がなんかしたか?
「こんにちは、もしかして・・・彼女さん?」
「ええええ!!わ、私がお兄さんの彼女なわ「違う!!」
とんでもない勘違いをされた。あやせが激昂するまえに勘違いを直さなければ。
「むう・・・お兄さん、あとで入り口でまってます」
そういうとあやせは離れていった。俺の彼女と勘違いされたのがかなり嫌だったのか、かなり不機嫌な様子で
去っていった。
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:38:52.92 ID:27/dsp0d0
「あの娘をいかせちゃっていいの?」
「妹に一緒にいるの見られるとまずいからいいんですよ」
「そっか・・・」
「ちょっと用事あるんで、このへんで」
「じゃあね〜」
そして俺は加奈子のいる楽屋にいくとメルルフィギュアを受け取りあやせに渡した。
あやせは満足してくれたようだった・・・桐乃が大喜びするのは目に見えてるしな。
「お兄ちゃんは今日も頑張ったの?」
声がしたほうを向くときららさんがニコニコしながら立っていた
「俺はたいしたことはしてないですけど」
そして俺は今日のことを話した。きららさんはニコニコしながら聞いてくれている。
「あの京介君、ちょっとお話があるんだけど時間いいかな?」
「いいですよ」
そして俺たちは近くの喫茶店に向かった。
「あのね、京介君」
きららさんはいつものように、ニコニコしておらずどちらかといえば緊張しているように見える
「その、お話っていうのはね・・・わたしは京介君のことが好きなの。付き合ってください!!」
きららさんは頬を紅潮させながら真剣な目で見てくるきららさん。
「えっと、気持ちは嬉しいですけど俺なんかでいいんですか?俺っていいとこあんまりないし・・・知人には
変態シスコン兄貴と罵倒されたりしてるような人間ですよ?」
「そんな京介くんだから惚れたんだよ・・・」
こんなに優しい笑みを浮かべる人を俺は他にしらない・・・それくらい穏やかな笑みだった。
「俺なんかでよければ、よろしくお願いします!!」
「・・・ありがとう、京介君」
そしてきららさんと俺は付き合うようになった。・・・お店の口癖なのかたまに
お兄ちゃんと街中で呼ばれて周りから白い目で見られることもあるがいまとても幸せだ。
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:39:49.66 ID:27/dsp0d0
ほぼオリキャラも同然になってしまったのがなんとも・・・
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/26(日) 00:42:31.73 ID:Waahk35Qo
続きを頼む。
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 00:51:01.36 ID:cFYi07oAO
乙
そういえば、メイド姉妹ネタはあんまり見なかったな 面白かったw
2〜3スレなんだけど間隔開けたほうが良い?1時くらい?長いなら寝ちゃうけど
170 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:54:45.64 ID:27/dsp0d0
続きは書いてなかったので投下しちゃってください。長くなりそうなので
171 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:56:22.07 ID:27/dsp0d0
色々と抜けてる・・・俺の書いてるのは続き書いてなかったので投下できるかたいましたら投下してください。ちょっと書くのに時間かかりそうなので
172 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 00:57:49.54 ID:27/dsp0d0
俺のはできれば今夜中には投下したいですがいつになるか分かりません
173 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 01:08:07.11 ID:cFYi07oAO
んじゃ投下しちゃいますが幾つか注意
かなり自己満
西尾作品をネタ使ってます。
西尾作品はまだ花物語までとサイコロ上までしか読んでないです
決して西尾さんが嫌いな訳ではありません。むしろ好きです
苦手な方はスルーしてください
174 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 01:10:00.48 ID:cFYi07oAO
黒猫「クスクス…」
桐乃「ん〜?あんた何読んでんの?」
黒猫「あら、興味があるのかしら?貴女もなかなか見る目があるわね。これは囮物語よ」
桐乃「何それ?変なタイトル。面白いの?」
黒猫「ええ、最高よ。やはり西尾維新は天才よ、独特の台詞回し、奇抜な文章、センスのある言葉遊び。どれを取っても最高!彼は神よ!今世紀最高の作家と言っても過言ではないわ!」
桐乃「そ、そうなんだ(なんかテンション高くてキモいな)そんなに面白いならあたしにも貸してよ」
黒猫「貸すのは構わないけれど、コレは未だ読み途中だから、前の作品を幾つか貸すわ。あと週間少年○ャンプにも原作者として漫画を連載しているから、そちらも貸すわ」
桐乃「さんきゅー(多いな…重いし…布教?)早速帰えって読むわ」
数日後
桐乃「クソ猫ーー!」
黒猫「あら、どうしたのかしら?西尾作品のあまりの面白さに私に感謝しに来たのかしら?」
桐乃「ふざけんな!キモい厨ニ小説読ませやがって!休日ずっとエロゲも我慢して読んだのに!りんこりんとの時間を返せー!」
175 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 01:15:42.74 ID:cFYi07oAO
黒猫「文句言いながらも貸した本を全部読んでる辺りが貴女らしいわね」
桐乃「うっさい!キモい言い回しばかりで意味わかんないし!名前がいちいち難解過ぎて読めないのよ!名前でる度に登場人物紹介行くの面倒なのよ!しかも極めつけは何よあの厨ニ病全開の二つ名!死線の蒼(デッドブルー)(笑)害悪細菌(グリーングリーングリーン)(笑)永久立方(キュービックループ)(笑)。流石は厨ニ猫ね、読んでる本も厨ニ御用達って訳だ」
黒猫「あ、貴女…言ってはならないことを…」フルフル
桐乃「物語シリーズもメタばっかりだし、巻が進むごとにキャラの性格が変わるし、相変わらず台詞が回りくどい上に分かりにくいし」
黒猫「貴女って女は…」ブルブル
桐乃「でも、火憐ちゃんと月火ちゃんは可愛かったな〜」ニヤニヤ
黒猫「へ?」キョトン
桐乃「いいな〜アタシも毎朝妹に起こされたいな〜」
黒猫「結局妹なのね…」ハァ
黒猫「因みに黒神めだかも『妹』ではあるわよ?」
桐乃「いや、設定では年上だし、中学時代やロリ時代でもなんか妹って感じしなくて…」
終り
176 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 01:21:12.51 ID:cFYi07oAO
黒猫は西尾好きそうだけど桐乃は戯言あたりは嫌いそうかなって思って、物語は読みそうだけど。
あと世界シリーズは兄貴を愛する妹がいるらしいがまだ読んでないから分からなかったんだよ 逆パターンもやろうかと思ったけど、黒猫が嫌いそうで妹モノって知らないんだ
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/26(日) 02:08:35.92 ID:Tl38GAnAO
>>167
,
>>176
乙
>>167
きららさんが可愛いな
続きに期待
>>176
だめだ、西尾維新はジャンプのめだかと化物語をアニメで見たくらいでほとんどついていけなかったorz
ただし火燐と月火が可愛いのには桐乃に同意する
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/26(日) 02:14:24.29 ID:Tl38GAnAO
>>154
の続きに関してだけど
元々プロットの段階でオチを考えてなかったから、書き溜めの最後の方であやせにオチを担当してもらったんだよね
だから一応続きは考えてみるけど、期待はしないで
もしかしたら投下しない可能性も0じゃないから
うん、長々と言い訳ごめん
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 03:03:14.90 ID:27/dsp0d0
出来ました
>>166
の続きです
後日談
「おかえり、おにいちゃん!」
俺たちがであったメイド喫茶では俺はもうすでに顔なじみとなってるので来店時にはお兄ちゃんと呼ばれる
ようになった。なんでもこんな風に顔を覚えられるのはオタクにとっては光栄なことらしい。
まあ気持ちは分からなくもない、顔なじみの店ができると嬉しいしな。
「こっちだよ、お兄ちゃん」
1人のメイドさんに奥の席に案内された。いわゆるVIP席だ。
そこにはきららさんとそっくりな3人の女性がいた。星野姉妹だ。
「えっとこんにちは、きららさんの彼氏で高坂京介です」
「「「こんにちは〜」」」
流石姉妹である。息ぴったりであいさつを返してくれた。
今日はきららさんが妹たちに俺を紹介したいとのことで姉妹全員があつまる場を用意してくれた。
その中にはあの星野くららもいるわけで・・・たいしたメルルファンではないが妙に感動した。
「京介君はお姉ちゃんのどこに惚れたの?」
くららさんがニコニコしながら聞いてくるがなんだか気恥ずかしい・・・が
「優しいところですかね・・・妹思いで、誰に対しても誠意があって」
「は、恥ずかしいから言わなくていいよ」
顔を真っ赤にそめながら言ってくるきららさん、めちゃくちゃ可愛い。
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 03:03:56.89 ID:27/dsp0d0
「そうそう、どうして京介君はメイド喫茶に?話にきくとメイド喫茶とかそんな興味なさげな感じだったんだけど」
くららさんの下の妹さんが聞いてきた。ちなみになぜ姉妹のどの娘か分かるかと言うとくららさんが耳打ちで教えてくれてるのだ。
「それはですね・・・」
そして桐乃の人生相談のことを簡単に説明した。
「そんなことが・・・シスコンさんだね」
一番したの妹さんに物凄い笑顔で言われた。俺はシスコンではないというのに・・・そして5人でしばらく談笑し。
「で?どう?私の彼氏は」
「うん、素敵な人だと思うよ」
「私もそう思う」
「お姉ちゃんが選んだ人だもん、間違いなんてないよ」
俺の評価は上々のようだ。素直に嬉しい。
「・・・次の冬コミは純愛ものと寝取られものに・・・しかも実の妹。それとハーレム本もいいかも」
3番目の妹さんが不吉なことを言っている。
「何を描こうとしてるのかな?」
笑顔のきららさん・・・だけど物凄く怖い。圧力が半端じゃない。
「タダノネタダヨ、キニシナイデオネエチャン」
余程怖いのか片言でしゃべる妹さん、助けないとな・・・ちょっと怖いけど
「俺はそんなことしないですから、安心してください」
「う、うん分かってるよ」
一転して照れながら言うきららさん・・・それからも俺たち5人はしばらく談笑していた。
いつか桐乃も紹介してやらないとな
仲の良い姉妹をみながらそう思った。
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 03:05:04.36 ID:27/dsp0d0
期待に答えられる内容か分かりませんが一応これで終わりということで
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/06/26(日) 04:38:10.73 ID:LQQaYkkVo
>>155
乙。
というか、あやせって桐乃の石炭チョコの犠牲者の一人だよね……。
桐乃の料理の腕を知ってるような気がするけども。
>>167
乙。場面転換が唐突すぎて、一瞬訳がわからなかった。
ほぼオリキャラになるのはしょうがないよね。
続きを書くなら他の姉妹を登場させるのも面白いかも。
――って、すでに
>>179
に続きが来てた……orz
こちらも乙でした。
しかし星野姉妹を桐乃に会わせるのは危険な気がする……。
くららさんには狂喜乱舞しそうだけど、内心複雑な感じになりそう。
>>176
乙。そういえば友人に戯言1巻を貸したら、数ページで断念されたのを思い出した。
世界は読めたらしいんだけどね。やっぱ人によっては取っつきにくいのかも。
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/26(日) 05:09:14.36 ID:TYfcAfXB0
>>181
きららさんSS乙!
何気に読みたかったキャラだけど書く人いなかったもんなー
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/26(日) 12:04:35.17 ID:Iic4hHzU0
>>182
あやせが「私も桐乃が作った料理は食べてみたい」
って言ったのは、桐乃の石炭を知ってるからこそまともな料理を食べたいってことのつもりだった
わかりづらくてすまん
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 18:44:53.46 ID:27/dsp0d0
暇なんで小ネタ投下
お兄ちゃん・・・どこいったの?
「お兄ちゃんどこ〜?」
桐乃はいまお兄ちゃんを探しています。お兄ちゃんは最近学校のお友達と遊ぶといって桐乃と遊んでくれないからこっちから
遊びに行こうとおもったからです。
「京介お兄ちゃ〜ん」
いつもは家の近くしか探してないけど今日はちょっと離れた公園まできました。
「いないな〜」
何人か男の子たちがいましたけどお兄ちゃんはいませんでした。どこで遊んでるんだろ・・・
「どこで遊んでるのかな?」
桐乃はお兄ちゃんいがいと遊んだことないから他の人との遊びがわかりません。疲れてきたからちょっと休みます。
「お兄ちゃん・・・」
ベンチに座ると急に眠く・・・
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 18:46:41.31 ID:27/dsp0d0
小ネタ投下
お兄ちゃん・・・どこいったの?
「お兄ちゃんどこ〜?」
桐乃はいまお兄ちゃんを探しています。お兄ちゃんは最近学校のお友達と遊ぶといって桐乃と遊んでくれないからこっちから
遊びに行こうとおもったからです。
「京介お兄ちゃ〜ん」
いつもは家の近くしか探してないけど今日はちょっと離れた公園まできました。
「いないな〜」
何人か男の子たちがいましたけどお兄ちゃんはいませんでした。どこで遊んでるんだろ・・・
「どこで遊んでるのかな?」
桐乃はお兄ちゃんいがいと遊んだことないから他の人との遊びがわかりません。疲れてきたからちょっと休みます。
「お兄ちゃん・・・」
ベンチに座ると急に眠く・・・
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 18:47:22.39 ID:27/dsp0d0
「ただいまー」
今日も学校で友達とサッカーをしてきた。最近は夢中で家に帰るのは門限ギリギリだ。
「おかえりー、桐乃は?」
いつものように麦茶を飲もうと台所にいくとお母さんが聞いてきた。
「え?知らないよ」
俺が答えるとお母さんは心配そうな顔になり
「どうしたのかしら・・・家にいないのよ」
帰ってきてないのか、もうすぐ暗くなるし
「迎えにいってくる・・・」
俺はそういうと玄関まで走った。
「ちょっと京介!?」
「すぐ戻る!!」
俺はそういうと家を飛び出した。
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 18:47:51.54 ID:27/dsp0d0
「うう〜ん・・・」
あれ?眠っちゃってた・・・もう夕方だし帰らないと
そう思って公園をでたけど薄暗くて帰り道が分かりません。
「えっと、こっちだったかな?」
来た道はよく覚えてないのでてきとーに歩いたけどぜんぜんお家に帰れません。
「うう〜、お兄ちゃん」
もう2度とお兄ちゃんに会えないんじゃ・・・嫌だよ〜
「お兄ちゃ〜ん、どこ〜〜〜、怖いよ〜グスッ」
「ウワァ〜ン!!お兄ちゃ〜ん!!」
泣いてしまって道の途中でもっと座り込むと動けなくなった。
「ここにいたのか・・・」
「え?・・・」
「帰るぞー」
「お兄ちゃ〜ん」
お兄ちゃんに抱きつくと抱きしめてくれました。
「ほら帰るぞ」
「はわわっ」
お兄ちゃんは抱っこして帰ってくれるみたいです。
「お兄ちゃん・・・大好き・・・」
「俺も桐乃が大好きだぞ」
これは2人の遠い記憶である
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/26(日) 18:48:42.51 ID:27/dsp0d0
既出っぽそうですが思いついたので書いてみました
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/26(日) 19:04:01.89 ID:EPkkS/yAO
>>178
なるほど。オチが唐突というか取って付けた感があるのはそれでか。
むしろあやせは京介が新垣邸に呼ぶ口実ができてのは歓迎だと思うし。京介があやせん家に行くことに拒絶反応を示すのは桐乃の方だろうね。
既に二度も京介があやせん家、それもあやせの部屋まで上がり込んでいることを桐乃にばれたらどうなることやら。
続編期待してます。
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/26(日) 20:02:02.10 ID:cFYi07oAO
グヘヘ〜 ロリ乃はええの〜
192 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/26(日) 20:32:20.64 ID:922VLS340
>>188
イイね、イイねェ、ろりりんは最ッ高だねェ。ッエ―イ☆
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/27(月) 14:17:55.76 ID:QNC2CNtAO
Wiki見てて気付いたんだが、このスレになってからまだあやせメインって投下されてないんだね
SSの続きを書き溜めようと思ったらオチが思いつかない・・・
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/27(月) 18:59:19.87 ID:39g/70wAO
京子「私の妹がこんなに可愛いわけがない」
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/27(月) 19:53:23.66 ID:4CUlr4jw0
>>195
....
だれ?
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/27(月) 19:56:07.39 ID:Gqcb8YnZo
お前だろ
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/27(月) 20:05:57.69 ID:RMpEN3EKo
俺もお前だと思う
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/27(月) 20:17:34.35 ID:4CUlr4jw0
たしかにな...OTL
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/06/27(月) 20:28:43.34 ID:39g/70wAO
いやすまん 単純に京介を女にする→京子って感じだったんだ
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/27(月) 20:39:59.56 ID:IPcqADNAo
私の弟がこんなに格好いいわけがない
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/06/27(月) 20:57:22.71 ID:4CUlr4jw0
今度はミスしない
>>199
なんか色々すまん
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/27(月) 20:59:37.51 ID:SlmovMvGo
謝るほどのことじゃないだろう。渾身のボケを潰したとかってわけでもないし
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/06/27(月) 21:08:53.83 ID:V0eA1jTRo
渾身のボケは195だろう?
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/27(月) 22:18:04.42 ID:PNbCR42a0
なんかワロタwwww
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/27(月) 22:18:56.88 ID:PNbCR42a0
なんかワロタww
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鳥取県)
[sage]:2011/06/27(月) 22:21:27.05 ID:aCY3unTUo
京子っていうとレスリングのあの人がチラついてしょうがない
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 00:10:50.93 ID:prucMXODO
京子っていったら、「今日から俺は」の伊藤くんのカノジョじゃないか。
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/06/28(火) 10:25:30.51 ID:oEiR/EUoo
ところで伊藤チャンは卒業まで京チャンとずっとプラトニックな関係を貫いたの?
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/06/28(火) 10:26:11.76 ID:oEiR/EUoo
伊藤チャンは卒業までずっと京チャンとプラトニックな関係を貫いたの?
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/06/28(火) 10:29:19.73 ID:oEiR/EUoo
書き込み失敗したから再書き込みしたら二重に・・・・
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/06/28(火) 11:28:13.87 ID:pcIBGPuP0
しかし、リアルビッチは怖いもんだな
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 14:00:24.54 ID:W0iY+loFo
登場人物の性別が逆転したらどうなるんだろう?
京介:ヘタレなブラコン
桐乃:姉好きなのに、ショタコン
沙織:典型的なオタ
黒猫:
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/28(火) 14:13:16.25 ID:bhyFi3I40
京介が性転換したらどんな容姿だと思います?
そういうネタを書いてみたくなったけど容姿が思いつかない
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 14:13:29.82 ID:BQs+/bPKo
>>212
http://bluesnap.net/unique/result.php?name=%E4%BA%94%E6%9B%B4%E7%91%A0%E7%92%83&uranai=charao
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 16:24:58.08 ID:VvnQe41IO
性転換って結構人を選ぶネタだと思うが
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 16:35:00.73 ID:iuNfOtnDO
ぶっちゃけキモい
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 16:35:50.89 ID:prucMXODO
黒猫が男になったら、ガイアが叫びそうですな。
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/28(火) 16:52:41.58 ID:bhyFi3I40
やっぱ性転換は無理があるか・・・
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/06/28(火) 17:19:36.44 ID:FAu9a+8to
pixivにそれなりにあるよ
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/28(火) 17:50:50.42 ID:bhyFi3I40
pixivて苦手なんだよな〜・・・オリキャラが主人公のが多すぎる気がして
一応読んでみた、瀬菜ちゃんホイホイがたくさん・・・
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 18:18:06.53 ID:iuNfOtnDO
ああいうのやってるのは腐だからだろ
桐乃弟化とか
それもう俺妹じゃないじゃんみたいなの
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/28(火) 18:49:12.14 ID:bhyFi3I40
>>221
ですよね
桐乃弟化とかみたいなのしかなくて参考にもならなかった・・・無駄にダメージ受けただけだった
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/28(火) 20:47:44.33 ID:+kBpEFaSO
桐乃が姉で京介が弟ってIFならまだ分かるが
性転換させる必然性がなあ
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/28(火) 21:54:34.95 ID:6rO1BjAAO
作品からして俺の「妹」だからな
前に高坂兄妹の年齢逆転SS書こうとして、弟化した京介が動かせなくて諦めたことならある
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(沖縄県)
:2011/06/29(水) 14:30:22.65 ID:Wgm5qwwDo
>>218
どう考えても目つき悪くした母親みたいな容姿しか浮かばんww>性転換京介
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/06/29(水) 18:52:01.15 ID:dgbwouUAo
BD・DVD特典描き下ろし短編を踏まえると、顔の作りは悪くないけど死んだ魚のような目が致命的な、母親に似た容姿になるわけか……?
いや、でも桐乃もあんまし佳乃さんとは似てないような気もするしなぁ。
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2011/06/30(木) 00:04:35.85 ID:9LlkqesE0
>>224
>>226
そういう感じですか・・・ありがとうございます
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/30(木) 01:48:08.21 ID:a7qNsB3SO
京介「寝たふりして桐乃をやり過ごそうとしたらキスされた」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309350390/l50
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/30(木) 09:21:40.51 ID:zcg8mJdAO
ニコニコではやみんのキャラソンカバー集見つけて、ラムのラブソング聞いてたら歌詞があやせっぽく聞こえてきた
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/30(木) 13:20:15.74 ID:YV53S2FIO
はやみ姉さんのキャラソンは基本的に同じ声に聞こえる
231 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/30(木) 16:37:46.49 ID:eoMQTtR+0
>>230
そうじゃなくて、ラムのラブソングの歌詞があやせの状況とマッチしてるように聞こえたって意味
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/07/01(金) 00:51:00.42 ID:EytkEsX20
SS初書き、初投下。
あやせ×京介をあやせ視点で書いてみました。
ポータブルのあやせルート以降の世界観です。
-------------------
「お兄さん、おきてくださーい。早く起きないと、ブチ殺しますよ?」
「お、お、お、おきる。起きるから殺さないでくれ!」
どうしてこの人はこんなに慌てた顔を見せるんだろう。だからつい、いつも意地悪なことを言ってしまう。
「今日から学校が始まりますよね。桐乃からお兄さんが朝に弱いって聞いていたので、起こしにきちゃいました。」
お兄さんと付き合い始めて、数週間。夏休みは終わってしまったけど、今日から学校生活が始まる。その中で、私は大好きな二人に会いに、早朝から高坂家におしかけていた。
「じゃあ、私は部屋の外で待ってますから、早く着替えてきてくださいね。」
部屋の外には、私の親友、桐乃がいた。
「おはよ、あやせ。本当にあいつのこと起こしに来たんだ…。あんたたちマジで付き合ってるんだ。」
「えへへ。これも彼女の特権かな、って。桐乃にも朝早くから会えるし、私にとっては最高の一日の始まりになるんだよね。」
「でもあいつの学校、私たちの学校より遠いから、あいつのほうが先に家を出ちゃうよ?」
「それなら私達も早く出ればいいだけでしょ?三人でおしゃべりしながら行こうよ。」
「う、ううん、ほら私、朝練があるから…ね、来てくれて悪いんだけど、もっと早く出ないといけないんだ。ごめんね。」
「そっか。ざんねーん。また後でね。」
「うん、じゃあまたね。」
桐乃は、やや目を伏せて出かけていった。あの子のことだから、私達に気を使ってしまっているのだろう。でも、私はあきらめない。いつか3人で登校を一緒にできたら。それが私のささやかな夢だった。
さて。
「お兄さん?二度寝ですか?いいご身分ですね…。」
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/01(金) 01:57:03.99 ID:4t4pDWMw0
おいどうした
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/01(金) 02:13:58.35 ID:dEx/yskDO
彼の日記はここで途切れている……
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/07/01(金) 02:37:37.55 ID:+JZS/A9u0
ヴァルハラへと旅立ったか
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/01(金) 09:00:36.97 ID:ccz5sFCo0
生殺しとか...
くやしい!でも期待しちゃう...ビクンッ!ビクンッ!
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 14:49:20.79 ID:5NjwgqFYo
あやせって言葉責めしながら京介のを挿れてる状態しか思い浮かべれないいぐらい固定されてる
ただどっちが上位ポジションかは議論する余地があるがな
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 14:50:08.33 ID:5NjwgqFYo
あ、すまぬ・・・すまぬ・・・
エロの方に書き込んだつもりがこっちにしちゃった
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/07/02(土) 20:17:37.51 ID:kxvjv2Aco
全然エロく無いのでこっちでおk
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 22:31:52.06 ID:PtS2t8zGo
京桐で小ネタ投下いいかな?
10:45くらいにいこうかと
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 22:45:18.68 ID:PtS2t8zGo
なんの反応もなかったけど
反対も投下もなかったので
投下します
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 22:46:38.64 ID:PtS2t8zGo
ケータイを握り締めてベットに伏せる。
そして3分も経たない間に返信が届いてないことを確認すると、ため息を吐いてからまたベットに伏せる。
「ぁ〜……もぅ……」
顔を枕に押し付けて足をじたばたさせる。
この動作も何度したかわからないほど繰り返している。
「早く返信きなさ……やっぱくんな……ぅぅ〜」
あいつにだって、予定や事情があることなんてわかってる。
完璧にあいつのスケジュールを把握してるわけじゃない。
なにか急用で手が離せない状況なのかもしれない。
もしかしたら、突然妹からおかしなメールが来て戸惑っているのかもしれない。
結局のところあいつに非はないんだ。
だけど、だからこそ返信が来ないことにいら立ってしまう。
「……なんでこんなことに……」
昨日の飲み会のことを思い出す。
「……っよし!たぶんギリギリ!!」
「ぐぬぬ……」
あやせがグラスに氷を入れ、ぎりぎりのところでその中身はこぼれなかった。
「あら?なんだかんだで1週してしまったわね?」
「あらら、きりりんさん。大ピンチですね」
「おら〜、桐乃〜!さっさとラスト入れちゃえ〜!」
黒いの、沙織、加奈子が次々に囃し立てる。
次の私のターンで最後だというのが確定だとでもいうかのように。
「う、うっさい!!次こぼさなきゃいいのよ!」
私は比較的小さめの氷を選んでゆっくりとグラスの中に入れた。
―――チャプ―――
「っ!!」
「きりりんさん!アウトー!!」
「あ〜あ、最初もう1個だけ入れておけば、あやせが負けだったな〜」
「セーフ!ギリギリでセーフ!」
周りがやかましく私が負けたことを盛り上げる。
加奈子の言う通り、最初でもう1つだけ多く入れておけばよかった。
「というわけで、桐乃」
黒いのが肩に手を置いてさっきまでのグラスを指差す
「一気!」
「できるか!!あんたアレ度数いくつだと思ってんのよ!?」
「大丈夫よ。焼酎が150ml、氷が解けてるとしても200mlもないわ」
「私は度数のことを言ってんのよ!!」
「桐乃、瑠璃さんが一気はヤバイっていうのは40度を超えてからだよ」
「マジで!?」
本当にこの黒いのは肝臓がどうなってるのか、本格的に知りたくなってきた。
しかし一気が大丈夫ということは、胃での吸収をコントロールできるんだろうか?
特に運動や食事制限をしなくても体型を維持できる、黒いの秘密のヒントを得た気がした。
「……どうしてもできないの?」
「できないっての!兄貴よりは強いケドさ、私もそんなにお酒強いわけじゃないもん」
「仕方ないわね」
243 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 22:48:14.49 ID:PtS2t8zGo
そういって黒いのは中身がこぼれないようにグラスを自分のところにゆっくりと寄せた。
「それじゃあ私がやる代わりに、あなたには……そうね、先輩にメールを送ってもらいましょうか。
質問系で、できるだけ恥ずかしいものを」
「はぁ!?」
「いいですわね!さすが黒猫さん!私たちができないことを平然とやってのけますわ!」
「そこにしびれる!あこがれる!」
「当然送るメールの内容は加奈子たちがチェックすんだよな!」
「ちょ、ま!何勝手に話進めてるのよ!!」
「……はぁ!……ちょっと氷が解けすぎたわね」
「もう飲んでる!?」
黒いのは空になったグラスをテーブルにおいて、口直しとばかりにもう一度グラスにお酒を注いだ。
「さあ、きりりんさん!これでもう後には引けませんよ!」
「まさか、桐乃。瑠璃さんがここまでやったのに、できませんとか言わないよね?」
「写メが必要なら撮ってやるぜー!」
「……なんなら私が好き勝手に思いついた文を送ってあげるけれど?」
「どうしてこうなった……」
私はダメ出しを10数回された後兄貴にメールを送った。
「よく考えれば『一気』じゃなくて『飲み干す』のが条件だったんだよね……」
あの時は負けたことと、黒いの言葉に気が動転してそのことを指摘しなかった。
それがこんな結果を生むことになるなんて……
「もうお酒の席で無茶なんてしないよ」
某番組の事故後の外国人のようにつぶやいて、再びベッドに伏せた。
―――コンコン―――
「おーい、桐乃。いるか〜?」
ビクゥッ!!
体が必要以上に大きく反応する。
メールを返信せずに直接攻撃とは、さすが兄貴。
女の子の心をちっとも理解してない。
「なななななに!?」
「……昨日のメールのことだけどよ」
「ちょっとまったーーー!!」
ベットから飛び上がり、ドアノブを抑えて、あけられないようにする。
「OK!さあ!続きをいえ!」
「なんでだよ!なんでお前は全力で俺が部屋入るのを防いでるんだよ!!」
「こっちにも事情があんのよぉ〜〜!!」
兄貴とドアはさんで押し問答をする。
物理的にも、言葉的にも押し問答。
なかなかうまいこと言った!(キリッ
「ったく!んじゃいいよ。このままいうから」
「…………うん」
ドアをはさんで私は正座して兄貴の言葉の続きを待つ。
兄貴と本当の兄弟じゃないってことは私がハタチの誕生日に教えてもらった。
お父さんとお母さんはわたしと兄貴の関係をみとめてくれた。
兄貴はわたしとの関係に腹を括ったと言ってた。
だけど……
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 22:48:56.10 ID:PtS2t8zGo
それでもまだ、わたしは兄貴から大事な、「その言葉」をまだ聞いていない。
どれだけ愛の言葉をささやかれても
どれだけ体を重ねても
どれだけお互いの温もりを感じあえても
どれだけ大切にされても
その言葉を聞いていないから、時折ふと不安になる。
だから黒いののあの罰ゲームはある意味助かったのかもしれない。
もしかしたら、そこまで把握してあの行動に出た可能性もある。
本当に食えない女だ。
だけど
本当に友達思いで、やさしい女だ。
そんなことを考えていると、ドアの向こう側から、やっと兄貴が続きの言葉を繋いだ。
「俺にとって、お前は……さ」
さあ、わかりきっている
だけど、わたしが求め続けた言葉をかみしめようかな
245 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/02(土) 22:50:43.64 ID:PtS2t8zGo
投下以上です
ここでタイトルを書くのと、内容を言い忘れていることを思い出した
こういうのが嫌いな方、NGの準備予告を言い忘れてすみません
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/02(土) 22:52:16.05 ID:vA3NNhv4o
>>245
反応が無いということは投下しろって事だぜ
てか寸止めっ!
247 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)
[sage]:2011/07/03(日) 00:52:53.05 ID:rQL7ky48o
>>245
続きを書いてもいいんですよ?
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/07/03(日) 06:59:57.55 ID:mcU2dwyZo
続きが欲しくなるほど面白いものじゃなかったような。。。
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/03(日) 09:42:01.99 ID:sx0L9cCAO
数年後アフターストーリーというのが希少なんじゃまいか。
義妹設定は、桐乃好きには賛否が割れるだろうけど。
ともあれ
>>245
乙
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/07/03(日) 12:17:23.85 ID:tn+mAHUNo
>>245
乙っす。
俺はこういうの好きだぜ。大人なのに「お前等中学生か」って感じがいい。
次回もよーろしくぅ!
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/03(日) 23:43:44.80 ID:WWq7V65Zo
ここの住人は、どこへ行ったんだろう?
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/03(日) 23:45:09.92 ID:AiCIEaGCo
スレ立ててそっちで書いてるひとがよく書くひとたちだったんじゃね?
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 00:11:34.00 ID:Lm0xLseAO
住人はいるっしょ。
今だと安価のスレとかに集まってたりで、そのぶんここへのレスは減ってるだろうけど
書き手のほうは、個スレだけで8とか9とかあるから、散っちゃってる側面は否めないかな
それでも人は多いはず。リクあるならダメ元で上げてみれば?
誰がキャッチするかも
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 00:36:14.90 ID:xFrJpA3wo
アニメも終わっていわゆる終わコンなだけで、ROMってるというか、
新着レスがあれば覗いてタブ閉じるだけだろう
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/04(月) 01:14:08.21 ID:9w3knQAu0
あやせSSを求めてエロパロにまで逝ってた
偽8.9の人も安価にはしらずあやせ物を書き上げてくれてた
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 07:19:55.57 ID:f3fW+4jmo
京介「おう、桐乃なにやってんだ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309713411/
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/07/04(月) 15:04:04.33 ID:JGCGZ7n30
「ふぅ」
ババ抜き開始時刻から早三時間、未だにあの二人の決着は見えない。
『どうしてこうなった』私がこう思っているように私以外も皆そう思っているだろう。
あの二人は永遠にババの受け渡しを繰り返す気だろうか。
あれから兄貴と加奈子はババの受け渡しをずっと続けていて、終わる気配が全く無い。今も加奈子が兄貴の表情を見て「ぬふふ」と笑ってカードを引き抜いた、当然ババじゃない。
その次の兄貴も全く一緒で加奈子の表情を見てほくそ笑んでババじゃないカードを引き抜く。無限回廊。
イッツァエンドレス。
え?なに?、一番最初に上がった人が兄貴を好きに出来るんだから別に二人の戦いなんかどうでもいいじゃないか?。そうだけど決着がつかなかったら次の遊びを兄貴と一緒に出来ないじゃないか。
ちなみに一番最初に上がったのは私。
そんな事を考えていると沙織から何やら殺気を含んだ視線を感じる。…
………ごめん、嘘。本当は沙織だ。沙織です。
残念ながら。
―――――とまぁ、現状はそんな感じなんだが、終わらないでほしいという気持ちもはっきり言って私の中には、ある。あっちゃったりする。
このままずっと決着がつかなかったら勝負が有耶無耶になってくれるかもしれないからだ。
有耶無耶になるなら現状も全然受け入れられる。なら無いなら次の遊びで兄貴と遊びたい。
そんな気持ちが今、私の中でひしめき合っているのだ。
「ねぇ、これって終わらなかったらどうなんの?」
「一番最初に上がった人が所有権を得るのに変わりは無いでござる」
まぁ聞いてみれば大体分かるでしょ。
という事で聞いてみたところ、今さっきの様に沙織の即答が帰ってきた。
やはり加奈子とかとは違って忘れたりはしないらしい。と言う事で早く終われ。そして私と遊べ兄貴。
「っふ、良い勝負だな」
「ほんとだなっ!」
何時終わるか分からない、低レベルな戦いを繰り広げているくせに何やら額に汗を光らせながら互いに笑い合っている加奈子と兄貴。
いや、こいつらには低という言葉すら生易しい、低いとかそんなレベルじゃなくマイナスなのだ。こいつらのバカさを高いとか低いで例えるのは不可能なのだ。何故なら掘っている内に何時の間にか地球の反対側に出てしまうのだから。
まさに底が知れないというやつなのだろう。
まぁとにかく、この何時終わるか知れないババ抜きをどうやって終わらすかを考えながら、ちょっとだけ感情を吐き出そう。
感情の篭らない呆れた、関白な息で、質素な目で、腹の底に溜まった感情を一気に息として吐き出そう。
さん、はい。
「はあぁ」
―――――――――到着。あれから何時間経ったかははっきり言って覚えていない。
唯一覚えているとしたらあたし、加奈子がかなりの高レベルの戦いを繰り広げた事だ。
意外に強かった加奈子の相手、クソマネ……いや、し、思考の中でぐらい名前で呼んでやらないと可哀そうだな。うん。
き、きょ、京介
加奈子はそこまで考えたところで頭から湯気を出てくる。
っつぁ、や、やっぱり辞め!、加奈子はやっぱりクソマネの方がしっくりしな!!
ちょっと話がずれたが、まぁ何が言いたいかというと加奈子とクソマネが伝説に残る程の名勝負をしたって事だ。
「なにぶつくさ呟いてんだ?加奈子」
加奈子が考えて一人悦に浸っていると、目の前にぬっと出てきた顔。
隣を歩いてたから聞こえてしまったんだろうか。
「なんでも無いっつ〜の。それよりさ、今回決着つかなかったじゃん?、後でもう一勝負しねぇ?」
「よし、了解!、次こそは俺が勝つからな!!」
人がどれだけ気を引こうと頑張ってるかも知らないでクソマネは満面の笑みで嬉しそうに答えてきた。
さすがに夜になったら勝負に負けた加奈子は手が出せないけど夜までだったらいいよな。
加奈子はそう考えて苦笑い気味な笑顔をクソマネに向けたのだった。
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 15:14:11.93 ID:buCQDI+Eo
おい、投下先間違えてね?
259 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 18:20:05.17 ID:FemiLSH9o
ちくしょう・・・・個人スレかどこかのssスレか探してるが見つからない・・・
誰か俺が
>>257
を読めるように愛の手をくだしあ
260 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 18:25:13.12 ID:FemiLSH9o
いや、俺はみつけたぞー
探すものだな
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 18:25:25.39 ID:FpngPTEJP
>>259
つ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1302140065/
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 18:54:40.14 ID:FemiLSH9o
>>261
わざわざありがとう
秒単位で先に見つけてたけどあなたの優しさは受け取れたよ
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/04(月) 19:13:35.83 ID:cp3p9dXDO
個別スレ、単発スレ、別作品
分散先はいくらでも
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/07/05(火) 02:15:41.53 ID:ANU/lOce0
今月開始のロりバスケアニメを見て思ったのだが、
京介氏が小学生の部活のコーチをするとして、日向ちゃんや珠希ちゃんに教えられるものといえば…。
エロゲー関連しかないんですが、どうしたらいいんでしょう?いろいろな意味で向こう側に逝っちゃうよ。
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/05(火) 09:00:29.82 ID:NOD/Cuj50
柔道があるだろwwオヤジから習った設定にすればの話だがww
これで京介先輩×桐乃・黒猫でもイケますけど、やっぱりここは京介先輩×真壁先輩の絡みがみたいです!うへへへ…。
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/05(火) 13:27:12.13 ID:v61SOdDt0
瀬ハ
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/05(火) 15:53:00.79 ID:F8WiTz7VP
arcadiaのあたしの兄貴がこんなにモテるはずがない!が面白い
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/07(木) 12:02:05.88 ID:h6Mwv5fAO
前に書いたSSの続き書いてたら前の話がほとんど関係なくなったorz
しかもオチの付け方がわからなくて話をどう終わらせれば良いやら・・・
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/07(木) 12:43:56.59 ID:t5w5TaWAO
ジエンドを呼べばおk
…通じるか怪しい冗談はさておき、共作形式というか転結の部分だけバトンタッチ募っちゃえば?
頼めばたぶん誰かしら引き受けるよ
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/07(木) 16:46:19.78 ID:bFwlZBq5o
過疎ったな
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/07(木) 18:50:58.84 ID:Tcv8X0VDO
ネタに詰まると、シリーズものに走りそうになるから困る。
だって、話を考えやすいんだもの。
272 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/07/07(木) 20:10:56.80 ID:pjNzs7bAO
書き手もめっきり減ったな
そろそろ思い出を語る時期か…
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/07(木) 21:14:07.83 ID:36LEZCD2o
これも謎ジャンプのせいか
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/07(木) 23:07:35.10 ID:VmPB7pwko
きょうは、七夕だったというのに……
誰もSSを投下せずに、明日になってしまうんだろうね。
バレンタインに引けを取らずネタになりそうだったんだが、
俺は、さっきまで忘れていたよ。
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/07(木) 23:13:37.86 ID:n29OxJdDP
8巻で色々思うところがあるんじゃねーの?
結局はSSの燃料は原作からくるもんだし
キャラスレでのSS投下がほとんど合法化されてきてる今じゃ投下が減ってもしかたないかと
桐乃、黒猫系はそっちにほとんど流れてそう
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/07/07(木) 23:52:05.71 ID:t5w5TaWAO
自分も今日まで完全に忘れてた…というか頭の隅に引っかかってもなかった>七夕
時節ものを題材にとるなら、やっぱり数日の猶予はほしいところなんでない
気にかけてそうって印象で選ぶと……何気にきりりんが筆頭のような
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/08(金) 10:09:53.30 ID:4n4GdyPAO
そういや昨日は七夕だったんだな
即興で思いついた七夕系の小ネタで1レス使わせてもらいます
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/08(金) 10:11:02.66 ID:4n4GdyPAO
それぞれの星にかける願い
京介:「妹と仲良くできますように」
桐乃:「妹ものの素晴らしさを兄貴が理解しますように」
黒猫:「《運命の記述[ディスティニーレコード]》の最後が実現しますように」
沙織:「今のコミュニティーがいつまでも続きますように」
あやせ:「お兄さんとの誤解を解ける日が来ますように」
加奈子:「チョー売れっ子のアイドルになってやる」
赤城:「兄妹で結婚できる法律を誰か作ってくれ!」
瀬菜:「高坂先輩とお兄ちゃんが付き合ってますように」
日向:「ルリ姉の中二病が治りますように」
珠希:「姉様みたいなかっこいい女の人になりたいです」
御鏡:「オタク友達を増やしたいです」
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/08(金) 10:12:41.53 ID:4n4GdyPAO
正直すまんかったorz
書き溜めしてる間に別のSS書く人の気持ちがよくわかったよ・・・
書き溜めに詰まると別の書きたくなるね
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/08(金) 17:47:09.26 ID:4vDNrmj80
>>279
こんな1レスじゃ作品とは言えないな
それぞれ一人ずつ1エピソードを追加してあと10レスはいけるぞお願い致します
281 :
◆NAZC84MvIo
[sage]:2011/07/08(金) 20:20:09.77 ID:L4qz/PaU0
一日遅れたけどいいか、1レスの小ネタ、七夕ものです。
「七夕か・・・」
言わずと知れた有名な催しである。短冊に願い事を書いて笹に飾り、神様に願い事をする。
その神様とは織姫と彦星で、恋人でありながら一年に一度、この日しか会えないという話である。
七月七日の夜、晴れればその願いをかなえてくれるという。
なぜ曇りや雨だとダメかというと、晴れていないと二人は会えないらしく、
そんな時に願い事をされても、腹立たしくて叶えてやる気になれないからだそうだ。
逆に晴れたら叶うといっても、叶えてくれるのは今日以外の364日間のどこかでというで、
どうやら下界の人間の願いをかなえてやりながら一年に一度の逢瀬の日を待ってるらしい。
「つまりは神様の暇つぶしってことだ」
詳しいエピソードを知ってから、俺はこの日を楽しめなくなった。
もうそんな年じゃないっていうのも大きいが、
小さいころ真剣に願ったあの気持ちをバカにされたような気がするのだ。
「いくらなんでもあんまりじゃね?恋人に会えない時の退屈しのぎって」
大体この梅雨時、晴れることの方が珍しいんだから無駄だろう。
そう思うならやらなければいいだけの話だが、お袋がわざわざ皆の分の笹と短冊を買ってきたんだ。
各自部屋の窓に飾れとのお達しだ。
「どうしたもんかね」
バカバカしいとも思いながらも、いざ願い事を書くとなると悩むな。
しかもいつ叶うともしれぬ願い事だ。
「昔はなんて書いてたっけ・・・」
小さい頃――小学校の低学年の頃か、家族で何かやったな、そういえば――
―――――
「家族みんなが健康で幸せでありますようにっと」
「お前がそれを書いてしまったら、俺の書く事がなくなってしまうではないか」
「あら、いいじゃないですか。同じ願い事でも」
「む・・・」
「同じ願い事するなんてもったいないよ!」
「そーだよ!せっかくの“ちゃんす”なのに!」
「いいのよ、お父さんもお母さんも本当にそれが一番の願いなんだから!」
「そーなの?」
「そうよ、それに二人で同じ願い事をしておけば、どっちかの願いが叶ったら両方の願いが叶うでしょ」
「ああ!そっかーっ!!」
「京介はどんな願い事をしたの?」
「ん〜考え中」
「あら?書き直すの?」
「うん。きりのはなんて書いたの?」
「ひみつだよ〜」
「ケチ!教えろよ!」
「やーだよ〜、おんなにはひみつのひとつやふたつくらいあるもので〜す」
「それじゃおれが願い事かけないだろ!」
「え〜?なんで?」
「そ、それは・・・、いいよ!きりのが秘密にするんならおれだって秘密だ!」
「な〜に二人とも、どんな願い事をするつもりなの?」
「それは・・・」
―――――
今思い返せば、大切な願い事をあんなものにするとは呆れたシスコンだな・・・
だが、まあいい。それこそ今さらだ。今の俺だって同じ願い事をするだろう。
あいつのことが嫌いだろうと、あいつが俺のことを嫌いだろうと、
兄貴として妹の悲しむ姿なんて見たくない。ただそれだけだ。
あいつが何を願い、何を望み、何を思っているかなんて知ったこっちゃない。
それでも、いや、それだからこそ俺の願い事は変わらない。
今の俺は、あいつを面と向かって応援する自信なんて持ってない。
だから俺は神頼みするしかないんだろうな・・・
さっさと書いて飾ってこんなイベントは終わらせよう。
叶ったかどうかも判断できない願い事だ。だけどそれでいいさ。どうせ俺の事じゃない。
短冊にペンを走らせ、昔と一字一句たがわぬ願い事を書く。
「頼むぜ、神様」
――桐野の願いが叶いますように
京介――
282 :
◆NAZC84MvIo
[sage]:2011/07/08(金) 20:41:50.67 ID:L4qz/PaU0
ぐわっ!!最後のオチで痛恨のミス!
桐野じゃなくて桐乃だろう
PC変わったから変換候補が・・・
ちなみに時系列のイメージは冷戦中〜せいぜい進級前の夏ってカンジで
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/08(金) 20:46:18.85 ID:G7kPjoTAO
>>281
イイハナシダナー(´Д`)
安心感をもって読めるだけに、最後の誤変換が惜しまれる
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/08(金) 21:52:18.05 ID:exUj1zjI0
>>281
乙
シスコンここに極まれりと言いたくなるな
だけど京介、詳しく調べたなら恋人と夫婦間違えないであげて
よく間違われるけど、織姫と彦星は恋人じゃなくて夫婦
285 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:54:10.73 ID:squ5sHMro
8巻の黒猫、個人的には少し残念です。
神猫よりも、白猫のままでいて欲しかった……(合掌
梅雨もあけ今日も暑いので、心が寒くなるSSをひとつ。
題名:『福引』
投下:直ちに投下します(8レス)
※以下の点にご注意下さい。
・カプ:京介×あやせ
286 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:54:56.56 ID:squ5sHMro
暗黒の結界に囚われし罪深き高校生、高坂京介――。
俺の置かれた情況を的確に言い表すなら、まさに打って付けかもしれない。
どう足掻いたところで、この結界から抜け出すことは不可能な気がしてならん。
何しろ、鬼門の位置(俺の隣り)に座っているあやせが、俺にはマジで怖ぇ。
あやせが放つ妖気に恐れをなしたか、さもなくば、俺たちの他には誰も存在しないのか、
暗闇で目を凝らし、周囲を見回しても人影はどこにも見当たらない。
あやせは、膝の上で手を握り締め、冷酷な眼差しで正面を見据えたままだ。
『お兄さんを生かすも殺すも、わたし次第ですから』と、無言で語っているかのよう。
「な、なぁ……あやせ…………さん?」
「お聞きしたところによると、彼女に振られたそうじゃないですか」
あやせも場所柄をわきまえてか、感情を抑えた小さな声で呟いた。
かと言って、俺のことなんか一切見向きもしねえけどな。
『わたし、今とっても不機嫌なんです』と、顔に書いてあるようだ。
仕方なく俺もあやせに倣って、小さな声でボソボソと囁くように答えた。
「……桐乃か、麻奈実にでも聞いたのか?」
「そんなこと、どっちでもいいじゃないですか。
大体、自分から振ったならまだしも、女から振られるなんて……。
本当に情けない人………………大っ嫌いっ!
お兄さんに、こ、こ、恋人なんて……死ぬまで出来るわけがないんです」
酷い言い草だが、一部は事実なんだからしょうがない。
傍から見れば、バカップルが、愛の言葉を囁き合ってるように見えるかもな。
しかし、現実は厳しいもんさ。
「俺だって、いまさら言い訳するつもりなんて毛頭ねえけどさぁ、
あいつには、あいつなりの事情があったんだと、そう思うしかねぇだろうが」
「結局、言い訳ですか? お兄さんらしいですよね。
お兄さんはわたしに、いつもそうやって言い訳ばっかりなんだから。
……振られたことを相手のせいにするくらいなら、早く死んじゃってください」
287 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:55:39.81 ID:squ5sHMro
俺が反論しないのを好い事に、死ぬまで恋人は出来ねえだの早く死んじゃえだの、
ここぞとばかりに言いたい放題のことを言いやがる。
「なぁあやせ、俺が悪いのは重々承知しちゃいるけど、何もそこまで――」
「お兄さん、静かにしてもらえませんか。もう、始まりますから」
氷のごとく冷たいあやせの言葉に制され、俺も渋々正面に向き直った。
――その昔、森に囲まれ、風雨に晒され朽ち果てた一軒の屋敷があった。
人の影すら見えず、いつしか近隣の人々の記憶からも消え去ろうとしていた。
しかし、ある満月の夜のこと、屋敷の裏庭にある古井戸から――
「なぁ、この映画ってさぁ――」
「しばらくの間、黙ってていただけませんか」
この首を傾げたくなるようなしょうもない映画は、
『井戸の中で愛を叫ぶ』という、人を馬鹿にしたような超B級ホラー。
かなり昔に一世を風靡した、某人気映画のパクリじゃねえか。
俺たちの他に観客が見当たらないのも、これなら頷けるってもんだ。
そう思うと可笑しなもので、ふと、別の思いも浮かんできた。
もしや、今俺は夢を見ていて、これは夢の中の出来事なんじゃねえかと。
であれば、あの夏の日の一件以来、一度も顔を合わせていなかったあやせと、
こうして一緒に映画を観ていたとしても何の不思議もねえ。
「いいですかお兄さん。ここは重要なシーンなので、ちゃんと観ていてくださいね」
「そうなんすか。……ていうか、何でこの映画のストーリー知ってんだよ?」
ハンカチを握り締めたあやせは、スクリーンを食い入るように見つめていた。
夢じゃないことくらい百も承知だよ、夢だったら、こんなにリアルなわけがねえもん。
「わたし、この映画が大好きで……DVDも持ってますから」
「DVD……ね。…………この映画のかよっ!?」
288 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:56:25.33 ID:squ5sHMro
あやせが大のホラー映画好きだったとは、俺は、今まで思いもしなかった。
しかし、コイツの性格や行動を思い起こせば、分からんわけでもない。
いつだったか、あやせに蹴っ飛ばされて俺が鼻血を出したときも、平然としていたし。
「――で、この後はどうなんの?」
「ここから、少しだけ残酷で怖いシーンが続くんです。
家で一人で観ているときは、いつもここだけ早送りするんですけど……
お兄さんも怖かっ――」
あやせは目を瞑ったかと思うと、いきなり俺の腕にしがみ付いてきた。
もし、俺とあやせが恋人同士なら、この手の反応はお約束なんだろうが……。
「な、なぁあやせ……」
「うわっ、ごめんなさい……うっかりして、お兄さんなんかに触っちゃった。
後でよく手を洗っておかないと、変態菌に感染しちゃう」
一人でホラー映画を観ているあやせの方が、よっぽど怖ぇえじゃねえか。
この悪魔は、俺の心をへし折るような台詞を平然と吐きやがる。
しかし、俺の腕からパッと手を離したあやせは、自分の頭をポンと軽く叩き、
可笑しそうに笑っておどけて見せた。
「お兄さん、ここからが、この映画の最大の見せ場なんですよ。
古井戸の中から出て来た貞子が、かつての恋人に向かって愛を叫ぶんです」
誰がどんな映画を好きになろうと、俺がとやかく言う筋合いのもんでもない。
しかし、少なくともこの映画に関して言わせてもらえるなら、
俺には貞子が愛を叫ぶっつーより、恨みを言ってるようにしか見えんのだわ。
「わたし、このシーンが何度見ても好きなんです。
貞子はたとえ命を失っても、かつて自分が愛した恋人のことが忘れられずに、
ああして夜になると古井戸から出て来るんですから」
「俺の勘違いだったら申し訳ねえけど……貞子が死んだ原因って、
その恋人に新しい彼女が出来たんで、それで邪魔になって殺されたんだろ?」
「……お兄さん、それを言ってしまったら、身も蓋もないじゃありませんか」
289 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:57:01.13 ID:squ5sHMro
どうして俺が、このしょうもない映画を観る羽目になったのか。
運命の悪戯と言うほど高尚なもんでもなく、ぶっちゃけ、只の偶然に過ぎん。
昼飯を済ませ、腹ごなしに散歩へ出掛けようとしたときのこと、
福引の抽選券があるからついでにと、お袋が言ったのがそもそもの始まりだ。
商店街の一角に設けられた抽選会場は、日曜日のせいか、かなりの人出で賑わっていた。
待つこと数分、ようやく順番が回ってきたのに、あっけなくどれもハズレだった。
両手一杯にティッシュを抱え、さてこれからどこへ行こうかと振り返ると、
そこにあやせが立っていたってわけさ。
「げっ! あっ、あやせ!?」
「お久しぶりですね、お兄さん。……まだ、生きていらしたんですね」
俺の両手一杯のティッシュに目を留めると、あやせは顔をしかめた。
「いやらしいっ! こんな街中で、何を考えているんですかっ」
「何って、福引やってる前でティッシュ持ってりゃ、
あやせのように頭のおかしなヤツ以外、普通ハズレの景品だって思うんじゃねーの?」
「ふんっ、お兄さんには、ハズレのティッシュがよくお似合いですことっ」
これがあやせでなければ、一発ぶん殴ってやるところなんだが……。
「あやせも、福引やりに来たんだろ? 手に持ってるそれって、何か当たったのか?」
あやせは、手に持った景品らしき封筒を握り締め、俺の顔をジッと見つめた。
無表情だから、怒っているのかそうじゃねえのか見当もつかん。
触らぬあやせに祟りなしってことで、俺は苦笑いを浮かべながら頭をボリボリ掻くと、
あやせをその場に残し退散しようとした。
すると、あやせは俺のシャツの裾を掴んだかと思うと、力任せに俺を引っ張り始めた。
どうやら、俺をどこかへ連れて行こうとしているらしい。
「なっ、あやせ、どこへ連れて行くつもりなんだよ!?」
で、引っ張り込まれたのが、この映画館だったというわけ。
福引で当てた景品が、この映画館でのみ使える期間限定のペアチケットだったとは、
このときになって初めて知った。
290 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:57:36.96 ID:squ5sHMro
暇潰しにもならないこの映画も、時間的に佳境に差し掛かっている頃だろう。
相も変わらずあやせは、真剣な表情でスクリーンに見入っているし、
俺はといえば、その仄かな光に照らされた、彼女の可憐で端正な顔立ちに見入っていた。
どこか映画のワンシーンにも似て、愁いを帯びて物悲しくさえ見える。
あやせが無理やり俺をここへ連れて来た真意は、今もってよく分からねえ。
しかし、俺は、このとき素直に自分の負けを認めることにした。
「なぁ、あやせ…………すまなかったな」
あやせはスクリーンから目を離すことなく、静かに口を開いた。
「どうして……わたしに、謝ったりするんですか?」
「何でだか、俺にも分かんねえけど…………何となく、かな」
なぜ俺があやせに謝んなきゃいけねえのか、俺自身にしてもよく分からん。
だが、とにかくこの場は謝っておけと、頭の片隅で声がするんだから仕方がねえ。
「そうですか。……それなら、わたしも、お兄さんのことは赦してあげます。
もちろん、何となくですけど」
あやせの口元から笑みがこぼれたそのとき、貞子のかつての恋人が恐怖に顔を歪め、
断末魔の叫び声を残し、古井戸の中へと引きずり込まれていくラストシーンが映っていた。
「なぁ、貞子の元カレって、誰かに似てるような気がすんだけど……」
「わたしも前から思っていましたけど、お兄さんに、どことなく似ていると思いますよ」
「……やっぱそうか。俺もそうじゃねえかな、とは思ったんだ……」
古井戸を背景にスタッフロールがゆっくりと流れ始めても、
俺は貞子に呪い殺された、どことなく俺に似た、先程の男が気になって仕方がなかった。
「さっきの男のことなんだけど……井戸の中に引きずり込まれても、幸せなのか?」
「男の人はどうだかわかりませんけど、貞子はきっと幸せだと思いますよ。
井戸の中とはいえ、好きな人とずっと一緒にいられるんですから」
あやせに訊いたのが、そもそもの間違いだった。
291 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:58:18.00 ID:squ5sHMro
脱力感と共に映画館を出た俺は、時計を確認してからあやせに声を掛けた。
「これからどうする? 帰るっていうなら、家まで送って行くけど」
「帰るにはまだ少し早いですし、ちょっとだけ寄り道したい所があるんですが、
一緒に行っていただいても構いませんか?」
「別に俺は構わんけど、寄り道したい所って?」
「付いて来ていただければわかります。それ程、遠い所でもありませんから」
あやせはそれだけ言うと、俺に背を向けて黙って歩き始めた。
しばらく歩く内に、あやせがどこへ向かっているのか、俺にも見当がついてきた。
「なぁ、もしかしたら……」
「ごめんなさい。……もう少しだけ、何も訊かないで付いて来てください」
思ったとおり、あやせは、中学校近くにある児童公園の前まで来ると足を止めた。
あやせからメールで呼び出されるたび、俺は、この公園へと足を運んだものだ。
俺にとって、いや、あやせにとっても想い出の場所に他ならない。
「少しだけ、お兄さんと、お話がしたかったんです。……構いませんか?」
「……そっか、映画を観てそれっきりじゃ、如何にも味気ねえもんな。
まぁ立ち話もなんだし、あやせさえよければ、いつものベンチにでも座って話すか。
俺、何か飲むモン買って来てやっから、先に座って待っててくれ、な」
近くの自販機で二人分の飲物を買うと、急いで公園へ引き返した。
「あやせは、たしかレモンティーで良かったんだよな」
「……もしかして、覚えていてくれたんですか?」
「何となくな」
俺が手渡してやると、あやせは手に持ったレモンティーの缶をしばらく見つめ、
おもむろに、誰に聞かせるともなく小さな声で呟いた。
292 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:58:56.63 ID:squ5sHMro
「……また、この場所から始めようと思います」
どういう意味かは分からんが、呪いの呪文じゃないことだけは確かなようだ。
「なぁあやせ、どっか、調子でも悪いんじゃねえのか?」
俺を振り向くあやせの顔には、いつの間にか笑顔が戻っていた。
「そんなことはないですよ。大好きな映画も見られたし、気分は上々です」
「ま、まぁ……あやせがそう言うなら、いいんだけどさぁ」
あやせの溢れるような笑顔と、一点の曇りもない澄んだ瞳。
どことなく懐かしく、心の底から湧いてくる幸福感が、俺の胸を締めつけた。
「この前は、酷い態度を取ってしまって、本当にすみませんでした。
あの……お兄さんに、こ、恋人が出来たとお聞きして、わたしも驚いたというか……」
あやせは“恋人”という言葉を口にした途端、顔を赤らめ、俺から視線を逸らした。
「俺も、別に隠すつもりはなかったんだけど……まぁ、いまさら言ってもな」
「お兄さんに恋人なんて、まだ、少し早過ぎたんですよ。
わたしだって、過ぎたことをいつまでも責めるつもりはありません。
これに懲りたら、むやみやたらと、他の女の子には手を出さないことです。
今回の件は犬に噛まれたとでも思って、一日も早く忘れてください」
一方的に喋ったかと思えば、勝手に結論づける。これも、あやせの性分なんだろう。
言いたい放題言ってすっきりしたのか、澄ました顔で笑ってやがる。
俺に恋人は早過ぎたとか犬に噛まれたとか、何もそこまで言わんでも、とは思うけどな。
それに、あいつは犬じゃなくて、元から黒猫なんだし……。
「でも、お兄さんも今年の夏は、いつもより楽しかったんじゃないんですか?
短い間かもしれませんけど、生まれて初めて、恋人気分を味わったんでしょうから。
あっ、でも、元の木阿弥になってしまって、お兄さん的には残念だったのかなぁ」
「久しぶりに顔を合わせたかと思えば、その棘だらけの物言い……
あやせって、ほんっと変わってねーな。腹が立つより、懐かしくて涙が出るぜ」
293 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/07/09(土) 15:59:39.53 ID:squ5sHMro
あの夏の出来事から三ヶ月、すべてが元に戻ってしまったわけでもない。
いつしか俺と桐乃は、適当な口実を探しては、お互いに人生相談と称して話を持ちかけた。
俺は桐乃との、そんな取り留めの無い話をしている時間が楽しかったし、
多分、桐乃も同じように感じてくれているはずだ。
お袋はそんな俺たちを見るにつけ、時々、不思議そうな顔をしているがな。
その反面、黒猫との関係は……。
「あっ、わたしまだ、お兄さんにお礼を言ってなかったですね。
……今日は、映画に誘っていただいて、本当にありがとうございました」
「俺が誘ったんじゃなくて、あやせが無理やり俺を連れてったんだろうが」
「そんな細かいことをいつまでも言ってると、わたし、本当に嫌いになっちゃいますよ。
映画とかデートとかは、お兄さんから誘うのが決まりなんですから」
あやせの頭がおかしいところは、この先、百年たっても変わらんだろうな。
俺があやせにデートを申し込んだところで、絶対断るくせして。
「わたし、きょうの映画を観て気付いたんですが、恋愛も映画と同じだと思うんです」
「恋愛が、映画と同じ……とは?」
「本当に好きなら……もう一度、初めから巻き戻せばいいんです」
(完)
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/09(土) 16:14:23.27 ID:MJUTZhHh0
乙
久しぶりの力作、本当にありがとうございます
っていうか相変わらずあやせものなのねwwwwwwwwwwwwwwww
295 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/07/09(土) 17:37:42.52 ID:NJOJUvTAO
>>293
やはりあやせはいいものだ。でもいままでの作品に比べたらオチがアッサリしてるような。
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/09(土) 17:55:28.11 ID:i05PBOSDO
>>293
なぜだろう
あやせに罵られるとMでもないのに興奮してしまう
297 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/07/09(土) 20:30:40.76 ID:etvHM8ti0
なんでこの人黒猫派なのにあやせものばかりなのだろう
神様に感謝する。
あやせ×京介はカップルとしては一番しっくり来るな
298 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/09(土) 21:42:20.93 ID:AjwmdtH/0
>>293
乙!
マジであなたのSS来るの待ってたよ!
相変わらずのナイスあやせです、ありがとうございます
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/07/10(日) 05:31:33.40 ID:m+3xrUsv0
>>293
乙でしたー!
いつも貴方のSSを楽しみにしてます。あやせまじ天使
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/10(日) 20:47:19.31 ID:vuIstssPo
乙でしたー
イイヨイイヨー
301 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:41:35.00 ID:bwMKvAwX0
はじめての投稿ですので、いろいろミスがあるかもしれませんが・・・
題名:『願い〜序〜』
※語り:桐乃プラス京介
では、行きます。
302 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:43:07.96 ID:bwMKvAwX0
12月18日(日) 高坂家リビング
<<桐乃side>>
日曜日のお昼前というのは、どこの家でも家族の団欒の時間だろう。
我が家も日曜日ということで、リビングでは非常にまったりとした時間が流れている。
そして今私は家族用に紅茶の茶葉をティーポットで蒸らし、ゆったりと紅茶の紅い色がお湯に広がるのを待っている。
「ん…こんなとこかな」
紅茶の色が十分濃くなったことを確認し、紅茶の入ったカップをリビングのテーブルに並べていく。
なぜか私の家では麦茶は安物のパックなのに、紅茶はお母さんがわざわざ専門のお店からいい茶葉を取り寄せている。せっかくいい素材があるのだからと、自分が満足できる味を出せるように紅茶の淹れ方を練習してきた。その努力の成果として、今カップからは鼻孔をくすぐる甘い香りが漂ってくる。
リビングには私を含めて4人。みんなが私の入れた紅茶を飲んでホッと一息をつく。
「…ん。すげーうまいな。桐乃ちゃんってこういうのもできるんだな。」
「は……はぁ?」
「あ、すまん。別に悪い意味じゃないぞ。
ただ桐乃ちゃんってかわいいし、服のセンスも良くておしゃれだろ?
それに紅茶を入れるのもうまいから多才だなって思ってな。」
紅茶を一口飲むとそいつが突然意味不明なことをのたまってきたので、つい条件反射で聞き返す。それを私が機嫌を悪くしたと勘違いしたのか、手を左右にふって謝ってくる。
……だけならまだしも、あまつさえそいつは私のことを恥ずかしいくらいどストレートに褒めちぎってくる。
303 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:44:36.49 ID:bwMKvAwX0
「かわっ!----ばっ、ばかじゃん!?
こんなのただお湯にいれるだけなんだから、誰でもできるっての!」
「あはは、そんなことないぞ。
俺も味とかはよく知らねーけど、こういうのを上手く入れるのって結構難しいんだろ?」
か…か…かわいいとか急に何言い出すのよっ!ありえないんですけど!?
そんな私の心の叫びもつゆ知らず、そいつはムカつくぐらい朗らかな笑みをこぼしながら、紅茶を味わっている。
むぅ〜っと目を細めて睨みつけても、そんなものどこ吹く風とばかりに涼しい顔をして受け流される。そう、何を隠そうこいつは私の兄貴、超シスコンでど変態の高坂京介その人である。
こいつがシスコンで、私のことを死ぬほど好きなのはよーーーく知っている。
でも、いつもなら私が少し睨んだだけで怯むくせに、今に限っては全く動じた様子もなく、
おいしいおいしいと連発してくる。
ほんっっと……調子狂うな。
私は京介のあまりの変わりように頭に軽い痛みを感じて、はぁとため息をつく。
えっと……なんでこんなことになったんだっけ。
ことの始まり何だっただろう……
そうだ――全ては3日前のあの言葉から始まったんだ。
私の中で2日前の出来事が色鮮やかに蘇ってくる。
304 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:46:10.83 ID:bwMKvAwX0
金曜日 高坂家リビング
PM6:00
「明日でかけるから。」
ソファに横たわってファッション雑誌に目を落としながら、学校から帰ってきた兄貴へと話かける。
冷蔵庫から麦茶パックを取りだそうとしていた兄貴は、突然声をかけられて少し驚いたように振り返る。
「はぁ?なんだよいきなり?
別に俺に言わなくても勝手に出かけりゃいいだろう。」
「あんた、本気で言ってんの?
もちろんあんたも一緒に出かけるに決まってんでしょ。」
「俺もかよっ!?
……あのなぁ、俺ももうすぐ受験なんだぞ? 土日くらいじっくり勉強させてくれよ。
それに一緒に遊ぶなら黒猫かあやせとで行けばいいじゃねーか。」
ソファの上に座り直しふふんっとばかりに答えると、兄貴も負けじと言い返してくる。
だけど、甘い甘い。あんたの反論なんか最初から予測してるに決まってんでしょ?
「はぁ?ばかじゃん?
そんなの毎日しっかり勉強してたら1日くらい余裕でしょ?
それにみんなにはあんたを誘う前に聞いてみたに決まってんじゃん。
みんな予定があるから、仕方なくあんたを誘ってやってんのよ。
なに?こんなかわいい妹が付き合ってやるっていってるんだから、断る理由なんてなくない?」
「お前はなんでいつもそんな上からなんだよ……。
たくっ仕方ねーな。わかったよ!明日1日だけだからな!」
はい、完全論破達成☆
一応弁明しておいてやると、兄貴は見た目は地味だけど、そこまで頭が悪いわけではない。
勉強はそこそこできるし、最近だと夜遅くまで机に向かっている日が多くなってる。
それに前回の模試の結果でもA判定をもらっていたってお母さんも上機嫌に言ってたしね。
実際1日勉強をせずにリフレッシュしたほうが、兄貴にとっていいストレス発散になるだろう。
「で、どこにいくんだよ? 」
「…ん?んっとね、今回は秋葉原でおもしろいイベントがあるんだ。」
「おもしろいイベントねー。一体どんなのだ?」
「ふっふ〜ん。それは明日着いてからのお楽しみにとっときなさい。」
「へえへえ。わかりましたよ。んじゃ明日は……。」
その後のやり取りはどちらも馴れたものだ。
明日の時間を決めたり、兄貴の服を私好みの物に指定したりして、
金曜の夜はあっという間に過ぎて行った。
305 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:48:52.04 ID:bwMKvAwX0
12月17日(土)秋葉原電気街口
空はぶ厚い雲に覆われており、全体的に秋葉原には薄暗い雰囲気が作り出されている。
天気予報では夜から雨が降るという予報だったが、今にも泣き出しそうな空は私の気分も憂鬱なものにさせる。
この時期にしては寒さも相当なもので、私の吐く白い息が風に流され空に小さな軌跡を残していく。
そんな寒さの中、さすがにあんた達薄着すぎるでしょって格好をしたメイドさんたちが、
駅から出てくる人達にお店のチラシを配っている。
周りにはそんな寒さなんて関係ないとばかりに、オタクから外国人まで本当に多種多様の人達で溢れ返り、駅前には特有の熱気で包まれている。
そんな秋葉原ではお馴染みの光景を見やりながら
「………遅い。」
私はどうしようもないくらいにイラついていた。
今日の出で立ちは膝上まである黒いブーツを履き、明るめの茶色いコートの胸元からは白いシャツと青色のインナーが見え隠れしている。
まさにファッション誌から飛び出してきたモデルような雰囲気(実際に読者モデルなのだが)で、
通り過ぎる人たちがちらちらと桐乃のほうを窺う。
そんな秋葉原では珍しい服装をした美少女が『私すっごく不機嫌ですよ』といった顔で、
どす黒いオーラを辺りに撒き散らしている。
何人か声をかけようと近づく猛者もいたが、そのオーラに怖気づいてあっさりと立ち去るか、
遠くから眺めるだけとなっている。なんともシュールな光景である。
「ちっ。」
私はイライラを隠すことは一切せず、舌打ちをしながら腕時計に目を移す。
AM9:30
腕時計はさっき見た時から2分程進んだ時間を伝えてくる。
時計を見た回数なんてもう忘れてしまったが、駅に到着してから長針はすでに半回転はしている。
『女の子を寒空の下で30分も待たせるなんて、何考えてんのあのバカ兄貴は!?
わざわざ待ち合わせにしてやったんだから、男の方が先に待ち合わせ場所に居るのがマナーでしょ!マナー!!』
私は怒りに燃える心の中で、兄貴へとありったけの罵声を浴びせなんとか理性を保っていた。
……もし、桐乃の腕時計に意志があるならば、こうツッこんでいただろう。
「さすがに待ち合わせ1時間前に到着するご主人様の方が悪いっすよ」と。
そんな時計の気持ち(?)も知らず、桐乃の理不尽な文句はまだ続く。
306 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:50:36.04 ID:bwMKvAwX0
『ていうか読モの私が地味なあいつに似合う服をわざわざ選んでやったのよ?
それに感謝して待ち合わせ2時間前に来るのが男として、いやヒトとしての常識でしょ!
そんな常識がなくて大学に行けると思ってんの!?3年くらい勉強し直してこいっつーの!!』
イライラを発散させるために頭の中で兄貴に即死コンボを何度も何度も叩き込む。
兄貴(イメージ)がボロボロになり頭上に死兆星が輝きだしたころ、
改札からかわいらしいメイドの服装をした2人組の女の子が黄色い声ではしゃぎながらこちらに歩いてくる。
「ねえ。さっきの男の子、結構かっこよくなかった?」
「あ〜私も思った!雑誌のモデルさんっぽかったよね?」
「だよねー。いいなー。誰かと待ち合わせしてるのかな?」
「ちょっと〜、仕事前にナンパとかしないでよぉ〜?」
「そんなことしないわよ!もう!………ねぇ、今から仕事ってキャンセルできるかな?」
「……本気?」
メイドさん二人組が冗談(?)を交わしながら私の横を通り過ぎてゆく。
ちょうど兄貴(イメージ)に百烈拳をぶち込んでスッキリしたこともあり、
その二人の会話が耳に入ってくる。
『ふ〜ん?』
仕事として読モをしているから、そういった服装やお洒落といった単語はやっぱり気になってしまう。
ようやく腕時計から改札の方へと目を移す。
すると図ったかのように改札の向こうからあの馬鹿兄貴が歩いてくる姿が見えた。
兄貴は少し辺りを見回して、私を見つけると片手を上げながら私の方に近づいてくる。
「おう、桐乃。待ったか?」
今日の兄貴は、下は細身のジーパンで、上は真っ黒なロングTシャツの上に厚地で藍色のカーディガン、そして雪のようにまっ白なダウンジャケットを羽織っている。
もちろん地味なこいつがこんなおしゃれな服を自分で買うわけはない。
この前、渋谷で兄貴を買い物に付き合わせたときに私がブランド店で選んでやったものだ。
「待ったに決まってんでしょ!あんた、今何時だと思ってるわけ?」
「え?今は……まだ9時半だよな。
……お前、もしかしてずっと前から待ってたのか?」
「は…はぁ?何都合のいいこと言ってんのよ。
私はただ今日のイベントに間に合わないか心配してただけだし。」
「ほんとか〜?」
時計を見て時間を確認した兄貴にあっさりと図星を突かれて、
思わず適当な言い訳を並べてしまう。
その反応を見て、兄貴はニヤニヤ笑いながら顔を近づけてくる。
くそぅ、したり顔でニヤけんな!ていうか顔が近いっつーの!!
307 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:52:05.99 ID:bwMKvAwX0
「もう!いいからさっさと会場にいくよ!?
本当に遅れたらあんたのせいだからね!」
「へーへー。わかったよ。
って、俺まだ何のイベントか全く教えてもらってねーんだけど?」
「ん。今日はね、星野くららさんのサイン会があるんだ。」
「へぇ、サン会か。星野きららってメルルの声優だよな?」
「そうそう。それでね、今回はあのシスカリにメルちゃんが参戦する特別版、
『シス×メル』の体験版配布があるの!
その記念ってことでくららさんのサイン会もあるんだ。」
シスカリというのは、正式名称『真妹大殲 シスカリプス』。
これは「ありす+」制作の妹もの3D対戦型格闘ゲームで、
黒猫や兄貴と遊ぶ時には必需品となっている。
前からシスカリでメルちゃんを使えたらいいなぁ〜って思っていたから、
今回のイベントはずっと前から目をつけていたのだ。
「なるほどな。それじゃあ俺もそのサイン会に並べばいいのか? 」
「はぁ?そんなわけないじゃん?
あんたにはちゃんとやってもらうことがあるんだから。
はい、これ。」
「……はい?」
私がそう言うと、事情を知らない兄貴の頭の上には?マークが出る。
そんな兄貴に家から持ってきたカメラをちょっと強引に手渡す。
「それじゃあよろしくね。兄貴♪」
308 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:54:38.38 ID:bwMKvAwX0
<<京介side>>
……なるほどな 。
俺は桐乃から渡されたカメラを片手に持ち、思わずため息をつく。
到着した店の前には、メルルの立て札がデカデカと設置されており、
今回のイベントの規模の大きさを表している。店の中はいわゆる、
大きなお友達でごった返しの状態になっており、
声優のサイン会に並ぶ列が店の奥のイベントスペースから入り口近くまで長々と伸びていた。
コミケとかで慣れてきたとはいえ、こういうイベントのときのオタクの方々のパワーには本当に恐れ入る。
だって、外から見ただけで店内の熱気がすさまじいのがわかるんだぜ?
我が妹も先程、
「あーー!やっぱりすっごい並んでるじゃない。あんたが遅れてきたからだかんね。
責任としてお昼ごはんはあんたのおごりね!」
と理不尽な言葉を言い残すや、俺の答えも聞かずに猛ダッシュで列の中に向かっていった。
そして、俺は俺で自身に与えられたミッションを達成するために戦場に目を向ける。
サイン会の列の横には、もう一つのイベントスペースがあり、
これまた多くのオタク達で山ができている。
その近くには、「日本の科学力は世界一ィィィ!星くずうぃっちが3Dに!!」と大きく書かれた垂れ幕がかけられている。
そして、オタク達の野太い歓声とシャッターの音が様々な場所から響き渡っている。
今の俺にとっちゃ最高のシュチエーションだよ、ほんと。
今このオタクの輪の中心でポーズをとり笑顔を振りまいているのは、俺もよく知る二人だった。
星くずウィッチメルルのメルルこと桐乃の表の友達の加奈子と、
アルこと金髪幼女でイギリス人のブリジットだ。
この2人とは以前にあやせからの頼みで、マネージャーとして一緒に仕事をした関係である。
桐乃から聞いた話では、2度のイベントが大成功を収めたため、2人は事務所からの評価も鰻登りで、その後も様々なイベントに引っ張りだこ状態らしい。
そう、そして桐乃からのミッションは、この2人の撮影会に参加してカメラに収めてくることだった。
なんでも、
「加奈子に自分のことはバレたくない、けど2人の写真は死ぬほど欲しい。
だからあんたが代わりに加奈子とブリジットの写真を撮ってこい! 」
ってことらしい。
確かに納得できる内容なんだが、俺のことがバレることは桐乃にとっては全く問題無いらしい。
309 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 00:57:39.41 ID:bwMKvAwX0
「メルルちゃんこっち!こっち! 」
「アルちゃーーん!萌ーー!こっち向いて―!?」
「は〜〜い ♪」「はいっ!」
おっきいお友達の催促にかわいらしい笑顔で答えるメルルこと加奈子。
ブリジットもお客さんの声に1つ1つ健気に答え、愛用の剣を使って様々なポーズをとっている。
それにしてもこんな寒い季節に露出の高い服、というかほとんど紐といってもいいものを着てるのに、
寒そうな顔一つせず笑顔を振り撒くこいつらは改めてすげえと思うよ。
この2人の仕事に対する意思が非常に強いことは、マネージャーとして関わってわかったことだ。
ただ、加奈子の素を見たらここにいる全員が崖から身投げをするんじゃねーかな……。
いざミッションに立ち向かう頃には、俺は正直自分のことがバレることは無いだろうと半分開き直っていた。
加奈子にはマネージャーの時と桐乃との偽デートの時に顔を見られているが、まぁなんとかなるだろう。
だってあいつバカな娘だし。(笑)
30分後、ようやく人混みを掻き分けて、円上のステージに近いところに陣取ることに成功する。
通勤時間の満員電車に負けず劣らずの人混みだったが、俺もそこらの素人じゃない。
コミケのあの地獄絵図に比べれば、こっちはまだまだ統率がとれているから初心者レベルだな!
……はぁ、さっさとミッションを終わらせちまうか。
自慢にもならないスキルを身につけてしまっていることに溜息をつきつつ、カメラを構える。
「こっちにも一枚たのむ!」
「はぁ〜〜…い?」
周りの歓声に負けないように大きめの声で呼びかける。
加奈子がその声に反応して営業スマイルをこちらに向けた瞬間、顔が一瞬だが固まった気がした。
だが、すぐにいつもの営業スマイルに戻りポーズをとる加奈子に、気のせいかと思いカメラのレンズを向ける。
パシャパシャっ!
「よっし!ミッションコンプリートと。」
その後、10枚ほど2人の写真をデジタルカメラに収めた俺は、
再び人混みを掻き分けて店の外に出る。
「うん。どれも結構よく撮れているんじゃないかな。」
そして、念のため自分の撮影結果を確認して、ある程度の出来であることを確認する。
特に加奈子が写っている写真はどんなポーズでも目線が全てこちらに合っているから、
なかなか臨場感のあるものが撮れたと思う。
これならうちの依頼主の桐乃様も満足するだろう。
「さて、問題の桐野はと……。」
先ほど店の中から「大ファンなんです!がんばってください!」と、
桐乃の大きな声がここまで聞こえたからもうすぐ来るだろう。
『へ。あいつも変わんねーな。』
俺は桐乃の趣味への想いや態度が変わっていないことにどこか安心して、
頬が緩むのを隠せずにいた。
310 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 01:01:27.98 ID:bwMKvAwX0
<<桐乃side>>
「あー!超よかった!やっぱりくららさんはかわぃいなー!!
それにこんなイイモノももらっちゃったし、最高だわ〜♪」
戦利品であるサイン入りの体験版ケースと、私の身長の半分くらいあるメルちゃんのぬいぐるみを胸に抱き、
私すっごく満足しました!と声を上げる。
このメルちゃん人形はサインをもらって会場から離れる時に、
なんでも100人目のお客ということでスタッフからゲットしたものだ。
やっぱ日頃の行いがいい人には運がついてくるのよね〜♪
「よかったな。ほら、こっちもバッチリ撮れたぞ。」
「サンキュー 。どれどれ〜?
…あぁメルちゃんもやっぱかわゆいなぁ/// ハァハァ。」
兄貴が撮った写真を見て、その出来の良さに思わず頬が緩む。
くふふー。やっぱ加奈子もブリジットちゃんもかぁわいーなぁ。
そう言えば加奈子がまた秋葉原でイベントをやるって言ってたし、
今度は変装して生メルルを見にいかなきゃね〜♪
「はは。興奮しすぎだっつの。
それより、どっかで昼飯でも食べようぜ?思いっきり動いたから腹減ったよ。」
「ん。そだね。
それじゃこれ持って。いいお店知ってるから案内したげる。」
「……やっぱ荷物持ちは俺なんですね。そういうとこも全く変わらねーのな。」
お昼ごはんに行こうという兄貴に賛同し、持っている荷物とメルちゃんを兄貴に手渡す。
ちゃんと荷物を受け取りつつも、どこか不満めいたことを言ってくる。
「何言ってんのよ。こういうとき、女の子の荷物を持ってあげるってのは当然じゃん?
女の子を疲れさせないっていうのもエスコートする側のマナーでしょ。」
「へいへい、わかりましたよ。桐乃様。」
「ん。わかればよろしい。
んじゃ行こ?」
そんなどこにでもいる兄妹の会話をしながら、兄貴を従えて歩き出す。
駅から1つ通りを離れた店に向かうため、赤信号が変わるのを2人して待つ。
「……ありがとな、桐乃。」
「ど、どうしたの、急に?」
311 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 01:15:50.56 ID:bwMKvAwX0
兄貴が何か思い出したかのように、感謝の言葉を述べてくる。
兄貴から感謝される覚えは山ほどあるけど、突然そんな言葉を向けられたことに、
思わず動揺して口ごもってしまう。
「今日のことだよ 。
なんだかんだ言って楽しいし、ストレス発散にもなっているからな 。
それにお前も高校受験が近くて追い込みで大変な時期なのに、
わざわざ俺のために時間を作ってくれたんだろ?」
「……キモ、考えすぎじゃん?」
「いいんだよ、俺がありがたいって思ってるんだからそれで。
……ま、また2人で一緒に遊びにいくのもいいかもな 。
大学に入ったら遊ぶ時間なんていくらでもできるだろうしさ。」
不意打ち。これこそ本当に不意打ちだ!
確かに今回は兄貴のことを想って連れ出したわけだけど、
ここまではっきりと感謝の言葉を真正面から言われるとは思っていなかった。
そ、それにこれってどう聞いてもデートのお誘いじゃん!
兄貴からのデートの誘いにカァっと顔が一気に赤くなり、鼓動が速くなるのが自分でもわかる。
『や、やば!?あたし、もしかして顔真っ赤!?』
そう思うと同時に信号が赤から青へと変わる。
兄貴に赤くなっている顔を見られることが恥ずかしくて、早足で横断歩道を渡り始める
「ど、どうしてもっていうなら付き合ってやってもいいけどぉ〜?」
心の中で深呼吸を繰り返し、横断歩道の真ん中でなんとか落ち着きを取り戻す。
それでもまだ赤いであろう顔を見られないように、前を向きつつ照れ隠しの言葉を投げかける。
「まぁ、あんたみたいなシスコンと遊んであげられるのは私ぐらいなもん……「っ桐乃!!」」
そう言葉を続けようとしたところに、突然後ろから名前を叫ばれる。
今まで聞いたことがないほどの大きな声に驚いて声の方に振り返ると、
兄貴がひどく焦った顔でこちらに走ってくる。
そして、私の視界にもう1つのものが入ってくる。
赤信号にも関わらず、スピードを落とさずに真っ直ぐこちらに突っ込んでくる車だ。
「え……?」
予想外のことに体が金縛りのように強張り、意味の無い言葉が口からこぼれ落ちる。
あまりの恐怖に目をつぶると、脳裏に子供のころの記憶が突然蘇る。
まだ私の足が遅く、かけっこで兄貴に追いつけず泣いている子供のころの思い出がだ。
『うえぇぇぇええん!お兄ちゃん待ってよー!?』
『へっへーん、桐乃は足遅すぎなんだよー!』
『ぞんなごどい゛わな゛いでよーー。うぇえええん!』
これが所謂走馬灯というものなんだな、とどこか冷静に感じる自分。
そしてそれ以上に兄貴と別れなくてはいけないことに心が絶望し、
黒い色に染め上げられるのを感じ、心からの想いが口に出る。
「助けてっ……お兄ちゃん。」
「っうぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
鬼気迫る叫び声に思わず目を開くと、そこにな大好きな人の大きな手が広がっていた。
312 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 01:16:45.67 ID:bwMKvAwX0
ドンッッ!!!!
強い衝撃と衝撃音。
自分の体が宙に跳ね飛ばされるのを感じ、直後に激しく地面に叩き付けられる。
背中から地面に強く打ち、そこから体が地面の上でもみくちゃに転がり一瞬息が止まる。
頭を地面に打つ度に意識が手から離れそうになるが、
衝撃が予測していたものよりも遥かに軽いためか、気を失うこともなく転がっていく。
ある程度吹き飛ばされ、体が地面の上でようやく静止するとと、
周りのつんざくような悲鳴や叫び声が耳鳴りのように響いてくる。
「う……っぐ。」
「――――ぶ!?」
あまりの痛みに身を丸め、痛みをこらえていると、
すぐに誰かが私の体を支える感触と薄ぼんやりと何かしら問いかける雰囲気が伝わってくる。
兄貴……?
しこたまコンクリートの道路に打ち付けた全身に強い痛みが走るが、
それを今まで培ってきた精神力でなんとかねじ伏せて、目を開ける。
薄っすら開いた目には、不安そうにこちらを見つめている女性が映る。
「あ、気がついた!あなた、大丈夫だった!?」
まだぼんやりとした意識の中で、ようやく周りを多くの人に取り囲まれていることをなんとか把握する。
頭が痛みと衝撃で混乱して何がおこったかわからなかったが、
自分に声をかけてきている人物が兄貴ではないことを認識すると、一気に意識が覚醒する。
「兄貴はっ!?」
痛みが全身に走るが、それを全て無視して無理やりに体を跳ね上げる。
最後に見た兄貴の手。自分が車に轢かれそうになって、
それを兄貴が身を挺して助けようとしたのを思い出す。
「ねぇ!兄貴はっ!!?」
「っ……。」
助け起こしてくれた女性に、ほとんど掴みかかる勢いで兄貴の様子を尋ねる。
そんな私に、その女性は息を詰まらせつつ、視線をもうひとつの人だかりの方に移す。
―――見るな。
そんな警笛が自分の心の中に響くが、それでもゆっくりとそちらの方に目を向ける。
313 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 01:17:45.61 ID:bwMKvAwX0
―――――見るな!
先ほどまで自分が立っていた場所には大量のガラスの破片と 何か赤い液体が飛び散っている。
そしてまっ白な羽のようものがある種幻想的に、宙に散らばまれている。
地面に落ちたそれの1部は赤い液体を吸い取り、生理的に吐き気を催すほどどす黒く変色していっている。
後で思い返せば、それは彼のダウンジャケットの羽毛だったんだろう。
その赤い液体はところどころ途切れつつも10mほど先まで続いており、
大きな人だかりの中に延々と伸びている。
うそ……
私を支えてくれている女性の制止の声を無視し、自身の中で鳴り響く警笛を振り払い、
ゆっくりと私は、赤い液体に沿うようにもう一つの人だかりの方へと這い寄って行く。
うそ……うそ……うそだ……そんな……
頭が割れるように痛む。
それが事故によるものなのか、自分の中で一気に膨れ上がるある1つの可能性を信じたくないからなのかはわからない。
私が人だかりに近づくと、野次馬たちは何か察したかのようにサッと左右に別れ、
人混みの中心まで一気に見渡せるようになる。
そして、
その中心には、大量の血の水溜りの中でうつぶせに倒れ伏せる京介がいた。
―――――いやぁぁああああぁぁあああああああああ!!!!!!!!!
絶望に色塗られた絶叫が秋葉原の空を突き抜ける。
314 :
kyosuke
[sage]:2011/07/12(火) 01:19:10.59 ID:bwMKvAwX0
〜序〜は以上です。
続きはほぼできてますが、改訂中です。
改善点とかあれば教えてください。
315 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 01:42:03.57 ID:4JxWekvc0
乙
序ってあとどれくらい続くの?
長くなるんだったらスレを立てるのも良いと思う
>>154
の続きができたけど、今日の昼前後くらいに投下しにきます
316 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 01:48:13.31 ID:dBY0yjUIO
は?続きが気になって眠れんだろ
ちくしょーめ( ̄^ ̄)ゞ
317 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/12(火) 02:24:22.26 ID:unIepIRq0
次は“破”か
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/07/12(火) 08:24:44.04 ID:gkQ2fkvM0
おいおい、ここで引きとか続きが気になり過ぎる……
そして続きかけたけど、ってことは書きながらの投下なんだよな?
この長さで書き溜めなしとか正直戦々恐々でござる
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2011/07/12(火) 09:26:49.03 ID:/2D038/F0
久々の長編きたな
暫くは続き待ちを楽しめそうだな
320 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:14:35.57 ID:4JxWekvc0
>>154
の続きを投下します
事前の注意事項
続きなのに桐乃は最初しか出てきませんし、料理の話はほとんど関係なくなってます
そして相変わらずの8巻ネタバレあり
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:16:03.45 ID:4JxWekvc0
あやせに桐乃の料理について相談してから数日経った。
実はあれから今日まで桐乃の料理訓練は行われていない。
あやせから聞いたところによると、訓練はあやせと桐乃がお互いに用事がない日に行うことになったらしい。
あやせは読者モデルの仕事、桐乃は陸上にオタク活動もあることを考えるとそれが妥当なとこだろうな。
あれ?そういや桐乃っていつまで読モの仕事休止してるんだ?
アメリカから帰ってきたとき珍しく桐乃が敬語を使ってたから印象には残ってるんだが……。
っと、話がそれたな。
今日は桐乃もあやせも特に用事は入ってないらしいし、そろそろ特訓でも始めてんのかね。
桐乃があやせの家に行ってる間、俺は――
1.受験勉強に専念する
2.妹におすすめされた(押し付けられた)エロゲーをプレイする
3.妹×妹(シスシス)のりんこルートを攻略する
「……我ながら酷い選択肢だな」
本来なら1といきたいところだが、押し付けてきたくせして早くやらないと文句を言ってくるんだよな……。
仕方ない、今日は受験勉強は諦めるか。
数十分後――――
俺が息抜きに飲み物でも飲もうと一階のリビングへ向かうと
「ただいまー」
ちょうど妹があやせの家から帰ってきた。
「おかえり。なんだ、思ってたより早い帰りだな?」
「なんか予定してた分の材料を使い切っちゃったみたいで、今日はもう続けられないんだって。」
「ふーん……」
俺としては少な目に見積もった材料が切れたと信じたい。
いくら料理が壊滅的な桐乃でも、たくさんあった材料を数時間のうちに使い切ることはないだろう……たぶん。
「ところであんたは何をやってたの?」
「お前に押し付けられたエロゲーをやってて、喉が渇いたから飲み物を飲みにきたんだよ」
「ふーん、流石エロゲーマーの鑑。受験生なのに平日のこんな時間からエロゲーをやってたんだ?」
言うと思ったよ!チクショウ!
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:17:06.35 ID:4JxWekvc0
こんなやり取りをした翌日、俺はあやせに呼び出されていた。
なんでも食材の買い出しに付き合って欲しかったらしく、今は近所のスーパーに向かっているところだ。
だけどよ……
「なぁ、あやせ。
買い出しに付き合うのは良いんだが、こんなに早くから買い出しに行く必要はあるのか?」
「そうですね、このタイミングで買い出しに行く必要はなかったかもしれません」
「なら、なんで昨日の今日で買い出しに行くんだ?」
「1つは日持ちする食材を買い込んでおきたいということです。
次の桐乃との特訓はまたすぐに行うんですけど、その時になって必要なものを買いに行くのでは手間がかかります。
それなら先に日持ちするものを買い込んでおいた方が効率が良いんです」
なる程な。俺は料理なんてしないからその辺がよくわからないが、あやせが言うならそうなんだろう。
「それと、もう1つはお兄さんを呼び出すための口実です」
俺を呼び出すための口実?もしかして……
「あやせ……お前……実は俺のことが好きだったのか!?」
「な!?なんでそうなるんですか!」
そう言いながら上目遣いで見上げてくるあやせ(←超かわいい)。
「そうじゃなくて、どうしてお兄さんは桐乃に料理を覚えてもらおうと思ったのかを聞きたかったんです!」
なんだそのことか……。
俺は“妹”に料理が上手くなってほしいと思ったんだが、あやせには誤解を解くわけにいかないし……。
「それは俺が桐乃を愛してるからだ!愛してる女には料理が上手くあってほしいって思ったからな」
結局、こういう方向性でごまかすしかないのである。
嘘が嫌いなあやせにこんなごまかしは正直に言えば心苦しいのだが、妹の桐乃のためにも
俺とあやせとの間にある“誤解”をバラすわけにはいかない。
そう思っていたんだが、あやせは優しい声色で―――
「お兄さんが桐乃を女として愛してるって、それ嘘ですよね?」
なんて言ってきた。
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:17:43.17 ID:4JxWekvc0
「え?」
「わたし、気付いてたんですよ?お兄さんの嘘」
「い、一体いつからだ……?」
情けないことに思わず動揺してしまい、上手く言葉になっているかあやしいものである。
嘘を吐いていたにも関わらず、あやせの口調は相も変わらず優しいまま続く。
「あのメールを送ったときにはもう……。
なんとなく、あれはお兄さんが桐乃を庇うための嘘だったんだろうなって。」
『大ウソ吐きのお兄さんへ。』
そんな文面で始まるあのメール……。そうか……あの時にはもう気付いてたのか……。
「あの時、わたしは桐乃の趣味を受け入れられなくて、お兄さんをスケープゴートにしてしまいました……」
「……嘘吐いてて悪かったな。それと、あの状況で俺を悪者にするなって方が難しいだろ、気にするな」
「わたし……嘘は今でも嫌いですけど、人のために吐く嘘もあるんですね」
その後、なんとも言えない空気のまま買い出しを終え、今はあやせの家に来ている。
あやせがどう思っているかはわからないが、俺はなんとなく気まずい状態に陥っていた。
「そう言えば」
「へ、へ!?」
そんな状態のときにあやせに話しかけられたもんだから、思わず声が裏返ってしまった。
「さっき聞きたかった、お兄さんがどうして桐乃に料理覚えてもらいたい理由をまだ聞いてません。
どうして桐乃に料理を覚えてもらおうと思ったんですか?」
「あ、ああ、そのことか……」
ぶっちゃけ、どうしてかなんて聞かれても特に意味はないんだよな……。
ただ、強いて言うなら―――
「俺と桐乃のため、なんじゃねーかな?」
「お兄さんと桐乃のため……?」
324 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:20:12.94 ID:4JxWekvc0
俺と桐乃は1年ほど前までお互いの存在を無視しあう冷めきった関係だった。
ところがふとしたことで桐乃の趣味を知ってしまい人生相談をされるようになり、それをきっかけにまた話をするようになった。
そして桐乃に偽の彼氏ができたとき、俺は自分では自覚してなかった“妹”への想いを気付かされ、
俺に彼女ができたとき桐乃の俺に対する“兄”への想いを教えられた。
要するに俺はシスコンであることを自覚させられ、桐乃は俺に“自分を一番に見てほしい”と伝えてきたのだ。
だから俺は今までとは打って変わり、妹の桐乃と仲良くしようと思い始めた。
今回の料理についてもそれの延長線にあたると言っても良いんじゃないだろうか。
あやせにそのことを伝えると
「やっぱり、お兄さんは優しい人ですね」
と言いながらなぜか複雑そうな顔をしていた。
「……本当に優しかったら妹と喧嘩すらできないほど冷めきった関係にはならないと思うぞ」
「桐乃とお兄さんの間に昔何があったかわたしは知りませんから、それについては何も言えません。
けど初めてお会いしたときとか、わたしの相談に何度ものってくれたりしたじゃないですか。
これってお兄さんが優しいからできたことだと思います。」
「そ、そうか……」
なんで俺は妹の親友に優しいって褒められる、恥ずかしい目にあってるんだ?
しかもあやせの部屋でだから余計に恥ずかしいぞ……。
俺は恥ずかしさから話を変えることにした。
「な、なぁ。ところで桐乃の料理はどうなんだ?
昨日、練習日だったんだろ?」
「それなんですけど……桐乃の場合、調味料を間違えるとかはしない代わりに、分量を全く計らなかったり
火を弱めるということをしないので、それが失敗の原因になってます」
「それだけを聞いてると、とてもあんなものができるとは思えないな……」
結局、この日は高坂家の夕食の時間に近いということで桐乃の料理に関する話はこれ以上はできず、俺は新垣邸を後にした。
何がきっかけと言われたらこの日のあやせとの誤解が解けたことがきっかけだったのだろう。
翌日以降からあやせは俺と桐乃を巻き込み、何かと理由をつけては3人で出かけることが増えた。
そして、あやせの口から桐乃に向かって
「お兄さんと恋人になることを認めて」と言われることを俺はまだこのとき全く想像していなかった。
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:21:16.77 ID:4JxWekvc0
以上で投下は終わりですが最後にちょっとした蛇足を・・・
蛇足
・桐乃の読モ活動については原作で現在触れられていないので、あえてスルーしました
・あやせたんが複雑そうな顔をしているのは自分の想いと桐乃の想いで葛藤しているからです
・これ以上は続きません
326 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:26:57.01 ID:4JxWekvc0
あと、どうでも良いんですが七夕の小ネタ投下したのも俺です
このSSの書きために詰まってたときに七夕の話を聞いて電車ん中で即興でつくりました
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 11:40:58.91 ID:gFtlqtbDO
>>326
続かない…だと…?
どうして諦めるんだそこで!
ダメダメダメ(ry
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/12(火) 12:18:38.13 ID:/2D038/F0
>>325
乙!...っておい!
>>324
の下4行、そこが一番の見せ場じゃないか!
329 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 16:41:36.19 ID:zJdzUgELo
>>314
ドロドロの鬱展開が見たいです。
京介の記憶が戻らないことを悲観した桐乃が自殺を図り、
それを見てショックを受けた京介の記憶が戻っちゃったみたいな……
嘘です、ごめんなさい。
続編待ってます。
>>325
SSは、最後に“END”とか“終”とかを書かない限りは終わらないのだよ。
プロローグは読んだ。さあ、続きを読ませろください。
330 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/12(火) 20:34:11.50 ID:ebKbHMjF0
今回分の投下は終わりということですね、わかります
次回に期待しながら乙!
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/07/12(火) 20:42:06.35 ID:Wzsj9NFB0
>>301
の作者です。
序の続きが非常に長すぎるんですが、
助言通り専用スレ立てた方がいいですか?
332 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 20:52:39.37 ID:qBysZKRgo
その方がいいと思うよ
333 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/12(火) 22:06:12.22 ID:XLiWigln0
前はずっとROMってて、そんで久々に来てみたらまたしても面白いSS群が次々と……
>>331
続き楽しみです
>>325
お願いだから続き書いて下さい
334 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/07/12(火) 22:12:49.90 ID:scKZlFFAO
>>325
なんかストーリーダイジェストの序盤だけっぽい。もう少し肉付けしないと読みごたえがない。
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/12(火) 22:46:54.78 ID:N1uO4NH/0
>>331
建てたら教えてね
336 :
kyosuke
[sage]:2011/07/13(水) 00:04:51.30 ID:dFDh8XXb0
kyosukeです。
こんなに続きを期待してくれる方がいらっしゃることに感極まってます。
ありがとうございます!
助言のとおり、専用スレたてました。続きの【破】一章追加しました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310480351/
どうぞよろしくお願いししますm(--)m
337 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/13(水) 00:06:52.92 ID:ibDltpkF0
>>324
はこれ以上続けると今以上にぐだるんで勘弁してくださいorz
本当はね、最後の2行の部分だけは微妙に考えてあるんです
ただ、そこから先が進まないし、そこに持っていくまでが浮かばないんで挫折しました
この前の七夕の小ネタを除いたらこれがまだ二次創作SS3作目
もっとうまくなりたいもんです・・・
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/14(木) 15:19:19.08 ID:DmdarCiIO
誘い受け気持ち悪い
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/16(土) 23:27:56.21 ID:wuXesO4IO
あやせたんペロペロ
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/17(日) 10:40:06.56 ID:bjdPW4vN0
そろそろブリジットや加奈子のSSが読みたくなってきた
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/17(日) 12:33:34.53 ID:dDAfCaqAO
>>340
ネタ指定plz
お隣さんから借りる手もあるけど、無断拝借は気が咎めるし
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/07/17(日) 13:03:42.34 ID:/pcHNff/o
加奈子がマネージャー京介に好意を持って、桐乃に相談しにいき、
そこで桐乃の彼氏=桐乃の兄貴=マネージャー京介ということに気づく話を頼む。
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/17(日) 13:06:44.95 ID:ydOLqD4So
ブリと加奈子が京介を取り合うコメディで
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/17(日) 15:07:20.64 ID:bjdPW4vN0
>>342
,
>>343
同志よwwwそれいいな
あとは、京介が再び二人のマネージャーやって、
二人といるところで桐乃とエンカウントとか?
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/07/17(日) 17:13:35.39 ID:dDAfCaqAO
思ったよりむじゅい…けどがんがる
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/17(日) 20:47:17.54 ID:/t/wJQsSo
頑張れ!
君ならきっとやり遂げることが出来る!
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/18(月) 01:35:27.58 ID:NCjjle0oo
>>342
>>343
これで誰か書いて
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/07/18(月) 01:56:51.26 ID:Z88TahL+0
京介ってむしろピ○子とか大御所の御用聞きにまわされそうじゃね?
349 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/07/18(月) 10:03:07.07 ID:LgU+HpSAO
>>348
ぴったんこカンカンの安住の位置に京介がくるのを想像した
誰得だよ
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/19(火) 07:53:43.75 ID:ap8zBogb0
>>348
いや、あやせや桐乃が今後モデル業界から芸能界に出て大御所になれば問題な…。
あれ、今とあまり変わっ(ry
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/19(火) 23:29:02.89 ID:9UrUz8Vvo
>>350
かなかなとブリたんがキャンプインしました
352 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:32:57.50 ID:Quav4T4y0
前日譚、その後っぽいもの。
「そんなことより、もう六時過ぎてんじゃん。御飯作って」
「え? 俺が作んの?」
なに当たり前のように言ってんの、おまえ?
「とーぜんでしょ? それともなに? 妹の手料理が食べたかったわけ?」
ふむ。桐乃が作った料理か。なかなかに興味深いね。
そもそも妹に限らず、女性が愛情(←ここ重要)込めて作ってくれたものなら食べたくない男なんてこの世にいるのだろうか。――お袋は除くが。
とはいえこの妹が料理をしたとこなんかこれまで見たことがない。その腕前は推して知るべしだろう。愛情なんて欠片も含まれないだろうしな。
「冗談じゃねえ」
「あっそ。じゃあほら、早く、作って」
「しょうがねえな。炒飯でいいか?」
「ばっかじゃないの、そんなカロリー高いの食べられるわけないじゃん。あたしって読モなんだよ? 読者モデル。分かる? ねえ?」
「シリアルでも食ってろ!」
それ以上痩せてどうすんだっての。成長期だろ、おまえ。太りたくないのはわかるけどさ。部活で走り回ってるエネルギーはどこからでてるんだろうね?
「ホラあ、早くしてよ。ご飯食べたら、お風呂入って、そんで新作のエロゲーやるんだからさあ」
「へいへい」
ここで抵抗しても機嫌が悪くなるだけなので、俺はソファを後にして台所へ向かった。
桐乃は聞いてもいないのに新作エロゲーについて熱く語っている。対戦ものらしいので、どうやら俺も付き合わされるらしい。カンベンしてくれよ。
353 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:35:47.12 ID:Quav4T4y0
「さて、と……」
読モな妹サマはヘルシーな料理がご所望らしい。ローカロリーつっても良くわからんが野菜食わせとけばいいんだろ。それでいて男子高校生の腹を満たすもの……難題だな。俺は肉が食いたいんだがなぁ。
とりあえず米を研いで炊飯器にセットする。冷蔵庫を覗いてみるとそれなりに材料は揃っていた。冷凍庫にカレーが残っていたがこれは見なかったことにしよう。
自分のエプロンなんて持ってないので、お袋がいつも使っているやつをつける。丈が短いが仕方あるまい。
「ぷっ……くくく……」
視界の隅で笑いをこらえてるやつがいるが無視無視。ふたたび冷蔵庫を開ける。
絹ごし豆腐があったのでこれで一品作ることにする。ヘルシーったら豆腐だろう。
容器から取り出し、一丁を八等分に切る。キッチンペーパーで包んで軽く重しをする。
皮を剥いた玉ねぎをスライス。胡瓜はピーラーで軽く皮を剥いて千切りにする。レタスはちぎって水にさらしておく。ちなみにレタスに包丁を使わないのがポイントだ。
大きめの皿にレタスを敷いて、充分に水気を切った豆腐をのせる。
スライスした玉ねぎをよく絞ってから胡瓜とともに豆腐が見えないくらいにどっさりとのっける。大葉を何枚か刻んで貝割れ大根と混ぜて頂上に散らした。ふむイイ色合いだ。
小さめのフライパンに胡麻油を多めに入れて、そこにしらす干しを一握り放り込む。あまり固くなりすぎないよう低い温度でしらすを揚げる。
きつね色になったら頃合いだ。熱々のうちに揚げたしらすをごま油ごと豆腐にぶっかける。これで豆腐さらだの出来上がり。
取り分けるための小皿も用意する。
ご飯が炊き上がるにはまだ時間がかかるだろう。もう何品か作るか。一汁三菜というしな。
みそ汁は用意するとして、さてメインはなんにしよう?
354 :
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(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:37:38.22 ID:Quav4T4y0
「ねー、お腹すいたー。まだー?」
行儀悪くもダイニングテーブルでダレている桐乃が声を上げる。作り始めてまだ十分ぐらいしかたってねえよ。お前は我慢のきかないガキかっつーの。
「だってお腹すいたんだもん」
「しょうがねえな……」
エサを待つ雛鳥じゃないんだからちっとは手伝おうとか考えろよな、まったく。
仕方がないのでいま作ったばかりの豆腐サラダを持って行ってやる。ホントはよーく冷やしたほうが旨いんだがな。
「なにこれ、豆腐に野菜のっけたダケじゃん」
テーブルに置くと妹サマはさっそく文句をたれた。
こんなのあたしだって作れるよ、とご不満顔である。まったくなんて言い草だろうね。んならテメェが作れよ――と言いたいところだが。
「まあそう言わずに食べてみろって。ポン酢よりは醤油がオススメだな」
「なんかエラそう……」
桐乃は不機嫌そうにしながらも豆腐を小皿に分けると言われた通りに醤油を垂らした。
「……いただきます」
「おう」
桐乃は『お腹が減ってるから仕方なく食べてあげるのよ、こんなので誤魔化さないでよね』なんてオーラを出しながら豆腐を口に入れた。すると表情が変わった。
「……なにコレ、すっごくおいしいんですけど……」
おーおー、目を丸くして驚いている。
「どうして? ただの豆腐でしょコレ。なんでこんなにおいしいの?」
桐乃は二口、三口と食べながらどうしてどうしてと不思議がっている。
「どっかの有名な豆腐屋から取り寄せたの?」
「いんや。いつものスーパーで売ってる豆腐だよ」
「うそ……」
信じらんない、なんて呟く桐乃。
まあなんだ。相性がいいものを組み合わせれば相乗効果で旨くなるのさ。たぶんな。
「しらすがカリカリしてていいアクセントになってる。へえ、あんたやるじゃん」
なんとお褒めの言葉を頂いた。感涙にむせび泣くところだな。
355 :
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(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:39:07.32 ID:Quav4T4y0
そんな話をしながらも俺は手を動かしている。作っていたのはじゃがいものキンピラだ。
千切りしたじゃがいもと人参をごま油で炒め、砂糖と醤油で味付けをする。汁気がなくなれば出来上がりだ。ゴボウほどの旨みはないが火の通りが早いので手早く作れる。仕上げにすりゴマを大量に振ってテーブルへ。
「なんだか胡麻ばっかり」
「うるせ。胡麻は体にいいんだよ」
食欲もそそるしな。
さて、メインの料理だが……。そういえばこのまえ麻奈美の家で見た料理の本に面白いのがあったな。
「これもおいしいね。きんぴら」
「そりゃどーも」
まずゆで卵を作る。半熟がいいので適当なところで火を止め、粗熱をとってからゆで卵の殻をむく。ちなみに熱湯から茹で始めると殻が剥きやすいんだぜ。おばあちゃんの知恵だ。
缶詰のホワイトソースを開けてガラスの器に移し替え、白ワインとマスタード、塩コショウを加える。電子レンジで温めると簡単クリームソースの出来上がりだ。香り付けのローリエがないのが残念だ。
茹でたほうれん草を白いプレート皿に盛りその真ん中にゆで卵を丸のままのせる。めんどくさいんじゃないぞ。こういう料理なんだ。
卵が転がらないようほうれん草を中央に寄せる。最後にクリームソースを皿に絵を描く様に垂らして刻んだパセリを散らすと出来上がり。
「へぇ、フランス料理みたい」
おお、感心している。
「でもゆで卵はなくない? ふつうお魚か鶏肉でしょ?」
「おまえなぁ、ゆで卵を馬鹿にするなよ。美味しんぼでも至高と究極の最初の対決はゆで卵の料理だったんだからな」
それにてめーが肉は嫌だっていったんじゃねえか。
「そんなこと一言も言っていないじゃん。太るようなのは嫌だっていったけど」
そうだったか?
桐乃はぶつぶつ言いながらもゆで卵にソースを絡めて口に運んだ。
「どうだ?」
「おいしいけど……」
「なんだよ?」
「おかずになんなくない?」
……そーだね。
なに考えて作ったんだろうな、俺。仕方がないのでパックの佃煮やら漬物やらを出しておく。なんだか敗北感があるよ…。
356 :
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(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:40:50.71 ID:Quav4T4y0
そんなやりとりをしているあいだにも料理の手は休めない。最後はみそ汁だ。いりこの出汁はとってあるからあとは具だが……。冷蔵庫にあった大根ともやしのどちらにするか悩んでもやしにすることにした。ついでにわかめも足しておこう。
俺は冷蔵庫からいつもの味噌を取り出そうとして奥に珍しいものを見つけた。おおこんなものが。お袋め、隠していたのか?
炊飯器が軽快なメロディを奏でて、ご飯が炊けたことを教える。よしよしいいタイミングだ。炊きたての御飯の香りを楽しみながら茶碗によそう。おっと桐乃は半分ぐらいだったか。
「ほれ、ご飯とみそ汁」
「ん」
いろいろ頬張っていた妹は鼻だけで返事をする。テーブルの上の料理はけっこう減っている。ふたり分だから量もあったはずだが順調に消化してやがる。カロリーがどうとか言ってたくせにな。俺の分残しとけよ。
みそ汁を啜った妹は、うま、と呟いた。
「なにコレ、いつもと味が違うんだけど」
「仙台味噌だ。味噌の中ではいちばんウマいんだよな。煮てよし焼いてよしだがやっぱりみそ汁が一番だよな。なんでお袋これ使わねぇんだろ。一番奥にしまい込んであったぞ」
「買って忘れてたんじゃない?」
それはあり得るな。意外とズボラだからな。あのひと。
俺も自分の分を用意して席に座った。テーブルの上の料理は半分以上無くなっている。
「おまえ、食べ過ぎじゃね?」
「う、うっさい。しょうがないじゃない。お腹すいてたんだから……」
「いいけどな、別に」
食えないだの、マズイだのと文句たれられるよりはマシだろう。俺の料理のスキルが高いとは思わないが(少なくとも麻奈美には及ばない)桐乃を不満に思わせないだけのものは出来たらしい。友達同士でお洒落なレストラン巡りをしてるだけあってコイツは舌だけは肥えてるらしいしな。
これが愚痴だが、なんで女の子たちが好むレストランてのは量が少ないのかね。せめて大盛りを頼もうとしてなんど桐乃に冷たい目で見られたことか。
俺が食事を始めると、ねえ、と桐乃が呼んだ。
「――あんた、料理、できたんだね」
「まあな」
「誰に教えてもらったの? やっぱり地味子?」
「地味子って言うな。まあそれもあるが基本を習ったのは麻奈美の婆ちゃんからだな」
「ふぅん」
なんだろね。反応がいやにしおらしいじゃないか。
「いままでどうして作らなかったの? あの停電のときだって惣菜買ってきてたし」
「そりゃだって――」
正直に言いかけて俺は言葉を飲み込んだ。
「面倒だったからわざわざ作ろうと思わなかっただけだよ」
357 :
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(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:42:43.56 ID:Quav4T4y0
親父やお袋なら俺が作ったものでも興味本位で食べてくれるだろう。でもお前はどうだよ。
いまなら文句言いながらでも食べてくれるだろう。今日みたいにな。でもあの頃のおまえならきっと口もつけなかったんじゃないか。バカみたいとか言ってさ。そんな相手に作ってやろうなんて思わないだろう?
――なんてことは口にしない。自他共に認める鈍感な俺だが、それくらいのデリカシーはあるのだ。
「あんた、なんかムカつくこと考えてない?」
「はぁ?」
「わたしのことバカにしてんでしょ」
「なんでだよ」
眼光が怖いぞ。
「だって……だって……くっ……」
言いよどむ桐乃。怒った顔から一転、こんどはなんだか悔しそうにしている。
まあ気持ちはわからんでもない。俺が料理ができるってことがコイツにはショックだったんだろう。
完璧超人の妹だが家事全般については得意とはいえないようだしな。もちろんひと通りのことはできるんだろうが決定的に経験が足りていないんだろう。掃除や洗濯ならまだしも料理は場数だからな。
部活やモデル業、それに勉強。どうみても日常的に家事を手伝う時間などあるはずがない。大事な趣味の時間を削るわけにもいかないだろうし友人と遊ぶ時間も必要だ。むしろどうやってすべてをちゃんとこなしてんのかこっちが聞きたいぐらいだ。
「むむむ……」
桐乃はなにやら呟きながら煩悶としている。
悔しいのはわかったがそこまで悩まなくてもいいだろと思う。いいじゃないかひとつくらい不得手なものがあっても。そのほうが何でもできるよりよっぽど可愛げがあると思うんだが。
「……なんかムカつくなぁ。覚えときなさいよ、そのうち見返して――」
と、いきなり言葉を止めた桐乃が、なにかに気づいたような顔で俺を睨みつけている。
おいおい今度はなんだよ。
「ねぇ、聞きたいことがあるんだけど」
なんでそんなドスのきいた声なんだ。俺、なんか悪いこと言ったかな?
「な、なんだよ」
「兄貴、大学にはこの家から通うの?」
「その予定だけど――それがどうかしたのか」
「ホント?」
「なんだよ。そんな嘘ついてもしかたないだろ」
「う、うん。そうだよね。うん、ちょっと聞いてみただけ」
桐乃はそんな答えを返すと席を立ちリビングのソファーに横になった。テレビでも見るのかと思ったがそんな様子もない。さっきの怒ったような顔はなんだったんだ?
「おい、食ってすぐ寝ると太るぞ」
「うっさい、バカ。ほっといてよ」
冗談で言ったんだがお気に召さなかったらしい。だが返事をしないほど腹を立てているわけでもないらしい。なんだろうね、いったい。
まあいいさ。桐乃の気まぐれなんて今に始まったことじゃない。
「……豆腐サラダほとんど食いやがったな」
一丁すべて食べ尽くすとか、どんだけだよ。太っちゃいけないんじゃなかったのか?
358 :
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(福岡県)
[sage]:2011/07/20(水) 11:44:31.73 ID:Quav4T4y0
「ふー」
しばらくして食事を終えた俺は一息ついた。料理は嫌いじゃないが後片付けってのが面倒なんだよな。うちにも食器洗浄機入れてくんねえかな。使ったことなんてないが楽なんだろ、あれって。お袋が頼めば親父は嫌とはいわないだろうにな。
そんなことを思っているとソファーでごろごろしていた桐乃がいきなり立ち上がった。
「ね、コーヒー飲む?」
「おお……なんだ、どうしたんだ突然?」
「御飯作ってくれたからね。そのお礼。いらないなら別にイイんだけど…」
「いやいやいや、いります。ください。お願いします」
桐乃の言葉を遮って俺は言った。なんだよそんな寂しそうな顔すんなよ。びっくりするだろうが……。
「ん」
桐乃は満足そうに頷くと台所に向かった。戸棚を開けはじめたのでなにをするのかと思っていたら、奥からコーヒーミルとドリッパーを取り出している。なんだコイツちゃんと淹れるつもりなのか。俺はまたインスタントだろうと思っていたんだが……。
お湯を沸かしながらコーヒー豆を取り出す桐乃。なかなか様になってるな。それにしても桐乃は紅茶派だと思ってたんだがな。
「おまえ、えらく手際がいいけどコーヒーなんて飲むの?」
「んー、あたしは紅茶党だけどね。たまーにお父さんに淹れてあげてるよ」
へえ。親父にね。知らなかったな。コイツも親父には素直なんだよな。お袋とも母娘っていうより友達みたいだし。――ふと思ったけど、桐乃にひどいセリフ投げられるのって俺だけじゃね?
……あ、いや黒猫にもか。
でもあれってケンカしてるっつうより戯れてるって言う方が的を射てる気がするな。
考えてみればコイツ、表の友達にみせる表情と裏の友達にみせる表情も違うんだよな。態度も言葉使いも違うし。よくあんなに使い分けられるよな。俺なんかじゃ絶対無理だな。女ってこええよ。
「ねえ」
「な、なんだよ?」
いきなり桐乃が話しかけてきたのでドキリとする。心が読まれたのかと思っちまったぜ。
キッチンカウンターの向こうで桐乃はこっちを見ずにそっぽを向いていた。コーヒーの芳しい香りが部屋に広がっている。
「兄貴の料理おいしかった」
「お、おお。そうか……」
なんだよ。素直に褒められると照れるじゃねぇか。
「また作ってくれる?」
桐乃はちらりと俺をみた。
そんな期待に満ちた瞳で言われたら、あいよ、と頷く以外どうしろってんだよ。まったく――。
ちなみに桐乃が淹れてくれたコーヒーは俺にはちょっと苦かったな。
まだまだお子さまってことかね。俺も。
fin
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/20(水) 12:32:50.22 ID:q0vcTkVm0
乙!
やっぱり桐乃が料理ヘタだと、京介は普通に作れるイメージになるな
そこで桐乃が素直に誉めるのはなんか新鮮だったよ
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/20(水) 13:58:50.89 ID:CzlQWTr9o
GJ!
料理が得意な男はモテるんだぜ〜
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/20(水) 14:02:56.20 ID:5Xr7FVy7P
前日譚持ってないから導入部がイマイチよくわからんが乙
料理できる男は選択の幅が広がるぜい
俺妹だと何故か女のほうが能力高いのばっかなので
この際京介さん主夫目指したらいかがでしょうか
素直な桐乃可愛いよ
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/07/20(水) 14:08:22.73 ID:FTX87eNeo
煮てよし、焼いてよし、でも刺身とタタキは嫌なのっ
あぁワサビが染みる
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/20(水) 14:15:15.20 ID:itJPZ04E0
乙
桐乃に手を抜いてない料理を出してあげた京介も
頑張って素直になろうとしていくらか達成できた桐乃、二人ともよかった
だが前日譚というのが内容分かんないから調べてくる
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/20(水) 19:31:10.55 ID:OhuV5rJp0
久々にほっこりした
料理ができる男はモテるが上手すぎてもいけないらしい
どーいうこっちゃ
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/20(水) 19:48:00.81 ID:eYn3etHDO
>>358
GJ
こういうのもいいな〜
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/21(木) 00:45:16.45 ID:q5FvRLBAO
投下乙
ふと思ったんだが、桐乃の年齢って反抗期真っ盛りなのかね?
PSPあやせ√trueとかPSP特典小説だとただの仲の良い兄妹になってるように見えるけど
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/07/21(木) 18:01:40.35 ID:q5FvRLBAO
最近俺のレスでよく止まる気がするのは気のせいだろうか・・・
まぁいいか・・・
それとこっちが本題で、前にもう続きは書かないって言ったSSの続きを書きたくなったので、近々スレを立てるかもです
スレを立てる理由としては終着点が見えないのでこっちでダラダラ続けるより良いかと思っただけです
368 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/21(木) 19:39:15.18 ID:+mwCqIeTP
立てたらスレ貼ってくれ
見に行く
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/07/22(金) 01:03:34.24 ID:UM61tfA1o
「京介さんがオカマになったら……」って電波を拾ってしまった。
京介さんの周りにいる女の子、癖がありすぎて幻滅しそうだから、有り得なくは無いと思うんだ。
沙織と麻奈実は除くが。
しかし、どう終着させるかが全く思いつかん。
きっと仮面ライダーエターナルのBDを見たから、こんなこと考えちゃったんだな。
須藤元気のアドリブが多すぎるんだもの。仕方ない。
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/25(月) 17:13:02.31 ID:0Q0m6Dh10
立てたらスレ教えろって言われたから一応報告しときます
あやせ「桐乃、お願いがあるの」 桐乃「改まってどうしたの、あやせ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311580854/
>>155
と
>>324
の続きを書くためのスレです
あんまり期待はしないで生暖かい目で見守ってもらえるとありがたいです
371 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/27(水) 11:11:51.54 ID:dAfXDd2x0
>>369
終着点考えずにSS書いた結果スレ立てた身から言えば、思いついたなら書けばいいと思います
つかそろそろ誰か投下しないかな…
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/27(水) 12:23:34.53 ID:tC9RudCIo
過疎すぎわろえない……
373 :
sage
:2011/07/27(水) 20:27:09.02 ID:6psC4ZtY0
http://www.youtube.com/watch?v=FJkXkT4L5rg
きりりんカワユすぎる
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/28(木) 22:57:59.41 ID:qZY75S76o
今年の年初頃だったか、投下間隔が短過ぎるんじゃないかなどと
多少揉めた覚えがあるが……あの頃が懐かしい。
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/28(木) 23:23:35.61 ID:U+I7YP5IO
そう…なにもかもが懐かしい
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/07/28(木) 23:48:50.26 ID:H4pgYhUAO
潜在的に、を含めば書き手は決して少なくないはず。
ただ、シリーズ書く場合は個スレを勧められるから、継続して書く意思のある人間の分散が今の鎮静化に繋がるわけで
三時間ルールとか次に適用されるのはいつなんだって状況は確かに往時が偲ばれてしまうね
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/28(木) 23:54:41.71 ID:mfy7inHIo
ぶっちゃけ、おわこんなだけだろ
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/28(木) 23:59:06.79 ID:qZY75S76o
連載物は書き手から見るとストーリーの描写も丁寧に出来るし、
また、読み手としても続きを待つ楽しみがあるわけだが……。
一話完結の短編が少なくなってしまうのは、個人的には寂しい気がする。
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/29(金) 13:41:09.68 ID:k5vAcas8o
まとめwikiを編集してくれる人もだいぶ減ったっぽいな
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/29(金) 13:42:16.36 ID:PN35eEAqo
今でもちょろちょろ纏めてくれてるのは本当にありがたい
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/29(金) 19:50:12.77 ID:enTVQNiDO
アニメ二期こねぇかなぁ
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 02:05:37.14 ID:3OPIJc280
個別スレ立てると書き溜めしてない場合、ほかのSSを書いてる余裕もないしね
アニメは倉田がなぁ……
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2011/07/30(土) 02:52:53.61 ID:47n5ciPQ0
エロパロの方どうなってるんだあれ
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 05:18:22.26 ID:/aA0A1MDO
>>383
キチガイが常駐するクソスレと化したよ
それもこれもSL66ってやつの仕業なんだ
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 09:38:33.61 ID:WA8xxV+IO
ここでもその話か
ここも荒れるからやめとけ
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/07/30(土) 09:49:50.59 ID:uniNaNMQ0
>>384
うわぁ…空気読まないアホが来た…
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/30(土) 10:45:01.06 ID:Jv1oHDM6o
ageないでよベイベー
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(石川県)
:2011/07/31(日) 07:08:16.75 ID:1un6nMVD0
あっち過去ログくらったわ
389 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/08/01(月) 22:08:19.18 ID:n+CU6XfAO
この調子だとpart12に行くことは無いかな…
長く続いたのに寂しいのぉ
お前らどのSSが好きだった?
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/01(月) 22:12:27.78 ID:LMXtEu4wP
過疎スレとして生き残りますよ
二期やらねぇかな
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/02(火) 00:27:30.66 ID:gjwN6hgb0
9巻出たら、少しは賑わうんじゃないだろうか。
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2011/08/02(火) 04:21:41.69 ID:v/2XFDgQo
本編進むわけじゃないし焼け石に水だろ
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 08:58:01.04 ID:yGBKUK2SO
ここの住人って、書き手さんが「書き溜めました。少し長くなります」
「スレ建てて他でやれ」
そりゃ過疎るわ
394 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 09:00:22.02 ID:SmFPiNLKo
長編が入り乱れるよりはまし。そもそも過疎ってるのはそれが理由じゃねぇ
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 10:18:33.36 ID:gMBRcprIO
では理由をどうぞ
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東日本)
[sage]:2011/08/02(火) 11:45:25.86 ID:n7ia+Ff10
まぁ、ゆっくり待とうよ
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 13:08:33.52 ID:FsUpSRM6o
>>393
結局これが主な理由なような気がする
398 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/02(火) 13:55:57.88 ID:xOn3LldFP
8巻出てから一気に過疎ったような・・・
人間関係書いてて面白くなくなったんじゃ?
一部の対立厨やらなにやら沸くようになったし
色んな意味であれはやりすぎだった気がしなくもない
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/08/02(火) 18:57:54.14 ID:rrxqZliAO
ここは俺が珠希のエロSSでも書いて景気づけるしかないか…!
400 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/02(火) 21:37:33.31 ID:gjwN6hgb0
>>393
うん、これが原因だよね。
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/08/02(火) 21:54:55.15 ID:bSlZrB1AO
>>393
同感。それと8巻で恋愛的な人間関係が中途半端にリセットされたのもあるような。最終巻のようなノリだったし。
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/03(水) 02:10:36.76 ID:hWwEqnQko
ロリ系SSの減少こそが過疎の原因
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/03(水) 02:40:12.86 ID:x5esMjwho
ブリジット√はまだですか?
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/03(水) 05:31:10.20 ID:LOLZXG79o
まず、俺妹がもう寿命だよな
405 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2011/08/03(水) 11:21:06.29 ID:rpG6ckEjo
BDDVD8巻合わせて2万以上売れてるはずなのに過疎ってんなぁ
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:12:08.69 ID:QM2mU0UIo
じゃあ、一本投下すっか。
桐乃が出てくるけど、キャラ崩壊が嫌な人、クロス物が嫌いな人は読み飛ばして。
以下、投下。
407 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/08/03(水) 12:14:18.50 ID:QM2mU0UIo
バーのお客様は一度でも店に来れば『行きつけ』、二度来れば『馴染み』に、三回も来れば『常連』と思う。
だからバーテンダーは、一度でもいらしたお客様の名前を忘れてはいけない。
ナレーション:森本レオ
学生であれば、もうすぐ夏服から冬服に替わる時期だというのに、まだまだ世間は暑さに参っている。ここ、銀座もそうだ。
この分だと、衣替えしたあとも半袖と団扇は必要になるだろう。
そのせいだろうか、道行く人々の顔はどこかへばっているように見えた。俺はと言うと、その逆だ。
結婚して一ヶ月が経った。その間、仕事もプライベートもバタバタしていたため、なかなか『あの店』に通えなかったのだが、それも今日で終わりだ。
仕事を早めに終わらせ、通い慣れた道を進んであるビルを目指す。
額から流れる汗を拭い、少しだけネクタイを緩め、ビルの地下にある重厚な扉を開いた。
ーーーーーーーーーーーー
扉の向こうには木製のカウンターと椅子が数脚。その向こうには、若いバーテンダー。
「いらっしゃいませ」
『バー・イーデンホール』の若き主、佐々倉溜さんはグラスを拭きながら、変わらぬ笑顔で俺を出迎えてくれた。
いつもと違うのは、おしぼりで手を拭いていた先客が、俺の知っている人物だったということだ。
「桐乃……」
「え? あ、兄貴?」
高坂桐乃――俺の三歳年下の妹。
お互い、社会に出てからは昔ほど交流を持っていなかったため、こんなところで出会うとは予想外だった。
桐乃の隣に座った俺は、佐々倉さんが差し出してきたおしぼり受け取りつつ、久しぶりに会った妹に話し掛けた。
「こんなトコで会うなんてな。前に会ったのは、式のときだっけ?」
「あたしも意外よ。兄貴がバーでお酒を飲むタイプだなんて、思ってもみなかったもん」
お互いに、社会に出ると同時に家も出たため、用がなければ会うのは年に数回となってしまった。
今の住所も連絡先も知っているが、こうやって意識しないところで出会うと、世間の狭さを感じてしまう。
おしぼりで手を拭きながら、ふとそんなことを考えてしまった。
「イメージと違ってすいませんね。けど、それを言うなら俺も同じだ。お前がここにいるとは思わなかったぞ」
「だって、ここ、あたしのお気に入りだもん。なんか文句ある?」
「いんにゃ」
相変わらず、当たりのキツい妹だ。昔ほどではないにせよ、今でもこの強気な姿勢は健在である。
式のときは他の出席者の手前、猫を被っていたからな。なんというか、ちょっと懐かしさを感じちまう。
「ご注文はもうお決まりですか?」
ついつい桐乃に意識が向いてしまい、佐々倉さんの存在を忘れてしまっていた俺は、その声で今の状況を思い出す。
桐乃も俺と同じだったらしいが、割とすぐに佐々倉さんに返答していた。
「冷たいものをなにか」
「あ、俺も冷たいのがいいです。まだまだ暑いですからね」
「かしこまりました」
408 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/08/03(水) 12:14:45.76 ID:QM2mU0UIo
注文と呼べるかどうかわからない注文を聞いた佐々倉さんは、少しだけ思案した後、棚からミキサーを取り出した。
「桐乃様が当店で最初にご注文されたのは『モヒート』でしたので、今回はヘミングウェイが愛したもう一杯を」
ミキサーに氷を入れ、ホワイト・ラム、ライムジュース、グレープフルーツジュースを入れ、最後にマラスキーノというチェリーリキュールを少々。
「これらを入れたら、シャーベット状にします」
モーター音と氷が削られていく音とともに、ミキサーに入れられた材料がひとつのカクテルになっていく。
シャーベット状になったそれをソーサー型のシャンパングラスに入れ、短いストローを二本差し、最後にミントの葉を添える。
「どうぞ。『ヘミングウェイ・ダイキリ』です」
出てきたのは、見た目も涼やかな一杯だ。なんかかき氷みたいだなと思ってしまうのは、俺の感性が平凡だからだろうか。
それはさておき、気になることがひとつだけあるんだが……。
「あの、なんでストローを二本?」
どうやらそこが気なっていたのは俺だけではないようだ。桐乃は若干笑みを引きつらせながら、佐々倉さんに訊ねていた。
「それは氷が詰まった場合を考えてのことです。勘違いされている方が多いのですが、決して男女のためではありませんよ」
「あ、そうなんですか」
それを聞いた桐乃は恥ずかしくなったのか、差し出されたカクテルに集中した。相変わらず、照れ隠しが下手だな。
ストローを加え、出来上がったばかりのダイキリをチューチューと吸う我が妹。その光景を、俺は微笑ましい気持ちで眺めていた。
「あ、美味しい。甘さがスッキリしていて、フルーツの味がしっかり伝わってくる」
「ダイキリにはバナナやイチゴを使ったレシピもありますから、次の機会にはぜひ」
余程暑かったのか、桐乃はダイキリを熱心に飲んでいた。
佐々倉さんは桐乃から離れると、ボトルを二本手に取り、俺の前にやってきた。
「折角ですので、京介様には別の一杯をお作りしようと思います」
「へぇ、楽しみだな」
似たような注文だから、てっきり同じモノが出てくると思ったけど、どうやら違ったみたいだ。
佐々倉さんはソーサー型のシャンパングラスをカウンターに置き、その中に角砂糖を一個置いた。
「角砂糖にアンゴスチュラ・ビターズを1dash。ここに冷やしたシャンパンを満たします」
「へぇ、これもカクテルなんですか。ほぼシャンパンなのに」
「ええ。世界的に有名なカクテルの一つですよ」
シャンパンで満たされたグラスは、黄金色に輝いていた。泡立つ炭酸が、どこか高貴さと華やかさを演出しているかのように見える。
「どうぞ。『シャンパン・カクテル』です」
「ありがとう。いただきます」
グラスを手に取り、グラスの中で輝いている液体を口に運ぶ。
シャンパンは良く冷えていて、スッキリと飲みやすく、口の中ではじける炭酸が心地いい。
「砂糖の甘みのおかげか、すごく飲みやすいですね。でもビターズの苦味もあるから、甘ったるくは感じない。美味しいです」
「ありがとうございます。このカクテルは、映画『カサブランカ』の中でハンフリー・ボガート扮するリック・ブレインが、イングリッド・バーグマン扮する
イルザ・ラントを見つめながら、『君の瞳に乾杯』と言って飲んだことで有名になりました。現在でも、何かのお祝いに際して行われるカクテル・パーティーで
しばしば作られるカクテルの1つなんです」
シャンパン・カクテルの説明を終えた佐々倉さんは、急に俺に向かって頭を下げた。
何事かと思ったが、その疑念も、次の言葉で解消された。
「遅くなりましたが、ご結婚おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます」
そっか。この一杯は、俺への結婚祝いってわけか。
結婚報告のハガキは出したけど、式に呼んだわけじゃないし、お祝いを期待していたわけでもないのにな。
なんというか、律儀すぎじゃねえか?
けど、やっぱり嬉しいもんだ。「おめでとう」って言われるのは。
409 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/08/03(水) 12:15:26.91 ID:QM2mU0UIo
俺が『バー・イーデンホール』に入店してから、かれこれ一時間は経っただろうか。
俺は佐々倉さんからの祝いの一杯をゆっくりと飲み干し、今はマンハッタンと格闘中だ。
桐乃はと言うと、ダイキリをあっさりと飲み干し、マティーニを注文。それもすぐにやっつけ、今はピンク・ジンを飲んでいる。
今更だが、桐乃がこんなに飲むとは思いもしなかった。少しハイペースじゃねえか?
決して低くないアルコール度数のカクテルを二杯も飲んで、今は三杯目。ぱっと見でも酔ってるのがわかる。
「兄貴さ、結婚して幸せ?」
「なんだよ、急に」
「いいから」
桐乃らしからぬ発言だと思ったが、酔った勢いで聞いてきたんだろうなと自己完結。
俺は素直に答えを返した。ここで誤魔化したらアイツに失礼だし、桐乃は怒るからな。
「幸せだよ。最近はずっとバタバタしてたけど、それだけはハッキリ言える」
「……自分から聞いておいてなんだけどさ、キモイ」
「失礼なヤツだな」
いつもなら大声でツッコんでいただろうが、場所が場所だけに、それは自重した。
桐乃は何が楽しいのか知らんが、ニヤニヤしながらロックグラスを口に運んで傾けている。
「でも良かった。アンタがそう言うなら、アイツも幸せって感じてるんだろうし」
「なんだ? 心配だったのか?」
「ちょっとだけね。あたしも知らない仲じゃないし。けどさ、新婚なのに奥さんほっぽり出して、外で飲むとかどうなの?」
「アイツも今日は用があるんだと。同級生に会うとか言ってたな。でなきゃココに来れないだろ」
「そっか。なら安心」
桐乃の急な質問で恥ずかしくなった俺は、マンハッタンを少し多めに口に含んだ。
ウィスキーの旨味とアルコールが、俺の気持ちを静めてくれる。だが、桐乃の話は終わっていなかった。
「兄貴たちが幸せなら、あたしもおいそれとは頼れないなぁ。幸せな家庭があるのに厄介事を持ち込むとか、無粋極まりないし」
少し湿っぽい雰囲気を纏いながら、桐乃は言った。
現在、何かに悩んでいるわけではない。長年コイツの我侭に付き合ってきた俺にはわかる。
ただ、家庭を持った俺に対して、少し寂しさを感じてるのかもしれない。なにせ、こいつが初めて『人生相談』をしてきてから、随分と濃密な日々を過ごしてきたからな。
これを機に、その関係をやめようとしているのかもしれない。
けど、俺はこう思ったんだ。「コイツ、馬鹿なんじゃねえか?」ってな。
だから、ついつい手が伸びちまった。桐乃の頭に。
「わ!」
無防備な状態でいきなり頭を撫でられた桐乃は、この場にそぐわないほど大きな声を上げていた。他のお客さんがいなくて本当に良かったと思う。
「ちょ! いきなり何!?」
「お前さ、なんか勘違いしてねえか?」
「へ?」
桐乃は俺の手を払い除けようともがくが、俺は手を離そうとはしなかった。
少し乱暴に、このクソ生意気で必要以上に生真面目な妹様の頭を撫で続ける。
「確かに、結婚して守るモンが増えた。子どもが出来たら、もっと増えていく。そっちに意識が向いちまうだろうよ」
「うん……」
「けどな、だからって俺はお前の『兄貴』をやめるわけじゃねえんだ」
「……」
そう、俺は一生桐乃の『兄貴』なんだ。これは生まれてから死ぬまで変わらない。変えられようもない。
そんなこともわかってない可愛い妹にそれを説き伏せるのは、『兄貴』である俺の役目なんだよ。
「だからさ、お前は昔もこれからも、俺が守らなくちゃいけないモンの一つなんだよ」
「……」
「わかったか? わかったんならそんなつまんねえ事、もう二度と言うなよ」
「……うん」
か細いけれど、桐乃はしっかりと返事をした。それを聞き届けた俺はゆっくりと手を離し、残ったマンハッタンを一気に飲み干した。
桐乃もピンク・ジンを飲み干し、ふぅと息を吐く。
「ったく、恥ずかしいったらありゃしない。他のお客さんがいなくて良かった」
「いなかったから良いじゃねえか」
「結果論でしょ、それ。マジ有り得ない。そしてキモイ」
「ひでえ言い草だな」
どうやら調子は取り戻せたようだな。やっぱり、こんだけ傲岸不遜じゃないと、俺の『妹』とは思えねえよ。
「佐々倉さん、注文いいですか? 次で俺もコイツも最後にしますんで」
「ちょっと! 勝手に決めないでよ」
「うるせー。お前は今日、飲みすぎだ。次で最後にしろよ。いいな?」
「……わかったわよ」
410 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/08/03(水) 12:16:12.46 ID:QM2mU0UIo
桐乃は渋々、俺の言うことを聞いた。佐々倉さんはその光景を、いつもと変わらぬ笑顔で眺めていた。
「では、ご注文は?」
「俺たち兄妹に最高の一杯を……って言うと、困っちゃいます?」
「いえ、大丈夫です。では、『最高の一杯』をお作りいたします」
佐々倉さんはシェイカーに氷を入れ、ボトルを二本取り出した。
「まずドライ・ジンを45ml。オレンジ・キュラソーを15ml、レモンジュースを1dash。これをシェイク」
シャカシャカと小気味いいシェイカーの音が、静かな店内に響く。
シェイクし終わると、中の液体はカクテル・グラスに注がれ、最後にレモンの皮が絞られた。
「どうぞ。『A1』です」
「これが、最高の一杯?」
「はい。第一等級船舶クイーン・エリザベス号のような、世界一の豪華客船の意味だと言われています。カクテルで"A1"と名付けると、
"最高"とか"超一流"ということになるそうです」
「なるほど。だから『最高の一杯』か」
オレンジのようなレモンのような色の美しいカクテル。早く飲んでみたいが、それは桐乃のカクテルが出来てからだ。
「桐乃様には、別の『最高の一杯』を」
「え? 別?」
佐々倉さんは別のシェイカーを取り出し、それに氷を入れ、俺のときとは違うボトルを二本取り出した。
「ホワイトラムを30ml。コアントロー15ml。レモンジュースを15ml。これをシェイク」
シェイカーを振る音が再び響く。
シェイクが終わり、グラスに液体が満たされた。とても白い、白いカクテルだった。
「どうぞ。『xyz』です」
「これも"最高"なんですか?」
「アルファベットの最後、これ以上は続かない。これ以上ない究極のカクテルという意味が込められていると言われています」
なるほど。こっちは"究極"か。なんかすげえな、カクテルの名前って。
俺が別のことに思考を向けている間に桐乃がカクテルを飲もうとしたため、慌ててそれを制した。
「待てって」
「なによ。今度は『飲むな』とか言う気?」
「ちげーよ。ほら、グラス出せ」
俺は自分のグラスを桐乃に向けた。
桐乃はと言うと、なにやらモジモジしている。なんだ? トイレか?
「どうした?」
「いや……なんか今更だし、恥ずかしいじゃん」
「せっかく二人で飲んでるんだ。やっといてもいいだろ?」
「……わかった」
桐乃は渋々といった様子で、俺にグラスを向けた。
俺は自分のグラスを、桐乃のグラスに軽く当てた。
「「乾杯」」
祝い酒、涙酒、からみ酒にやけ酒。
はしご酒、振る舞い酒、迎え酒、夫婦酒。花見酒に雪見酒。
色々な酒があるけれど、今日は静かに兄妹酒。
ナレーション:森本レオ
おわり
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:19:37.85 ID:QM2mU0UIo
懲りずにまたバーテンダークロス。
「京介と絡めて」ってレスがあったから、やってみた。
あとアニメの『バーテンダー』風のナレーションも入れてみた。
ちなみに『シャンパン・カクテル』は原作未登場だったりする。
またクロスですんません。ちょっとでも楽しんでいただければこれ幸い。
ありがとうございました。
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:19:52.87 ID:O8p5R2HX0
乙です。
このクロス作品の原作は知りませんが、このシリーズのSSはとても気に入っています。
次回作をお待ちしています。
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:20:21.08 ID:O8p5R2HX0
乙です。
このクロス作品の原作は知りませんが、このシリーズのSSはとても気に入っています。
次回作をお待ちしています。
414 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:21:04.05 ID:O8p5R2HX0
乙です。
このクロス作品の原作は知りませんが、このシリーズのSSはとても気に入っています。
次回作をお待ちしています。
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:24:37.44 ID:O8p5R2HX0
乙です。
このクロス作品の原作は知りませんが、このシリーズのSSはとても気に入っています。
次回作をお待ちしています。
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/08/03(水) 12:25:26.00 ID:O8p5R2HX0
ごめん、エラーが出まくったもんで、投稿されていないものだと思ってた…orz
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/03(水) 12:43:59.63 ID:uxNtjfTIO
乙でした。
バーテンダーとコラボか
たまに見かける人だね
またよろしくお願いします
418 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/03(水) 13:07:57.44 ID:8NWwAUjJ0
乙
バテンダーのしっとりとした雰囲気も加わっていいな
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/03(水) 14:59:27.36 ID:LWV00H0/o
前々から思ってたんだけど、蘊蓄がやたら多いSSを書く人は
SSを書きたいのか、蘊蓄を書きたいのか、どっちの方の気持ちが強いんだろう
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/03(水) 15:14:54.60 ID:zYaA3CVWo
>>411
乙です、バーテンダー気障ったらしいけどかっこいいですよね
>>419
両方だろ、そんな野暮なこと言いなさんな
421 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/03(水) 16:31:08.61 ID:VeRQIBL20
>>411
乙
バーテンダーさん渋いっす
キリリン氏には諦めず兄を寝どって欲しいですな
422 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/03(水) 16:31:37.00 ID:VeRQIBL20
>>411
乙
バーテンダーさん渋いっす
キリリン氏には諦めず兄を寝どって欲しいですな
423 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/03(水) 16:36:25.20 ID:VeRQIBL20
>>411
乙
バーテンダーさん渋いっす
キリリン氏には諦めず兄を寝どって欲しいですな
424 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/03(水) 16:38:56.01 ID:VeRQIBL20
連投すまん、書き込めてないとおもってたww
425 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/03(水) 20:33:25.98 ID:7mWkYV5u0
>>411
乙!
またバーテンダーネタくるのかな?次の話も楽しみにしてる
426 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/05(金) 01:39:56.59 ID:L/zM0FQAO
>>419
蘊蓄を使ったSSを書きたいんじゃないか?
何はともあれ
>>411
乙
427 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 01:39:24.56 ID:H9vTzI1d0
9巻のあらすじ来たな
>今度の『俺の妹』は"それぞれの視点"で描かれる特別編! さらには意外なコラボも!?
◆俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9)
著/伏見つかさ イラスト/かんざきひろ 定価:578円
あのルリ姉に――好きな人ぉ? どーせ脳内彼氏でしょ? (8)巻の顛末を黒猫の妹
・日向の視点から描いた『あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使』。腐女子の妹を「世
界一可愛い」と豪語する、もうひとつの"残念な兄妹"の物語『俺の妹はこんなに可愛
い』。いくつもの"顔"を持つ沙織・バジーナの"ルーツ"に迫る『カメレオンドーター』。
桐乃に"トラウマ"を植えつけた瀬菜の恐るべき行動とは?『突撃 乙女ロード!』。
お兄さんが彼女と別れたのって、もしかして……私のせい? あやせのフクザツな乙女
心と、加奈子のライブ楽屋裏の一幕『過ちのダークエンジェル』。ほか『真夜中のガー
ルズトーク』『妹のウエディングドレス』2本を収録! さらにはアニメOP主題歌を担
当した「ClariS」とのコラボが実現! 原作の主題歌『nexus』の発売や、作中に
「ClariS」の二人が登場するなど驚き満載の特別編!!
428 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/06(土) 02:34:34.68 ID:OalPIxZAO
>>427
う、うーん…
こういうのは外伝的なのでやれと…
429 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/06(土) 10:52:15.19 ID:7gKaajfIO
>>428
>
>>427
>う、うーん…
>こういうのは外伝的なのでやれと…
おっとマリみての悪口はそこまでだ
430 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/08/08(月) 00:48:02.37 ID:SWbvpJ2AO
まあ、実質8.5巻みたいな感じかね。
出るの今月?
近くのエーツーに偽典超電磁砲があったから買ったんだが俺妹コラボしてたんだな。真壁君がキモかったわw
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/08(月) 03:03:42.37 ID:BL7odNj0o
うーん、これは外したな…
432 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/08(月) 12:10:41.75 ID:sVkBx62ko
9巻はサイドストーリー的な扱いなのね
433 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)
[sage]:2011/08/08(月) 15:33:15.36 ID:lFCjDwBZo
>>430
俺はあれで真壁君大好きになったわw
434 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 01:49:20.72 ID:9ULjkLNb0
>>430
出るのは来月だろ、たしか
儀典超電磁砲読みたいんだよなぁ……
8巻でそれっぽいことに触れてるし
435 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 01:52:19.15 ID:v+iezjADO
最近出番のないまなちゃんのSSが書きたくなって書いちゃいました。
携帯からで申し訳ありませんが、読んでいただけると嬉しいです。
ちなみにSS初投下&完全[
田島「チ○コ破裂するっ!」
]SSです。
分量は15レス程度、タイトルは『麻奈実の1日』です。
2:00から投下します。
436 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:00:23.57 ID:v+iezjADO
麻奈実のとある1日
ジリジリジリ チンッ
麻奈実「ん〜、朝かぁ……まだ眠いなぁ。」
麻奈実「でも起きないときょうちゃんとの待ち合わせに遅れちゃうな……。」
麻奈実「頑張って起きなきゃ。」
麻奈実「おはよぉ〜」
437 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:01:06.02 ID:v+iezjADO
麻奈実「よし、宿題も入れたし、忘れ物なし。」
麻奈実「そういえばきょうちゃんは宿題やったかなぁ。」
麻奈実「あのとききょうちゃんうとうとしてたし、忘れてるかもなぁ。」
麻奈実「学校に行くときにでも聞いてみようかな。」
麻奈実「いってきま〜す。」
438 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:01:34.57 ID:v+iezjADO
麻奈実「おはよ〜、きょ〜ちゃん。」
京介「おう。」
麻奈実「(あっ、寝癖ついてる……ねぼすけさんだったのかな?)」
麻奈実「きょ〜ちゃん、寝癖ついてるよぉ〜。」
京介「おわっ、マジだ……」
439 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:02:31.06 ID:v+iezjADO
麻奈実「直すから屈んで?」
京介「直すもの持ってるのか?」
麻奈実「うん。」
京介「さすがおばあちゃん、なんでも持ってるな。」
麻奈実「あ〜、またそんなこと言って。ぷんぷん。」
京介「ははっ」
440 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:03:03.80 ID:v+iezjADO
麻奈実「よし、できた。」
京介「ありがとな、麻奈実。」
麻奈実「どういたしまして、きょ〜ちゃん。」
麻奈実「そういえばきょうちゃん宿題やった?」
京介「え……し、宿題!?そんなもの無かっただろ?」
麻奈実「やっぱり聞いてなかったんだ〜。」
京介「やってねぇ……麻奈実、いや麻奈実様、学校に着いたら見せてくださいっ。」
麻奈実「ふふっ、しょ〜がないなぁ。」
京介「サンキュー、助かるよ。」
441 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:04:02.09 ID:v+iezjADO
麻奈実「おはよ〜」
モブ「おはよ〜」
麻奈実「(さてと、きょうちゃんに宿題を見せるんだっけ。)」
麻奈実「(いつもなら持っていってあげてるけど……ちょっと待ってみよう。)」
京介「・・・」チラッ
麻奈実「(ふふっ、待ってる待ってる。)」
京介「・・・」ソワソワ
麻奈実「(ソワソワしてる。きょうちゃんかわいいなぁ。)」
京介「・・・」ガタッ
442 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:04:31.74 ID:v+iezjADO
京介「ま、麻奈実。宿題を見せてくれ。」
麻奈実「(もう少しいじわるしてみよっかな。)」
麻奈実「うーん、どうしよっかな〜。」
京介「えっ、た、頼む!この通りだ。なんでもするから。」
麻奈実「ほんとに?じゃあ、今日の放課後一緒に公園に行きたいなぁ。」
京介「おう、お安いご用だぜ。いくらでも付き合ってやる。」
443 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:05:17.81 ID:v+iezjADO
麻奈実「(やった。で、でもこれって、で、でーとだよね。)」ボッ
京介「どうした?顔赤いぞ」ピトッ
麻奈実「ひゃい!?」
京介「ビックリしたな。そんなに驚かなくてもいいだろ。ほら、デコかせ。」
麻奈実「ご、ごめんね。びっくりしちゃって。大丈夫だから。」
麻奈実「(びっくりしたぁ。それにしてもきょうちゃんの手っておっきくてあったかかったなぁ〜。)」
444 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:05:44.63 ID:v+iezjADO
京介「・・・」カキカキ
麻奈実「(きょうちゃんの真剣な顔……かっこいいな。)」
京介「ん?どうした?」
麻奈実「う、ううん。どうもしてないよ。」
京介「ならいいけど。」
麻奈実「(ふぅ、きょうちゃんってたまに鋭いなぁ。いつもはあんなににぶちんなのに。)」フフッ
京介「?」
445 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:06:14.76 ID:v+iezjADO
麻奈実「(あっ、またうとうとしてる。この先生よく気づくから当たっちゃうよ。)」
先生「じゃあここを……高坂」
麻奈実「(あっ……)」
京介「うえっ、あ、いや、ええっと……」
先生「授業はしっかり聞いておくように。」
京介「すんません。」
麻奈実「(ああっ、怒られちゃった……私が隣なら教えてあげられるのになぁ。)」
京介「・・・」ショボーン
麻奈実「(でも、きょうちゃんのしょぼんとした顔かわいいなぁ)」フフッ
446 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:06:44.43 ID:v+iezjADO
麻奈実「きょ〜ちゃん、ご飯食べよ。」
京介「おう。」
赤城「おうおう、昼間からお熱いねぇ、お二人さん。」
京介「うっせ。いつも通りだろうが。」
赤城「いつも通りお熱いねぇ、お二人さん。」
京介「少し黙ろうか。」
麻奈実「(二人は仲良しさんだなぁ。私ときょうちゃんは周りからどう見られてるのかな?)」
麻奈実「(この二人みたいに仲の良い友達?そ、それとも、こ、恋人だったりして)」ボッ
447 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:07:33.17 ID:v+iezjADO
京介「お前ホントに大丈夫か?今日なんか変だぞ。熱でもあるんじゃねーの?」
麻奈実「ほ、本当に大丈夫だよ。心配かけてごめんね。」
京介「ならいいけどよ。辛かったら言えよな。」
麻奈実「うん。」
麻奈実「(きょうちゃんは本当に優しいなぁ。誰にでもすっごく優しくできるのもきょうちゃんのいいところなんだよね。)」
448 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:07:57.29 ID:v+iezjADO
キーンコーンカーンコーン
京介「ほら、麻奈実。行くぞ。」
麻奈実「あっ、待ってよ〜。」
京介「おばあちゃん、頑張って。」
麻奈実「だから女の子におばあちゃんとか言っちゃ、だめなんだからね。ぷんぷん。」
京介「ははっ。」
449 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:08:24.37 ID:v+iezjADO
麻奈実「ふぅ〜。やっぱり公園は落ち着くねぇ〜。」
京介「そうだな。ほら、お茶。」
麻奈実「あっ、ありがとう。今日のきょうちゃんはいつになく優しいねぇ。何かあったの?」
京介「いや、なんもねーよ。ただ今までお前にはたくさんお世話になってるからさ。そのお礼。」
麻奈実「私、お世話なんてしてないよ?」
京介「そっちがしてるつもりなくても、こっちはされてるんだよ。だから、ありがとな。」
麻奈実「そっか……どういたしまして、きょうちゃん。」
450 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:09:12.25 ID:v+iezjADO
麻奈実「今日も1日が終わっちゃうな。」
麻奈実「はぁ……なんだか今日のきょうちゃんはすごく優しかったな。」
麻奈実「まあ、いつも通りだよね。」フフッ
麻奈実「そろそろ寝なきゃ。明日も元気にきょうちゃんに会うために。」
麻奈実「おやすみ〜、きょうちゃん。また明日ね。」
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:10:56.61 ID:v+iezjADO
以上です。
今気づいたんだが、1レス1レスが短すぎたなorz
次からは長く書けるよう頑張ります。
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/09(火) 02:27:11.50 ID:SpVdZyRUo
最高だったよ
乙
453 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/09(火) 07:32:30.51 ID:qI3pUX0A0
まなちゃんとは...
久々すぎてなかなか乙が出て来なかった
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/09(火) 08:12:25.43 ID:KS0PrSlj0
なかなか乙なもんやな、麻奈実も
455 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(佐賀県)
[sage]:2011/08/09(火) 08:37:36.39 ID:2UQRqJDGo
まさかのまなみとは・・・・
だがかまわん、つづけろくだしあ
456 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/08/09(火) 10:52:27.80 ID:1wpDdlqv0
乙乙なんだな
457 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/09(火) 20:18:45.90 ID:HHYWsweAO
乙
いいぞこの感じ
458 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 18:15:19.97 ID:jPjenXvh0
偽8巻 偽9巻書いた人ってマジで何者?
9巻のウェデングドレスとか、どこまで予言的中してんだよ
459 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 20:24:46.04 ID:PQv94E3To
>>458
『予言』だと思うからマジで何者? という疑問が湧くんじゃないの?
確かあの書き手さん、俺の記憶では根っからの桐乃派だったはず。
原作7巻の黒猫有利をどうやって逆転しようかと考えたんじゃないのかね。
しかし偽8巻のときは安価スレの中で、あの結末へ持っていったのはマジで凄い。
本人じゃねーのなんて話も当時あったくらいだから。
偽9巻のウエディングドレスの話にしても、あの書き手さんの文才なら納得。
何が言いたいかっつーと、『予言』なんかじゃなくて……
守銭奴と化した編集と、もう「俺妹」なんて書く気も失せた原作者が、
編集「おっ、このSSの設定なら読者受けしそうじゃん、パクっちまうか?」
作者「考えるの面倒だし、ちょっと手を加えればいいですかね」
信じるか信じないかはあなたしだい……。
460 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 20:30:50.48 ID:jPjenXvh0
>>459
>編集「おっ、このSSの設定なら読者受けしそうじゃん、パクっちまうか?」
>作者「考えるの面倒だし、ちょっと手を加えればいいですかね」
やべぇ……すげえありえそうな気がしてきた……
461 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 21:41:53.10 ID:F+lYrI9DO
なにこいつら
信者のふりしたアンチか
462 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/08/10(水) 23:09:49.17 ID:TMr3LmlAO
>>459
不出来な妄想はチラシの裏を汚すのに使ってくれ
463 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/08/11(木) 00:39:03.52 ID:x3Z7r0UAO
どうでもいいことに一々突っかかるなって、あくまでネタだろw
464 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/11(木) 01:22:52.46 ID:jbEeuX/d0
黒猫SSきたら俺の秘蔵zip解放
465 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/13(土) 13:34:44.67 ID:UP+F/yXDO
過疎
466 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/08/14(日) 05:44:14.35 ID:FHDwZ3qAO
キモイ流れから過疎化
末期だ
467 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 01:06:30.33 ID:2OY74GGwo
ブリジット√はまだですか?
468 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 11:17:30.10 ID:MKInEtrg0
リアルートはまだですか?
469 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/08/15(月) 13:37:12.69 ID:45+58b4AO
よし、いつもの流れに戻ってきたな
470 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 14:09:06.70 ID:8cZ6haMso
加奈子!加奈子!
471 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/17(水) 17:01:41.00 ID:l8kGSynDO
過疎スレェ…
472 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/17(水) 17:08:58.94 ID:mMYMAw/po
ブリにゃん……
473 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/18(木) 02:29:25.38 ID:o7fpH7Yj0
これよかった。
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1310480351
474 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/18(木) 02:57:26.01 ID:CUj4B00Po
桐乃「・・・」イライラ
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1313599688/
475 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/18(木) 04:41:54.60 ID:vvMNQjzo0
>>474
こういった事も大事だね
ありがとうございます
476 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/18(木) 18:32:43.19 ID:O5Cn8Vhv0
>>474
非常に(・∀・)イイ!!
477 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/08/19(金) 16:58:32.61 ID:K8dg6+cm0
俺妹はカップリング的なものしか無いからなー
京介達に麻雀させるSSがあったとしても需要ないっしょ?
だから僕は加奈子たんのSSを求めるのです、いっそのこと自分で書くか
478 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/08/19(金) 16:59:03.26 ID:K8dg6+cm0
俺妹はカップリング的なものしか無いからなー
京介達に麻雀させるSSがあったとしても需要ないっしょ?
だから僕は加奈子たんのSSを求めるのです、いっそのこと自分で書くか
479 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/08/19(金) 16:59:32.43 ID:K8dg6+cm0
俺妹はカップリング的なものしか無いからなー
京介達に麻雀させるSSがあったとしても需要ないっしょ?
だから僕は加奈子たんのSSを求めるのです、いっそのこと自分で書くか
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/19(金) 17:54:36.02 ID:XfdQzxRp0
エラーしても確認しろとあれほど
481 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/19(金) 18:14:36.21 ID:RtjcdcxIO
夏休みだから
482 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/19(金) 18:15:26.07 ID:X0CSHrP0o
ひどいもんだ
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/08/19(金) 20:03:11.85 ID:K8dg6+cm0
規制かかってると思い込んで更新ボタン押しすぎたらこんな結末に
貴重なレスを消費してしまって申し訳ない。
484 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/08/19(金) 20:35:35.41 ID:RGXQoWzAO
加奈子は脇だとすごい萌えるのばかりな印象。
安価しかり、相談、願い、モデルしかり
逆にメインをはってるものとなると原作にないストーリーをおこすわけで、
独自色が強くて突き抜けがちだから、加奈子好きであるほど好みは分かれそう
つまり
>>483
HKB
485 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 04:16:47.48 ID:FW8ARxz3o
俺妹で笑えるSS読みたいな
原作はコメディ色強いのにSSは恋愛ばっかりだ
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 04:23:54.05 ID:fKRNo9Wpo
>>485
なんかすごくハッとした気分
でも実際問題として、笑えるSSを書くのは難しいからなあ……
加奈子はあの口調が上手く書けなくて苦労している人が多そう
たまにならいいが、メインを張ると荒が見えやすくなるんじゃないか?
487 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 09:14:18.58 ID:zRwbyOmXo
原作で笑えるのなんて京介とあやせのやり取りぐらいなんだが
488 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 22:27:28.98 ID:LsZm3fXNo
京介×あやせ で、何かいいネタはありませんか?
489 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 22:36:53.91 ID:FFt6Uo1UP
京介があやせにマジ切れしたフリをしたらどう反応するか
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/08/20(土) 22:39:14.11 ID:OQFeXTNk0
>>488
なぜか外れた手錠の話
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage saga]:2011/08/20(土) 22:44:22.91 ID:fnpuHSqI0
しばらく来ないうちにこんなに過疎っていたなんて……
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/08/20(土) 22:46:22.10 ID:2hkxK9MAO
>>487
同感だが桐乃と黒猫のやり取りも結構好きだ。京介はあやせと絡んでる時が一番面白いが、桐乃と黒猫はこの二人が組んでる時が楽しい。
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/08/20(土) 23:47:04.72 ID:OQFeXTNk0
きりりん、黒猫、大佐の3人でサライを熱唱…。没だな
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/20(土) 23:54:15.77 ID:LsZm3fXNo
>>489
、
>>490
承りました。
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/08/21(日) 00:46:30.38 ID:qgli5pxAO
家出した加奈子を高坂家に泊める話・・・
やばいイキそうだ
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/21(日) 00:55:22.34 ID:pzDu++HYo
>>495
よし!任せた!
君なら出来る
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/21(日) 16:34:51.27 ID:UAT3TsOOo
一人暮らしを始めた京介の部屋に加奈子やブリジットが転がり込んでくる話とな
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/21(日) 17:00:46.23 ID:TwOQgUnso
ブリジット√と聞いて飛んできました
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/21(日) 17:03:00.61 ID:4sqpLi8aP
一人暮らしをはじめた京介の家に押しかけて
掃除に料理と不慣れながらも一生懸命頑張るブリを想像してひどく和んでしまった
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/21(日) 19:13:39.89 ID:ZooAXLvAO
あー、それは和むなぁ……
と想像を膨らますうちに何故か異物が忍び込んできて、気付いたら世にも奇妙なものがたもり風になっていた
ブリジット勝利の夜明けはまだ遠い
501 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 04:36:27.80 ID:TQl9Lcapo
ブリジットってどうやって生活してるんだろう?
一人暮らし?
両親も日本にいる?
親戚・知人に預けられてる?
やり方次第でどのルートも京介と暮らす話がうまく作れそうだ
ただ、長編になるな
502 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 05:04:59.61 ID:UblfzDbZo
ブリジットの棒可愛さは異常
ブリジットで長編書くのは大変そうだ
ブリの口調は一歩間違うとあやせになるから困る
503 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/08/22(月) 22:00:32.50 ID:GGDsn/HO0
ちょっと恋愛物意外にも挑戦してみるか
・脱衣麻雀をするお話
・1レス1ネタ系
・京介がボクオタだったお話
こういう感じでなんか読みたい感じのある?
もしもこれで書きにくかったりコケたりしたら俺妹は恋愛物であるべきなんだろうな
504 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 22:27:09.42 ID:53Mhy6gs0
どれかじゃなくてどれも読みたい。
505 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(佐賀県)
[sage]:2011/08/22(月) 22:44:51.74 ID:fTzeIjQLo
困ったら全部書けばいいと思うの
506 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 23:28:20.01 ID:iR61B7DIO
どれか一つを選ぼうとする男の人って…
507 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/08/23(火) 07:33:52.12 ID:XXsxxEEAO
なら俺は脱衣麻雀を希望するぜ
何故なら俺はエロいからだ
勿論他の二つも、書けたら書いて欲しいなと思わないでもないけれど
508 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:31:59.68 ID:u4uH3Ct10
投下してもいいか?
509 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 12:32:19.53 ID:LUkGzIDqo
おk
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:32:46.65 ID:u4uH3Ct10
投下してもいいか?
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 12:34:11.73 ID:PUIpyqSZP
駄目だという理由がないな
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:37:54.18 ID:u4uH3Ct10
俺が妹と間接キッスなわけがない。
「「はぁあ」」
今、私達兄妹の目の前にはある問題が立ち塞がっていた
話の発端は幾分か前、兄貴が机の上にジュースを置いた時から始まった
あのバカ兄貴はまたもややらかしたのだ、机の上には私が置いたジュースもあったのに、あいつはまたもやノホホンとした顔で何も確かめもせずに自分の飲みさしを机に置いたのだ。
ここまで話したら分かるだろうが、簡単に言うと混ざったのだ、兄貴と私のジュースが。
それで飲んだ分量までほぼ同じなんだからもはや救いようのない状況だ
「もうどっちでも良いんじゃねぇ?、それか捨てちまうとかさぁ。だってまだあんなにあんだぜ?」
「だ、駄目!!、勿体無いじゃん!!」
即言い返す私
いくら昨日にお父さんが知り合いの業者さんから箱ごと貰ってきて大量にあるからって粗末にしちゃいけないんだからね!!
「じゃ、適当に選ぶって事で」
兄貴はそう言って手前にあったジュースを取って自分の部屋に向かおうと歩き出した
それを私は肩を掴んで半ば強引に止める
「ちょ、あんた何考えてんのよ!!デリカシーってもんが無いの!?」
「あぁもう!、どっちでもいいだろ!?」
い、いや、どうせなら兄貴のジュースが………ってそうじゃなくて!
「と、とにかく!、勝手な事しないでよね!、あんたはそんな所がモテない原因なのよ!」
「それは関係無くねぇ!?」
何やら兄貴が叫んでいるが私は軽く無視する
今重要なのはそんな事じゃなくてどっちが兄貴の飲みさしかを見極める事だ
ま、見てても何も分からないのでとりあえず今日の私の行動を振り返ってみてどこに置いたかを考えてみよう
何か分かるかもしれないしね。
朝、6時10分起床
何時もの様に私は兄貴の部屋に耳を傾け………じゃなくて静かな音楽に耳を傾けていた
午前9時半、兄貴の部屋から起床らしき音が聞こえる。遅い。
え?、いや盗み聞きなんてしてないって!、壁が薄いから聞こえちゃうの!!
「さて……、朝飯食ってからもう一回寝るとしますかぁ」
そんなやる気の無い声が向かいの部屋から聞こえてくる
ってかそんな生活で何で太らないの?、ちょっとムカつくんですけど。
そんな事を考えてちょっと肩を震わしていると兄貴の部屋の扉が開いた音がした
な、なんか私もお腹減ったなぁ、食べに行こうかな?
たまたまお腹が減ってきたためどうするかどうか考えてみる。
「うん、食べに行こっと」
確か戸棚の中にインスタントカレーがあったはずだ。
結局食べる事にした私は何があったかを思い出してみる
何でカレーばっかりなのよ、と思わない事も無かったけど今更そんな事を母さんに言うつもりはない
私は無駄な事はしない性質なのだ。
そんな事を考えてゲンナリしながら私は兄貴がいるであろうリビングに向うため自室の扉を開いたのだった。
下では兄貴も同じ事を考えていたのかお湯を沸かしてインスタントカレーをぶち込むところだった。ついでに私のも頼むとソファに向かう。
兄貴は「はいよ」と言うともう一度戸棚をあさり始める、暫くすると少し困ったような顔をして腰を上げた
「桐乃?、ハヤシかビーフ、どっちがいいんだ? 二種類しか無いんだが」
「ん〜? じゃぁハヤシで」
私は適当に答えるともう一度座り直した。
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:38:31.15 ID:u4uH3Ct10
後ろでは欠伸を噛み殺しながら兄貴がお湯と向き合っていた。時計をチラチラと見ている。
暫くすると兄貴が湯気が出ている器を二つ持ってきた
「ん、ハヤシな」
「サンキュ」
そう言い合うとつけられていたテレビを見ながら黙々と食べる。
ちょっと間経つと、何を思ったのか兄貴がこんな事を言い出した。
「なぁ、俺にも一口くれよ」
「……は?」
思わず聞き返す私。内心はパニックに陥りアタフタしている。
実際私の顔は目一杯赤くなっているはずだ。
ちょ、兄貴自分が何言ってるか分かってんの!?
両手で頬を押さえながら「あうあう」言っていると、兄貴は私を見て「勝手に貰うからな」と言ってスプーンを私のハヤシライスに向かって近づけていく
私は兄貴がハヤシライスを自分のスプーンで掬い、口にハヤシライスが運ばれるところを穴が開く程見つめていた。
「あ〜あ、やっぱりこっちのんが美味いじゃん。 ん?、何だよ嘘だと思うならこれ食ってみろよ、確実にそっちのんが美味いからよ」
兄貴はそう言って自分の器をこっちに差し出してくる、私はゴクリと生唾を飲み込むとスプーンを兄貴のカレーに向かって近づけて、一口分掬って食べた。
頬が全力で緩む、自分でも顔がだらしなくなっていくのが分かった。
どんな顔をしていたのだろうか、兄貴は私が食べ終わると「そんなに美味かったのか?」と聞いてきた。
それからは特に無い。ていうか兄貴の食ったところを残して食べた事しか頭に残っていない。
行き成り跳んで午後4時
ここからだろうか、問題が発生したのは。
この時間に私はあらかじめ出して冷やしていたジュースを冷蔵庫から取り出し飲んだ
その後喉が潤っても何やら動く気になれず、机でウダーっとしていた。
しばらくグダグダしていると兄貴が部屋から出てきたのだろうか、上の階からガチャリと扉が開く音がした。
私は慌てて起き上がるとちょっとだけ身だしなみを整える。
ちょっと前髪をいじっていると兄貴はリビングに入ってきて私を素通りするとお父さんが貰ってきたジュースの箱に向かった
ヌルいであろうそのジュースを開けて兄貴は飲んだ後、初めて私が居るのに気付いたかの様にこちらを見た。
兄貴の場合冗談じゃなく本気で気付かなかった可能性があるのが怖い。鈍感さで言ったらラノベの主人公なみだからなぁ、兄貴は。
「い、居たのか、桐乃」
やっぱり私の予想通り気付いてなかったらしい、イラッとくるのは仕方ないに違いない。
「居たけど?、何か文句でもあんの?」
私は思い切り睨むと兄貴に向かって不機嫌丸出しの声で話す。
「べ、別に文句はねぇけど」
兄貴はちょっと気圧されてどもってしまっている
「ちょっとくらい声掛けてくれてもよくね?」
そう言いながら兄貴は私に近づいてきてその飲みかけの缶をテーブルに置いたのだった
それからグチグチ言っていると、兄貴が私のジュースに手をかけた
「ちょ、ちょっと、それ私のなんだけど」
「え? けどこれ今さっき俺が置いた気がするんだけど?」
「そんな訳無いじゃん、私のやつの方が冷たいでしょ?」
兄貴が持っているやつをひったくって触ってみる、ヌルかった。もう一方も触ってみるが少なくとも私の感覚では温度の違いが分からなかった。
それから何回かジュースを見比べているうちに本格的に分からなくなり
現在に至るわけだ
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:39:50.06 ID:u4uH3Ct10
「…………ここね…。ここで入れ替わったに違いない」
私は思い出し終わるとそう呟いた、でも肝心な所が思い出せない。あの時兄貴はどっちにジュースを置いたのだろうか。
それさえ思い出せば兄貴の飲みかけは私の……、じゃなくて私の飲みかけを兄貴に飲まれなくてすむ。
「それで?、どっちが俺のか分かったのか?」
「うっさい!、あんたもちょっとは考えなさいよ!!」
誰のせいでこんな事になってると思っているのよ!、そんな怒りが湧き上がってくる
元はといえば兄貴がジュースを置いたからではないか、置いたから私はこんなに誘惑と戦わなくてはならなくなっている。
もうっ!!、兄貴の飲みかけはどっちなのよ!!……………ってだから!そうじゃない!!、しっかりしなさい!私!!
「ど、どうした?桐乃」
私が一人で一喜一憂していたらよっぽど挙動不審だったのか兄貴が若干引き気味に訪ねてきた
私は「何でもない」と答えると、もう一度どうやって兄貴のジュースを見極めるか考える。
「あの時こうなって、そうなったでしょ?、うん、たしかそこでああなったはず……」
何分そんな事をぶつくさ言っていただろうか。
急にトントンと私の肩が叩かれた。
「なによ」
私が振り返ると兄貴が「ほら」と言って一つのコップを差し出してきた
中にはジュースらしき液体がタプタプと揺れていた
もしや、と思って振り返ると案の定、あった筈の物が無くなっていた。ジュースの缶が二つとも無くなっていたのだ。
「あ、あた、何してくれちゃってんのよ」
「ん?、何ってお前は俺との間接キスが嫌なんだろ? だったらこうやって入れ物変えちまやぁ良いじゃねぇか。な? 頭良いだろ」
言い終わるとニコリと笑ってコップを差し出してくる
プチンッ
何か変な音が私の頭の中で響き渡った。
何も考えれなくなって兄貴の服の袖と襟を持って思い切り背負い投げをかます。
派手な音が鳴ったがそれすらどうでもよくて私はコップに入ったジュースを取ると逆さを向いた兄貴の鼻に思い切り流しこんだ。
「こ、こんな合法的に出来る事なんて滅多に無いのになんであんたは元も子も無い事すんのじゃぁぁあああああ!!!」
思い切り叫んで頭を揺さぶるが、その時には兄貴の意識は無くなっていた。
ある程度経つと落ち着いて、私は兄貴を移動さしてソファーに寝かせた。
頭にあるコブを見ていたら罪悪感が沸いてくる。
い、いや、だけどあれは兄貴が悪いでしょ!? だってあんな堂々と間接キスできるチャンスなんて滅多に無いのにあんな一瞬で潰されたらそりゃ怒るでしょ!?
そ、そりゃちょっとはやりすぎたかなぁ、なんて思ったりするかもだけど私は悪いかと聞かれたら悪くないと答えると思うんですけど!?
ちょっと感情的になってしまった私は新しく出したジュースをコクリと飲み下して一息つく。
「ちょっとは期待してもいいじゃん………」
小さく呟くと、そっと溜息をつく。
ちょっとま沈んだ気分のまま兄貴の寝顔を見つめていると、兄貴は居心地が悪そうに身じろぎした。
「ん……………ぅ」
微かだがもれる声。
その声が小さな寝言へと変わるのに時間はかからなかった。
「な………何だよぅ、桐乃………ま……まぁ、 だ……き」
兄貴の夢の中で私はどんな事を言っているんだろうか? 兄貴はちょっと眉を寄せて苦笑いをしている。
きっと迷惑をかけて、我侭を言っているんだろう。それでも変わらない、何時もの様に嫌そうにしながらも必ず助けてくれてるのだろう。
515 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:40:55.87 ID:u4uH3Ct10
私は嬉しくて顔がニヤけてくのを自覚して、恥ずかしくてちょっと頬を染めた。
「ありがとね」
小さく呟いて上気した頬を隠すように下を向く。
ちょっとだけ。
お礼に、ちょっとだけ。
目を潤ませてちょっとづつ兄貴の額に近づけていく、自分の唇を。
女運の無い兄貴に対するお礼。
途中から心臓がうるさくて、顔が熱くて、訳が分からなくなった。
チュッ
触れた。
それだけでこんなにも、こんなにも嬉しいものなのだろうか。
顔がニヤける、頬が緩む、目が潤んでいくのが分かる。
リンゴの様に真っ赤になっているだろう顔を勢いよく上げると、兄貴を見ようとするが、見れなくて目を逸らす
触れた唇の甘美さに酔いしれながらフラフラと立ち上がる。
駄目だ、気を張ってないと、ちょっとでも緩めると倒れちゃいそう。
私は何回か倒れかけながら部屋へと帰ったのだった。
何時間か後。リビング。
「ん…………」
俺は眩しい光に顔を顰めながらソファーの上で起き上がる。
赤く染まったリビングに一瞬目を奪われる。
今は何時なんだ?
時計を見てみると短い針が6を指していた。
どんだけ寝てたんだ。
ちょっとだけもったいない感覚に襲われるがすぐに気をとりなおす。
ソファーに身を深く沈めて一息つくがまた眠気に襲われる事は無く、薄く笑って夕空を見た。
綺麗だ………。
そんな事を思った自分に呆れながら視線を逸らす。
すると目に写ったのは開けられた缶。飲みさしなのだろうか? 一応確かめようと手に持ってみるが減っている感覚はしなかった。
桐乃の奴がお詫びにでも置いてったのかな。
なんてことを考えて苦笑いをしてしまう、なんで炭酸なのに開けていくんだ?
肝心なとこでぬけてんだよな。
すっかり炭酸の抜けた炭酸飲料に口をつけた。
漏れるのは一言。
心の底から思った、たった一言。
「うめぇ」
そう呟いて俺はぬるくなって、炭酸の抜けた飲料を夕空にかかげたのだった。
本当、最高にうめぇ飲み物だ。
fin
516 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/08/23(火) 12:43:07.50 ID:u4uH3Ct10
終わり。
桐乃の暴力の描写がちょっとだけ酷すぎたかなと反省。
また来る。
517 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 12:46:56.22 ID:PUIpyqSZP
乙
京介の行動に一喜一憂する桐乃はやっぱり可愛いなww
あと一つだけ。桐乃の一人称は『あたし』なのでその辺もう一度確認するといいかも
518 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 16:42:07.03 ID:Z2VTmMqIO
乙でしたー
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/08/23(火) 17:35:04.64 ID:ZnNp4ynAO
乙ん!
520 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 17:59:51.55 ID:1/xj129uP
無駄な改行が気になって読んでないけど乙
521 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/23(火) 20:03:42.62 ID:h8KeAwcDO
久々にSSきたな
だが勝手に暴走してボコられるとかひどいww
もうちょいマイルドにした方がいいな
522 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/24(水) 01:45:06.32 ID:73RAdN4Po
乙乙!これはいいブラコン
次も頼むぜ
523 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/08/24(水) 05:17:22.67 ID:jx0NvknAO
あやせの運動神経って原作ではどれくらいの設定なんだろう
自分より背の高い男にハイキック食らわすぐらいだからかなりいい方なのか
泳げないあやせに泳ぎを教えるSSとかどうだろう
ちなみに俺は25m平泳ぎが1分近くかかるぐらい泳げない
524 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/08/24(水) 20:02:04.19 ID:Rw+VFLeMo
で、京介に溺れると
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/08/24(水) 22:46:50.45 ID:9U2b8efw0
>>524
誰が上手いこと……いや、大して上手くも無いか
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/25(木) 21:01:09.35 ID:acHv1s3Xo
京介に溺れるブリ……
全然想像できん
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/08/25(木) 21:28:46.84 ID:w+lWh+KAO
ありだと思う
けど、あやせ寄りになっちゃいそうかな…ポジションが
自分の場合、メガネかけてる子は溺れるイメージが描けない
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/08/25(木) 21:36:53.34 ID:w+lWh+KAO
でもいつも思うのは526は本当にブリジットが好きで仕方ないんだねぇ
このろりこんさんめ(・∀・)
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/28(日) 14:40:44.13 ID:06SSIPKAO
久々に来たらフェイトさんのフェの字もないじゃないか
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/08/28(日) 23:22:44.50 ID:5IBNISdao
俺は、今みたく過疎った『俺妹SSスレ』が大好きなんだ。
桐乃に振り回されることもないし、麻奈実に無理やり勉強させられることもねえ。
黒猫は期待させといて勝手に転校しちまうし、沙織からの便りもなくなった。
加奈子やブリジットはコスプレアイドルとしての人気を不動のものとし、
俺なんかはもうご用済みのようだ。
アメリカにいるリアとも長いこと顔を合わせてはいない。
「お兄さん、あの雲……どことなく桐乃に似てませんか?
それに、あっちの雲は加奈子そっくり……」
「そう言われてみれば、たしかに似てるかもな。
ほらっ、あれなんか、麻奈実の掛けてるメガネみてぇじゃねえか」
「みんなどこへ逝ってしまったんでしょうか?」
「さぁな、そのうち俺たちもいなくなるんじゃねぇのかな」
8巻発売前にはあれほど盛り上がったというのに、発売されてみればこのザマだ。
ラノベの人気なんて所詮はそんなものさ。
誰もが睡眠時間を削ってまでSSなんて書いてるわけじゃない。
「本当に静か……でも、わたしはこういう雰囲気もけっこう好きなんです。
お兄さんがどう思っているのかは、わたしにはわかりませんけど……」
「いや、俺だって今の状態は悪くねぇと思ってるさ。
俺はあやせが傍にいてくれるだけで十分だし、他に望むモンなんてねぇよ」
「もう、いつからお兄さんはそんなに口が上手くなったんですか。
……でも、わたしも本当のことを言えば、お兄さんがいてくれるだけで十分なんです。
桐乃や麻奈実さんには、心から申し訳ないとは思っているんですけど」
俺は荒廃した『俺妹SSスレ』の中を、笑顔のあやせと手を繋ぎながら歩いていた。
いずれは3ヶ月ルールによって、誰にも看取られずにこのスレが消滅するかもしれん。
しかし、俺はその運命の日が訪れるまでこのスレを陰ながら見守ろうと思う。
「やっぱ『俺妹』って、7巻でやめときゃよかったと思うんだよな」
「お兄さんって、もしかすると○○派だったんですか?」
(完)
531 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/28(日) 23:43:15.38 ID:8P1AjZjB0
>>530
もうこれでいいから書いてくれよ
532 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/29(月) 07:18:25.75 ID:f3NPtqnv0
>>530
ワロタwwww
533 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/08/29(月) 21:32:59.95 ID:swf25YmAO
>>529
何度か挑戦してはいるのだけど、どうも収まりがよくないんだ…
起承転結の形を整えられなくて短編すら書けないとか、キャラはともかく距離感が難しすぐるよフェイトさん
エロでもギャグでもない話のヒロインを張れるポテンシャルは持ってるハズなんだけどな〜
534 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/29(月) 21:40:19.52 ID:EhqpN7GKP
最後の締めが
「ああ、そうだ。京介くん、最後に聞いておきたいことがあるんだけど」
「なんすか?あらたまって」
「京介くんは年上の女性って、どう思う?」
みたいなフェイトさんのSSは読んでみたいかもしれない
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/29(月) 23:03:58.19 ID:liKEOlJSO
沙織のSSも見なくなって久しいな
あのキャラ難しいから仕方ないっちゃ仕方ないが
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/08/30(火) 01:02:22.81 ID:oWU3Y8+L0
>>535
温かな虹色の光に包まれて全裸になるんだよ。
537 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/30(火) 02:06:54.31 ID:f/hZ2IiFo
>>530
評価するww
538 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/30(火) 02:20:03.07 ID:9KbNVpVwo
>>536
なにその対話空間
ユニコーンのマリーダさんよろしく、髪がほどけてバジーナ状態からお嬢様状態になるところまで想像した
539 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/30(火) 11:14:48.05 ID:1WE3WVoF0
>>530
吹いたwww
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
540 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/08/30(火) 23:48:51.30 ID:poj6swMAO
>>533
>>534
導入部だけ書いて投げた俺が言うことじゃないが諦めないで
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
541 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/31(水) 13:01:59.58 ID:j33dGHdDO
>>540
真矢さん……!
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
542 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/09/01(木) 02:00:16.18 ID:W81WrRFL0
もはやだれも覚えていないと思うが、だれかサイコフレームを共振させてランちんの残留思念を拾ってあげてw
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
543 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/01(木) 02:07:47.92 ID:FRfUUJRCo
ランちんの花なんだよ!
これだとバイオコンピューターだな
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
544 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/09/03(土) 02:00:04.66 ID:Z9hL0sts0
自治の結果によってはこのスレ落ちるんじゃないの
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
545 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/09/03(土) 12:40:58.45 ID:bTCkfcefo
落ちる前にいっこ投下してく。
※キャラ崩壊注意
※エロ描写注意
『もしも黒猫さんが性的に積極的だったら』という体でのSS。
はっきり言ってgdgdなんで、読み飛ばしてもいいよ。
以下、投下。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
546 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/09/03(土) 12:42:04.21 ID:bTCkfcefo
「く、黒猫……。いったい何を……」
「ふふっ。さぁ、なにかしらね?」
俺の問いに妖しげな笑みを浮かべながら返答する黒猫。これだけなら、俺だって多少はドギマギしただろうが、別段取り乱すことはなかった。
ここ最近の習慣となりつつある、俺の部屋でのゲーム製作。黒猫はベッドで、俺は机で作業。ここまではいつも通りだった
お袋が「買い物に行ってくる」と階下から告げ、玄関のドアが閉まる音がした後、異変が起きた。
「先輩、ちょっといいかしら?」
「ん? ああ」
さっきまで寝転がっていたベッドに人一人が座れるスペースを空けて、黒猫が俺を呼んだ。
黒猫が俺をベッドに呼ぶこの光景も、今ではそれほど珍しくはなかったため、俺は無警戒にそちらへ足を向けた。
空いたスペースに腰掛け、ノートPCの画面に目を向ける。
「何かあったnうわっ!?」
黒猫に何が聞きたいのか訊ねようと顔を向けた矢先、俺は肩を掴まれ、ベッドに押し倒された。
誰がそんなことをしたか……なんて言うまでもないだろ? だってよ、今この家には、俺とあと一人しかいないんだからな。
そんな一幕の末、俺は黒猫に押し倒された形で、さっきの質問を投げかけたわけだ。
人間、突発的な事態に陥ると意外と何も出来ないとはよく聞くが、その意味がやっとわかった。何てったって、現在進行形で体験してるわけだからな。
「『鳩が豆鉄砲を喰らった顔』というのはこんな顔なのね。とても嗜虐心をそそるわ」
「……そうかい。満足したんなら、そろそろ離してくれねえか?」
内心の動揺を悟られまいと、努めて平静な回答をする。
沙織ほどではないにしろ、コイツも俺をからかって楽しむ嫌いがある。ここでつまらない反応をすれば、すぐに解放してくれるだろう。そう考えての発言だった。
もっとも、それは無駄なことだったんだがな……。
「面白みのない答えね。でも駄目。だって、まだ満足したわけじゃないもの」
先程の妖しげな笑みを湛えたまま、黒猫はその整った顔を俺の首筋に近づけてきた。
首筋に掛かる柔らかな黒髪の感触とかすかに甘い匂いが、俺の心臓のテンポを不必要にアップさせる。
「お、おい!? 何をやってるんだよ!?」
「心配しなくてもいいわ。血を啜ろうというわけではないから。先輩の匂いを嗅いでいるのよ」
「どっちにしてもやめてくれ!? やめてくださいお願いしますぅぅっ!!?」
俺の悲痛な叫びもむなしく、黒猫はすんすんと鼻を鳴らしながら、俺の匂いを嗅いでいた。
黒猫の鼻を鳴らす音、想像以上に柔らかな体の感触、ほのかに香ってくる甘い香り。その全てが俺の動揺を誘い、思考を妨害してくる。
それでも、俺はかろうじて声を出すことが出来た。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
547 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/09/03(土) 12:42:47.33 ID:bTCkfcefo
「く、黒猫さん……。マジでどいてほしいンすけど……」
「あら、まだそんなことが言えるのね。けれど、その意見は却下するわ」
「ひあっ!!?」
突如首筋を襲ってきた感触に、思わず声が裏返る。
コ、コイツ! 今、首を舐めやがった!
「ふふっ、意外と可愛い声を出すのね。首は弱点だったのかしら?」
「いきなり首を舐められりゃ、誰だって変な声が出るわ!!」
「そう。なら、もっと舐めてあげる」
「お、おいやめrふわぁっ!」
俺の反応に気を良くしたのか、黒猫は舌での攻めに拍車をかけてきた。
やがてぴちゃぴちゃと水音が立ち始め、淫靡な空気が一層強まる。これ以上は流石にマズい……!
「く、黒猫さん……マジでやめようぜ。ほら、今なら怒らねえからさ。それに汚いだろ?」
「先輩、いい加減に素直になったら? それに汚くなどないし、仮に汚くてもそっちの方が私は燃えるわ」
ひいいぃぃぃっ!! この子真性だよ!
今はアメリカの空の下にいる我が妹よ。知ってるか? お前が散々「厨二、厨二」と馬鹿にしてきた黒猫はな、マジで淫魔の類かも知れんぞ。
俺が現実逃避に勤しんでいると、なにやら胸の辺りがすーすーしてきやがった。
はは、春だってのに肌寒いな。なんだかシャツを肌蹴られたよう……な……?
「ちょちょちょ黒猫さん!? 何をしていらっしゃいやがりますか!?」
「ただシャツをどけただけよ。……それにしても、先輩も熱くなっているわね」
「ひうっ!」
いつの間にか俺の胸元を露わにした黒猫は、ちょうど心臓がある辺りに顔をぴったりとくっつけてきた。
ほんのり冷たい黒猫の頬の感触が心地よく、上質な絹のような美しい黒髪の感触がこそばゆい。
「心音もすごく速い。それにココも自己主張してきてる。期待してるのね」
俺の心音に耳を傾けながら、左手で肌を撫で、その手が徐々に下がっていく。
やがて黒猫の小さな手が、俺の無節操なリヴァイアサンを上下に優しく擦り始めた。
「ふふっ、コッチの先輩はとても素直ね。コッチの先輩も、素直になればいいのに」
俺の頬を右手で撫でながら、視線をよこしてくる黒猫。
笑みはそのままだが、頬は上気してほんのり紅く、瞳にはついこの間まで中学生だったとは思えないほど妖しい光を宿していた。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
548 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/09/03(土) 12:43:28.84 ID:bTCkfcefo
さっきまで日常だった空間が、非日常に支配されていく。侵食と言ってもいい。
だからだろうか……。俺の中で、何かのタガが外れちまったのは。
「きゃっ!?」
気付いたときには、俺は黒猫を引き剥がし、その華奢な体をベッドに押さえつけていた。
先程まで妖艶な表情を浮かべていた黒猫も、今は少女らしさを取り戻し、驚きの色だけを見せている。
「せ、先輩……?」
「……」
恐る恐るといった体で声を掛けてくる黒猫。俺はその声を無視し、先程の黒猫のように首筋に顔を埋め、舌を這わす。
予想外の行動を取られたからか、黒猫は「ひゃっ!」と可愛らしい悲鳴を上げた。
「どうしたよ? さっきまでの余裕はどこ行ったんだ?」
「せ、先輩……、落ち着いて……」
「ハッ! あんだけ挑発してきたくせに、いざとなったらコレか」
言葉を交わしながらも、俺は舌での攻めを止めない。黒猫の白く細い首を執拗に舐め、左手は器用に制服のボタンを外していった。
やがて服の下からこれまた白く透き通った肌と、大事な部分をつつましく隠しているシンプルな薄桃色の下着が露わになった。
「オイタが過ぎたな、黒猫。男を舐めてかかるとどうなるか、きっちり教えてやるよ」
「ま、待って先輩……。私が悪かったかrはんっ!」
制止の言葉に耳を貸さず、俺は次の行動に移った。
ブラをたくし上げ、控えめな乳房を口に含む。右手は黒猫の背に回して逃げられないようにがっちりホールド。左手はスカートから覗く太ももを撫でる。
ブラのホックを外し、下は乳首をわざと避けるように動かし、左手は太ももから股間へと徐々に移動させる。
「はぁ……せ、せんぱぅン! せんぱい……ふぅッ! あっ!」
感じやすい体質なのだろうか、黒猫は俺の稚拙な愛撫にやたら反応していた。甘く艶やかな声音が、俺の中の情欲を加速させ、攻めをさらに激しくさせる。
その間に左手は秘所に到達した。そこはすでに潤い始め、俺の指に温かく粘り気のある液体を塗布してくる。
「もう濡れてるぞ、黒猫。無理矢理されて喜んでるなんて、素質は十分だな」
「そんな……こtああッ! な、ない……んんっ!!」
「認めろよ。お前は淫乱なんだよ」
俺は下着の上から、黒猫の陰核を思い切り押し潰した。
弱い刺激しか与えなかったところに、突然の強い刺激。黒猫は軽く背を反らせ、下半身から襲ってくる快楽に身を任せる。
ややぐったりした黒猫を気遣うこともなく、俺は下着を脱がせ、今度は直に秘書を攻め始めた。
「さっきとは逆だな、オイ。お前も俺の言葉を否定しちゃいるが、下の方は素直な上に貪欲だ! どんどん溢れて、俺を誘ってるぜ!」
「あっ! だ……だめ……ふぅンッ! あはぁ……もっと……やさsあうっ!」
人差し指で入り口を攻めながら、親指は陰核を刺激。口は色素の薄い乳首を舐め、噛み、転がしていく。
白い肌は徐々に上気し、秘唇からは熱い淫液がとめどなく溢れてくる。
黒猫が反抗的な態度を取ることはなくなり、今はただただ与えられる快楽に身を委ねていた。
どんどん激しく乱れていく黒猫。その痴態を眺めていた俺も、もう我慢の限界だった。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
549 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/09/03(土) 12:44:14.38 ID:bTCkfcefo
「……挿入(い)れるぞ」
「ッン! あ……えっ?」
ベルトを外し、痛いくらいに怒張した陰茎を黒猫の秘唇にあてがう。濡れそぼった黒猫のそこは、俺の亀頭を優しく包み込もうとしていた。
その光景を前にして、黒猫は今までにないほど焦り始めた。
「ま、待って……。私、はじmんん゛っっ!!」
体が小さいからか、黒猫の中は想像以上に固く閉じていた。異物の侵入を拒むかのように、肉の壁が俺を押し戻そうとしている。
その抵抗すら快感となり、俺自身を包み込んだ。
半分くらいまで飲み込んだだろうか。そこで俺は、俺自身を濡らす液体の中に赤色が交じっていることに気付いた。
「……初めてだったのか」
「ふううっ……んん……」
黒猫の顔を見ると、その表情は明らかに痛みに耐えていた。目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。
先程までの嗜虐心はすでに鎮火し、後悔の念が俺の中に渦巻く。だが、もう遅いし、俺も止まれなかった。
せめて、黒猫の痛みを和らげたい。俺は黒猫に覆い被さった。お互いの顔の距離が近く、思わずドギマギしてしまう。さっきまで、これ以上のことをしていたのにな。
「せんぱい……?」
「悪かった」
黒猫の頭を抱え、髪を撫でる。そのまま俺は、黒猫の口を塞いだ。
始めは軽く触れ、唇を舐め、甘噛み。ゆっくりと開く黒猫の口内に舌を挿し入れ、舌を舐め、吸い、歯を、歯茎を舐め回す。唾液を吸い、俺の唾液も黒猫に飲ませる。
その間、右手は黒猫の頭を撫で続け、左手は乳房を軽く揉み、腰をゆっくりと突き進めていく。
「んんん……ふン……はぁ、アむ……んぅ……」
ゆっくりと進入させていった陰茎が、遂に奥まで到達した。だが、まだ慣れてはいないだろう。
俺は愛撫を続けながら、腰を円を描くように回し、黒猫の膣内を慣らす作業に移った。
「ふ……ぅ……んむ……はぁ……」
「ふぅ……。どうだ、少しは痛くなくなったか?」
「……そう……ね。さっきよりは……」
完全ではないにせよ、少しは効果があったようだ。
俺は腰を動かすのをやめ、今度は首や頬、耳にキスの雨を降らす。実を言うと、腰を回すだけでも昂っていったからだ。
このままじゃいずれ果てちまうくらいにな。それじゃあ、なんとも情けないだろ?
黒猫は俺にされるがまま、ただただ愛撫を受けていた。時々くすぐったそうな、それでいて甘い声を上げながら。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
:2011/09/03(土) 12:44:37.44 ID:t2GZtyfeo
エロパロでやれよ
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
551 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/09/03(土) 12:44:40.66 ID:bTCkfcefo
どのくらいそうしていただろうか。ふと、黒猫が俺に語りかけてきた。
「ねえ、先輩……」
「なんだ?」
「私はもう大丈夫だから……その……」
「ん?」
黒猫の顔を見ると、決して性交の昂りだけでは説明出来ないほど頬が紅く、視線は明後日の方向を彷徨っていた。
やがて意を決したのか、こちらをまっすぐ見つめ、先程の続きを口にする。
「先輩の……好きなように動いて……」
「気持ちは嬉しいが、まだキツいんじゃないか?」
「……それは……そうなのだけれど……」
「ん?」
再び言いよどむ黒猫。一体どうしたというのだろう?
だが今度の沈黙は短かった。相変わらず視線は明後日の方を向いているが、すぐに真意を伝えてきた。
「その……切ないの……」
「へ?」
「だから……まだキツいけど、それ以上に……奥が……切ないのよ……」
「……oh」
なるほど。俺の愛撫のせいで黒猫の中を占めていた痛みや異物感は治まり、逆に快楽を求める気持ちが大きくなったのか。
なら、少しだけ無茶をさせてもらおう。最も、まだ慣れきったわけではないだろうから、ゆっくりとではあるが。
俺は頭の位置を下げ、黒猫の勃起した乳首を口に含んだ。そのまま、腰を短くスライドさせ、奥を重点的に攻める。
「はああ……ンンあ……ぅぅン……あはっ……」
奥を小突く度に、黒猫の口から控えめだが甘い声が漏れる。そこに痛みを耐える色は見受けられない。
俺は黒猫の声を聞きながら、徐々にスライドさせる長さを増やしていった。
「はっはっあン! せ、せンっぱい……あっ! んんん……ぅひぃ……あンん!」
ピストン運動に比例して、黒猫の嬌声も激しさを増していく。それの呼応するように、膣壁も俺を締め上げる。
黒猫の顔はすでに蕩けきっており、汗を浮かべながら悶える姿は扇情的で魅惑的だった。
視覚・聴覚・触覚から会館を与え続けられたおかげで、限界はすぐそこまで来ていた。腰の辺りに心地よい痺れを感じる。
「はぁ……はぁ……悪い、黒猫。そろそろ我慢の限界だ……」
「あっあああン! ふっううん……あっ……あはぁっ!」
結界も目前に迫り、俺は黒猫から俺自身を引き抜こうとした。が、それは叶わなかった。
射精直前に黒猫の両足が俺をがっちり捕らえ、さらには両手も俺の首にしっかりと巻かれた。必然、俺たちは密着状態となる。
「ちょ! 黒猫、離せって! このままじゃ中に……」
「ふぅンっ……! い、いいわ……んんっ! そのまま……出して……」
「お、お前……何言って……」
「はぁ……、だ、だから……中に頂戴……あっ! せんぱいの熱で……私の中を……あウっ! 溶かしてっ!!」
「……くううっ!!」
逃げ場を無くした俺は、耳元で囁かれた黒猫の言葉が引き金となり、なす術も無く膣内に精を放った。陰茎が痙攣し、膣壁が蠕動する。
それだけでも言い知れぬ快感があり、痺れるような感覚に襲われた。
「う……あああああああああああああッーーーーーー! ああ……あはぁ……熱い……あついよぉ……ふううぅン……」
「はぁ……はぁ……」
射精が終わると、脱力感が襲ってきた。体力を消耗していたため、俺は黒猫を抱えたままベッドの倒れ伏す。
荒い息を吐きながら黒猫の顔を見ると、征服感のようなものが芽生えてきた。
目を閉じたまま余韻に浸る黒猫に、俺は唇を重ねた。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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552 :
◆lI.F30NTlM
[sage saga]:2011/09/03(土) 12:45:07.31 ID:bTCkfcefo
「あああああああ……」
「いつまでもウジウジと……。情けない雄ね」
さて、時間は少し飛ぶが、俺は今、絶賛自己嫌悪中だ。
黒猫の方から仕掛けてきたとはいえ、状況に流されて行為に及んじまった。あまつさえ黒猫の……は、はははは初めてをををを……!!
ああああああああああっ!! 何やってんだよ、俺ェェェッ!! 叶うことなら、消えてなくなりたい気分だ。
「その……気にする必要はないわ……。私からけしかけたのだから」
「けどよ、あんな形でお前の……その……奪っちまったしさ。気にするなってのは無理だろ……」
「いいのよ……私は嬉しかったし……」
「なんか言ったか?」
「な、な何も言ってないわよ!!」
何でか知らんが、黒猫はいきなり怒鳴り始めやがった。おまけに顔は真っ赤だ。ああ、なんだかんだ言っても怒ってるんだろうなぁ。
どうする? これ、機嫌を損ねたとかそういうレベルじゃないぞ。たった一つのもの奪っちまったわけだし、どう償えばいいんだ……。
「ふん……。まぁ、唐突ではあったけれど、これで先輩と私は『血の契り』によってより深い繋がり(ライン)を形成することが出来たわ」
「はぁ……」
「つまらない反応ね。この私の使い魔(ファミリア)になれたというのに」
「ああ……その、なんだ……? ファミリアってスゲーの?」
「そうね。端的に言ってしまえば、私の魔力無しでは生きられない身体になったのよ」
なにそれ、こわい。つまり、俺の生殺与奪の権利は黒猫の手の中ってこと?
「それに、定期的に肉体的接触を行わなければ、先輩は死に至るわ」
「……つまり、セックスしないと死ぬの、俺?」
「ち、ちち違うわよ! 肉体的接触はそこまでしなくてもいいわ! まぁ、それが最も効率的であるのは確かだけど……。まったく、破廉恥な雄ね」
「はぁ……」
自分から言っておいて、なにどもってんだよ。恥ずかしいなら言わなきゃいいのに。
まぁでも、責任は取らないといけないよな。今まで通り先輩後輩の間柄で、そんな爛れた関係を続けちゃいけないし。いや、続けなくてもいいんだろうけど。
あぁ、でもどうしたらいいんだろう……。
結局、納得できる償いの仕方はすぐには思い浮かばなかった。黒猫も、今日のゲーム製作作業は中断して、あの後すぐに帰っちまった。
いろいろと有り過ぎて何から考えればいいのかわからないが、とりあえずはこの血の付いたシーツをどうするべきかを考えないといけない。
下手をすれば親父に殺されちまう……。
はぁ……、問題山積とはこのことか。この歳でそんなことを考えるとは、夢にも思わなかったぜ。
おわり
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553 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/09/03(土) 12:47:19.20 ID:bTCkfcefo
以上
>>550
がごもっともなご意見をくれた。確かにそうだ。
だが、もう投下しちまったんで勘弁して欲しい。
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554 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 12:53:16.14 ID:XoDpl5Juo
とりあえず乙
エロパロ行ってもなんだかんだ叩く連中ばっかな気がするし、事前注意もしてたから良いと思う
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555 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/09/03(土) 13:13:07.22 ID:atlzZ7bR0
ふぅ……
>>550
投下中に口出しすんのやめろ
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556 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 13:19:25.63 ID:KXEpqVfVo
黒猫の下のお口の奥にキスしたい
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557 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 13:29:47.15 ID:Ab+SorWBo
乙
事前忠告さえあれば別にエロでもおkだよ
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558 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 14:10:29.49 ID:+HuLFapEP
誘い受け痴女猫萌え
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559 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 20:06:58.64 ID:Hb9orRpEo
>>555
投下中に生出しすんのやめろ
に見えた
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560 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/03(土) 20:12:54.39 ID:yVwi+L5Oo
乙。エロが書けるのって尊敬する
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561 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/04(日) 02:42:13.55 ID:XYt/tYq0o
>>550
マジ無粋なんだけど
帰れよ
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562 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/04(日) 13:23:45.65 ID:YCYsLE5DO
エロイッ!おっきしちゃう!
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563 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/04(日) 18:20:43.72 ID:u5F4QknSO
久しぶりに短編書きたくなってきたが、久々すぎて口調とか忘れてしまった
あやせとかブリジットとかこれっていう喋り方あったっけ
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564 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/09/04(日) 20:11:24.16 ID:iFlIEwpAO
これといって特徴的な喋りは無いんでない?
あやせは、京介相手とそれ以外の人物相手とで語りの温度差?距離感?に違いを出せばそれっぽくなるだろうし
ブリジットは、アニメだと棒ネタがあるわけだけど、SSじゃそれを全面に出すのは難しそうね
某所で筆者が投下予告して今か今かと待たれているのを見て思う
予告ブッチの前科を持ってしまうと「今日書こう、さぁ書くぞ」という段階でも
急に書けなくなるイメージが拭えなくて何日何時投下しますとは言いにくい。負の自己暗示みたいなものなのかなかな
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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565 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/04(日) 20:13:05.55 ID:cNojel6qP
ところで↓はいつまでつくんだ? そろそろウザくなってきたんだけど
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566 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/09/05(月) 01:13:54.33 ID:sZjzZ4XV0
質問していいか? 皆。
567 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/05(月) 01:19:47.75 ID:1Qb2jbTKo
>>566
どうした兄弟
568 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/05(月) 01:28:53.08 ID:8VCupVgDO
>>566
どんと来いよ
569 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/09/05(月) 02:27:26.62 ID:sZjzZ4XV0
京介は浩平の事を何て呼ぶんだ?
浩平は京介の事を何て呼ぶんだ?
教えろくださいっ!
570 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/05(月) 02:31:41.62 ID:1Qb2jbTKo
京介→浩平は赤城
※妹の瀬菜に関しては口に出して呼ぶときは赤城、脳内では瀬菜と呼ぶ。
ただし、8巻からは普通に瀬菜と口に出して呼んでたはず
浩平→京介は高坂
あとは、語気を強める場面では互いにおまえ呼ばわりすることもあったはず
571 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage saga]:2011/09/05(月) 02:33:31.60 ID:sZjzZ4XV0
ありがとうっ!
たすかったよ〜^^
572 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/05(月) 23:16:34.93 ID:SYJ0AF2s0
ハムスレ落ちてた...
573 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
:2011/09/06(火) 11:45:31.19 ID:IJq+RzqL0
>>572
そんな道理…
574 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/06(火) 20:21:40.55 ID:+KWo453E0
あのスレみんなはガマン強かったよ...
575 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:17:25.34 ID:3JnrCuIfo
>>534
の台詞を頂いて、フェイトさんのSSを書いてみた。
フェイトさんを書くのは初めてなんで、違和感があったら申し訳ない。
投下:直ちに投下します(8レス)
※以下の点にご注意下さい。
・カプ:京介×フェイト
ちなみに
>>489
>>499
のネタでも書いていたんですが、
北陸地方の某海岸で起きた事故を連想させるので……
ほとぼりが冷めたころ投下します。
ネタを提供して頂いた方には大変申し訳ありません。
576 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:17:57.39 ID:3JnrCuIfo
「どうも遅くなりまして。……夏コミ以来ですか、お会いするのは」
「そうね。……京介くんも相変わらずで何よりだわ」
俺は席に着いてからアイスコーヒーを注文すると、さりげなく店内を見回した。
洒落た雑居ビルの三階、壁際を飾る見るからに高価そうなアンティークの数々……。
どこにでもあるファミレスや近所の喫茶店に慣れた俺には居心地が悪かった。
窓から外を見下ろすと、スクランブル交差点を足早に渡る人々の群れが見える。
「ごめんなさいね、こんな所まで呼び出したりして。
でも、どうしても京介くんと話がしたくて……ついメールを入れちゃったのよ」
「いえ、俺もフェイトさんのことは気になっていたんでちょうどよかったです。
夏コミのときもそうだけど、妹の桐乃のことでも色々とお世話になっているし……」
俺の目の前にいる女性は誰あろう、伊織・F・刹那。
小説家になることを夢見ていた元ワナビで、今は同人誌業界に棲息するゴキブリのような人だ。
ゴキブリといっても、何も俺が彼女のことを蔑んで言っているわけじゃない。
それだけ生命力が強いというたとえで、俺なんか一種の畏敬の念さえ覚えることもある。
「メールでは用件が書いてなかったんですけど、今日はどんな用で……」
「うん、そうよね。……でも、その前に食事を済ませちゃっていいかしら。
今日は色々と忙しくて朝食も取る時間がなかったし、気が付いたらお昼もまだだったのよ。
京介くんは、お昼はもう済ませたのかしら?」
「ええ、俺は家を出る少し前に早めに済ませてきましたから。
それより、飯を食う時間もないほど忙しいなんていいことじゃないですか」
てっきり俺にたかるために呼び出したのかと思っていたが、どうもそうじゃないらしい。
彼女が今どんな仕事をしているのかは知らないけど、この手の店で飯を食えるくらいには
収入を確保しているということだろう。
577 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:18:33.00 ID:3JnrCuIfo
俺から話題を切り出すまでもなく、まもなくして注文したアイスコーヒーと一緒に
肉の焼ける香ばしい匂いと油のはじける心地よい音を響かせて、
フェイトさんがあらかじめ注文していたメニューもテーブルに運ばれてきた。
「昼間っからステーキなんて、思っていたよりも羽振りがいいじゃないですか。
それに俺はこの店初めてですけど、けっこう高そうなところだし……」
「高いだなんて、そんなこともないのよ。
私も何度か来ただけで偉そうなことは言えないけど、味の割には安い方だと思うわ」
フェイトさんに会うとなれば覚悟を決めて多少は多めに金を持ってきてはいたが、
どうやら俺の心配は杞憂に終わりそうだった。
いくらフェイトさんでも誰彼構わずいつも人にたかっているわけにもいかんだろうし、
それくらいのプライドは持ち合わせているだろうからな。
「訊いてもいいのかどうか分からないんですが、フェイトさんは今何を?」
「……そうね、一応は出版関係の仕事に携わってはいるわ。
本当は自分で書いた小説を世に出せればそれに越したことはないのだけれど……
今は人の書いた小説を世に送り出すお手伝いといったところかしら」
「じゃあ、どこかの出版社にでも勤めているんですか?」
「ううん、フリーの編集者とでも言えばいいのかしらね。
……色々とリサーチして、これならと目を付けた作品をコネのある出版社に売り込むのよ。
私の仕事はその作者にどうしたら読者のニーズに合うのかアドバイスをしたり、
作品を執筆する上で必要な資料をそろえたりと……まあ、雑用みたいなこともするけど」
俺から見ても、フェイトさんが金の匂いを嗅ぎつける才能には目を見張るものがある。
桐乃のときもそうだったし、夏コミで有力な同人サークルを仕切っていたときもそうだった。
しかし、フェイトさんは本当にそれで満足なのだろうか。
578 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:19:26.59 ID:3JnrCuIfo
結果的に桐乃の携帯小説を盗作したとはいえ、
考えようによってはそこまでして小説を書きたかったんじゃないだろうか。
単に売名や金儲けのためなら、その後の桐乃が書いた続編を自ら手伝うわけがないし、
桐乃にしてもフェイトさんをあれほどまでに信頼するわけがねえ。
「フェイトさんは、もう小説を書くつもりはないんですか?」
「そんなことはないわ。
いつの日か私の書いた小説が受け入れられる日が必ず来るって信じているし、
只、今はその時期じゃないというだけよ」
多分、フェイトさんの小説が受け入れられる日は永遠にやってくることはないだろう。
しかし、そんなことは彼女自身が一番身に沁みて分かっている筈だった。
なぜなら強がってはいても自嘲気味に話す口元と、寂しげな目がそれを物語っていたから。
「……私はね、自分の書きたいと思うものしか書きたくないのよ。
でも、私が書きたいものと読者が望むものには大きな隔たりがあることも知っているの。
つまり……私が書いたものなんて誰も期待していないというわけ」
俺は、いつだったか黒猫がゲー研の部員を前にして宣言していたことを思い起こしていた。
自分が書きたいものと世間が望むものが乖離しているときはどうすればいいのかと。
そのときの黒猫の答えは、いま思い出しても単純すぎるほど明快で恥ずかしいものだった。
他人なんか関係ない、自分は自分のやりたいようにやるだけだと。
「黒猫さん……だったかしら、元気にしてる?」
「ええ、あいつは相変わらずですよ」
「彼女を見ていると、何だか昔の自分自身を見ているようだったわ。
どこか現実に背を向けて、いつも空想の世界に身を置いていた昔の私にね。
友達なんかいなくても気にならなかった。
だって、私は人類を救うために選ばれた特別な存在なんだから、なんてね。
……莫迦みたい」
目を離すと空想の世界へ入り込む黒猫と、既に現実の厳しさを知ってしまったフェイトさん。
そんなフェイトさんだからこそ、自分自身によく似た黒猫が気掛かりなのかもしれん。
579 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:20:04.44 ID:3JnrCuIfo
フェイトさんはあっさりとステーキを平らげ、その後コップの水を一気に飲み干すと、
テーブルの隅に置かれた呼び出しボタンを無造作に押した。
「大人になってようやく気付いたのよ。
夢を見ることが悪いんじゃない、夢を諦めることが悪いんだってね。
世の中で成功する人はね、夢を諦めずにいつまでも自分の夢を見続けた人なのよ」
「今でも出版社なんかに持ち込んだりしているんですか?」
「ううん、今は暇を見つけてはネットの小説投稿サイトなんかに投稿しているわ。
あとSSも時々書くしね……京介君はSSって知ってるかなぁ。
本格的な小説に比べると短い文章なんだけど、匿名で気軽に書けるところがいいのよね」
俺の周りで小説なんて書いている酔狂なやつは黒猫くらいしかいねえし、
黒猫の書いた小説は厨二病丸出しで、俺が理解できる範囲を遥かに超越していた。
昔の自分自身の面影を黒猫に重ねていたとはいえ、
フェイトさんが書く小説が黒猫の書く厨二病小説と同じだとはとても思えん。
「ネットの投稿サイトとか俺はそういうの詳しくないんですが……
投稿したりすると、それを読んだ人とかから何か反応があるんですか?」
「……そうね、“乙”とか“GJ”とかのコメントならもらえるわ。
何が“乙”なのかわからないけど……。
初めの頃はそれでもよかったのよ、読んでくれた人がいるとわかっただけでも。
でも、近頃は何だか少し物足りない気もするのよね」
「匿名なんかだと、けっこう酷いコメント書くヤツもいるんじゃないんですか?」
ウエイトレスさんが俺たちのテーブルへやって来ると、
フェイトさんはメニューを見ながら特大サイズのピザを注文した。
テーブルの上の空いた皿を下げて、ウエイトレスさんが厨房へと戻って行く。
「たまにはね。……VIPへ行けって言われたときは辛いものがあったわ。
ウルトラマンのBL物を書いたときなんかM78星雲へ帰れって言われたし……。
戦隊モノでは、モモレンジャーを主人公に逆ハーレムの話を書いたら死ねって言われた」
580 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:21:32.62 ID:3JnrCuIfo
フェイトさんは半分ほど飲み干したアイスコーヒーのグラスに視線を落とし、
一番大きな氷にストローで息を吹きかけ始めた。
やがて氷に小さな穴が開き、それを見て満足そうに微笑むと俺に顔を向けた。
「本当のことを言うとね、私は恋愛小説が書きたいの。
……純愛物って言うのかしら、男女の心の機微を描いた恋愛ストーリーを書きたいのよ。
お互い好きなくせに素直になれなくて、求めているのにすれ違ってばかりいるような……」
「だったら、書いてみればいいじゃないですか。
俺は小説のことは分からないけど、少なくともウルトラマンとフェイトさんは違うと思います」
「……書けないのよ、私には。
自分が書きたいものと、自分が書けるものには越えられない壁のようなものがあるの。
もしかしたら、私なんかよりも今の京介くんの方が書けるんじゃないのかしら」
俺は小説なんか書くような柄じゃないし、そもそも書けるだけの文才もない。
含み笑いを伴った謎かけにも似たフェイトさんの言葉に、俺は返す言葉が見つからなかった。
「私は男の人とデートしたこともないし、男の人から好きだなんて言われたこともないのよ。
想像で書けばいいって思うかもしれないけど、私には……無理なの。
恋愛の経験もなければ失恋の経験もないのに……只のおとぎ話になってしまうわ」
「本当に経験したことしか書けないなんていったら、ミステリー作家なんかどうなるんですか?
人を殺したこともないのに殺人事件とか書くんですよ」
「京介くんは、最近流行のミステリー小説を読んだことがあるかしら。
最近の作家さんは、現役の弁護士だったり医師だったり、はたまた元刑事だったり……
専門知識と豊富な経験を織り交ぜながら書いた小説が今は受けているのよ。
ましてや恋愛小説なんて、突き詰めれば男と女の微妙な心の動きを表現したものでしょ。
官能小説やエロ漫画の作家に童貞は向かないって言われているの知ってる?」
その話は俺も聞いたことがあったが、嘘か真か本当のところは分からん。
黒猫に告白され彼女と付き合い始め、自分の性格が招いた結果とはいえ振られた俺には、
フェイトさんの言っていることを頭から否定することが出来なかった。
581 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:22:14.63 ID:3JnrCuIfo
芳ばしいチーズの香りを漂わせて、テーブルに焼きたての特大ピザが運ばれてきた。
トマトとチーズ、そして色鮮やかな緑のバジルをあしらっただけのシンプルなマルゲリータ。
フェイトさんはタバスコの小瓶を手に取ると、狂ったようにピザに振りかけ始めた。
俺も辛いものは苦手な方じゃないが、タバスコの海に沈んだピザには手を出す気がしない。
タバスコが滴り落ちるピザを口に運びながら、フェイトさんは話を続けた。
「何もね、経験がなきゃそういった小説が書けないわけじゃないのよ。
結局のところ、その作者が本来持っている才能で書くんだから。
そうは言っても、読者が納得できるような素地がないとお話にならないわ。
ファンタジー小説なら、逆にとことん現実から乖離できる才能が大切だと私は思うけど」
フェイトさんは皿に溜まったタバスコを食べ掛けのピザですくい上げ、
顔色一つ変えずに平然とそれを口に放り込んだ。
俺はフェイトさんの小説に関する見解よりも、彼女の味覚の方が寧ろ気になって仕方がない。
もしフェイトさんが俺の彼女だったらと想像するだけで、俺の胃はキリキリと痛み始めた。
「ところで京介くん、ピザは嫌いなのかしら?
このお店のピザは本格的な石窯で焼いたものだから、一度は食べてみる価値があるわよ」
そんなタバスコまみれのピザが食えるかっつーの!
大体そんなもん、既にチーズやトマトの味なんかしてねぇだろうがっ。
「いや、ピザは嫌いってわけじゃないですけど……今日のところは遠慮しておきます」
「あら、そう? じゃあ悪いけど、残りももらっていいかしら」
ステーキを平らげ、その上にピザまで食って……とても朝飯を抜いただけなんて思えねえ。
どう見たって二、三日何も口にしていなかったような食いっぷりじゃねえか。
スレンダーな体型の割には大食漢のフェイトさんに、俺は開いた口が塞がらなかった。
陸上部で日頃から鍛えている桐乃だってここまでは食わんし、あやせなら尚更のことだ。
582 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:22:56.07 ID:3JnrCuIfo
ピザをすべて平らげ満足そうに笑う彼女に、俺は引きつった顔を向けるのが精一杯だった。
テーブルの隅に置かれたデザートメニューにさりげなく視線を送るフェイトさん。
まさかこの期に及んでまだ食うつもりかよ、と思ったのはどうやら俺の早合点のようだった。
フェイトさんはナプキンで口の周りを軽く拭うと、それをテーブルに置いてから俺に言った。
「京介くん、ちょっと待っててもらえるかな。……お化粧を直してきたいんだけど」
要はトイレに行きたいということだろうが、あれだけ食えば当然のことだろう。
しかし、フェイトさんは立ち上がると何を思ったのかしばらく外を見つめていた。
トイレなら早く行けばいいのに、慌てて行くと変に疑われるのを気にしているんだろうか。
やはりフェイトさんにも女性としての恥じらいがあるのかと、俺は妙なところで感心していた。
俺も早く行けと促すわけにもいかず黙っていると、ふと彼女は視線を俺に向け……
「ああ、そうだ。京介くんに聞いておきたいことがあるんだけど」
「なんすか? あらたまって」
「京介くんは年上の女性って、どう思う?」
虚を衝かれるとはこういうことかもしれん。
いきなり年上の女性をどう思うかなんて訊かれても……。
「私が戻ってくるまでに、真剣に考えてみてくれるかしら?」
妖しげな笑みを残し、フェイトさんは化粧室へと消えていった。
俺の知り合いの女性といってもそう多いわけじゃないし、年上といえば更に限定される。
お袋は論外だし、麻奈実のおばさんや、ましてや婆ちゃんなんて想像もできん。
考えてみると、俺の知り合いの女性といえば麻奈実を除けば年下のやつらばかりだ。
桐乃は妹だから別格としても、夏休みが終わると同時にあっさりと俺を振った黒猫とか、
それ以外といえば……あやせとか、あやせとか……あやせとか。
となると、俺にとって身近な年上の女性といえばフェイトさんしかいない。
フェイトさんがそのことを承知で訊いてきたとも思えんが……。
もしそうだとすると、彼女は遠回しに俺に誘いをかけてきたってことになるじゃねえか。
まさか、フェイトさんは年下が好みだったとか……。
583 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/09/06(火) 23:23:35.16 ID:3JnrCuIfo
俺の頭の中に、あの日の出来事が鮮明に甦る。
桐乃が書いた携帯小説の取材に付き合わされ、初めて入ったラブホテルの一件だ。
あのときは実妹ゆえに手を出すわけにもいかなかったが、今回は情況がまったく違う。
フェイトさんは年上の女性だし、したらば手を出されるのは俺の方?
取りとめもない妄想に耽りながらふと窓の外に目をやると、
そこには人並みを掻き分けてスクランブル交差点を疾走するフェイトさんの姿があった。
呆気に取られテーブルに目を戻せば、先程まで彼女が飲み食いした伝票が残されている。
迂闊にもしてやられたと思ったが後の祭り、しかしなぜか俺は腹が立たなかった。
彼女は彼女なりに夢を追いかけて精一杯生きているんだと思ったからさ。
俺は苦笑しながら伝票をそっと摘み上げ、財布を取り出しレジへと向かった。
随分と高いアイスコーヒーになったもんだぜ。
カウンターへ伝票を差し出すと、ウエイトレスさんがレジの脇からもう一枚の伝票を取り上げた。
怪訝な顔をしている俺に気付いたのか、ウエイトレスさんが笑顔で俺に言った。
「こちらは、お連れ様がお土産にとのことでお持ち帰りになったケーキのお代になります」
レジ横にあるケーキの冷蔵ケースを見ると、俺の常識を超える金額のケーキが並んでいた。
どう考えてもあのフェイトさんが、一つや二つのケーキで満足するわけがねえ。
「……えーと、全部でいくらになりますか?」
俺はウエイトレスさんの言うとんでもない金額を上の空で聞きながら……
「あっ、そういや、ここであいつと待ち合わせだったんだ。
いや、すっかり忘れてたわ……すんませんけど、テーブルに戻ってもいいですか?」
不思議そうな顔で俺を見るウエイトレスさんにはお構いなく、
俺はひったくるように伝票を二枚とも受け取ると、重い足取りでテーブルへと戻った。
あらためてアイスコーヒーを注文してから、俺は考えあぐねたすえに携帯を取り出した。
さて、誰に助けを求めたものか……。
いつまでも携帯の電話帳を眺めていたところで埒が明かない。
俺はあいつの携帯番号の上でカーソルを止めると、意を決して通話ボタンをプッシュした。
(完)
584 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/06(火) 23:26:44.03 ID:DLJ4zuUJo
乙!
相変わらずのハイクオリティ。流石です
585 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/09/06(火) 23:56:51.45 ID:VFw1T2sAO
ありがとうございますありがとうございます!!
やはりフェイトさんはこう駄目でなくてはな
586 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/09/07(水) 01:05:54.35 ID:mhiyqCJAO
>>583
やっぱりアナタが書く作品は面白いですね。でもフェイトさんメインの話でもあやせの印象が強いのは仕様でしょうか? その方が自分は嬉しいですが。九巻発売後も期待してます。
587 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/09/07(水) 02:40:19.44 ID:WVg1Clwvo
フェイトさんの逞しさにワロタww
それと、
>ウルトラマンのBL物を書いたときなんかM78星雲へ帰れ
上手いこと言う奴がいるもんだなwwwwww
588 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/07(水) 04:49:52.86 ID:H4iV4PnDO
フェイトさんクズすぎワロタ
589 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/07(水) 16:52:49.19 ID:hHJaduXDO
昨日は妹の日だって知ってた?
俺は今日知った。
前もって知ってたら、SS用意したのに……!
Fuck off!!
590 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/07(水) 17:27:51.92 ID:zW70Pl3F0
あやせとか、あやせとか、あやせとか。
ぐっときたぜ。。。。
591 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/09/07(水) 21:01:03.52 ID:L7zG4iflo
ラヴい話になるかと思ったら結局食い逃げの口実かwwwwww
ところで相変わらず沙織の文字が見当たらないんですが!
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/07(水) 21:35:20.52 ID:R0/hou6P0
>>583
乙!
相変わらずいいオチつけてくれますなw
次もまってるよ!
593 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/09/08(木) 23:54:44.57 ID:SDRoXQXNo
そこは荒涼とした風景が広がる死の世界だった。
灼熱の烈風は焦土と化した大地を削り、砂塵を舞い上げ天空を覆いつくした。
今、俺は一人の少女と対峙している。少女の名は、新垣あやせ――
「あやせっ、俺の話を聞いてくれ――」
「……もう、お兄さんのお話なんか聞きたくもありません。
お兄さんは、ずっと前から人がいないって気付いてたんじゃないんですか?」
一歩、また一歩と、俺はあやせとの間合いを詰めた。
これがあやせを説得する最後の試みだった。
もしも失敗すれば、俺たちはこのスレもろとも消滅してしまう運命にあった。
「なぁあやせ、一日……あと一日だけ待ってくれ、な」
「……待ったら、どうなるというんですか?
桐乃もいない、加奈子もいない、麻奈実さんも……
お兄さんからお名前だけお聞きした黒猫さんや沙織さんには、
わたしは会ったこともないんです。
それとも、お兄さんがみんなを連れ戻して来てくれるとでも言うんですか?」
絶望に打ちひしがれ、顔を覆ってむせび泣くあやせに、俺はかける言葉が見つからない。
「俺も約束はできねえけどさ……
あと一日たって『俺妹』の9巻が発売されれば、一人や二人戻って来てくれるかも……」
「お兄さんは『俺妹』の9巻なんて、本当に期待してるんですか?」
「いや、俺も別に期待してるわけじゃねえけど……
一応は買っておこうかなとは思ってるよ、8巻までは揃ってるしさ。
取り敢えず、結論を出すのは9巻を読んでからでもいいじゃねえか、な」
「そう言って、またわたしを騙すつもりなんですね。
今度は短編集だなんて、10巻目もありますって言ってるようなもんじゃないですか。
本当に卑怯な人なんだから、お兄さんって」
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9巻 9月10日(土) 発売
(完)
594 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/09(金) 00:14:01.16 ID:lFCoolsAO
ま た あ ん た か …
最初の一文で吹き出した。どうしてくれるの。
乙
こないだの鯖落ちでモデルスレ復旧しなかったね
まぁ区切りのいいところではあったけど。
(兵庫)乙
595 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/09(金) 00:15:59.68 ID:utio6TNUo
>>593
またかww
596 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/09(金) 00:39:01.23 ID:m7qgHGKYo
原作はきっちり完結して欲しいな
主人公の名前がわからない奴のようにダラダラ続いたり、
黒麒麟探したまま中断しないでくれればそれでいい
597 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)
[sage]:2011/09/09(金) 01:09:43.53 ID:OIXtptnjo
あやせは黒猫にも沙織にも一応会ったことはあるよね。
会ったというより、見たことがあるに近いけど。
598 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/09(金) 03:36:31.36 ID:DrIRTVoDO
グダグダになりそうな辺りで作者がアレして続きが一生読めない作品よりいいじゃないか
599 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/09(金) 23:13:37.68 ID:1AONXo6/o
前夜祭で賑わっているのかと思いきや、
別スレの連載物を含めてすべて更新が止まっているとは……
まさか、すでに本屋の前で行列を作って並んでいるのだろうか?
600 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/09/09(金) 23:36:42.42 ID:m7qgHGKYo
フラゲしたけど、8巻以上に絶望したぞ
お前ら読む時は覚悟してから・・・
601 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/10(土) 02:37:39.32 ID:digdNQWFo
オワコンか…
602 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/09/10(土) 03:37:15.88 ID:k6l1ms/3o
>>600
表紙の桐乃が可愛いから期待していたのに、そんなにか?
あれ見てウェディングドレスプレイも増えるかもなーと密かに喜んでおったのだがな……。
603 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/10(土) 16:35:27.25 ID:9/7XOBaSO
まだ沙織編しか読んでないけど神回だった
あの人も大体思った通りの性格で安心したわ
604 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/10(土) 20:14:08.26 ID:s+4ExTiqo
面白かったんだけど、どのスレも殺伐としてて面白かったって書き込めない……
いろいろ新しいSSネタは増えたと思う
605 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/10(土) 22:57:01.38 ID:AhHAHkf/o
>>604
おもしろかったよねー
ゲームの続編を出すにあたって世界観広がったと思うし
まぁ9巻じゃなくて8.5巻くらいでよかったんじゃないかってとこはあるね
各キャラの視点で語っているからかいつもより女の子達がとてもかわいく感じた
606 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/09/10(土) 23:34:02.63 ID:V4oTi/660
このスレでの評価はいいみたいだから期待していよう
607 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/10(土) 23:37:54.24 ID:dRgOvZCGP
なんていうか現状の確認とキャラの掘り下げ回って感じだったね
結構みんな面白可愛いかったから読んでて楽しかった
あまりにも不遇だと思ってたランちんにも出番あってちょっとホロリとしてしまったよ
608 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/10(土) 23:59:58.65 ID:AhHAHkf/o
にランちん出た時はびっくりしたww
609 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/11(日) 00:08:42.86 ID:CXYY96gao
同意。キャラが今まで以上に掘り下げられたおかげで
これからまた色んな絡みが妄想できそうだ。「そこでこうつながってるのか!」
的な意外性もあったし。短編の中で次につながりそうな伏線も色々書かれてたから
次の巻がまた楽しみだ
610 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/09/11(日) 01:35:31.96 ID:Uq85qsfAO
今読みおわったけど、超面白かったわ
なんか一気にキャラ達にライン出来たな
出てきたキャラみんな可愛いのに、あやせだけなんかイメージ変わったていうか、「あれ?あやせって…」て感じ
611 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/11(日) 16:43:09.15 ID:Ik48Q5v6o
9巻のバレを含む内容のSSってまだまずいかな?
そのへん躊躇してて筆が止まってるんだけど
612 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/09/11(日) 17:52:27.41 ID:Fb/oIMpoo
発売日過ぎてるんだし、ひとこと注意書きすればおkじゃなかろうか
613 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/09/11(日) 18:54:36.00 ID:ueGD7dGAO
書けなくなって参りました
って今日に始まったことじゃないから9巻の中身どうこうは理由として弱いわけだけど
この板では禁書の二次でよく聞く
「明かされてない部分を差し障りなさげなオリで補ったら、後から出た本編描写と食い違い」みたいな
悩まし悩まし。
に……にげちゃだめだ…
まとめありがとうございまふ
614 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/09/11(日) 21:18:16.50 ID:OBuV+RVn0
>>613
阿呆、逆だよ逆!
食い違う可能性のが高いからこそ本編で描かれる前にやっておかなきゃ!
本編で後から描写されちゃったらもうそのネタは二度と使えなくなっちまうんだぞ!?
615 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/09/11(日) 21:48:53.19 ID:ueGD7dGAO
後でも出来なくはないだろーけど。
ただ、フォローどころか異なる描写のまま整合性を棚あげて続けたらチラ裏指摘されても仕方ない。
そこには触れないのが一番妥当とは思いつつ…
新刊後に、本編描写をぜんぜん踏襲しない、まるで意図的に無視するかのようなオリ設定で話進めたら
少なくとも好い印象はないよね、っていう
いざやろうとすると超すごい[
田島「チ○コ破裂するっ!」
]ってこんなにも難しいものだったのか
考え疲れて眠い。ほんまつてんとう
616 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/11(日) 22:17:22.07 ID:2U96OlK6o
二次創作って原作の登場人物や背景を拝借しているわけだけど、
本編の流れをあまり意識していないって、やっぱマズイのかなぁ?
「私は書きたいものしか書きたくないのよ。
またあやせなのって言われようが、何でいつも桐乃が出てこないのって言われようがね。
だって、書きたくても書けないことだってあるじゃない」
と、タバスコで唇を腫らしたフェイトさんが俺に言った。
617 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/11(日) 23:10:24.85 ID:EpETt+ANo
本編じゃありえないからこそ、二次創作の出番
沙織が妹でもいいじゃない
いっそブリが妹でもいいんじゃよ
618 :
VIPにかわりましてCHOPPERがお送りします
[sage]:2011/09/11(日) 23:17:57.03 ID:bQDGUKaf0
ホーリーシット!
加奈子の家庭事情について触れられたから
前々から暖めてた家出加奈子のSSがオシャカになっちまったぜ
でも、あの9巻のおかげで加奈子SSは増えそうなきがする。ありがたや、ありがたや
619 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/12(月) 16:42:17.65 ID:FTgIgpeTo
前にエロパロでちょっとだけまどかと俺妹のクロスを投下したらボコボコにされたんだけど……
その程度のクロスならVIPやここにいくらでもあるのにね。意味分からん
620 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/09/12(月) 19:31:17.99 ID:uhW81rlAO
俺妹のクロスで良かったのってあまり記憶にないな
超展開にしにくいからクロス向きじゃないのかも
621 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/12(月) 20:03:45.22 ID:Cqumo41e0
そもそも住人が少々減少傾向にあるから
人を選ぶSSとかは投下しづらいな・・・気にしないけど
622 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 03:54:59.01 ID:rB2ryx1Ro
そもそもクロス小説は書く人には人気のあるジャンルだけど
オリキャラ主役の二次創作と同じく、読む人に人気のあるジャンルではない。
しかも概ねレベルが低い。
面白いと思ったクロスSS、ひとつしかねーや
623 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 04:06:36.65 ID:UqW0Fik/o
クロスは両方の作品が好きでないと楽しみにくい上に、キャラが多い分キャラ崩壊の危険も高まるわけで
後者は作者の技量次第だけど
俺自身、クロス対象が知らない作品なら完全にスルーするタイプだし
624 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 09:40:29.94 ID:RtmBf4aDO
クロスSSに良作無しという格言があってな
625 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 11:05:05.93 ID:zEv7qz3DO
クロス好きでクロス書いたことあるけど、扱う作品の「新和性」もあるんじゃないかと思う。
まどかと俺妹は新和性低いから、書くとなると難しいんじゃないかな?
叩かれた理由はわからんけど、頑張って。
と、ここでクロスSSを投下した俺が言ってみる。
626 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 16:31:09.08 ID:YylKYr5DO
京介「俺の妹のツレが可愛くない。いじめる」
このSSどこで全部読めます?消してしまった…
627 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 17:41:53.90 ID:7Q0k2R1n0
ググって確認せずに言うけどググれば出てくるんじゃね?
628 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 19:23:45.49 ID:/my3Gd3Po
さて、9巻も発売されたことだし
今度の土日と敬老の日は、『俺妹』SS祭りですね。
もう〜 こんなにたくさん投下されたんじゃ、
SS読むだけで休みが終わっちまうじゃないか……ですか?
629 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 21:00:52.04 ID:K6hwXOkAO
>>626
>>1
にまとめwikiがあるではないか… 行け。
>>628
連休は期待してしまうよね。
うん、がんばれ、
630 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/13(火) 22:07:17.12 ID:7PkznOwo0
9巻は細かい伏線が色々回収されてSSの書き手にとってはネタの宝庫だったしね
631 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/09/13(火) 23:46:03.60 ID:fZjL57bAO
新刊来たから伸びると思ったのに
アニメ効果がでかかったのか、本当にオワコンなのか…
ゲーム新作でるし、アニメ二期やらないかな〜
632 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 00:21:05.76 ID:qGk/8Z3xo
9巻は日曜日の夕方に近所の本屋まで行って買ってきた。
キャラスレじゃあ大賑わいしてるから、もしかすると売り切れかもと思ってたけど、
新刊の棚の前に人影はなく30冊くらい平積みになってた。
年末になったら読もうと、家に帰ってから8巻の上にそっと置いた。
633 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山梨県)
[sage]:2011/09/14(水) 02:25:37.32 ID:9v1gOxIuo
9巻のあやせを見て原作なのに二次創作みたいだなとか思ったのは俺だけか
634 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 04:37:19.90 ID:dLwz7nyho
逆に考えるんだ。
あやせ√の二次創作が原作並のクオリティなんだよ。あやせ派の意地だよ
635 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/09/14(水) 12:30:36.66 ID:spXe/8dAO
従来の京介とあやせの関係は「京介のあやせラブごっこ」を冷たくあしらうあやせ、
という図式で、お互いそこに本気の感情は無かった。
そんな様式美のような掛け合いが面白くてウケてたのに、
8巻であやせが恋愛感情みたいのをチラつかせたことでバランスが崩れてしまったよね。
PSP版で公式にいろんなルートが作られたことで、作者の中の設定が二次創作寄りになってしまったのかもしれない。
過去に5巻の展開をアンケートで(表向き)決めたこともあったけど、芯がないというか、読者に迎合しすぎな感がある。
求められるものを書くのは間違いじゃないけど、それがコンテンツの寿命を縮める恐れもあるんだよなぁ
636 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/14(水) 13:05:53.00 ID:jAJ+pvMw0
産業でまとめると
あやせたんまじ天使
でおk?
637 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 20:58:27.01 ID:hkke89Mio
Exactly!
638 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/09/14(水) 20:58:49.64 ID:6bdHnr6AO
でも確かに前から
あやせ結構気にしてるふうって言うか、本気にしてる感じはあったんだけどな
639 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 21:48:39.08 ID:RrdUghUj0
どう考えてもデレまくってただろ
加奈子フラグが立ったのは俺得
640 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 22:31:31.59 ID:iAFYPlwDO
父猫×京介も……アリ、じゃないかな……?
641 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 23:16:22.23 ID:qGk/8Z3xo
あやせネタで何か書きたいが、何も思いつかん
642 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 23:20:40.22 ID:dLwz7nyho
あやせに限らずそろそろやりつくされてる感があるからなあ
新しくネタをひり出すのも難しくなってきたよなあ
643 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 23:22:52.30 ID:EndTW/SXo
>>635
確かに様式美ってのは当てはまるかもね
でもマンネリを嫌ったとも考えられるんじゃない?
京介とあやせの関係は面白かったから、できればバランス保って欲しかったかな
今後どうなるかは知らんけど
作者欲張りすぎたような感じはする
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/14(水) 23:29:07.83 ID:o3EtSEHiP
うーん、でも京介が8巻を経て今までの姿勢を反省したなら
ある意味必然だったようにも思うけど>あやせへの態度
あんな騒動あって京介の態度に反省が見られないなら
多分さらに京介の評価ひどくなってたと思うぞ
変化による人間関係の変化も当然あるんだろうし
以前のやり取りが凄く楽しかったのは確かだけどさ
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/15(木) 01:09:31.37 ID:PVYiZ03F0
>>642
やっぱり革新的な何かが必要なんじゃないかなー
かといってクロスはボコボコにいかれるし・・・
思い返すと、俺妹のSSって恋愛物が大半を占めててギャグのみ感動のみみたいなネタSSって少ないよね
それを作れればあるいはだけど、僕には無理です申し訳ありません。
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/15(木) 01:13:57.77 ID:6OBwaks6o
>>645
笑えたSSって何があったかな…って考えると思いつかないレベル
笑いって難しいんだよね
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/15(木) 02:58:08.53 ID:WmswQUgAO
ここじゃないけど、くんかたんSSは毎回笑える
そういえば前にも話題になってた
確かに恋愛主軸が大半のような気がする。
まずネタありきの短編だと、恋愛物でない形にまとめられることもあるけど
掴みというか、読む側に訴えるものは弱くなるんじゃないかな
ああ…恋愛に発展するのが見込めない話ばっかりのヒロイン?も若干名いるっけ
648 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/15(木) 03:00:40.48 ID:VteaOAz9o
京介の背中にファスナーが付いてて、
桐乃がなんだろうと思ってファスナーを開けてみると
中からあやせが不機嫌そうな顔をして出てきたみたいな……。
「桐乃は知ってたはずだよね? わたしがファスナー開けられるの大嫌いだってこと。
ファスナー開ける人が大っ嫌いだってこと! ――なのにどうしてそういうことするの?」
「ご、ごめん……あやせ」
↑こんなSS書いてもつまらんよね。
649 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/15(木) 03:17:36.30 ID:WmswQUgAO
なにそれこわいww
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 09:06:16.76 ID:+vJYEh1eo
とある日。
なんとなく某掲示板のまとめサイトを眺めていると、とある記事が目に留まった。
「ん? ……はああああ!?」
『人気読者モデル・高坂桐乃の彼氏?とのラブラブ2ショットプリクラ流出』
桐乃に彼氏だとおおおお!? 一体どんな奴なんだ!?
まさか御鏡の野郎か!? 今度会ったらぶっ飛ばしてやる!
……いや、待て。落ち着け。
『?』もついてるし、彼氏だと確定したわけではない。……きっと。
「と、とにかく見てみんことには」
意を決し、記事をクリック。
……イライラ。
うちの回線ってこんなに遅かったっけ。
普段は何も感じない読み込み時間がやたらと長く感じられる。
「きた!」
やっと表示される記事。
そこで俺が目にした、“流出したプリクラ”とは――
「俺じゃねえか!」
どこから流出したんだよ! まさか、またあやせか!?
いや、あやせが桐乃の不利益になることをするわけがない。
「っていうか、俺が滅茶苦茶に叩かれてる……」
少し画面をスクロールして見てみると、そこには『誰この不細工』だの、『なんという地味面』だの、『氏ね』だのと、
とても辛辣な言葉が並んでいた。
「……やべえ。コスプレ写真晒された時並に辛い」
後日、そのサイトに、“例のプリクラは兄貴と判明”と訂正記事が掲載されたわけなのだが――
というか、その情報もどこから掴んだんだよ。超こえーんだけど。
それはさておき、その記事では、
『俺は信じてましたよ、お義兄さん』
『兄貴、超イケメンじゃね?』
『マスケラのコスプレ、超似合ってましたよ』
「掌返しぱねえ!」
てめえらにお義兄さんと呼ばれる義理はねえ! おまえらにぜってー桐乃は渡さんからな!
続かない
651 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 10:15:02.62 ID:79Y74VYco
きりりんの中の人やっちまったな…
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 11:52:45.89 ID:0/RKRa1DO
おまえ処女厨かよぉ!?(驚愕
653 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 12:14:51.28 ID:u34nL+erP
中の人なんていない
654 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 12:25:14.08 ID:T7qcfJ/IO
というかあんなに可愛く天使なあやちが今まで彼氏が居ない訳がない
むしろ幸せになってくれたほうがファンとしては嬉しい。演技の幅も広がるかもしれないし。
というか松来未祐は早く結婚をしてくれ
655 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/09/16(金) 13:47:07.68 ID:pRkFFW7I0
黒あやせたんを原作ではあやせ様と呼んでいるんだが、これからはその呼び方になるのか?
656 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/09/16(金) 19:21:43.59 ID:3duh/jgAO
中の人関係かwww
もちろん竹逹大好きだが俺は気にしないけどなあ
657 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 21:25:09.17 ID:INW492OIP
表に出てくるタイプの中の人は大変だな
でもあの顔で男のちんぽ舐めたりしてんだよなww
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 22:28:58.64 ID:ur/6COaLo
>>657
その話題は荒れるからやりたいならvipに池
相手してくれるだろうよ
今さらだが9巻買って読んだらほぼすべてギャグ回だった
世間じゃ8巻の時点でオワコンだとか黒猫びいきし過ぎたとかねこシスの焼き直しだとか言われたけど、個人的には楽しめてたから問題ない
あるとすればあやせサマの出番が少ないことだな
659 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 23:28:06.03 ID:NxnYWEPWo
取り敢えず世間じゃ三連休ということだが、
何だかこのスレにはSSが投下されないような気がしてきた。
桐乃のキャラスレを見ていてそう思った。
660 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/16(金) 23:48:34.97 ID:7GMLq8xIO
早見沙織が早稲田のヤリサーに所属してるってうわさは本当なんです?
661 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/09/17(土) 16:21:45.11 ID:zRSDbj27o
あやせを一人残し、俺が家を出てから何日が経過したのだろうか。
それでも気力を振り絞って街へ辿り着くと、道行く人に尋ねながら俺は本屋を目指した。
ようやく本屋を見つけたものの、俺の心はすぐに落胆へと変わった。
店頭に無造作に積まれた本や雑誌には、見るからに埃が降り積もっていたからさ。
「すみませんが、こちらに『俺妹』の9巻はありますか?」
「……うちは見てのとおり本屋よ、お芋なんて置いてあるわけないじゃない。
八百屋なら隣の街まで行かないとないわね……」
話になんねぇ。
「いや、食べる芋の話じゃなくて……あっそうか、
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の9巻といえば分かりますか?」
「私はお客さんの妹とは会ったこともないのよ、いきなり可愛いとか自慢されても……
ふっ、私が返答に困ることくらいわからないのかしら。
これだからシスコンの雄ってイヤなのよ」
猫耳をつけた頭の可哀想な本屋の少女と押し問答をしていても埒が明かねえ。
見た目は黒髪ロングの美人で俺の好みだが、今はそれどころじゃない。
少女を無視して店内をくまなく捜したが、やはりここには置いていないようだった。
「あの、隣の街にも本屋はあるんですか?」
「……あることはあるのだけれど、ここよりもずっと小さいわ。
それより、私が書いた同人誌を買って頂戴、五百円だけど……」
俺は猫耳の少女に教えてもらった隣町の本屋を目指して再び歩き始めた。
それからまた何度目かの昼と夜を繰り返し、ようやくあやせの待つ家に帰りつくと、
朽ちかけたテーブルの上に一通の置手紙が残されていた。
『大うそつきのお兄さんへ
もう、ここにはいられません、10巻目でお待ちしています。
あやせ』
小脇に抱えていた『マスケラ』の同人誌と、両手に持っていたサツマイモが床にこぼれ落ちた。
(完)
662 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/17(土) 19:32:46.79 ID:yWmYNO8d0
>>661
またお前か
黒猫らしき人物の登場に興奮した
663 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 00:42:55.58 ID:f0i0j+kAO
今日こそSSが投稿されると信じてるよ
664 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/18(日) 07:59:35.37 ID:OzG/CXaYo
ばあさんや、ブリジット√はまだかね?
665 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/19(月) 02:39:47.21 ID:813vPeSPo
『俺妹』SSスレと掛けまして……なまはげ発祥の地とときます。
その心は、
『俺妹』SSスレと掛けまして……ミステリーの女王 アガサ・クリスティーととく。
その心は、
666 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/19(月) 06:36:11.72 ID:U2XAf4m2o
>>661
またかwwww
667 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2011/09/19(月) 17:27:52.54 ID:HypiFrEA0
>>665
誰が上手いこと言えと……って俺はまだ飽きてないし見てるだけだがちゃんと居るぞー!
668 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/20(火) 01:53:17.74 ID:2oF2c/Gho
>>665
二番目がわからない…
669 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage]:2011/09/20(火) 01:56:56.42 ID:xzmemBdGo
>>668
「そして誰もいなくなった」でレッツ検索!
670 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/09/20(火) 21:15:22.65 ID:DwjUnukdo
>>667
どの辺りが上手いのか全然わからん
おまえ馬鹿だろ?
671 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/20(火) 23:57:39.07 ID:vfIMZTRA0
加奈子SSか加奈子SSどっちが読みたい?
672 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/09/21(水) 00:54:13.71 ID:ZYh96NfAO
間を取って加奈子SSで
673 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/21(水) 01:20:56.74 ID:0jXB43J6o
どちらかと言うと俺はカナカナちゃんのSSが見たいかな
674 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/09/21(水) 15:06:35.09 ID:VIKOu56k0
かなかなちゃんも捨てがたいな
675 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/09/21(水) 18:31:27.45 ID:hBdGs5Do0
この2択はムズすぎだろ……
676 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/21(水) 20:37:37.20 ID:3pr6qiQco
くららさん(CV:ゆかりん)のSSが読みたいなって
677 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/22(木) 23:43:37.22 ID:0WpZu4Zbo
三連休がまたやって来たが、
このスレはどこへ向かっているのだろうか?
ふと振り返ると……
そこには『HTML化依頼スレ』が手招きして立っていた。
678 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/23(金) 01:10:23.90 ID:4eJ44sfDo
何かしら投下したいんだけどねぇ・・・
スレ立てるとそっちが精一杯で他の話を考えてる余裕がないんだよね
679 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/23(金) 10:46:40.01 ID:GpyxC/a50
過疎ってるので適当に投稿
真実のホーリーエンジェル
わたしは新垣あやせ。桐乃の親友でクラスメイト
モデル仲間でもある中学生。
息をきらしながら歩いているスーツ姿のお兄さんを発見した
わたしは「お兄さん…お帰りなさい。まだ生きてたんですね」
と言うつもりだった。誤解で殴ってしまった事がバツが悪かった。
そして何処かに行ってしまったお兄さんが戻ってきてくれたことが
素直に嬉しかった…別にわたしの為じゃなくても。
つい表情が緩んでしまいそうになる…でもお兄さんに素直に
笑顔なんて見せてあげない。
わたしの足は自然と早足になってお兄さんに駆け寄る。
え?何でどうして?どうして、どうして、どうして!
何で花嫁さんを連れて歩いてるんですか…と言うか
「桐乃な…の?」
わたしを見止めた途端に桐乃の繋いでた手を振り払った
「もう、早く手離せっての汗がベトベトで気持ち悪い」
「へいへい…悪かったな。誰のせい汗かいたと思ってるんだよ?」
「はぁー?あんたが勝手に駆けつけて無理やり乗せたんでしょ!
マジで最悪、これでもし間に合わなかったら最悪の最低だったん
ですケド?」そう言いつつ桐乃は改めてわたしを見て
「あーマジキモキモ、あれ?あやせもいたの?」
わたしは何を言って良いのか分からずぎこちなく肯く。
「あんた、あやせに手出したら分かってるでしょうね?!」
「心配すんな、もう手じゃねぇが足は出てる。ついでに熱湯もな…な、あやせ」
お兄さんは冗談のつもりだろうか、わたしに優しい笑顔を向ける。
「ただいま」と
さっきは桐乃と手を繋いでた癖に…癖に
680 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/23(金) 10:50:02.01 ID:GpyxC/a50
「お兄さん、やっぱり気持ち悪くて最悪です。桐乃にこれ以上手を出したら粛正します」
なんて言うべきだけど桐乃の顔を見てたら何も言えなくなった。
いつもなら軽口も叩ける筈なのに桐乃のウエディングドレスを見てしまうと…何で、なんで
ナンデ…そして頭の中に木霊する疑問を自答する。
お兄さんはわたしが同じ姿でも一緒に歩いてくれますか?
そしてあの笑顔を見せてくれて、手を繋いでくれるの?
こんな気分になったのは多分桐乃がオタクだと露見した時以来だ。
…あの時は桐乃がいかがわしいアニメやゲームに毒されて取られるのがとてもイヤだった、
悲しかった、寂しかった、辛かった。
だけどわたしの嫌いなアニメやゲームが好きな桐乃とは仲直りして
きっと前よりもお互いを理解出来たと思う。
だからあなたにはとても感謝してるんですよ…大嘘つきのお兄さん。
「お兄さん…お帰りなさい」もう一度これだけは言わせて。
「ああ」お兄さんはまたとても狡い笑顔をわたしに見せる。
桐乃がとても怪訝な顔でわたしの顔をみる…いけない
これはあの夏コミの時と同じなんだ。
「と言って貰えると思いましたか?お兄さん。超気持ち悪いです。真面目になるなんてよく言えましたね」
「えっと…これは…だな」お兄さんのとても悲しそうで情けない顔。
お兄さん知ってました?わたしがその顔も嫌いじゃないってこと。
「言い訳無用です。人間として男として兄として恥ずかしくないんですか?理性はないくせに
変な欲望だけは人一倍で!お兄さんは虫です、虫人間です!」
「あやせ、聞いてくれ…俺は別に」
「うるさい!前言った事もうそ、全部うそ、今もうそ、うそつき」
「「え?」」兄妹そろって同じ顔をしてる。
『どうして花嫁の姿でお兄さんと歩いてるの?』
『そしてどうしてそんなに嬉しそうな顔なの?』
『どうしていつもお兄さん(妹)の話ばかりするの?』
本当はこう言いたかった、問いつめたかった、確認したかった
でもわたしは…あの時の桐乃の様に…
"これが本当のあたしなの"と言われる事に覚悟がどうしてもできなかった。
681 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/23(金) 10:53:34.66 ID:GpyxC/a50
いつになれば本物の桐乃とわたしは向き合えるのかな。
多分もしその時になったらもうお兄さんは助けてくれない。
助けたくても説得も納得もきっと誰にも絶対に出来ないんだ。
あの時、お兄さんは桐乃とわたしを仲直りさせる為に日本書紀や
西洋の神話をわたしに見せて説得してきた。
綺麗で魅力的な花嫁姿の桐乃を見てるとヘラという女神を
思い浮かべずにはいられない。ゼウスの姉でもあり妹でもある正妻、
美しくて純真な彼女は結婚を司る神様、そしてとても嫉妬深い。
わたしは憮然とした顔でお兄さんの顔を見た。
お兄さんは桐乃を見ていた…お兄さんが見ている
桐乃はどんな顔してるのだろう。
「あやせ、今回に関してはこいつのせいだけじゃないから
心配してくれて嬉しいけど特別に許してあげて」
「それを早く言えよな、何で俺は誤解ばっかされるんだ?」
大嘘つきのお兄さん--わたしにだけなら下手な嘘つき続けても
信じ続けてあげる…のに。
「は?シスコンなんだから自業自得でしょ?」
"偽物"の桐乃はやっぱり嘘つき。
「なら今回だけは見逃してあげます。だけどちゃんと更生して
くれないと天罰が下りますよ、お兄さん」
でも一番の大嘘つきはきっとわたしなんだ。
気が向けばロック編に続く?
682 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/23(金) 11:37:19.12 ID:e+OWNuI+o
>>681
乙です
683 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/23(金) 12:11:45.13 ID:TzWIIFTkP
ロック編…?
ロックが出てくるSSってあんまりないよね
684 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/09/23(金) 19:59:03.42 ID:d24N6aDdo
つまらないから 続かなくてもいいよ。
685 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/23(金) 20:18:46.38 ID:tKcn+1TJ0
乙
原作でも病みあやせにならんかなー
686 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/23(金) 21:00:33.51 ID:sjwAfl3h0
乙
あえて原作の続きを書こうとは...
恐れいったわ!
687 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/09/24(土) 01:56:27.17 ID:gJbrCaKAO
>>681
乙
久々にまともなSSが投下された気がする
688 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/24(土) 13:50:23.84 ID:Hx0BjMvKo
>>681
乙
SS久々じゃぁ
689 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/24(土) 21:30:21.10 ID:39z+ed3DO
乙!
続き期待してますぞ
690 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:17:41.45 ID:rzqpG+Kh0
ロック編より多分、苦情が少ないと思う
部長×バジーナ編で
とあるアキバの休日
私はゲーム研究会の部長である三浦絃之介。
年齢は秘密だがもうお酒も飲めるお年頃だ。
今日は私の後輩にして忠実な後輩である真壁と巨乳メガネっ子で腐女子なのが
玉にきずな美少女赤城瀬菜を連れてアキバに繰り出している。
名目上は部で次に作るゲームの参考にする為の資料集めと言う事だが実際は
真壁が赤城とデートしたいが誘う勇気がないので協力してくれと言われて協力してるのに近い。
神聖な部活動を色恋に利用しようなど不届き千万だとは思うがまぁ高坂というこれまた不届き者の例もあるし
真壁には世話にもなったので出来る事ならやってやろうと言う親心なのである。
三人でアキバに集合し頃合いを見計らって2人を残し今はゲーム屋で面白いゲームはないか物色し終わった後
外に出た時私は少し懐かしさが蘇ってきた。
そう言えばここら辺が高坂に初めて会った場所だったなと…。
瀕死の妹のお願いで早朝からエロゲー買う為に列に並び
私の愛車を借りてここから千葉まで帰った猛者、私もエロゲーに賭ける情熱は誰にも負けないつもりだがヤツだけは別格だった。
…強敵と書いて友、好敵手と書いて兄弟。
そういえば高坂は五更に振られたらしいが元気でやってるのか
一度は同じ釜の飯を食った仲だから多少気にはしている。
もう夏は段々とその姿を消し始め秋がそこまでやって来ていた。
天気はあいにく曇りだがこの季節の黄昏が好きで今の私の
気持ちと何となくとても似合ってると思うのはやはり感傷か…。
さてそんな感慨に耽っていると目の前で巨大な影が胎動している
のが目に入った。
「熊か?」
691 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:21:17.74 ID:rzqpG+Kh0
秋葉原に熊が、狸が東京に闊歩してるのはよく聞く話だが
まさか熊が秋葉原に出没するとは…私の恐怖と好奇心がせめぎ合う。
結局いつも好奇心が勝って痛い目を見るのが私の人生でもあるのだが…クソゲーと呼ばれるものや
エロゲーの魅力に取り憑かれたのも好奇心だし高坂に私の愛車を貸したのも好奇心からだし、
そうやって好奇心に負け続けてきた自分は嫌いじゃない。
そうやって熊に接近すると「あsdfghjh」と言ううめき声
と同時に熊が動き出した「ぎゃああああ、熊…?じゃないのか」
巨大な影は幸か不幸か熊ではなく人のそれだった。
しかし相当のデカさだしこの巨人が何故うずくまってるか確めたい
好奇心はまだ終わってなかった。
取り合えず私はその巨人にコンタクトを取ってみる
「あんた、大丈夫か?」
「熊とは随分な挨拶ですのね」
あれ巨人が可愛らしい声で返事した。
「女…な…のか」「悪いですの?」
「いや、別に悪くはないが天下の公道で何やってるかと思ってな」
巨人もとい女は何か言おうとしたが咆哮でよく聞き取れなかった。
よく見れば女の周りは荷物らしきものが散乱し女は右手を押さえたまま尻餅をついて呆然としている。
「ちょっと見せてみろ」
私は素早く女の荷物を集めると女のバックらしきものに入れて
女の手を握り観察した。暗くて正確には分からないがどうやら
転んで指先をすりむいたか切った程度だろう。
しかし背丈もそうだが手もなかなか大きいな…って感心してる場合ではない。
私はハンカチを取り出すと傷口には触れない様にして
切っている指の根本をしっかりと縛った。
692 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:24:08.30 ID:rzqpG+Kh0
手を握ったままでいると女が「きゃ」とまた図体に似合わない声を出す
「ちょ、ちょ変な意味じゃないから」私は悪くないのに狼狽してると、さきほどの鉛色の空から雨粒が降ってきて
私や女の髪を濡らし始めた。
雨のお陰で幾分冷静さを取り戻した私は鞄からお気に入りのエロゲーもうお兄ちゃんのお嫁さんに絶対なるんだもん3
の特典だった傘を広げると女を近くに有ったベンチに座らせて痛めてない方の手に握らせた。
「少し待ってて、ちょっと薬草買ってくっから」と
私の渾身のギャグを笑顔で言い残すと女が何か言ってる言葉を無視して速攻でコンビニに走りミネラルウォターと絆創膏を買って
女の元に戻ってきた。
女の指を水で流して清潔にした後に絆創膏を2重に強めに張って
血が漏れてない事を確認してやっと落ち着く事が出来た。
「あ、ありがとう御座います」
「ああああ、べべべつ」
私はまたもや狼狽してしまった。だって熊か巨人族だと思ってた女が超美少女だったんだもん、
何か身勝手な予感や希望抱いたって人助けしたんだから許して頂きたい。
も、もちろん相手が巨人族でもちゃんと助けるつもりだったんだからね!
「久々に買い物に一人でお買い物に来てたんですの」
で、ですの?デスノ?
「そうしたら転んでしまって」
「そ、それは災難でしたね、お嬢さん、キリ」
「…さきほどは熊と聞こえた気がしましたのですけど」
「いやぁ…お困(熊)りですかと言ったつもりなんですがね
ははははは」
693 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:26:30.21 ID:rzqpG+Kh0
”しら〜”と言う声が聞こえてきそうな気まずい沈黙。
美少女のお嬢さんは目をしかめて私の顔を見ていたが
ぷぷぷ…あははははと豪快に笑い出した。
「大丈夫です。口の悪い友人のお陰でなれてますから」と微笑んだ。
ヤバイ私は天使を見てしまったのかもしれない。
次に何を言うか思案してると…
”もうお兄ちゃんのお嫁さんに絶対なるんだもん3”の着信音が
『もうお兄ちゃん!あの子とあたしとどっちが大事なの!』
とか
『お兄ちゃん、あの子と別れてくれないきゃ絶対ヤダ、ヤダ、ヤダ』
とか…目の前のお嬢さんは虚空は見ながらきょとんとしてしまった。
別にエロゲーをやる事を恥じとは思ったことはないが
流石に同じアキバの住人でも趣味が違えば引くのはしかたがない。
「すいみません、ちょっと」と言って電話に出る。
『部長何やってるんですかぁ!?部の資料集めなんだから
部長が居てくれないと困りますよぉ』と瀬菜の声。
『部長…助けてください、赤城さん僕と居ても絶対に”男女”の
話にはならないんですよ(泣)』
さらに後ろから『真壁先輩は部長とセットじゃないと萌えません』
と言う死刑宣告に等しい瀬菜の声が…。
2人のいる場所を聞いて電話を切る…真壁…残念だったな。
雨は更に降りしきり段々とつよくなってきた。
「ごめんなさい、人を待たせてるので」と私は言う。
もしさきほどのこの子の呆気に取られた様な顔を見なければ
もしかしたら違う台詞を言ってたかも知れないが。
「え?そ、そうですか…」残念そうに見てるのは気のせいだよな。
「傘は差し上げます。傷口が濡れたら悪化するだろうし。
気を付けて帰ってください」と言い残すと走り出した。
「待ってください…」と言う言葉にも振り返らない。
「絶対にお返しするからまた」なんて幻聴聞こえちゃって
我ながら…まだまだ修行が足りないと反省した。
694 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:28:33.07 ID:rzqpG+Kh0
「ハックション」
私は大きなくしゃみをした。
「部長大丈夫ですか?」とこちらも元気無さそうな真壁が私を
心配して声をかける。
「ああ…ただの風邪だよ」頭は熱っぽいし悪寒もするし胸の鼓動は
早くなり、あの美少女の事ばかり考えてる。
これは風邪だ風邪なんだ。しかし風邪薬を飲んで2,3日しても
最後の症状だけは治まらなかった。
そんなある日『お兄ちゃん、ずっとあたしのものなんだからね!』
と言う着信音…電話の相手は五更だった。
「おう、久しぶりだな…色々元気か?」
『はい…あの部長、あの今日の午後って時間ありますか?』
「おいおい、そんな事言ってたら高坂が泣くぞ?」
『……………煉獄の炎に焼かれろ、下郎』
「おいおい、オレも泣くぞ」すでに泣いちゃってたけどね!
そんなわけで五更に呼び出された場所は偶然にもあのベンチの目の前だった。
五更は新しい学校の制服で隣はグルグルメガネの女の子が立ってた。
確か誰だっけ…確かバジーナ大尉か。私は記憶を探るが五更と同程度の痛い奴という認識しか浮かばなかった。
2人は私の顔をジロジロ見て何やらヒソヒソ話を始めた。
かなり居心地が悪い…多分悪口言ってるな。
そしておもむろに
『お兄ちゃん、好きって言って!わたしは何度でも言えるよ!』
とまた着信音。
この前の事があったので流石に少し恥ずかしかったが
「五更、また何かの儀式か?」
五更は何も答えずに大尉の顔を見て何度か頷き合ってた。
695 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:30:14.66 ID:rzqpG+Kh0
五更は無言で近くにあるマックに…大尉も続いたので
私はしょうがなく続いた。
3人ともしばらく無言だった。
「五更、新しい学校では上手くやってるか?」
別に先輩面するつもりも無く私は遠く離れた仲間の事が
多少気になってたので聞いてみる。
「はい…」「そうか。オレは学校が違ってもおまえは
うちの部員だと思ってるからな。だから気が向いたらいつでも
遊びに来いよ。まぁオレの兄弟にもそう言ってあるしな」
「はい…」五更はこういうヤツなので私はそれ以上
何も言わなかったが取り合えず伝えられて良かった。
するとまたもやおもむろに
「では部長…失礼します」「く、黒猫氏…」と初めて大尉が
口を聞いたかと思うと
「ク、ククク…せいぜい頑張る事ね、お嬢さん」
と言って消えていってしまった。
また沈黙…五更が何を考えてるのか未だによく分からない。
そして大尉が何を考えてるかもさっぱり分からない。
まぁ伊達に酒が飲める年ではない私は年上の男性が年下の女の子に
接する場合どんな時にも使える台詞を抜群に活用して
「えっと…あんたはガンダム好きだったんだよな?」
と…これが嵐の前の静けさを打ち消す火蓋だった。
「そ、そうでござるな。一言でガンダムと言ってもガンダム
の何が好きなのか?その定義によって変わってるくると思いますぞ」
あ〜典型的なオタク子だな、まぁ多少気が楽になった
私は特に意識せずに話し始めたのだが…
696 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:34:03.85 ID:rzqpG+Kh0
「ちょっと部長さん、それは偏見ですぞ、訂正して貰わねば!」
「オレの中のガンダムは"V"までなんだよ!まぁもちろん"UC"を
認めるのは吝かではないが…ここは譲れない、そして最強は"V2AB"なのも譲れない!」
まるで2ちゃんだな。
「そもそもバジーナってシャアはファーストまでだろ!アズナブル大佐にしろよ、そこは」
これは禁句だった…大尉は下を向いて震えだした。
あ、ヤバイ私は勢い余って年下の子を泣かしたのかと思ったのだが
大尉のグルグルメガネがいつのまにかレイバンのサングラスに変わっていた。
「おい、貴様いい加減にしろよ!」「ひょ?」
これからずっと大尉のターンだった…恐い、恐い。
まぁ私は意見の相違はあったがここまで好きなモノに情熱のある
大尉に多少親密さを覚えていた。
「いやはや面目ありません…。黒猫氏達とは仲は良いのですが
ジャンルが微妙にズレておりまして、啓蒙しておりますから
きっと立派なガノタにして見せますぞ」
私は口の形をωにした大尉を見ていると風邪の事はすっかり忘れてた。
時間を忘れて話し込んでいたが、相手は女の子だし
あんまり遅くなると不味いと思い
「今日はあんたと話せて楽しかったぜ」と私が言うと大尉はモジモジし始めた。
「ま、まさかまた変身したりしないよな?」私は冗談で言ったのだが
「部長さん…いきなり失礼なお願いだとは思うのでござるがもし良ければメガネ外して貰っても?」
私はそんなに視力がよくないのでメガネを外すと近距離でも
相手の像がぼやけてしまう。まぁ別にメガネ詐欺でもないだろうと
軽い気持ちで言われた通りにやると…。
697 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/25(日) 02:36:40.24 ID:rzqpG+Kh0
「忍法口寄せの術ですの」と芝居じみた声が聞こえた、デスノ?
何をやってるのかよくは見えなかったがテーブルの上に何かを
置いてる事だけは分かった。
「もう大丈夫でござるですの、あ」と言う声…何か意識は五里霧中
なのだが…いや半分は分かってるのだがどうしても大尉の今の
姿のせいで記憶に靄がかかる。
私がメガネをかけてテーブルの上を見ると傘とハンカチが置いてあった。
「あ、あんた?」
「えっと、まだ勇気がありません。ごめんなさい…でももし良ければお、お、お、お友達になって貰っても
大丈夫でござるか?」私は自分の方が恥ずかしくなってしまい「だ、大丈夫でござる」と口調がうつってしまう。
大尉は嬉しそうに、でも恥ずかしそうに「ニンニン」と私に笑いかけた。
気が向けば次こそロック編に続く?
698 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/25(日) 07:04:25.06 ID:0YXEkdJVo
>>697
これがエロパロに投下されてたんならボロクソに叩いてたけど、ここなら叩かない
がんばれ
699 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/25(日) 16:43:09.96 ID:AKdLb5axo
>>697
いいぞ
700 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/25(日) 22:59:15.65 ID:VwVn1fhbo
>>697
乙です。
テーマは面白いので書き続けて欲しいのですが……
文の折り返しや読点を打つ位置には気をつけたほうがいいと思うの。
>秋葉原に熊が、狸が東京に闊歩してるのはよく聞く話だが
↑狸ならまだしも、秋葉原に熊が闊歩しているのは
見たことも聞いたこともないです。
話は変わるが秋といえば、そろそろクリスマスに向けてSSを書き始める頃だな。
SSの書き手さんも三ヵ月後の投下に向けて準備に忙しいことだろう。
気の早い人ともなれば、もしかしたら大晦日や正月ネタを書いているかもしれん。
三ヵ月後が待ち遠しいな……
701 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/09/25(日) 23:16:17.49 ID:OXbwQXAAO
>秋葉原に熊が…?
みたいな表記なら、直観的なものとそれに伴う感想(東京に[
たぬき
])とを繋ぎかつ区別しやすかったのかも
年末ものかぁ
たまに時期の一致を棚上げして春夏に秋冬のシーンとか書きたくなったり。
ただ、書いてみようかってシチュに(動機として)限定的な添加設定があるとかだと二の足を踏む面もある
こういうの何て言うんだっけ
自縄自縛?
702 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/26(月) 00:59:49.97 ID:KNMtYvCpo
その時季に合わせようとあらかじめ書き始めたのに、
ある程度のストーリーとか重要な台詞は書いても細かいところまで書いてなくて、
今もPCの中に眠っているSSがいくつかある。
7巻発売直後には……
満開の桜が咲く公園で黒猫とデートをしていたときのこと、
京介は小学生だった時分に遠足で出会った、ある女の子のことを思い浮かべていた。
あの時も桜が咲いていたせいか、今も毎年桜の咲く季節になると思い出すが、
京介はそのときの女の子が誰なのか未だに知らない。
実はその女の子こそが……っていうSSとか、
梅雨時にあわせて……
やたらと新入生の黒猫の世話を焼き、あやせとも仲のいい京介を快く思わない麻奈実。
ある日、学校帰りに麻奈実はあじさいを模した新作の和菓子の味見を京介に頼むが、
京介には内緒であやせにも同じ日に田村屋へ遊びに来るよう誘っていた。
あじさいの花言葉が『移り気・浮気者』ということを知っていたあやせは、
それを自分に対する麻奈実からの挑戦だと受け取る。
はたして、そのときあやせが取った行動とは……みたいなSSとかね。
8巻どころか9巻も発売されちゃったし、もう秋だもんなぁ……
703 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/26(月) 01:44:08.78 ID:qVyJtX4so
>>702
俺はいつでも待ってるよ
ところでブリジット√はないのかね?
704 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/09/26(月) 17:51:50.12 ID:T6UAX2Tb0
わっふるわっふる
705 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:42:15.69 ID:znjcnUDM0
SSより文字合わせの方が大変。
批判、批評歓迎、読みにくいのは仕様。
一人で投下し続けるのは違うと思うのでロック編はしばし凍結。
タイトルは某将棋漫画とは無関係。
706 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:43:26.07 ID:znjcnUDM0
3月31日のライオン
俺は…
1 妹と一緒に家族旅行する
2 妹の友達に思いを伝える
3 幼馴染みに思いを伝える
1を選択
許されざる者
声が聞こえる、病院で目を覚ます。
「キョウスケ…キョウスケ…」
茶髪の綺麗な女の子が泣いている…そして頭が割れる様な痛み。
医者「残念ですがご両親は…」
…何かを考えるとやはり頭の痛みがぶり返す。
医者「頭部打撲による一時的な記憶障害でしょう」
女の子は僕が眠るまでずっと手を握っていたし、目を覚ました時も
その手を離していなかった。
「キリノって名前…やっぱりキョウスケは覚えてないよね。
でも私にとってあなたは大切な人なの…だから何か困った事があれば何でも言って欲しい。
何があっても必ず私が守るから」
甲斐甲斐しく僕を看病するキリノ、とても優しいを目をしている。
でも僕にそう言った時の彼女の目には異常な決意の強さが見て取れた。
医者に退院と言われた日
キリノは僕の身体を支えてタクシーに乗せ実家だという建物に僕を連れて帰ってきた。
「キョウスケは何も心配しないで良いから。私…キョウスケの為に頑張るから。
だから私がちゃんと頑張れる様にキョウスケは私を見守ってて、ずっと側に居て…お願い」
僕はただ肯くしかなかった。
彼女は病院と同じ様に…それ以上に僕の身の回りの世話をしてくれた。
彼女はいつも笑顔だったし不機嫌になったり声を荒げることは
一度もなかった…ただ一度の例外を除いては。
それはキリノが僕の為に色々な写真を見せてくれていた時の事だ。
写真の中の彼女は快活そのものだし今よりも自信に満ちた顔をしていた。
707 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:44:46.34 ID:znjcnUDM0
僕は写真の中の彼女の様にもう陸上やモデルの仕事はしないのか聞いてみた。
すると半狂乱になり
「なんで、どうして?私がキョウスケのお世話しなきゃ駄目なのに!私じゃ駄目なの?
私が嫌い?前みたいに私を見捨てるの…いや、いや!…絶対に離れない、絶対!」
何も言えなくなる…そして頭に手を乗せて謝る…感謝しているし離れたくないと言う。
それでも機嫌が直らない彼女の頬を撫で目を見つめて手を握り落ち着かせる。
一緒に写った写真があまりないから、これからは2人で何枚も写真を撮ろうと
彼女を強く抱きしめながら言った。
「ずっと…ずっとね、私…こうしたかった、こうして欲しかったの。
こうしてるとね…凄く安心する。だからキョウスケが居てくれるなら何にもいらない
本当にそれだけで良いの…それ以外はいらないの」
キリノは僕から片時も離れない…。
僕も離れたくない…そう言った時、キリノの顔は女そのものだった。
呪い
「やっと会えたわね、キョウスケ…お加減はいかが?」
僕は身体の方は問題ないが記憶は戻らないと言った。
「記憶は戻ってないのに彼女とままごとを続けるの?」
彼女は僕の為に尽くしてくれるし僕は彼女が大切だから見守ってるだけだと言った。
「馬鹿にしないで頂戴」
僕は何も言わなかった。
「ずっとあなただけを見てきた。いいえ、あなた達をずっとずっと見てきた。
だから私には分かってるのよ」
僕は何も言えなかった。
「…いいわ。話を変えてあげましょう。私の呪いは覚えているかしら?」
………。僕が無言で佇んでいると彼女が蠱惑的な笑みを浮かべた刹那--
初めての”呪い”とは比較にならないほど憎悪と悪意に満ちた呪詛を僕にかけてきた。
抱擁とは呼べない…僕を侵食するかの様な下品な音を立てる…貪り喰うかの如く激しい
接吻だった。
……………息が苦しくなり頭の中がかき乱される。
「ククク…もう化けの皮は剥がれそうね」
……………心もかき乱されて決意が揺らぎそうになる。
「あなた達がどうなっても!あなたがどうなっても!…私の気持ちは…私の呪いは
絶対に解けないのよ」
708 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:45:59.70 ID:znjcnUDM0
僕は何かに耐えていた…だがその前に彼女がもう大粒の涙をこぼし
さきほどと同じ傲慢だった人間とは思えない悲しい声で訴えかけてくる
「あなた達が壊れてるなら、一緒に壊れてあげる」
「あなた達が狂ってるなら、一緒に狂ってあげる」
「あなたが地獄に堕ちて煉獄の炎に焼き尽くされるな…ら私はあなたを抱きしめて
一緒に灰になってあげる…」
…と。
すべてに愛を
僕の家にはキリノとルリが一緒に住む事になった。
キリノがどういう反応を示すかとても心配だったのだが彼女はむしろその事を
喜んでいる様な素振りさえ見せる。
僕はなかなかキリノに離して貰えず外出もままならなかったのだがルリがキリノを
説得してくれてやっと幼馴染みに会う事が出来た。
「きょうちゃん…」
目の前の女の子は屈託の無い笑顔を見せる…とても懐かしい笑顔。
暖かくて優しくて僕がずっと好きだった笑顔。
絶対に泣かないと決めていた、キリノの為に…。
絶対に泣かないと決めていた、ルリの為に…。
絶対に泣かないと決めていた、目の前にいる彼女の為に…。
でもそんな僕の決意は彼女の一言の言葉と笑顔で木っ端微塵に砕けて僕は嗚咽した。
…こいつも僕の…俺の事を全部分かってたんだ…。
「ま…麻奈実」
それ以外は何も言えなかった…。呼吸が出来ずに声自体が出せなくなっていたし、
そもそも言うべき言葉自体何一つ持ってなかった。
麻奈実は何も言わず俺を抱き寄せる…優しく心も身体も全身で受け止めてくれる。
俺は赤ん坊の様にただただ泣き続ける…静かな麻奈実の声が身体にとける
「きょうちゃんは甘えん坊さんだね…」
「よしよし…きょうちゃんは頑張った、きょうちゃんが一生懸命に頑張ったのは
わたしが一番よく分かってるから」
「だから泣かないで…」
709 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:46:51.15 ID:znjcnUDM0
閉ざされていた心がゆっくり揉みほぐれて弛緩してくるのが分かる。
身体中の凝固していた血液がゆっくり循環しはじめ自分の中のしこりが取れてくる感覚…
事故の後忘れていた生きている実感。
もう離れたくない…失って大切な物に今更気が付く。
俺の目の前には、かけがえのない場所があったんだ。
「きょうちゃん…して欲しい時にいつでもこうしてあげる」
「ごめん…ごめん…麻奈実…」
多分こいつの隣を歩いていけば、この暖かさの日だまりに包まれたまま
"男"として幸せに生きていられるだろう…でもそれでは駄目なんだ。
「俺には…責任がある。人間として兄として…だからおまえとは二度と会えない」
「大丈夫…また絶対会えるよ。きょうちゃんがこんなに頑張ってるんだもん。
それに黒猫さんだって。だから桐乃ちゃんはきっとよくなる。絶対に絶対良くなるから!」
「………そうだな」
…だが
仮に麻奈実の言う通りの世界が待ってたとしても今までの選択に
消極的に逃げていた俺が次こそは正しい選択を出来るのか?
BADEND
※ヒント 中途半端にグダらずにヒロインが誰なのか
ちゃんと決めましょう…それが真のエンディングへの近道です!
4月1のライオン
「カッーーーート!!!」
「いや〜京介氏…見事な演技でござったな…演技と言うよりもドキュメンタリーの様な
出来映え、拙者感服いたしましたぞ」
と人聞きの悪い感想を述べる沙織。
「お疲れ様」とまた現実でも蠱惑的な笑みを浮かべる黒猫。
「あんた達にしてはまぁまぁだったんじゃないの。それでもあたしの脚本あってこそ
って事忘れないで欲しいんですケド?」と相変わらずの桐乃
「き、きょうちゃ〜ん、わたしの演技は大丈夫だったかな?」
と実は一番ノリノリだった麻奈実。
710 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:47:33.49 ID:znjcnUDM0
「みんな、お疲れ…さま。本当に疲れたぜ」
詳しい話は知らんのだが、どうやらうちのゲーム部が次の作品でサウンドノベル
を作るらしいのだ。脚本は桐乃で瀬菜が頼み込んだらしい。
…流石に短期間で仕上げただけの事はある内容でかなりの無秩序・混沌・カオス。
部長が好きそうなクソゲーだろうな、多分。
そして何故か部長と沙織が楽しそうに話している、何かあったのだろうか?
そして俺たち受験生が何でこんな事やってるんだろうね!
さてと俺らは帰宅することになり
俺は…
1 妹と帰宅する
2 妹の友達と帰宅する
3 幼馴染みと帰宅する
3を選択
帰れない二人
「えへへ…きょうちゃん、きょうちゃん…」
麻奈実が嬉しそうに俺の隣を歩いている。
普段は何が有っても動じない癖にこういう時は緊張で動きがぎこちない。
「おいおい…ちゃんと歩けよ」
「だってさぁ…きょうちゃんがさぁ…ぇらんで…くぅれぁりが…」
最後の方がよく聞こえなかった。
「ほら、これなら平気だろ!」
と言って麻奈実を手を握る…多分、顔が赤くなってもっと早く口になるな、これは。
「きききききょうちゃん…えええっと」
ほらな。
しかもこっちも麻奈実の緊張が感染してドキドキが止まらない。
日常、平和、平凡、安全…何気ないものの大切さに最近気付いてきた俺である…。
結論として桐乃が持ってくる妹系のゲームよりもメガネっ娘の方がやっぱ好きだし…
考えてみればちょっと遠回りしちゃったよな、俺たち。
麻奈実…俺と付き合って欲しいと緊張でカラカラに渇いた口で言おうとした…瞬間
「お兄さん、お姉さん…楽しそうですね」
711 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/09/26(月) 21:48:20.55 ID:znjcnUDM0
夜道に黒髪の美少女"光と闇"の天使あやせがそこに立っていた。
「せっかくだから三人で帰りませんか?」
俺は…
1 渋々承諾する
2 断固拒否
3 麻奈実の力で封印する
3を選択「きょうちゃん!あやせちゃんを虐めたら駄目だよぉ!」
2を選択「そんな事言わないで一緒に帰りましょう、お兄さん」
2を選択「そんな事言わないで一緒に帰りましょう、お兄さん」
1を選択「な、なんで最初から選んでくれなかったんですか?
お兄さんはわたしがきらい、きらい、きらいなんだ…裁きのお時間です…」
俺が最後に見たのはあやせの冷たい白刃と笑顔だった…
BADEND
「あやせちゃんも駄目でしょ!物騒な事言ったら、次は本当に怒っちゃうんだから!
ぷんぷん。みんな仲良く帰ろうね〜」
「お姉さん…ご、ごめんない…ごめんなさい、もうしませんから」
結局何事もなく三人で仲良く帰りました…。
………………………………………………………………………………………………………
俺と黒猫はパソコンの画面を眺めて、ため息を漏らした。
「聞きしにまさるクソゲーね。あなたの妹さんの才能には本当に惚れ惚れしそうで
吐き気がするわ」
「ああ…全くな」全力で同意する、全くだ。
「ところで先輩?何でさっきの選択肢は田村先輩だったのかしら?」
「そ、そんな事より…このゲームって妹以外の選択したら変なループにハマるよな…
付き合ってたのに突然無理やり別れたいとか言うし、バクか?」
黒猫の蠱惑的で悪魔的で確信に満ちた顔と言葉が忘れられない…黒猫は言った
「フフ…おそらく、それがこの『作品』の仕様なのよ」
…と。
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/27(火) 07:16:28.67 ID:DwtrL7sAO
何が起こった
加奈子SSの題材がまとまらないお
やっぱ加奈子より加奈子
その上に加奈子で
最後には加奈子と加奈子。
713 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/27(火) 08:29:55.14 ID:41HPEvNv0
>>711
乙!
せなちーに協力してもらってなおバグとはw
>>712
おちつけ
714 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/27(火) 20:52:57.72 ID:QcVCLHVDO
Hシーンはないんでつか!?
715 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/09/28(水) 21:39:50.43 ID:PmpQT+IAO
狂おしく乙!
716 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/28(水) 22:46:01.30 ID:wHSGB2Hfo
バグと仕様は違うのだ!
717 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/09/30(金) 00:24:25.81 ID:6bbKYh6lo
秋分の日を過ぎたかと思えば、めっきり朝が冷え込んできたことに驚かされる。
ここへきて振り返れば、俺の人生の中で今年の夏ほど想い出に残る夏もあるまい。
黒猫に振られたこと……今更後悔してもしょうがねえ。
あやせと中途半端な別れ方をしたこと……何とかしなくちゃいけねえ。
冷静に考えれば悪いのは俺のほうだ。
生まれて初めて彼女が出来たからって舞い上がっちまったからな。
そんな俺の気持ちが通じたのか、あやせも最近ようやく俺と口を利いてくれるようになった。
つい先日も俺があいつの携帯に掛けると、なんと20コール目で出てくれた。
「ようっ、20コールなんて、随分と早く出てくれるようになったじゃねぇか。
昨日とおとといは30コール目だったし、その前の日は……3分ぐらいだっけか?」
『黙れ変態っ! おまえの声を聞くと耳が腐る!』
「まぁそう言うなって。俺はあやせの声を聞くたびに自分の浅はかさに嫌気が差すんだよ。
あの時の俺はどうかしてたんだって、もの凄ぇー後悔してんだからさぁ……」
携帯の向こうで、あやせはしばらく考え込むように押し黙った。
俺の本当の気持ちを伝えるために出来ること、それは俺も只黙って待つだけだった。
『……嘘じゃないんでしょうね。本当に後悔してるんですか?」
「神に誓って――いや、あやせに誓って嘘はつかねえよ。
おまえが俺の顔なんか見たくもねぇって気持ちは俺も分かるし、
俺だって会ってくれなんて言えた義理じゃないしな」
『……別に、お兄さんに会いたくないなんて、わたしは一言も言ってませんけど」
「じゃ、じゃあ俺と会ってもいいっていうのか?」
『会って差し上げてもいいですよ、でも……』
「でも?」
『わたしがこれから言うクイズに答えられたら……
そうですね、お兄さんとデートしてあげてもいいですよ』
718 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/09/30(金) 00:25:05.81 ID:6bbKYh6lo
あやせは悪戯っぽい声で『うふふっ』と笑い、さも楽しそうに俺にクイズを出してきた。
クイズに正解さえすりゃあ、晴れてあやせとのデートが実現するってもんだ。
間違うわけにはいかねえ。
俺は耳を研ぎ澄まし、全神経をあやせの声に集中した。
『いいですか、お兄さん。
朝は四本足、昼は二本足、なのに夜になると三本足……』
どんなクイズを出してくるのかと思えば……
はっ、あまりにも有名なクイズじゃねぇか、簡単、簡単。
「あー、俺、もう分かっちまった、答えは――」
『そして夜中は五本足、未明に六本足、日の出の頃は七本足、顔を洗って八本足……』
「……なぁ、あやせ……俺とデートする気なんか初めっからねぇだろ」
『朝御飯を食べると九本足、学校へ行く途中に十本足……』
(完)
すんません、寝る前にちょっと書きたくなっただけなんで……
719 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/09/30(金) 00:51:20.13 ID:uxNvHdKAO
>>718
おつ。
何気ない会話の中にもあやせが楽しそうでなにより。
720 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/30(金) 01:30:18.78 ID:4x0o7m6no
>>718
これぐらいのサラッと読めるのもいいねー
面白かった
721 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/30(金) 06:55:34.15 ID:Mj8mexEko
京介「で、正解は?」
あやせ「ぐぬぬ」
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/30(金) 09:12:02.36 ID:gOZ01bdJ0
>>718
乙
答えがきになる...
723 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/30(金) 23:11:46.17 ID:4HRrbU99o
久々にまとめwiki見たら、関連URLのページが開けないんだが俺だけ?
724 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/30(金) 23:29:35.86 ID:4x0o7m6no
>>723
なんか壊れてたんでバックアップから復元してみました
725 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/01(土) 19:00:40.37 ID:Mqri+0j60
>>724
乙
726 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/02(日) 01:43:09.98 ID:0mQJ8Nn9o
来年は私立中学の受験なんで、親が勉強しろとうるさいんです。
そろそろ身を入れて勉強せねば……。
今月は運動会もあるし、玉ころがしの練習もしなきゃなんないしなぁ。
ちなみに、
>>718
は酉をつけ忘れてました、すみません。
題名:『神無月』
投下:直ちに投下します(4レス)
※以下の点にご注意下さい。
・カプ:京介×あやせ
727 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/02(日) 01:43:53.03 ID:0mQJ8Nn9o
神無月――
いにしえより十月のことを別名で神無月と言う。
全国津々浦々の神様が縁結びの会議を開くために出雲へ集まるそうだ。
だから出雲の他のところじゃ神様が留守になるらしい。
俺と黒猫を結びつけた神様も、今頃は出雲へ向かっている頃かもしれん。
今更文句を言ったところで仕方のないことだが、こうもアッサリと縁が切れたんじゃ
適当に結びやがったんじゃねえかと疑いたくもなる。
もっと丈夫な何かで、一度結んだら二度と解けないような……
「たとえば手錠とかさ……」
「えいっ!」
「痛っ! あにすんだよっ」
秋晴れの空の下、他愛もない妄想に耽っている俺の足に激痛が走った。
驚いて辺りを振り返ってみると、そこにはラブリーマイエンジェルあやせたん……。
「何でこんなところにあやせがいるんだよ」
「それはわたしの台詞です、ロリコンのお兄さん。
どうしてお兄さんが幼稚園の運動会を観戦してるんです。
彼女に振られて、一気に守備範囲を幼稚園児にまで拡大したんですか?」
「俺はロリコンじゃねーし、つーか、幼稚園児じゃペドになっちまうだろうが」
俺がロリコンなのかペドなのか、それともギリギリでセーフなのかで小一時間。
「……なあ、この不毛な議論をいつまで続けるつもりだ?」
「お兄さんがなぜ幼稚園児の父兄に交じって運動会を見ていたのか、
わたしが納得するよう正直に話してくれるまでです」
あやせの目を見れば正直に話すしか俺が助かる望みはないようだった。
なぜならあやせは防犯ベルの紐を指でつまみ、今にも引き抜こうとしていたからな。
俺は静かな場所で話したいと思い、あやせをいつもの公園へと促した。
728 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/02(日) 01:44:28.44 ID:0mQJ8Nn9o
「……そういうことだったんですか。
でも、それならそうとおっしゃってくれればよかったじゃないですか」
演技の欠片もない、何の誇張もない淡々とした俺の説明にあやせは納得した。
そして何か物思いに耽るように口を閉ざすと、寂しそうに俯いた。
「……何だか年上の兄妹がいるっていいですね。
自分の小さかったときのことを憶えていてくれるなんて、ちょっぴり妬けちゃいます。
わたしにもお兄さんかお姉さんがいてくれたら……」
明るい笑顔が印象的なあやせには珍しい寂しげな表情。
こんな時、俺はどうすりゃいいんだ?
適当なことを言って誤魔化しても、余計あやせを傷付けちまうだろうし……。
「わたしって馬鹿みたいですよね……。
親友のお兄さんなのに、まるで自分のお兄さんのように我がまま言ってこき使ったり……
理不尽にも叩いたり蹴ったり……今まで、本当に申し訳ありませんでした」
あやせのような一人っ子の寂しさを俺は知らない。
桐乃のような生意気な妹でも、ときには満更捨てたもんじゃねえなと思うこともあるし、
かと言って煩わしいと思ったことも一度や二度じゃきかない。
しかし、それもこれもあやせから見れば贅沢な悩みなのかもしれん。
「もし、生まれ変わることがあるなら……わたしは、お兄さんの妹に生まれ変わりたい。
いっぱい我がまま言って、いっぱい甘えて……えーと、それから……」
兄妹のいないあやせにとって、兄妹に対する思いも一層なのかもな。
照れて顔を真っ赤にしながらあやせは『えーと、えーと……』と繰り返す。
「あ、そうだ。……心が折れそうになったときは、ポン! と頭に手を置いてもらいたい。
そうしてもらえたら、まだ頑張れそうな気がする――あっ、ちゃんと頑張れたときもですよ」
「すまねぇけど、俺はあやせの兄貴になるのだけは勘弁してもらいてぇな」
あやせの顔が、一瞬にして狼狽の表情に変わった。
729 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/02(日) 01:45:08.12 ID:0mQJ8Nn9o
「……調子に乗ってしまってすみませんでした。
わたしみたいな女の子のお兄さんなんて、誰だってなりたくないですよね」
唇を噛み締め、今にも泣き出しそうなあやせ。
別に、俺はそういう意味で言ったんじゃねえんだけど……
「なぁあやせ、誤解の無いようによく聞いてくれな。
俺が兄貴だったら、俺はおまえのことを四六時中考えてる変態兄貴になっちまう。
今だってシスコンだの何だのって言われてんのに、あやせが俺の妹なら……
これ以上は言わせねぇでくれ、恥ずかしい!」
あやせの顔から狼狽の色は消えたが、その瞳から光彩も一緒に消えた。
「今でも十分に変態のお兄さんだと思っていますけど……
まさか、桐乃に対してもいやらしい目を向けてるんじゃないんですか?
もし桐乃に手を出したりしたら、速攻でぶち殺しますよっ!」
うん、よしよし、そうこなくちゃいつものあやせじゃねぇよ。
やっぱ、あやせは普段の笑顔のときと、俺を罵ってるときが一番輝いてるよ。
何とか妙な雰囲気からは抜け出せたが、しかし解決ってわけじゃねえ。
「あやせ、俺がおまえの実の兄貴になることは現実的にも不可能だ。
そこで一つの解決策を思いついたんだが……」
「わたしがお兄さんの彼女になるなんて太陽が西から昇るよりあり得ないことですが、
一体どんな解決策を思いついたんでしょうか?」
「――ちょっと待ってくれ、もう一度俺の解決策を自己検証してみっから」
おまえは超能力者かっつーの。
どう考えても無理の無い良策だと思ったけど、先手を打たれちまったら仕方がない。
でも、あやせが俺の彼女になってくれれば四方八方丸く収まるじゃねえか。
あやせは兄貴が欲しい、俺はあやせが欲しい……人間、ときには妥協が必要なんだよ。
「あの……お兄さん、それじゃあわたしのほうから提案してもいいですか?」
730 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/02(日) 01:45:57.03 ID:0mQJ8Nn9o
あやせは俺から目を逸らすと、ゆっくりとその提案とやらを話し始めた。
「わたしがお兄さんの彼女になることは出来ません。
あっ、でもでも、嫌いだとかいうんじゃありませんから誤解しないでください。
わたしはまだ中学生だし、男の人とお付き合いするのはまだ早いと思うし……」
「無理しなくてもいいって、俺のことを嫌いじゃないって言ってくれただけで十分だから」
一向に話が進まねぇな。
俺だってあやせが彼女になってくれるなんて本気で思っちゃいねえし、
あやせのようないいヤツには、俺なんかより相応しい彼氏がいつかは現れるだろうしな。
こうして悩み事を話してくれるだけで、俺にしてみれば十分に贅沢なもんさ。
「お兄さんそうじゃなくて、わたしが言いたいことは……」
言いよどむあやせの口が再び開かれたとき、俺はこの日を一生忘れないと心に誓った。
俺の目を真っ直ぐに見据え、はっきりとした口調であやせは俺に言った。
「……お友達から始めさせてください。
親友のお兄さんとしてではなく、わたし自身の仲のいいお友達として……。
呼び方は……今までどおり、お兄さんになってしまいますけど」
「そっか、そういうことなら俺も……今までどおりあやせって呼ぶわ。
これからもよろしくな、あやせ」
「はいっ、わたしこそよろしくお願いします、お兄さん」
いにしえより十月のことを別名で神無月と言う。
全国津々浦々の神様が縁結びの会議を開くために出雲へ集まるそうだ。
当然のように俺の地元の神様も留守ってことだろう。
俺は秋晴れの空の下、西の空に向かって叫びたい気持ちだった。
おいっ! 疫病神! 二度と地元へ帰って来んなっ――てな。
(完)
731 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/02(日) 02:49:50.83 ID:0tO13r91o
tmrn
732 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/02(日) 03:22:46.90 ID:0YgcvZNio
相変わらずNekoさんのあやせSSは最高だぜ…
GJ!
733 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/02(日) 13:58:35.66 ID:+6rVExAi0
>来年は私立中学の受験
え?
734 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/02(日) 14:47:04.54 ID:aeMYONkNo
おお、日本語超上手いぜ、ブリジットたん。
私立中も合格間違いなしだな。
しかし俺のあやせはどんどん遅れていく
735 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/02(日) 15:00:47.89 ID:aeMYONkNo
ゴメン、日向ちゃんだったんだな。トリップ見てなかったよ。
淡い水彩画タッチの秋の風景を思わせる良作だ。
運動会がんばれよ。
736 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/02(日) 18:05:00.69 ID:uE0tN2eA0
>>730
乙!
運動会か...懐かしい響きだな
737 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/10/03(月) 22:38:50.85 ID:HGk0eZLm0
寒いな……
秋が来たんだろうな、このスレにもさ。
738 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/10/03(月) 23:56:17.27 ID:qDf3ABYAO
そろそろ全裸待機はキツい季節
739 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/04(火) 00:09:27.96 ID:D5cqeUZYo
あやせSSにも秋が来たな
740 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/10/04(火) 18:32:55.56 ID:eAkZMcgAO
秋か……おー寒、なんちってな
741 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/10/04(火) 18:42:33.90 ID:D5cqeUZYo
>>739
は、「秋」と「飽き」を掛けてみたんだが……
たまには加奈子っていうのもいいかも
742 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/05(水) 08:06:34.39 ID:CLULi8Bu0
まあ、俺妹のヒロインはあやせだから仕方ないよな...
たまにはおね...麻奈実さんのSSもみたいな
743 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/05(水) 20:07:35.23 ID:OJI//Zb/0
小学生って・・・ありえねえ。
こんな文章書けるなんてどんな脳してんだ、SSでよくある転生者か。
後世畏るべしって、このことだね。
ともかく乙でした。
744 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/05(水) 21:05:34.74 ID:+qQkYdlb0
一番は加奈子でしょ?
2,3番目も大体加奈子で、4番目はあやせと桐乃、黒猫、沙織
5番目はその他
745 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/06(木) 00:37:25.00 ID:2FpMeenjo
『俺妹』のSSで、京介×あやせのカプは珍しいことじゃないけど、
原作ではそれ程の接点はないんだよね。
あやせはインパクトが強いけど、エピソードとしては数えるほどかも。
何が言いたいのかというと……ネタが尽きてきた。
746 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/07(金) 00:33:36.34 ID:4Ul/mIr20
なんと言うか、設定が浮んでも絶対に途中で筆が止まる
所詮素人だということか
747 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(-長野)
[sage]:2011/10/07(金) 02:00:26.19 ID:QZ131xFAO
>>746
別にSS職人もそれでメシ食べてるわけじゃないからそう悲観することもないと思う
748 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/10/07(金) 11:27:40.12 ID:bfa3MuNAO
以前はここで設定だけ貰って即興で書き始める人とかいたよな
懐かしい
749 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/07(金) 11:29:47.57 ID:tc1EmQtJo
今は個別スレ立ててる人も多いしね。
全体的な作者数は変わってないんじゃないか?
ところで、今はどれくらい個別スレがあるんだ?
750 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 13:59:51.96 ID:Ov8bE+oV0
ごめん、質問…ここのページって何列の何行で一頁?
751 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/07(金) 14:09:55.65 ID:tc1EmQtJo
桐乃おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
↑の横列の文字数×80行
752 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:32:15.39 ID:Ov8bE+oV0
一応681の続き。
でも書いてるのは全部繋がって書いてるつもり
みなさん食傷気味のあやせで誰も待ってないだろうあろう、ロック編。
753 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:35:09.75 ID:Ov8bE+oV0
献身のエンジェル・パラディン
"1"
加奈子のライブから帰ってきた後どっと疲れたが出た。
自宅のベットにうつぶせに倒れ込みしばらく考える。
あ〜あやせのばか、バカ、馬鹿…わたしは何をやってるんだろ。
お姉さんを人が良いとなんて言ってわたしも結局一緒なんだ。
ため息を何度かした時にピピピ
誰でしょうか、こんな時間に…ベットに顔を伏せたまま
携帯を取り出す
「はい、もしもし」
『おう、あやせか』
わたしのため息の原因…相変わらずののんきな声
「お、お兄さん…なんのご用ですか?こんな時間に」
『用がなかったら電話しちゃ駄目だったか?』
「え?、だ…駄目に決まってるじゃないですか!」
積極的にわたしに迫るかと思えば、どっかの泥棒猫といきなり付き合って、別れたかと思えばもう消極的で…
でもわたしのお願いはちゃんと聞いてくれて、結局、何考えてるんでしょうね。
『はは、何か俺の勘違いだったかな、なら良いんだけどさ。
まぁ用ってほどの事はないんだ。なんかさ桐乃と戻ってきて
おまえに会った時に元気なさそうだったんでな』
「ど、どういう意味でしょうか?それ」
『いやだから俺の勘違いなら良いんだって』
全然良くない…でもどうせ気付かない癖に!
「………ド…ンカン」
お兄さん、わざとですか?故意じゃないから余計に悪質…な人
『何か言ったか?』
2,3ターン思い通りにならないとわたしの中の破壊衝動が抑えられなくなる。
([
ピーーー
]、[
ピーーー
]、死んじゃえ、用がないならかけてくるな、この変態、馬鹿)と
息を吸い込んで言おうとした時
『まぁ着拒否は解除してくれたみたいだしさ。それにおまえと話すのは緊張するけど
別にイヤじゃないんだわ。だから何か悩みごととかあるなら話を聞く事くらいは出来る
からさ』
お兄さん…受験生ですよね?その受験生を呼び出してマネージャーをさせた
わたしが言うも変だけど。
優しく無自覚にわたしに語りかける--これならセクハラしてるお兄さんの方がまだ…
ううん何言ってるんでしょうね、わたし。
「わたしは何の悩みもないですよ。お兄さんが桐乃に悪戯しないかが悩みというか
一生の懸念です」相変わらず大嘘つきのわたし…。
『おまえ、まだその誤解解けてないのかよ』
「…………冗談ですよ。本気にする所が何か妙にリアルでもの悲しいですね」
人の夢と書いて儚いですよ、、、お兄さん
『いい加減心臓に悪いからその話題は辞めてくれよ。それで何の話だっけ?』
「……お兄さん、悩みがあるんですよね?わたしで良ければ何でも言って大丈夫ですよ。え、エッチなのは駄目ですけど」
わたしは話題が尽きるのがイヤで電話を切りたくなくて…もっと話がしたくて軽い冗談のつもりでこう聞いてみた。
『……………………………………エロ以外?!』
754 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:39:30.41 ID:Ov8bE+oV0
セクハラですよ、お兄さん…フフフ
「セクハラですよ、お兄さん…フフ?…ふざけるな!」
『おまえのノリ突っ込み風味の突っ込み鋭いな。まぁ悩みか?悩みね…』
あれ?
本当に悩みがあるのかな?わたしはちょっぴり嬉しくなってお兄さんの次の言葉を待つ…。
『そういえば、おまえって麻奈実と仲良かったよな?』
「は、はい、仲良くさせて貰っています。お姉さんがどうかしたんですか?」
『別に悩みってほどじゃないんだが、最近麻奈実の様子が変わってる気がするんだが、
おまえ何か知らないか?』
「え?お兄さん、お姉さんと喧嘩してるんですか?」
せっかく励ましてくれたのに結局微妙な気分にしてくれる鬼畜なお兄さん…そして様子と聞いただけで直感出来てしまうわたし…。
『喧嘩はしてないと……思うんだが』
わたしと喧嘩してる時はわたしが呼び出さない限りは来てくれない癖にお姉さんと
少しでも疎遠だとすぐに気になるんだ…。
喜怒哀楽どれでもない…あの時と同じ気分になってしまう。
わたしは自分がどうしたら良いのか……いいや、やる事は多分もう決まっている。
お姉さんは自分の事は後回しにしてお兄さんとわたしの為にわざわざ仲直りする
キッカケを作ってくれたのだ。
お姉さんに負けたくない--だから二人を仲直りさせる、矛盾してる
けどこれが大嘘つきのわたしの唯一のプライドだった。
「わかりました、聞いてみます…。ホントお兄さんはヘタレで
鬼畜でもうきっと死んでください」と言って返事を聞かずに切った。
数日後、わたしは、お姉さんの家に向かって歩いていた。
相変わらず気は重かったが自分で決めた事なのだ…そんな事を考えながら歩いていると…
目線の先で長い黒髪の女の子が泣きそうになりながら前に立っている男の子に
何やら話していた…何となく耳に入ってくる内容はどうやら告白している様子。
男の子は苦笑しながら何度か頭を下げると真剣さの無い表情でわたしの進行方向に走り去って行った。
女の子は虚空を見てその場に立ちつくしていた…イヤな物見てしまった…。
ますますブルーな気持ちで歩いているとさきほどの男が今度はショートカットの
メガネの子と何やら親密に話していた。
別にわたしには全く全然関係ないのだけど…こいつは女の敵なんだと漠然的なイメージが頭に思い浮かんだ。
そしてまたわたしの進行方向に走り出す女の敵。
そろそろお姉さんの家の目の前まで来た時にまたさっきの男に出くわす。
男はライトブラウンの髪の小さな女の子に近づくとおもむろに抱き上げて抱擁しようとしていた。
わたしはその女の子がお茶を煎れようとしてない事だけを確認するとこいつは女の敵ではなく人類の敵なんだと
納得しながら重心を下げ右足で地面を叩き相手の懐に踏み込みながら天罰の裡門頂肘を相手の顎に叩き込む…
同時に女の子を抱き寄せ、男から引き離す。相手は不意打ちのせいで地面に倒れ込んだ。
「[
ピーーー
]!変態いぃぃィィィ!!」
ついでにさっきの件も何となくイラっと来ていたのでダウン攻撃を二発ほど入れた。
「もう大丈夫だからね」
天使の様な優しい顔のつもりで女の子に問いかけたのだが女の子は一瞬唖然とした後、
気が付いた様に泣き始めてしまった…。
そうかそんなに怖かったんだ…本当に最低の男。
女の子は近くに居たお母さんらしい女性の元に駆け寄っていき騒ぎを聞きつけた
何人かがこちらの様子をうかがっている。
もう大丈夫そうなのでわたしは人類の敵を睨め付けると
「次にまたこんな事をしたら死ぬよりも辛い目に遭わせて、その後必ずぶち[
ピーーー
]から」
と言い残しその場を去った。
755 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:44:21.10 ID:Ov8bE+oV0
人助けをしてちょっぴり気分が回復した後、目的地に着いてお姉さんがわたしを
出迎えてくれた。
わたしの尊敬してやまない田村麻奈実さん。
かなり手強いわたしのもう一人のライバル。
「あやせちゃん〜いらっしゃい」
「いきなり連絡した上にお邪魔しちゃってすいません」
「ううん、あやせちゃんならいつでも大歓迎だよぉ〜」
死んだふりをしたおじいさんとそれを本気で叱るおばあさんに
出迎えられた後にお姉さんの部屋に案内された…。
お兄さんはもうお姉さんの家族の間で公認という仲みたい…手錠で拘束しながら
部屋に入れていた自分を思い出して苦笑した。
お姉さんのお部屋は由緒正しい和室と言う感じでとても整然としていた。
調度品もどれも大人っぽく落ち着いた感じが麻奈実さんの印象そのままだった。
ただベットに置いてある縫いぐるみらしきものだけが…違和感がある印象。
「良い香りがしますね、アロマですか?」
「あ、あろま?ああ〜はは」
麻奈実さんはとても奥ゆかしく笑った。
それから
「お、お姉さん、お姉さんから電話を貰った後にお兄さんと話したんです」
「うん、うん」と肯くお姉さん
「それで色々誤解はあったけど、これからは前向きに仲良くして行こうと言う話で
…桐乃やお姉さんの大切な人ですし」
「うん…そか、そか」
さも自分の事の様に満面の笑みで喜んでくれるお姉さん…。
「だからお姉さんのお陰でちゃんと仲直りする事が出来ました。ホントに…
有り難う御座いました」
「良かったぁ…本当に良かったよぉ…頑張ったね、うふふ」
『自分の事はどうなんですか?お姉さん』
と言おうとして言葉を飲み込む。
桐乃の考えている事は痛いほど分かる、理解じゃなくて実感として…それはきっと
自分自身がそうだから。
だけど麻奈実さんが考えている事はどうしても理解も納得もできない…。
だから桐乃やお兄さんの前での嘘よりもこの人に嘘をつく方が何倍も怖い…。
お姉さんの前ではどうしても毒気が抜かれるのも多分それのせい。
「あやせちゃん、難しい顔になってるよぉ、ほら笑顔、笑顔」
今、今言わなきゃ…
「…………………………」
頭に?を乗せてわたしをのぞき込むお姉さん
お兄さんに負けず劣らずヘタレみたい…です、結局わたしって。
「お、お…お菓子美味しそうですね。あはは」
「あやせちゃんが来るから新しいお菓子作ってみたんだ。
もし良かったら感想聞かせて欲しいな、えへへ」
「あれ…?お口に合わなかったかな…ちょっと自信作だったんだけどな…しょんぼり」
しょんぼりしてしまうお姉さん
「い、いえ…凄く美味しいです。味はもちろん見た目も食べる人の為にちゃんと
気が遣われてて」まるでお姉さんみたい
と言うとお姉さんは花が一斉に咲く暖かい春の太陽の様な笑顔をわたしに見せて
喜んでくれた。
そしてますます言いたい言葉を言いにくくなってしまうわたし…。
756 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:47:45.05 ID:Ov8bE+oV0
そんな時…
ベン!ベンベンベン♪
三味線らしき音の後…
『Get on shower what now! Can you know to call when』
『ギ オン ショウ ワャノ カァ ネ ノ ツゥ コゥ ウエ』?
『祇園精舎の鐘の声』
『She goes new joy now he`ill be already 』
『シィ ゴー ニュ ジョゥ ナゥ ヒィ ビィ ルゥ アルディ』?
『諸行無常の響きあり』
平家物語と英語をそれぞれ足して良いところを全て台無しにした謎の絶叫と音だけはしっかり弾けている
三味線の音が目の前のドアまで近づいてくる。
あれ…このイラっと来る感じ、どこかで?
「あ、ロックが帰ってきたみたい」
お姉さん、この騒音源の名前ですか?それ
『The O shall hit swing now! Call it why Who!!』
の時にお姉さんがドアを開けた。
「ロック、おかえり。お母さんが指輪とかイヤリング勝手に持って行ったって怒ってたよ?」
「姉ちゃん、ただいま!…ロックの為には見た目が肝心なんだぜ」
「…酷い怪我…どうしたの?ロックは喧嘩はしないよね…?」
「そうそう聞いてくれ、姉ちゃん…変な女に殴られたんだよ。
ヤバいくらいの超美人だったんだけど、あれってストーカーだぜ!
だって俺の後ずっと尾行してたからなぁ…マジヤベ…もしかして痴女とかだったら
超緊張する」
「バカ…ほら手当してあげるからおいで。それにお客さん来てるから騒いだら駄目だよぉ?
おじいちゃん達言わなかったのかな」
「じいちゃんまた正座させられてたぜ、だからスルーしてきた。
あんちゃんか?マジ久しぶりだなぁ。あんちゃん!!!」
「「あ!!!!」」と人類の敵ロックとわたしは同時に声を出した。
痴女呼ばわりされたわたしは立ち上がって鉄山靠を入れようとしたが
お姉さんが居た為に残念ながら断念。
「あれ?こちらはあやせちゃん…きょうちゃんや桐乃ちゃん、わたしのお友達だけど
ロックは知り合いだったのかなぁ?」
わたしがお姉さんの言葉で逡巡していると…
「田村いわお…ソウルネーム(魂の名)はロック!よろしくね、あやせちゃん」
と性犯罪者とは思えない屈託の無い笑顔と元気の良い声で挨拶を
してきた…よく見たら笑った顔がお姉さんに少し似ているんだ…。
それでも変態と挨拶するつもりは毛頭なく怪訝な顔を崩さないわたしに対して表情上は
お姉さんに対して変態は独り言を言い始めた。
「いや、今日は参ったぜぇ。最初は俺のバンドのメンバーを好きな女の子が居てさ…
そいつが彼女いるのかどうか聞かれててさ。
次はそのメンバーのヤツだろ…あいつ女みたいな顔してモテ自慢を俺にしやがるしさ。
最後はうち(田村屋)を贔屓にしてくれてるお客の娘さんに挨拶してた時に、ちじょ…
可愛い女の子にちょっとぶつかったのは…」
「ぶつかったの?さっきと言ってる事違うじゃない…痴女のストーカーに…
やられたって。そもそもぶかった傷じゃないみたいだよぉ」
「いや!あれは非常に不幸な事故なんだぜ…」
と独り言の様に肩をすくめながら言う。
多分このロックって子はわたしの為に言わないでおいてくれたのだ。
「初めまして…炉喰う…じゃなかった田村君…お姉さんには
いつもお世話になってます。新垣あやせです」
757 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:53:07.88 ID:Ov8bE+oV0
「あやせちゃんはあんちゃんの友達なんだよな、それなら今日から
俺らも友達みたいなもんだね」
そして延々とお兄さんの武勇伝や素晴らしさ、"賢者の石"の件は
褒めているのか貶しているのかは分からなかったけれど…彼がお兄さんの事を
本当に尊敬しててわたしにそれを伝えようとしている情熱だけは凄く感じた。
「しかしあんちゃんも冷たいよな、たまには顔見せろっての。
…まぁでも別にここで顔見なくたって姉ちゃんは毎日あんちゃんと学校で会ってるんだろ?」
思わぬ所からわたしがここに来た理由の確信に迫ろうとしていた。
わたしは一言も聞き逃さないようにお姉さんを見つめる。
「きょうちゃんはきょうちゃんだよ。ずっと…何も変わってないよ。
あれ…あやせちゃんどうしたの?」
「え?何でも無いですよ…お姉さん…」
露骨に動揺してしまいました…。
きょうちゃんはきょうちゃんのまま…か。
「ま!そっか。前なんか姉ちゃんと一緒に風呂入ろうとしてたもんな…
あんちゃんを崇めてるけどあれはハード過ぎて未だにちょっと引くよな…
ま!あんちゃんはあんちゃんのままならそれで良いや」
「お、ふふふお風呂?」もう周りの反応を関係なく絶叫してしまう
わたし……お兄さん、あなたをもう何と形容すれば良いのか分かりません!
「ろ、ロック!!!のバカぁ…!」お姉さんも絶叫してた。
「それに…同じ…へやで…」「わあはははぅぅぅ」お姉さん?
「どうした?姉ちゃん??」
「ロックは今日はバンドの練習なんでしょ?!町内会で演奏するって言ってたじゃない!」
「あ、ヤベ…町内会じゃないぜ、ギグだよギグ…せめてライブと言ってくれよ姉ちゃん。
じゃぁまたな、あやせちゃん…ゆっくりしてくれよ!」
三味線をギターケースに入れながら彼は走っていった。
お姉さんの家に来る前よりも色々な事を悩む結果になってしまう…その後も色々な話を
お姉さんとしたけれどわたしが一番確かめたかった話題には最後までならなかった。
お姉さんの家族に挨拶して帰ろうとしている時に店先が少し騒がしい…べん!べん!べん!
お姉さん曰く
「あ〜あれか…あれもね、ロックのぎぃぐぅらしいよぉ」
ギグ?お姉さんの話ではどうやら彼が調子に乗って店先で三味線を演奏していたところ
思いの外好評で、特に田村屋に来る若い女性には人気があるらしい。
お店の正面に回ると確かに女子大生や女子高生が何人か集まって手拍子したりリクエストしたりしてて
彼自身も満更ではないドヤ顔で三味線をかき鳴らしていた。
その場面だけみるとご当地のちょっとした有名人の様でもあり音だけなら確かに楽しめるレベルなんだろうと漠然と感じた。
わたしが帰るところを目撃した刹那
「あやせちゃん!帰るんだ…また来てくれよぉ。バイバイ」と
ドヤ顔のままわたしに叫んできた、べんべん♪
そこに居た女の子達は一瞬沈黙のちわたしの顔を見て
『え〜ロックって彼女いたの?』とか『青春だね』とか
勝手な妄想でキャッキャいってるし…。
デレデレしてる…大ダウン攻撃すれば良かったかな…この人。
別に今日会ったばかりの人に本来は恨みはないんだけど…。
誰かさんのせいでわたしを可愛いとか綺麗言う癖に他の女の子にも親しくしてる
同年代の男の子を見るとムカムカししまうのだ。
モデルなんてやってるのにわたしって褒められ慣れてないのかな?
「吉田兄弟みたいでカッコイイですね」と言うとグハ…と彼はズッコケていた。
758 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 16:56:36.59 ID:Ov8bE+oV0
ちょうど切りが良いので一旦中断(汗)
同じ文字続けると規制されるのか…。
759 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:04:26.98 ID:Ov8bE+oV0
続き
"2"
何の成果も無いまま来た道を戻っていると彼が息をきらして追っかけてくる来る…
「どうかしましたか?」
「はい…これ」と手渡わたされたのはお姉さんが作ったものをはじめ色々なお菓子が
詰まった箱だった。どうやらお姉さんがお土産を渡し忘れたらしい。
「アディオス」と言って走り去ろうとする彼。
「あの…ちょっと待って。あの時は本当にごめんなさい!」
「え?ああ…良い肘だったよね、はは。まぁでも事故だし、気にしないでくれよ!
それにあんちゃんが言ってた…女の子に殴られたらご褒美だと思えって!」
……………。
その後もお兄さんの名言、迷言…奇行、蛮行を称揚し続ける…彼…
「あなたは本当にお兄さんの事が好きなんですね」
「ああ、滅茶苦茶好きだぜ!もう愛してるんだ」
お兄さん…いくら変態でもわたしは信じてますからね。
「………ちょっとお話したい事があります」
わたしは最後まで迷ったのだけど、結局この子に相談する事にした。
ヘタレのお兄さんの相談は勇気の出ないわたしから結局お兄さんを英雄だと
思っている彼に伝わった。
「よっしゃ!何だか俺燃えてきたぜ…あやせちゃんは俺の上に乗った気分で安心してくれ」
はぁ〜、本当にこれで良かったのでしょうか、わたし。
後日、桐乃と帰宅している時に電話が鳴る
ピピピ
「そいでさぁ…うちの兄貴ったらね…本当にさぁバカでさぁ」
「ごめん、桐乃ちょっと…」
「あ、うん…」
「はい…もしもし」
『よーっす!あやせちゃん、今大丈夫か?』
相変わらず大きくて元気な声。
「はい…どうかしましたか?」
チラと桐乃に視線を向けると目が合ってしまう
『前に相談されてた件だけど、多分謎は全部解決したぜ。
だからもうあやせちゃんは心配しないで良いから!えへへ』
「そ、そうですか…それってどういう」
と聞いた所で桐乃がニヤニヤしてるのが分かる…
彼が何か語り始めようとするの牽制して後でメールすると
言って電話を切った。
「あれ〜?男の人の声じゃん。あせやって…そういう人いたんだ?」
「ち、違うよ。と、友達…そうお友達な…なんだ」
「へぇ〜。今度紹介してよ!あやせにそういう人いるの知らなかったしぃ…
超興味あるんだよね」
超興味ありそうな顔でわたしの顔をのぞき込む桐乃…何でそんなに嬉しそうなの、もう!
メールや電話で用件を済ませても良かったのだがこちらから相談してる以上はちゃんと
顔を合わせるのが礼儀だと思い、もう一度彼に会う約束をした。
それに彼の話すお兄さんの話を聞く事はそんなにイヤじゃなかったのも理由かも知れない。
760 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:08:54.93 ID:Ov8bE+oV0
「よーっす!」
待ち合わせた公園に彼はもうすでに待っていて、ギターケースを抱えながら声と同様に
元気に手を振っていた。
「お呼び立てしてすいません、お時間とか大丈夫ですか?」
「いやあ、全然!女の子に呼び出されたら台風でも行けってあんちゃんが言ってた。
それに可愛い子と話せるのは嬉しいぜ」
ちょっと良い気分になりそうになったが、例のギグを思い出して結局イラっと
来てしまった。
「さっさと用件言って貰えませんか?」
「え?あ、はい…ご、ごめん」
わたしの煙幕に押されてさっきの勢いは消えてしまう。
お兄さんを尊敬してるならお兄さんの罪も背負ってくださいね。
「けんかしちゃだめ!だよぉぅ」
???!
わたし達の目の前にライトブラウンの髪の子供…この子って確か…
あ、裡門頂肘の時の女の子だ。
「ロック、よーっす!」と元気に挨拶する女の子
「おう!よーっす!」と元気に返す彼。
「こ、こんにちわ!おねぇちゃん!」
「は、はいこんにちわ…け、喧嘩なんてしないよ…ね?」
「このまえロックにきいたの…おねぇちゃん、ロックのかのじょさんなんだよねぇ?
この前はごめんなさい…しっとさせちゃってぇ」
???
「ちょ…こ、これはちょっとどういう事なんですか?!」
「あ、この前聞かれたから…つい」
「ついって何勝手に幼女に大嘘吹き込んでるんですか?!」
「いや…いきなり知り合いが殴られて踏まれてるのを見て…トラウマになったら
不味いかなと思って…その言い訳を…」
「ちょっと…いい加減にしないとぶち殺しますよ!」
「おねぇちゃん、ロックをぶちころさないで」
結局…女の子がお母さんに呼ばれるまで演技を続けましたよ。
今度から問答無用で裁くのはやっぱりお兄さん限定にしておきましょう…
こんな恥ずかしい思いをさせられるなら。
よくも恥をかかせてくれましたね、そこになおりなさいと言おうとしたら機先を制されて
「ごめん、ごめん…いやぁ助かった。有り難う、あやせちゃん」
と何度もぺこぺこ頭を下げる彼。
「はぁーもう良いですよ。そもそも勘違いで殴ってしまったのはわたしのミスですし、
これでおあいこにしましょう」
女の子がお母さんと帰る時にまた『仲良くね』と言ったのでしょうがなく二人で
全力の仲良いアピールをするわたしたち…。
「いや…あやせちゃんってやっぱ良い子だよな。姉ちゃんがいつも褒めてるんだ。
今回の事だって姉ちゃんとあんちゃんの事を心配してくれたんだろ。本当に有り難う…」
この人本当にお兄さんとお姉さんが好きなんですね。
ほんとうは微笑ましい光景の筈なのに、わたしに感謝を述べて頭を下げて笑顔を
向けられている事にとても息苦しさを感じる。
「そ、そんな事無いですよ…………ほんとうに」
「謙遜しないで良いってば、俺分かるもん…あやせちゃんはホント優しい人だって」
761 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:12:38.12 ID:Ov8bE+oV0
違う…本当はそうじゃない…誠実な言葉の前にわたしは嘘をつくことがとても
苦しく辛くなってきていた…。それでも何度もわたしを天使の様に褒める彼。
「……………………ちがう」
「ど、どうしたんだ?あやせちゃん」
「違う、違う、違う…ちがう、ちがう、ちがう!」
「だって二人を仲直りさせたくて色々を気を遣ってくれてるん…」
「わ、わたしの事を何も知らない癖に、わたしの事を何も分からない癖に………
勝手に勘違いして納得してお礼なんて言わないで!」
「……」
「可愛いとか言うくせに、結婚してくれとか言ったくせに、それなのに他の女と
いちゃついて…いつも本当のわたしは見てくれない…くせに……」
わたしは誰に向かって言ってるの?
罪悪感、怒り、悲しみ、諦観…わたしは自分の気持ちを吐露して何か求めているわけではないんだ…
ただもう嘘をつく事が出来なくなっていた…。
「上辺だけはいつもわたしに優しくしてくれても…でも、でも、でも本当は、本当は!!!
桐乃やお姉さんの方しか見てないくせに!わたしのことは全然見てないくせに!」
と言おうとして、多分言葉にならない言葉を発した後に…目の前の彼が悲しそうな
笑顔をわたしに見せて何かを言ってた
「すげぇぇぇえ!!!!!めちゃくちゃあんちゃんの事嫌いだった!んだ…ぜ、俺ってさぁ」
わたしよりも大きな声を出して絶叫する様に言う…彼…。
「昔はさ…俺とあんちゃんって凄く仲悪かったんだぜ!
もうあんちゃんが許せなくて憎くて親の…いや俺の姉ちゃんの敵って気分だった。
まぁそれくらい俺も姉ちゃんの事が大好きだったわけだけどさ」
「だからあんちゃんと姉ちゃんが仲良くし始めたらもう邪魔しまくってやったんだ。
でもさぁそれでも結局どうにもならないわけじゃんか、そういう時って。
だから姉ちゃんとは口を聞かないし子供っぽかったけど飯とか食べないなんて事も
やってた…へへ」
「そしたらどうしたと思う?これがあんちゃんのロックな所なんだが…毎日うちに来て、ずっと俺の真似してんの。
姉ちゃんとも口聞かないし、夕食出されても全然食べねぇし。最終的にはあんちゃんと二人で親には怒られるわ、
姉ちゃんもキレて二人で土下座して謝ったりもしたんだ。
別にそれでさ、いきなりあんちゃんの事が好きになったわけじゃないんだ、多分。
でもさ、あんちゃんの事が好きな姉ちゃんなら、別に俺は多分嫌いにはならないよなって…だから」
「……だから?」
だからわたしに諦めろという意味…だと思った。
お姉さんが好きなお兄さんなら嫌いにはならないだろ?と言いたいのは分かる…
何よりも彼はお姉さんの弟なのだ。
「だから…姉ちゃんもあやせちゃんなら応援出来るのかなって。
あやせちゃんとあんちゃんが仲良くなってくれたら本当に嬉しいんじゃないかって
思ってさ」
「……え?」
「うちの姉ちゃん菩薩様みたいだからな…あんちゃんとは違う意味で尊敬してて、
正直に言えば、何考えてるのか俺も全部分かってるわけじゃないだけど。
あやせちゃんの事を大好きなのは保証するぜ…だから!弟としては微妙な立場だけどさ。
出来るだけど俺も応援するぜ、俺もあやせちゃん好きだしな」
「な…え…と…うん………あ、ありが…とう」
…本当に人の良い姉弟なんだ…
でもこの時わたしは彼に対する疑問がだんだん頭の中に拡がるのを感じた。
何となく結局お兄さんに似てるのだ…この子…まぁ本人が尊敬しているから
そうなるのは自然なのかも知れないけれど…。
それとも優しい男の子はみんなこうなの?
762 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:15:29.64 ID:Ov8bE+oV0
"3"
-----------------------------------------------------------------------------
黄昏時、俺は黒猫と歩いていた。
例の騒動以来久しぶりにうちに集まって今は解散して何故か黒猫と沙織を途中まで
送る事になった。
今は沙織と別れて黒猫と二人になった所だ。
久しぶりに集まって分かった事…それは桐乃と沙織が異常に機嫌が良いなってこと。
沙織は"ですの"と"ござる"の配分がどうも変だし、こんな事を本当に言って良いのか
分からないのだが前よりも美人になった気がする。
まぁ前から素顔は超美少女だったわけだが…。
そして一方我が妹は痛チャリ騒動以来、いつもニコニコ笑顔でちょっと気味が悪い。
別用もなく俺の部屋に入ってきて雑誌を読んだり音楽を聴いたりしてくつろいでたり
するし、逆に例の人生相談でもないのに部屋に呼ばれて、これ美味しいから食べな、
と言われてお菓子ご馳走してくれたりもする。
更に…桐乃の花嫁姿を撮影してたカメラマンが勝手に撮ったらしい痛チャリに
乗る俺と桐乃の写真のデータを俺の携帯に送りつけてきて…おもむろに言ったこの台詞
「よく考えたらさ…このあたしがせなちーに負けたままって、超納得いかないんだよね。
そ、それに引き分けとかも絶対ぃあり得ないから!」
これが後にあんな事態を引き起こそうとは…まぁそれはまた別の話だ。
そして黒猫達を送ってこいと言ったのは桐乃本人だったりするのだがあいつは
何を考えているのか…。
俺はずっと俺ら兄妹って険悪で仲悪いと思ってたけど…実はもう…とっくに…
そんな事をぼんやり考えていると黒猫は「どうしたの?先輩」
と大きな眼をパチパチさせながら俺の顔を覗き込む。
こいつは転校してしまったが話を聞く限りではどうやら上手くやってるらしい。
逆に黒猫の方が俺の近況が気になるらしく…
『先輩は 〜 かしら?』の質問攻めをされている…。
まぁ女子に嫌われて土下座させられそうになったり、麻奈実とも色々あるなんて
言えないよな、適当に誤魔化すしかない。
ふと…こんな姿またクラスの女子に見つかったらどうなるんだろうかという恐怖で
寒気がした。
…その恐怖が現実に伝染したかの様に見知った顔が俺の前方にあってその光景が
俺に電流を流すかの如く衝撃を与える。
あれってもしかしてあやせ…なのか?
し、しかも男連れてるし…何か楽しそうに話してるよ…。
何でこんなにドキドキするんだろう、ついでにかなりばつも悪い。
黒猫は俺の横顔と正面を何度か見て何かを言いかけていたが…
俺はとっさにヤバイと思い黒猫の手を引いて隠れようとした…。
何でそんな事をしようと思ったのか、何故一瞬呆気に取られていた黒猫がすぐに
蠱惑的な顔になり手を握ったまま動こうとしなかったのかは分からなかった…。
対面した二組のカップルがすれ違おうとしている…俺は隠れる事を諦めて
あやせといる男は誰か確かめる事に意識を集中する…他に何をして良いかなんて
分からなかった。
だが結局、俺のその誤魔化しもすぐに出来なくなった。
「おお!あんちゃんじゃないかよ!よよよーっす!!あんちゃん」
見た目は幾分変わった様だがその男の顔は明らかに麻奈実の弟
ロックの元気な笑顔と声だった…。
こいつ、あやせと仲良かったのか…全然知らなかったわ…
だがそう分かった後でも居心地の悪さは何故か変わらない。
763 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:18:01.84 ID:Ov8bE+oV0
「よーっす!ロックか、久しぶり!おまえ背伸びたんじゃねぇか?」
次の俺の誤魔化しは黒髪の美少女二人をスルーしてロックとたわいない話をする事だったが、
握っている右手に圧力を感じて引っ張られる…
「先輩…紹介して貰えますか?」
「ああ…あやせとロック…あやせは知ってるよな?」
そう言って黒猫に二人を紹介してやる…。
当然、あやせも自己紹介すると思っていた…のだが
「お兄さん…彼女とは別れたと聞いてましたが?」
「へ?」
「お兄さん、わたしの言った事聞こえませんでしたか?」
「……」
完全に存在を無視されている形の黒猫が突然笑い出す…
「クク…フフフ『お兄さん』…ね、懐かしい響きだわ。私も久しぶりに言ってみよう
かしら……」
「ねぇ兄さん、この人達に私達がどれだけ仲良いか見せつけてあげましょうよ…
ほら兄さん」
神猫の時は手を繋ぐだけでも緊張しまくってた癖に今は手を握たまま腕まで
絡ませようとする。
「おまえ…"兄さん"は卒業したんじゃなかったのかよ?」
「…それはあの女の前だけの話よ。他の誰かに呼ばれるくらいなら私が…ねぇ兄さん…」
完全に何かに酔っている顔…たしかに桐乃といる時は絶対に見せない筈の闇猫だった。
黄昏に俺を兄と呼ぼうとする黒髪の美少女が二人
もう悪い予感だけが…瘴気が拡がってる様な錯覚すら覚える。
もし仮に何か儀式するとしたなら…今この状況で呼び出されるものは
"とてつもなく恐ろしい何か"…だろう。
『…桐乃も…お兄さんも全部…全部…ぜんぶ…わたしから…取…』
あやせは何か呟いていた…本当にまるで召喚する呪文の様に…
瞳に光彩がない…夏コミの時に一回だけ見せた冷たい表情…
あの時は多分桐乃しか見てなかった。
「フフ…あなたこそ田村先輩の弟さんと随分仲が良いように見えるのだけど?」
黒猫はなおも空気を読まずにたたみ掛けようとする…と思ったが…握られた手は震えていた…。
何で今…こいつは強情なんだ…。
「だ、だったら…もしそうだったらどうなんですか?!お兄さん…
わたしが彼と仲が良かったら…お兄さんは………」
あやせはロックの手を無意識に握って俺に問いかける…
その双眼はあの時の桐乃を見る様な眼で俺を睥睨する…。
俺は夏コミの後、桐乃を抱きしめて好きだと言って事態を納めた。
でも今は黒猫の手を振りほどいて…他の誰かを抱きしめるわけにはいかなった。
俺はもう無力だった…何も出来なかった。
『…もう…うそ…つきたくない………つかない』
とあやせが言った様な気がしたのと同時に
『ばぃぃぃちぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!』と渇いた音が響いた…
何が起こったのかロックは強引にあやせの手を振りほどき、ニコニコしながら言った。
「へへへ…冗談キツイな!新垣さん…さっき初めて会ったばっかじゃん」
と一人ロックがこの雰囲気に不釣り合いの声で続ける。
764 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:21:30.92 ID:Ov8bE+oV0
「あんちゃん、俺と新垣さんは単なる知り合いだよ!分かってるよな?な!」
「…ああ」
「黒猫さんもね!」「…ええ」
あやせだけが黙っていた…顔を伏せているで表情も分からない。
「あんちゃん…俺はさ…。あんちゃんを尊敬してるんだ!
俺の目標なんだよ!だからさ…俺にあんちゃんをあんまり見損なわせないでくれ…よ」
俺は無言で黒猫から手を離すとロックに近づく…と服の胸ぐらを掴んで強引に引き寄せた。
黒猫は一瞬だけ表情を強ばらせた…、あやせも伏せていた目をこちらに向ける…。
多分、彼女達は圧倒的な暴力の予感がしていたのかも知れない…
それほど雰囲気が悪かったのだ。
俺はそのままヘッドロックするとロックをくすぐった…
「ぎゃはっはは…辞めてくれよ、あんちゃん冗談だって…ひひひ…いやぁ…やめて」
最初にロックが笑った、次は俺が笑う…やっと黒猫も笑ってくれたが…
あやせは笑わなかった。
結局…ロックを抱きしめたって状況がよくなるわけがない…
俺は顔では笑っていたがあやせの事が気になり続けていた。
「ぎゃはっは…ちょっ…もう辞めろよ…姉ちゃんの…教えて…」
「麻奈実がどうした?」俺はやっとロックを解放してやった。
「へへ…プレイボーイのあんちゃんに姉ちゃんから伝言だぜ!」
『きょうちゃんがクラスの女子に虐められてるのが見るのが可哀相なのでなるべく、
みんなを刺激しない様にそっけない態度を取ってたけど…きょうちゃんが淋しいなら
いつも通りで大丈夫だからね。
それにきょうちゃんがどうしても辛いなら言ってね!
わたしも一緒に女子に謝ってあげるから。
PS今年は受験!一緒に頑張って合格しようね(ハート)』
そうか…あいつは別に俺にムカついたから無視してたわけじゃないんだ…
全部俺の為に、我ながら情けない。
ちゃんとする…なんて多分麻奈実の前では当分しばらく言えそうにない。
「ぎゃははは…あんちゃん、相変わらずダッセな、ぷぷぷ…」
ロックが大爆笑してると…となりであやせは
「…きょうちゃんはきょうちゃんのまま…何にも変わらない…か、ふふふ……」
今度は狂気じゃなく本当に美少女らしく可愛らしく笑っていた。
あやせが笑い出すと今度は黒猫が何か深く考え込んでる様子。
どうやら黒髪の美少女はお互い笑うツボが違うらしい…。
「お兄さん…わたし決めました!今日は何が何でもぶっ[
ピーーー
]つもりだったけど、
特別に執行猶予にします!」
「へ?」一応命拾いは出来そうで嬉しいが執行猶予とは?
「それにわたし思ったんです、お兄さんをすぐ楽にするのは生ぬるいのかなって…。
死ぬよりも辛い後悔の方がお似合いなのかも知れないって」
可愛いらしい笑顔で鬼畜な文言…いつものあやせに戻った様だ。
「さようなら…お兄さん、黒猫さん。
あ、それと黒猫さん…あなたとは当分お友達にはなれそうにないので…
夜道では気を付けてくださいね」
「フフ…良いでしょう…ヒロインは、黒髪美少女キャラは、二人も必要ないわ」
と黒猫も物騒な事を言ってたが実は声も身体も震えていた。
ロックと俺は、相手の顔の引きつった表情をお互いに鏡の様に確認していたのだが…
「ロックさん…もう帰りませんか?」とあやせが言った。
765 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/07(金) 17:25:05.95 ID:Ov8bE+oV0
ロックは一瞬何を言われたのか分からない様子で俺の顔を見た。
しばらくあやせはその様子を見ていたのだが…
「あーそうでした。私たちは全然他人でしたね。すっかり忘れてました。
ロックさんも夜道に気を付けて帰ってください…さようなら」
と物騒な事を言ながら俺らを通り過ぎていった。
「待ってくれよ、あやせちゃん…男は女の子の帰り道を送るのが当然だって
あんちゃんが言ってたんだから!」とあやせを追っかけて行った。
俺はそんな事言った覚えねぇぞ…。
と思ったらロックが速攻で戻ってきた…。
「忘れてた。黒猫さん…黒猫さんはあんちゃんの友達なんだよな?」
「…ええ…一応」ちょっと眉毛をピクピクさせながら黒猫は言った。
「ならあんちゃんの友達は俺や姉ちゃんの友達だ!気が向いたらうち遊び来てくれよ!
二人共、アディオス」と言って今度こそ消えていった。
『いつまで待たせるんですか?わたし、今凄く機嫌が悪いんです。
それに…わざわざ泥棒猫…に…一体どういうつもり……もうあなたからぶ…ち…』
みたいな怒号の幻聴が遠くから聞こえた気がしたのだが…気のせい、気のせい
「なんだよ、あいつら結局、仲良いんじゃねぇか」
ほっとした気分と寂寥感…でもまぁ…良かったのかもな、多分。
あれがロックじゃなかったらもっと違う気分だったのは間違いない。
「あら…先輩、ちょっと淋しそうな顔ね」
「よせよ、それにしても…やっと兄さんごっこは終わりか?」
「あら、もっと呼んで欲しかったのかしら?」
「全力でお断りします」全力でだよ!
「そう言えば…先輩は厳密には私の学校の"先輩"ではないわね?」
と独り言の様に呟いて黒猫が何か考えている表情。
「どうしたんだよ、黒猫?また兄さんと呼ぶつもりか?」
「……………………きょうちゃん」
「グハ……………お、おまえ…次は何ごっこだ?」
でも黒猫が桐乃の真似をした時の様には、麻奈実の真似をしてる感じは全くしなかった。
「ベルフェゴール……本当は…ごっごで済めば良いのだけど……」
『でもそうはいかないでしょう?』と俺に顔を向ける黒猫
……俺もからかって瑠璃と呼ぼうとしたが何だか黒猫の真剣な表情を見て
勇気がなくなり、麻奈実の顔も浮かんで恥ずかしくなり結局辞めた。
おわり
766 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/10/07(金) 18:29:28.68 ID:ULBiNj+ho
きょうちゃんはクるな
乙
767 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/10/07(金) 19:46:45.50 ID:+k/u4YWAO
>>749
今現在、
1.安価で悪戯
2.願い(桐乃)
3.あやせ
4.人生相談(桐乃)
5.黒猫
6.夫婦(桐乃)
7.沙織
8.落ち着かない(加奈子)
がある。
安価スレが一番コンスタントに更新されて勢いがある。
あとはスレッド一覧の番号順。
768 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/07(金) 20:45:45.65 ID:I6HgdXf00
>>765
乙!
前より読みやすくなってた。ロックの使い方も良かっよ
あとあやせが足りないくらいだからむしろありがたい位だよ
769 :
安定の早見沙織ちゃん!
:2011/10/07(金) 23:14:30.04 ID:2u60ALuqo
京介「あやせ…その、お前には彼氏とかいないだろうな?お前にまで彼氏がいたら,俺悲しくて死んじまうよ」
あやせ「いたらなんだって言うんですか?別に私、アイドル売りしてるワケじゃないですし、彼氏がいても何もやましい事とかありませんから!!」
京介「」
あやせ「それに…私が彼氏を作らないのは…」チラッチラッ
京介「ん?どうした?」
770 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/07(金) 23:34:43.22 ID:+Qt3iMRCo
>>765
乙!
あやせとロックとは意外な組み合わせだったけど、キャラの掛け合いが上手く書けてて面白かったぜ。
あやせvs黒猫の修羅場も良かった。
771 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/08(土) 01:26:25.12 ID:DtmOMrmDo
最近原作で出番のないロックを出したのと黒猫あやせの緩衝材としての
役割を担わせたアイディアに感心した。乙です。
772 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/08(土) 07:30:11.80 ID:PotMSreoo
>>769
ワロタ
773 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/08(土) 08:37:58.37 ID:10HqgVrh0
>>769
続きまだ?
774 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/08(土) 15:02:35.59 ID:mm3xxTj9o
長文が投下された後でこんなの投下したら失礼かもしれないけど……
夕暮れの児童公園――
俺はベンチの上に立ち、夕焼けに染まる西の空を仰ぎ見ていた。
「よっと! ……お待たせしました」
遅れてやって来たあやせは軽い身のこなしでベンチの上に立つと、
俺に寄り添うようにして空を見つめた。
「あやせ、五分の遅刻だな」
「うふっ、ごめんなさい。……何を見ていたんですか?」
俺は西の空の一角を指差しあやせに言った。
「あやせには、あの星が見えるか? あれは死兆星っていうんだ」
「見えますけど、それがどうかしたんですか?」
ふっ、ついにあやせにもあの不吉な死兆星が見えるらしい。
ならばこの勝負、五分と五分だ。
「説明は後だ。取り敢えず、いつものやつをおっぱじめようじゃねぇか」
「ええ、望むところです」
俺とあやせは互いの健闘を祈り、そして背中合わせになった。
勝負はいつだって時の運だ。
775 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/08(土) 15:03:18.32 ID:mm3xxTj9o
「「ドンケツ ドンケツ ドンケツ ドンケツ…… それっ!(えいっ!)」」
地べたに這いつくばる俺と、ベンチの上で高らかに笑うあやせ……
「これでわたしの3連勝ですね、お兄さん」
「ドンケツに負けたからって、人生の勝負にまで負けたわけじゃねぇよ。
いいかあやせ、先に5勝した方が最終的な勝者なんだよ。
負けた方が相手の言う事を何でも聞くって約束だからな、忘れんなよっ!」
「お兄さん、そういうことはわたしに1勝でもしてから言ってください」
女子中学生にここまでコケにされて何も言い返せない俺。
やはり、ドンケツと4回目に言ったときにフェイントを掛けて腰を引くべきだった。
「これ、使ってください」
あやせがハンカチを俺に差し出した。
レースのふち飾りがある、女の子らしいきれいなヤツだった。
「いや、こんなきれいなの……汚すわけにいかねぇし」
「別に汚れたって構いませんよ。
……だって、今度お兄さんに新しいのを買ってもらうつもりですから」
夕陽を浴びて、何もかもがオレンジ色に染まっていた。
あやせは敗者にかける慈愛のこもった眼差しで俺に手を差し伸べる。
俺は借りたハンカチを握り締め、明日こそはと心に誓った。
(完)
776 :
安心の早見沙織ちゃん!
[sage]:2011/10/08(土) 15:40:36.55 ID:GrM8NwZio
>>774
いつも拝見してます。レス付けずに割り込み失礼
>>773
こんなのでどうか
京介 「え? おまえ、アイドル売りじゃなかったの? どこかで見た
けど、おまえ歌とか実は超上手いじゃん。
まぁ、昔の写真とかは、いつも怒ってるみてぇで、まゆ毛とか
正直恐えぇよ。でもおまえ、前髪下ろしてたら、めちゃ可愛い
じゃねぇか。特に右のほっぺとか左のほっぺとか。」
あやせ「まゆ毛とほっぺは余計です! 何でそんな最っ低ーな誉め方に
なるんですか。だいたい、お兄さん、麻奈実お姉さんと同級生
の人の同棲発覚にも一枚噛んでたそうですね?
わたし、お兄さんとは絶対にプリクラとか撮りませんから!
それから、もう、桐乃のいない時にお兄さんの家に行くのも
お断りします! 二度と誘わないで下さいよ?
どうしても会いたかったら、水族館とかプラネタリウムとか
海の見えるホテルとか満天の星をいただくバンガローとか」
京介 「おい!」
777 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/08(土) 20:31:16.74 ID:10HqgVrh0
>>775
>>776
W乙!
778 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/09(日) 00:28:56.48 ID:gmwSzoTq0
まとめwikiの一日あたりの訪問者数が、1000を切るのも時間の問題か
779 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/09(日) 20:44:21.19 ID:1U96MVKAO
>>776
おつ〜
そこで京介が「よし任せろ!」と返さなかったのは選べなかったからだよね?
こうですかわかりません
――というような課題を出されちまってな
「ハァ…で早くも白旗上げてあたしにアドバイスを乞うと」
頼む桐乃、あやせの機嫌を戻せる最適解を探り当てなきゃならないんだ。
俺ひとりじゃ絞りきれん。
「仕方ないか。あーあ、残念な兄貴を持つと苦労するわ」
桐乃…恩に着るぜ
「じゃあ、水族館」
早っ!? 何その迷う素振りもない即決?
ホントにそれで間違いないのか?
「そもそもあやせが言い出したことなんだから、その中に当たりハズレは無いでしょ。なんでわかんないかなー」
そういうものか……だが、だとしたら俺に選ばせる意図はどこにあるってんだ
「思いつきを並べただけなら、兄貴のセンスに任せたってことでしょ? でも…」
でも、なんだよ。
「それ以前にあんたにあやせを満足させるエスコートが出来るかどうかが問題よね」
780 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/09(日) 20:44:48.86 ID:1U96MVKAO
ぐぬ……たしかに、悔しいがその懸念は否定できん。
「そこでやっと相談相手にあたしを指名したことが生きてくるわけ。珍しく勘が冴えてたじゃない」
…もう少し噛み砕いた説明を希望する
「だからさ〜、あやせの好みをある程度知ってるあたしが、兄貴のエスコートにダメ出しして修正してあげるっての」
ダメ出し前提かよッ
「拗ねない拗ねない。というわけで、今度の休みは水族館ね。候補はピックアップしとくから後で目を通すこと」
(こうして桐乃プロデュースにあずかることとなった次第だが……
(何故だろう、妹にうまく言いくるめられたような感じが拭えないのは
「そうそう、勿論プラネタリウムも、海の見えるホテルも、満天の星が見えるバンガローだっけ?も、順番に行くかんね」
ちょい待て。俺の財布にはそこまで余裕ねーぞ
「安心しなさいって。兄貴を鍛える以上、多少の投資はあたしが持ったげる。やるからには徹底的に楽しまなきゃ!」
おまえ、結局自分が楽しむ気満々じゃねえか…
781 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/09(日) 23:17:54.86 ID:Lmtvwkqk0
あ、ありのまま...
いつの間にかあやせから桐乃にシフトチェンジしてたでござる
しかし桐乃が久々にきたな
782 :
安心の早見沙織ちゃん!
[sage]:2011/10/10(月) 01:08:20.63 ID:+eJ85Icho
>>779
乙
「………という感じで、お兄さんとのお話を切り上げてきて
しまったんですけど………。」
「そーだねぇー?、ぱぱらっちさん、とか、すとーかーさん、
って、恐いよねぇ?」
「はい、お姉さん。わたし知り合いの焼肉パーティーに参加
した事があったんですけど、なんかそれもい…いかがわしい
集まりみたいに話を広められて、凄い嫌な思いもしましたし。」
「でも、あやせちゃんは、きょーちゃんと、でーと? にも
行ってみたいんだよねぇ?」
「お、お姉さん。デートじゃなくって、ですね、」
「お出かけの時のきょーちゃん、すっごく優しいし、頼りに
なるよ?」
「そうなんですか?」
「うん。昔ね、遠足の水族館でわたしが水槽の鮫に睨まれて
泣いた時も、頑張って睨み返して追い払ってくれたんだぁ。」
「………鮫に勝る目つきの悪さですか」
「あやせちゃんは、水族館、いった事があるの?」
「水族館ですか? 小さい頃には家族で行ったと思いますが、
あんまり記憶に無くて、どんな雰囲気の所なのか解りません。」
「きょーちゃんと、行ってみたい?」
「そうですね、冗談を真に受けて、本当に誘いに来ないとも
限りませんよね、あのひとは。」
「じょーだん、なの?」
「冗談に決まってるじゃないですか。仮にですよ、わたしが
お兄さんと水族館に行って、そこで誰かの写メとかに写って
ブログっていうんですか?ああいうのに載せられでもしたら、
お仕事でも事務所に迷惑がかかっちゃいますし、家に帰ると
父のスキャンダルの原因になったりすると勘当モノですから、
変装グッズを揃えたり、万一に備えて発煙筒や催涙スプレー
を手配したりとか、まだ少ししか準備できてないんですよ?」
「け、結構真剣に考えてるんだね? でも、水族館の中って
ふつう暗いから、写真には写らないんじゃないかな?」
「そうでしょうか………? あの、お姉さん。時間があれば、
今度のお休みに、水族館をご一緒して頂けないでしょうか?
あと、暗いところでお兄さんが間違いを起しやすいポイント
とか、キザったらしいセリフを口にしそうなタイミングとか、
そういう、お兄さんの取扱い方法をレクチャーしてくれると
助かるんですが。」
「わたしも、きょうちゃんぶりーだー、じゃないからねぇ。
でも、おっけ。行こうね、あやせちゃん。」
「はい、お願いします。」
783 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/10(月) 01:12:05.60 ID:+eJ85Icho
同日、五更家
「ねぇさま、おしゃかなさんが見たいですぅ」
「いいじゃんルリ姉、今度の休みはみんなで水族館行こうよ」
「………仕方ないわね」
同日、赤城家
「瀬菜ちゃん、高坂のやつ妹と水族館に行くらしいぞ」
「桐乃ちゃんもそんなこと言ってたけど、なに、お兄ちゃん、
桐乃ちゃんに嫉妬?」
「違う! しかしそんな事を俺達に言って来るとは、これは
高坂たち、ほっぺにちゅー以上の何かをしに行く気だな。
よし、俺達も負ける訳にはいかないぞ、瀬菜ちゃん」
「あれ以上って、何すればいいの、お兄ちゃん」
という具合に、修羅場要因で盛り立ててみましたので
らぶらぶ兄妹デートどぞ
>>779
784 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/10(月) 07:39:26.81 ID:s2ddYaNco
桐乃「小学校のときの彼氏と撮ったプリクラがネットに流れた…orz」
黒猫「フッ。そんなの私が3年ほど前に通過した道よ」
桐乃「まぁ、そんな私たちも今は百合カップルなんだけどねー」
黒猫「ちょっと恥ずかしいじゃないの//やめて頂戴///」
キャッキャウフフ
京介「うわああ!黒猫と桐乃のCD、ポスター、イベント…更には黒猫デザインのトートバッグまで…計100万は注ぎ込んだのに」
京介「…死ぬかな」
京介「ああ…」ウッ
京介「いいんだ…クソ…俺は永遠のアイドル、かなかなちゃんと生きるんだ…」ケンジャ
785 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/10(月) 07:49:07.82 ID:DGmiStdh0
>>782
毎度の事ながら...
乙!
786 :
779
◆zuyqegPIRY
[sage]:2011/10/10(月) 16:32:32.63 ID:jN6GlhEAO
むぅ
せっかく御膳立てしてもらったのに残念ながら自分には783の続きは厳しい。
何度か考えてみたものの、人数が人数だけについ某海洋テーマパーク閉鎖脱出ものみたいな連想に捕らわれ…
てゆーかデートで水族館とか行った例しがないから取材にいかないと書けないぽ。
これは単に個人的な拘りでしかないけどさ
らぶらぶ兄妹デートはすごい魅力的なお題だけに、書けないのがもどかしいってばよ。
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/10(月) 21:08:21.09 ID:+eJ85Icho
>>784
収録時はここから始めるといかも
>>786
変に安価渡してごめんな でも断片でも書いてくれると嬉しい
しかし海洋テーマパーク閉鎖脱出もの はギャグ落ちに最適かもしれん
水族館内 五更家ご一行
「ねぇさま、あの、ひらべったいお魚さんは、なんでしゅか?」
「シビレエイ・・・かしら。エイの中では珍しい電気魚の一種ね。」
「ルリ姉、電気魚ってなに? 電気で動くの?」
「そんなはずないでしょう? 電気魚は、身の回りに強い電界を作って
外敵から身を守ったり、あと、そうね、弱い電界を用いて、近くにいる
生物の種族や性別を覚知している、とも言われているわ。」
「へぇ〜、お魚にもルリ姉みたいなのがいるんだ。」
「日向。あなた、それはどういう意味なのかしら?」
「いや、ルリ姉の電波とどっちが強いかな、と」
「・・・珠希、行きましょう。日向の夕ご飯はおかず抜きに決定したわ。
さばくだけはさばいてあげるから、せいぜい、ここでおいしそうな魚を
見繕っておくことね?」
「それはないよルリ姉ぇーっ」
「? ねぇさま、どうかしましたか?」
「・・・何か嫌な予感がするのだけれど。」
「あ! ルリ姉、高坂くんだよ! あそこで、ビッチお姉さんと一緒に
水槽見てるよ! 凄い! ルリ姉の電波って、魚より全然凄いじゃん!」
「日向は、ご飯もお味噌汁も抜きとして。・・・こんな家族サービスか
アベックの逢瀬にしか使われないような場所で、先輩は寄り添った妹の
肩に手を廻そうとしたりして、一体何をしているというの!?」
「? ねぇさま、なにか言いましたか?」
「いえ・・・、行きましょう。奈落の底までも。」
788 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/11(火) 02:51:13.94 ID:Dcly9d+AO
パソコンのディスプレイが粉々になるとはこれいかに
携帯でSS書きだめするのは流石にきついな
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/11(火) 02:51:44.66 ID:Dcly9d+AO
パソコンのディスプレイが粉々になるとはこれいかに
携帯でSS書きだめするのは流石にきついな
790 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/12(水) 20:21:58.09 ID:oigYN8PAO
エラーが出ても確認しろとあれほど
今現在でまとめサイトの訪問者って一日あたり何人ぐらいなの?
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/12(水) 20:27:04.41 ID:s6l064a9P
昨日は1278
PVかユニークアクセスかは知らん
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/12(水) 21:10:26.53 ID:a7lVy9/3o
まとめwikiの訪問者の100人に1人の割合でも書き手がいれば、
このスレもお祭り騒ぎだろうな……
連載物には連載物の面白さが、
1話読切りにはまたそれなりの面白さがあると思うんだけどね
793 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/12(水) 21:52:18.94 ID:8ac/9zfa0
一応765の続き。
全部ツンデレだと言いたい事が書けないので高坂兄妹の精神年齢を
勝手に+5歳で。
794 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/12(水) 21:55:44.93 ID:8ac/9zfa0
キャッチャー・イン・ザ・ポテト
事件は桐乃がこう言った時に始まった。
「よく考えたらさ…このあたしがせなちーに負けたままって、超納得いかないんだよね。
そ、それに引き分けとかも…絶対ぃあり得ないから!」
と例の痛チャリに二人乗りしている写真を俺のデータに送りつける…
どうやら撮影スタッフが面白がって撮った写真らしい。
「げぇ…なんだよ、この写真…それに前の戦いは…あれで終わった事じゃ…」
流石に頬とはいえキスする様な兄妹に勝てる気は全くしない。
「あんた…これを見ても同じ事言えんの?マジで超トラウマ…。
もう一回見るのも絶対ぃイヤなんだけどさぁ、これ」
「なんだよ、この"桐乃くん"ってのは…おぇぇぇ…ひ、酷すぎる…。
しかもググったら"桐乃くん"、滅茶苦茶ヒットしてる…し」
「これでわかったぁ?これは高坂家のプライドの問題なんだからね!
あんたの可愛い妹が汚されたんだよ!アホ面浮かべたままこの非道を許すつもり
じゃないでしょうねぇ?!」
どちらかと言うと画像とそれを見てた奴のコメントで俺が主に汚されてるのだが…
あの雄腐乱子人め…本当に腐ってやがる。
「だ、だけどさ…確かに痛チャリの写真はインパクトあるけどよ。あのキス画像にとても勝ったとは言えないんじゃ…」
「う゛…た、確かに…ってちょっとぉ…何でエロい眼であたしの事見てんのよ。
マジキモ、絶対しないって言ったじゃん…何期待してんの。あたしはせなちーほど
ブラコンじゃないっての」
赤城よりも瀬菜よりも俺に一番の悪態をつく妹が急かすので、しかたがなく赤城に挑戦的な文面と写真を貼付したメールを送る。
そしてほどなくしてメールの返信が
『高坂君…なかなか良い線は言ってる様だが……まだまだと言わざるをえないな。
まぁどうしても言うなら胸を貸してやらない事もないが…』
胸と言うキーワードで瀬菜の胸を想像した俺の隣で桐乃は…
「上等じゃん…絶対に負けないんだから」と言った。
後日
「…………それで何で私があなた達兄妹の変態プレイに付き合う事になってるのかしら?」
とマニアを見る様な眼で俺に聞いてくる黒猫。
「はぁ?あんたがヘンテコなノートで一緒に居たいとか書いてるから誘って
あげたんじゃん。マジ感謝しなさいよね」
「べ、別に…そ、そんな意味で書いたつもりはないわ」
「まぁこいつがセクハラしないか、あんたにも見張ってて貰いたいんだよね。
いくら演技でもシスコンこじらせてるからエッチな事…されそうだしさぁ」
「おい、いい加減にしろよ、どんだけ俺を誹謗中傷すりゃ気が済むんだ、おまえ」
「今更、シスコン否定しても手遅れでしょ?ぷ…ねぇ黒猫…」
「まぁ確かに京介先輩がシスコンなのは間違いないわね…良いでしょう、フフフ」
例のごっこ事件以来、俺の事を"京介先輩"と呼ぶ黒猫…は嬉しそうに笑った。
「ところで沙織はどうしたのかしら?またハブられたとか言って怒り出したら、
私は知らないわよ」
795 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/12(水) 21:56:36.69 ID:XWRnZWyAO
それぐらいはいるんじゃね?>1/100
例えばの話、
ここ2,3ヶ月で俺妹のSSを一編でも書いたって人数だけで10人は下らないんだしさ
796 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/12(水) 21:58:14.35 ID:8ac/9zfa0
「人聞き悪いな…そりゃ俺たち色々有ったけどさ、こんな楽しそうなイベントにあいつを誘わないわけないだろ?」
と言って…急に小声になってしまった。
何故なら今日は打倒!赤城兄妹の為に桐乃とデートした動画を撮ろうとしているのだ…
はは、楽しいイベントか。
全く…桐乃に人生相談された時には絶対に考えられなかったよな。
まぁ…こっぱずかしいが結局俺は桐乃や黒猫にシスコンと呼ばれてもしょうがない
のかも知れない…。
それで黒猫や沙織…色々な人達に会う事も出来たし、実は最近ちょっとだけ
誇らしい気分でもあるんだ。
「やや…みなさん遅れて申し訳ありません…。拙者、今日は凄く楽しみにしておりまして、ずっと眠れませんでしたの」
一人称が拙者でお嬢様言葉のお嬢様が到着した。
「そいでさ…どうすんの?」
「それは拙者に任せてください。この通りバッチリ、シナリオを用意してきましたぞ…」
沙織に渡された脚本にじつに色々な場面設定が書き込まれていた。
そして最後のページに…三浦・アズナブル・絃之介と槇島・バジーナ・沙織の共同署名が…。
普通なら全力で突っ込む所だが…そっか…良かったな、沙織。
そういや、前に桐乃に頼まれて偽彼氏なんてやってたっけ。
あの時は彼氏だった…今回はあくまでも仲が良い兄妹として振る舞わなければ駄目なのか。
「お兄ちゃん…どこに行きたい?」
少し言いづらそうだが桐乃は言い淀む事もなく台詞を言う…。
「…」「お兄ちゃん…?」 「……」 「お兄ちゃん??」
バチィン!
「痛てぇ…何するんだよ?」
「あ、あんたが黙ってるからでしょ?何、地味顔あたしに向けて黙ってんの?」
「カット!…京介氏…良いですか?リアルではないとは言え、リアリティを出すには
なるべく無理な編集を入れず、ドキュメンタリーの様に撮影しなければなりません、
大丈夫でござるか?」
「フフフ…リアリティね…とても便利で素敵な言葉だと思うわ」
黒猫は何がおかしいのかずっと笑っていた。
「あ、そっか…悪りぃ…な、なんか…恥ずかしかったからさ」
「は?!何言ってくれちゃってんの?そんなのあたしの方が何億光年倍も
恥ずかしいに決まってんじゃん」
「恥ずかしいと言うよりも…何か懐かしい…と言うか」
懐かしいのは前の偽デートの事ではないと思う…桐乃に"お兄ちゃん"と呼ばれて手を
握っていると…かなり変な例えなのだが机の中を開けて昔の写真を見ている気分になる。まぁでも多分俺の勘違いだよな。
またどうせ怒鳴られてると思っていたのだが…桐乃は
「………そう…なんだ…まぁこのあたしが我慢してあげてるんだから、あんたもちょっとは我慢してよね…分かった?」
「…ああ」 不思議な感覚…でもやっぱり幻想の既視感なのか。
その後は桐乃の恥ずかしさは伝染していたが…自然に会話する事が出来た様な気がする。
ついでに前セクハラとかエロいとか言われた事を極力気を付けて、なるべく気を遣って桐乃と一緒に歩いた。
遠くで撮影してる二人はどんな顔で俺らの事を見てるんだろう…周りの人には俺らは、
どんな風に見えるのかな?
多分きっともう仲の悪い兄妹には………。
797 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/12(水) 22:00:39.62 ID:8ac/9zfa0
そんな事を考える俺に電流走る…最近、よくこの事を考えると事件が
起こるのかも知れない。
「…き、き、き、きょうちゃん、桐乃ちゃん??!」
目の前には麻奈実が立っていて、偽デートの時と同様に驚愕の表情を浮かべていた。
せっかく麻奈実とは仲直り出来たと思っていたってのに、ついてない。
その後、俺はここ何年かで一番驚いたね…麻奈実に偶然見られた事ではない…。
「こんにちは…私たち、今デート中なんです…ねぇお兄ちゃん」
桐乃が麻奈実とにこやかに話している…その事に。
だからこれは演技なんだぜと言いそびれたのだが…。
「こ、こんにちわ……そっか…そか、そか…うん。二人とも気を付けて、でーとしてね」
と言いながらニコニコしながら俺たちの前を通り過ぎていった。
「あ、あんたさ…何であの人に今の状況説明しようとしなかったわけ?前の時はさぁ…
滅茶苦茶イヤがって、あんだけ必死だったのにさ」
「別に…今はおまえとデートしてる事になってるからな。
麻奈実は後で説明してくれたら分かってくれるだろ…多分」
「あんた…まさかせなちーとあたしの勝負の為にデートしてる事をあの人に話して
説明するつもり…?どんだけシスコン誇ってるのよ?」
一瞬驚いて…その後、笑い出した…桐乃。
おまえのその笑顔見れるなら、多分、何度でも麻奈実に説明してやるよ。
まぁ…流石にそうは言えず。
「お、おまえこそ…何か変わったよな?麻奈実にちゃんと挨拶してたし…」
「あ、挨拶?…あたしだって何時までも子供じゃないっての…。
挨拶くらい普通にするに決まってるじゃん…な、何、人をディスってくれてんの?」
「…………そっか、そうだよな」
色々な感慨が心の中に拡がったが…今はこの事を深く考えるのは辞めよう。
多分…それはすぐ目の前まで、俺ら兄妹に近づいてきているのかも知れないのだから…。
その後…あやせとロックに遭遇し、加奈子に遭遇し、最後はフェイトさん、クラスの女共までと遭遇したのだが…
まぁそれはまた別の話だ。
…一応このセミドキュメンタリーの撮影を終えて。
「お疲れ…黒猫も沙織も有り難うな。色々俺らの為に協力してくれてさ」
「何を水くさい…拙者、ハブられるくらいなら、もうこの恥ずかしい兄妹の生態を
観察して保存する方が全然楽しいし、嬉しいですのよ」
「あ、あんた…最近ほんと言う様になったわね…キャラ全然違くない?」
「そ、そうでしょうか?拙者…自分ではよく分からないのですが。でもきりりん氏が
そう言うなら、変わったのかも知れません。きりりん氏は今の拙者はお嫌いですか?」
「べ、別に嫌いとか言ってないしぃ…沙織が沙織のままならあたしはそれで良いっての。
まぁ…常識人があたしだけになると突っ込みに疲れそうだけどぉ…さ」
もちろん三人が全力で突っ込んだね…俺らは。
「人って驚くほど劇的に変わるものよ…誰かみたいに、誰かさん達みたいにね…
まぁ今の沙織は特別なのかもしれないのだけど…」
と黒猫が相変わらず暗示的な事を呟く様に言った。
そして
「…けれどきっとずっとずっと絶対に変わらないものもある。
その事を私に教えてくれたのも、結局、不愉快な誰かさん達なのよ。
だから…これから………」
798 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/12(水) 22:02:06.54 ID:8ac/9zfa0
「…あんたは相変わらず中二病が全開じゃん…何語っちゃってんの?ぷぷ
m9(^Д^)プギャー!」
「前言撤回…あなたは多分一生そのままでしょうね…」
「心配しないでも、あたしがフォローしてあげるから超スーパー感謝しなさいよね、
もちろん、あんたの妹達も含めてね!」
「勝手に含めないで頂戴、あなたこそ真人間になるまでずっと面倒みてあげるから
私達への感謝を忘れないことね…」
黒猫、おまえは多分こう言いたかったんだろ?
『だから…これから私達は何が起こっても絶対に大丈夫…』ってさ。
「今日はお礼に俺が何か奢るぜ…みんなで何か食べないか?」
「残念だけど…今日は帰る事にするわ…京介先輩」
お馴染みの蠱惑的な顔を今回は沙織へと向ける黒猫。
「そ、そうでした…拙者達ちょっと野暮用があるのです」
「何それ、超感じ悪くない?」
「まぁ良いじゃないか、また今度集まった時にでも、また飯食おうぜ」
別れ際…黒猫が俺の耳元で恐ろしい企み言った。
黒猫と沙織が帰って、桐乃と二人きりになる。
桐乃は何か言いたそうな顔をしていた……様な気がした。
「桐乃、何か食って帰るか?」
「…え?あ、あんた何言ってるの?」
「だ、だからデートの続きしよう…かなってさ」
「へ、へぇ……もう妹とリアルでデートしたくて、その願望も隠さないほど
シスコンって、あ、あんた、ある意味凄いよね?!」
「まぁ…俺の可愛い妹だからな、おまえって」
「ふ……ふ、ふ〜ん……って自分で言って何ウケてんの?マジむかつく…。
き、キモい、キモキモ…い兄貴の癖してさぁ!」
「ははは、そうだな…我ながら最高の台詞だと思うぜ……」
「あ、あんた…バカに…にして!マジ、ふ、ふざけるな!」
俺はいつも妹がピンチだと思った時、ヤバイと思った時に桐乃を支えてきた…つもりだ。
それは…例えば、どこかのライ麦畑で子共が遊んでいて、その端にある危険な崖から
落ちそうな子供が居たらとしたら全力で落ちない様に助ける"つかまえ役"…みたいな
ものだと思う。
でも
もうそんな必要は…実はあまりなくて、きっといつかそんな心配自体…なくなったら
その日が来たら、俺はどうするのだろう?
その日が来たら、桐乃はどうするのだろう?
「まぁ駄目ならしゃーない、俺も受験生だし帰って勉強するわ」
「り、理由…言いなさいよ…」 「え?」
「もう…相変わらず鈍過ぎ…。だから、何であんたはあたしとそんなに…
で、デートしたがってんのかっつってんの!!
別にせなちーの為の動画は撮ったし、美咲さんに見張られてるわけでもないのに…
ど、どうして?その…理由…言えっていってんの………。
あ、シスコンで逃げるのは絶対ぃ駄目だかんね!」
ぐ…言おうとした台詞をNGワードにされてしまう…でも俺は
顔が段々暗くなりかけている桐乃に向かって静かに言う。
799 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/12(水) 22:04:31.77 ID:8ac/9zfa0
「だからじゃねぇかな。本当に色々な理由があって、今までおまえと出掛けたり
遊んだりしたけどさ、別に兄妹二人だけで遊ぶのにそんなに口実とか理由って必要か?」
「……………な、何、それ…意味不明…」
「俺は特に何の理由もなく妹のおまえとデートしてみたい、、が理由で駄目か?」
「結局、超マジ、スーパーシスコン…なだけじゃん」
今更だが、確かにそうなんだろう。黒猫が言ってた、きっと変わらないもの。
「はぁ……しょ…しょうがないよね。ほらほら…シスコンの京介お兄ちゃん…は
あたしを何処に連れて行ってくれんの?」
少しからかう様に言って手を差し出しておどける桐乃を連れて俺は歩き出した。
"シスコン"の後には枕詞の様に続いていたネガティブな言葉は続かず、
この後のデートで結局一度も"キモイ"と言われる事もなく…いつのまにか、それは
冗談の半分で、言いにくそうで、不自然だけど俺にとっては懐かしい自然な響きに感じる
"お兄ちゃん"に代わっていた。
『人って驚くほど劇的に変わるものよ』…と黒猫は言った。
その黒猫が耳元で囁いた『キリちゃん』と呼ぶを企みは実行しなくて正解だった
のかも知れない…多分、そんな不自然な言葉とても言えそうにない。
でもさ…………試したらどうなってたか少し興味があったのは…何でかな?
そんな事を考えながら桐乃の笑ったり、嬉しそうな顔を見るとまた強烈な既視感と
いつか変わるものと、ずっと変わらないもの……と言う言葉が俺の中で混濁する。
あの時から変わってしまったのは、誰だったのか?
あの頃から変わらなかったのは、誰だったのか?
あの頃の本当の"つかまえ役"は…誰だったのか?
勝手に過去編に…は多分続かない。
800 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/13(木) 00:02:06.98 ID:Q4NvAnhAO
おつおつ!
こんな場所で他作品の名前を出すのもどうかと思うが
けいおんSSのまとめサイトなんて未だ一日に10000人近く来るからな
801 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/13(木) 05:05:28.87 ID:2w2OlqpBo
桐乃「うざっ」京介「あーキレたぶちギレたねもう我慢の限界だ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1318433728/
台本形式だけど
802 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/10/13(木) 09:09:49.85 ID:kEC93bnAO
>>801
久しぶりに良SSを見た
この桐乃可愛すぎだろ
803 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/13(木) 11:55:32.58 ID:nk8O0LCIO
>>793-799
乙!
前回に続いてキャラ同士の掛け合いが良かったよ。
あと桐京派としては2人の距離感の微妙な変化にすごく2828したww
個人的にはあやせと遭遇した時のやりとりが読みたいww
804 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/13(木) 15:55:01.35 ID:12oIlVCSO
>>800
けいおんと俺妹じゃ作品そのものの勢いが違うからな
やはり8巻以降、俺妹関連スレが衰退しているのは明らかだし
特にSS系は閑散としてきたよね
ここもいつまで続くのかわからんぞ
805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/13(木) 18:34:48.81 ID:ifCsjBUAO
>>799
乙なんです
次も期待
806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/13(木) 20:39:58.11 ID:7uwxjW2To
>>799
いつも乙です
昨日のまとめwikiの訪問者数が、「いい兄さん」だったことを誰も知らない
そのうち、只の「兄さん」になる日も……
807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2011/10/13(木) 23:25:22.34 ID:VJJtr3Ol0
>>804
>けいおんと俺妹じゃ作品そのものの勢いが違うからな
それはまあそうだが
某スレみたいに職人さんが0になるまでは続くだろ
808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/14(金) 00:26:40.60 ID:mWTn9zHAO
>>807
エロパロの方は風前の灯だけどね
荒れ放題で新スレになってから200レス以上埋まってるのに職人の投下は一回もない
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/14(金) 00:30:39.60 ID:2+3+sDlSo
なんだかんだでNIPは平和だよな
過疎と紙一重だが
810 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/14(金) 01:52:34.82 ID:BQ3sziSlo
ギルティクラウンって中村悠一・竹達彩奈・花澤香菜が共演してるんだね
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/14(金) 01:54:51.76 ID:2+3+sDlSo
FF零式もだな
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/14(金) 03:03:27.94 ID:YqC5EGtAO
零式ってあの零式か
最近は過疎といえど
作品もかなり増えてきたな
まとめサイトも携帯だと中々重い
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/10/14(金) 13:22:57.39 ID:s82UjeqAO
>>806
「いやらしい兄さん」になる日は…流石に無いな
814 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/10/14(金) 15:12:43.84 ID:mFZL1vEAO
>>812
昔の作品読み直すと結構面白いな
815 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/14(金) 18:58:42.94 ID:MCVklLEIO
>>812
どこにあるの?教えれ下さいm(_ _)m
816 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/14(金) 20:26:32.19 ID:EQMKl5wzo
>>801
落ちててもう見れんな・・・。
まとめサイトにも載ってないし、誰かが更新してくれるのを待つしか無いのか。
817 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:10:16.63 ID:BOwqrdO5o
このスレのPart.12を見てみたい気もしてたんだけど、
クリスマスを待たずしてエロパロのように一気に真冬なのかもね。
……しばらく冬眠zzz。
題名:『ラブリーマイエンジェル』
投下:直ちに投下します(8レス)
※以下の点にご注意下さい。
・出演:京介、あやせ、真壁、赤城(友情出演)
818 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:11:04.88 ID:BOwqrdO5o
秋晴れの空の下、縦横に白線が引かれたグラウンドは歓声に包まれていた。
毎年この時期になると、俺の高校では恒例の体育祭が開催される。
これといった特色のある体育祭でもないが、今年はいつもと違うところが一つだけあった。
春に赴任してきた校長の鶴の一声で、今回は地元住民にも公開するんだとよ。
ホームルームでも家族や知り合いになるたけ声を掛けるように言われたんだが、
今時、高校生の体育祭に興味を持つヤツなんか知れたもんだろうが。
俺も一応はお袋に声を掛けたけど、俺の学校の体育祭なんて端から興味も無いとさ。
桐乃にいたっては、素人が走るのを見たって時間の無駄と鼻で笑いやがった。
俺にだって我が家の長男としての意地もプライドもある。
家族がダメなら、将来の俺の嫁……。
「お兄さんが何を言いたいのか、わたしにはまったくわかりませんけど」
「まぁそう言うなって、あやせが怒るのも無理はねえけど、
俺にもプライドってもんがあるんだからさぁ」
「お兄さんのプライドはどうでもいいんですが……」
いつもながら、あやせは普通なら言い難いことをさらりと言いやがる
「それにしても、午後からでも良かったんですか?
本当は朝から来られたら良かったんでしょうけど、ちょっと用があったものですから」
「午前中の俺の大活躍を見てもらえなかったのは残念だけど、
こうして見に来てくれただけでも十分さ。それに、午後も俺が出る競技があるし」
あやせは校舎や体育館を物珍しそうに眺めながら俺の後を付いてきた。
二階建ての体育館や、部室専用の建物なんかも珍しいのかもな。
「……地元の人に体育祭を公開するという趣旨はわかりますけど、
でも、そんなことをして変な人が紛れ込んだりしたらどうするんですか?」
「あやせが心配してんのは、盗撮とかそういうことだろ?」
盗撮に関しては学校側とPTAとの間でも何かと議論があったと聞いた。
ブルセラ趣味の方々が、ビデオやカメラ片手に大挙して来るんじゃねぇかとな。
結局、学校側が厳重な対策を講じる方向で話は落ち着いたらしいが……。
819 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:11:37.40 ID:BOwqrdO5o
「ほら、あやせにもあれが見えるだろ、あれは高性能集音マイクさ。
別室に放送部の精鋭が詰めてて、そこで体育祭に不釣合いな音はすべて傍受してるらしい。
もし不審な音が聴こえたら、各所で警戒してる別働部隊に警報を出すことになってる」
どこから調達してきたのか知らねえが、デジカメのシャッター音はもちろんのこと、
ビデオカメラの中で回る微かなモーター音まで拾えるらしい……かどうかは分からねぇけど。
まるで、ハンドバッグの留め金を外す音を拳銃の撃鉄を起こす音と思い反応するゴルゴ……
「音だけで、誰が盗撮したかまでわかるんですか?」
「それは心配ない。校舎の四階の窓を見てみろよ……」
校庭が隅からすみまで見渡せる校舎の四階の窓には、迷彩服を着た一団がうごめいていた。
「同好会の連中なんだけど、野鳥研究会のメンバーが双眼鏡で監視してんだよ」
「双眼鏡って……逆にあの人たちが盗撮するようなことはないんですか?」
「あいつらの中にも同じクラスのヤツがいるけど、人間の女の子には興味がねえんだよ。
もっぱら仲間内の話題といやぁ、どの野鳥の色彩がそそるかってことだし」
「………………」
「野鳥研のメンバーがあの窓から見てて盗撮犯を特定すると、捕獲部隊に連絡が入って……
捕獲部隊ってのは柔道部と剣道部の連中な――」
「何もそこまでするなら、一般公開なんてしなければいいじゃないですか」
「体育祭実行委員会の顧問が年季の入ったサバオタらしくてな、
そのうえ学年主任も兼ねてっから、もう誰にも止められなかったらしいよ」
俺が沙織から聞きかじった程度のサバオタ知識を披露したところで、
その手の世界にまったくと言って無縁のあやせには何一つ理解できないだろうし、
あやせには、そういうオタクが世の中にはいるってことで納得してもらった。
820 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:12:08.89 ID:BOwqrdO5o
体育祭実行本部が設けられたテントでは、ゲー研の後輩である真壁くんが来賓にお茶を出したり、
各クラス毎の得点を集計したりと忙しそうに動き回っていた。
今回の体育祭では、二年生の真壁くんもクラスを代表して実行委員の一人だ。
「おうっ、真壁くん……来賓席って、まだ一つくらい空いてっかな?」
「えっ、ああ、高坂先輩じゃないですか。
席ならまだ余裕がありますけど――って、こちらの方は?」
「こいつは俺の知り合いで、あやせ――新垣あやせって言うんだ」
真壁君は簡単な自己紹介を済ませると、来賓席の一つをあやせに勧めてからお茶を出した。
「何だか、高坂先輩の性癖っていうか……女性の好みに共通点があるようですが、
もしかしたら僕の気のせいですか?」
いや、真壁くんの気のせいでもなんでもねぇよ、俺は黒髪ロングの美人が大好きなんだよ。
ほっとけっつーの。
「高坂先輩、午後はどの競技にエントリーしてるんですか?
そういえば、何だか午前中も先輩の姿が見当たらなかったんですけど……」
俺の学校の体育祭は一、二年生がメインで、三年生は裏方に回ることが多い。
とはいえ、三年生も一応は競技に参加することになっていて、
午前中と午後の競技にそれぞれ一つ以上エントリーすればいいんだ。
「何言ってんだかなぁ、午前中の三年生の綱引きには俺も出てたろうが。
ちなみに、午後は借り物競争にエントリーしてるんだぜ」
「高坂先輩の出る競技って、どれもこれも他人任せって言うか……
手を抜いても分からないものばかりじゃないですか」
あやせが横で可笑しそうに笑っているのに気付いた真壁くんは、
「新垣さん、後輩の僕から言うのもなんですけど……
高坂先輩のような人を彼氏になんかしてると、将来が思いやられますよ」
821 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:12:45.02 ID:BOwqrdO5o
なっ! 何を言い出すんだ真壁くん!
あやせにそんなことを言ったら、俺がこの場で土下座しなきゃなんねぇだろうが。
土下座ならまだしも……
どっちにしろ、俺は卒業までの残り数ヶ月を超有名人で過ごすことに変わりはない。
「真壁さん、お兄さんはこんな人ですけど、わたしには結構優しいんですよ。
いつもわたしのことを気にかけていてくれるんです」
想定外のあやせの言葉に思わず顔を見ると、目が笑っていなかった。
このままだと真壁くんが地雷を踏み、あやせが爆発するのは時間の問題かもしれん。
吹っ飛ぶのはいつだって俺じゃねえか。
「あっ、俺、そろそろ借り物競争の準備しなくちゃなんねぇからさぁ……」
「お兄さん? 借り物競争にどんな準備があるんですか?」
「そうですよ先輩、借り物競争なんて封筒に入ったお題を見て、
書いてある物を会場にいる人から借りてくればいいだけなんですから」
「そうは言うけどな、借り物競争で借りられる物なんて高が知れてっだろ。
例えば眼鏡だったら誰が掛けてるとか、帽子だったら誰に借りようとか……
んなわけで、今のうちに目星を付けとくのが借り物競争で勝つための鉄則なんだよ」
「あっ、そういえば……借り物競争は赤城先輩の担当なんですが、
赤城先輩って高坂先輩とは同じクラスでしたよね。
先輩なら、赤城先輩が出すお題の傾向が分かるんじゃないんですか?」
そういや、俺のクラスじゃ赤城が実行委員会のメンバーだったな。
赤城が借り物競争の担当かよ……最悪じゃねぇか。
あいつのことだ、まともな物を借りてこさせるような詰まらねぇ真似は絶対にしまい。
「いや、俺なんかよりメンバーの真壁くんのほうが知ってるんじゃねぇのか?」
822 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:13:20.86 ID:BOwqrdO5o
「……それなんですが、赤城先輩は委員会のメンバーにも見せてくれないんですよ。
昨日も体育倉庫に一人篭もってやってたみたいですから」
「お兄さん、わたしも出来るかぎり協力しますから頑張ってください」
「僕もゲー研の後輩として、微力ですが協力させてもらいます。
借り物競争の時間はこの本部に詰めていますから、何でも持っていってください。
パイプ椅子だろうと折りたたみ机だろうと、何でしたらテント一式とか」
パイプ椅子はともかく、テント一式なんて解体してる間に日が暮れちまうわ。
しかし、こうして協力を申し出てくれるあやせや真壁くんの手前、俺も頑張るしかねえな。
あやせを交えて真壁くんと三人で談笑をしていると、
いよいよ俺が出場する借り物競走の開始を告げる放送が入った。
「じゃあいってくっから。……いざというときは、ここへ走り込んでくっからよろしくな」
クラス対抗戦で行われる借り物競争の出場枠は、各クラス五人だ。
一着から順位に応じた得点が入る仕組みで、俺の出番はラストを飾る五人目。
俺の格好いいところをあやせに見せる又と無いチャンスなのに、
待てど暮らせどなかなか順番が回ってこない。
注意深く見ていると、お題が入った封筒を開けるまでは何の問題もないようだ。
しかし、お題を見た途端、絶叫する者や途方に暮れて立ち尽くす者が後を絶たない。
それでもこの春に赴任したばかりの若い女性教師をおんぶしたり、
体育祭実行本部のテントから折りたたみ机を担いで運んでいるところを見ると、
赤城も初めっから不可能な物をお題に選んだわけではなさそうだ。
競技も終盤に差し掛かり、ようやく俺の出番が回ってきた。
俺はピストルの合図とともに駆け出し、箱の中のお題が入った封筒を摘み上げた。
体育倉庫に一人篭もっていたという赤城の顔を思い浮かべながら開封する。
823 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:14:02.61 ID:BOwqrdO5o
『妹(いもうと)』
ぶぁっかじゃねーの!?
同じ学校に妹がいる赤城ならともかく、桐乃がこの体育祭に来ているわけがねえ。
俺の隣りで同時に封筒を開けたヤツも途方に暮れている。
多分、コイツのお題も簡単に借りられるようなもんじゃねぇんだろうな。
しかしこうしちゃいられねえ。
俺はあやせや真壁くんのいる本部テントへと走った。
「高坂先輩っ! お題は何なんですか? ここにある物で間に合いますか?」
「ま、まぁ……間に合うといえば言えなくもねぇんだけど……
とにかく、あやせっ! 俺と一緒に来てくれ!」
「わっ、わたしがですか? お題は一体何だったんですか?」
「いや、ちゃんと説明してやりたいんだけど……」
俺たちより少し離れたところで、お題の紙を手に先生と交渉しているヤツがいた。
『先生』がお題なのかと思いきや、テントのポールを両手で掴み懇願している。
まさかとは思ったが、『テント一式』だったとは……
「あやせっ! とにかく時間がねぇんだ! 後で何でも言うこと聞いてやるから、な」
渋るあやせの手を掴み、俺たちは借り物競争のゴールへと走った。
ゴールで待ち構えているのは、このふざけた借り物競争の発案者である赤城浩平。
俺たちは寸でのところで抜かれて二番目でゴールし、赤城の判定を待つ。
競技の前に聞いた説明では、お題と借りてきた品物が一致しない場合には、
こじつけだろうと何だろうと赤城の判定が最後にものを言うそうだ。
824 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:14:43.62 ID:BOwqrdO5o
俺たちをゴール寸前で追い抜いたのは、先ほど本部で見かけた『テント一式』。
しかし、手にはポール一本どころか、お題の書かれた紙しか持っていない。
赤城はお題を確認してからそいつに問うた。
「お題は『テント一式』のはずだが……テントはどうした?」
赤城に問われると、そいつはおもむろにジャージのズボンの中に手を突っ込み、
「…………テントっ!」
「ごぉ――――かぁ――――――くっ!!」
――マジっすか!? 何それ……。
確かにテント一式なんて土台無理な話だし、懇願された先生だって困ったろうよ。
しかし、そんなもんで合格っていうなら話は簡単だ。
俺だって股間を股に挟み込んで、ジャージに両手を突っ込んで胸のふくらみを作れば
即席の桐乃が完成するじゃねえか。
「……お兄さん、何なんですかこの競技。
まさか、お兄さんまでこんなふざけたマネはしないでしょうね」
「俺の場合は手ブラ――じゃなくて、あやせがいるから大丈夫だ」
あやせが俺の横にいることをすっかり忘れていた。
「ようっ、二番目は我がクラス期待の星の高坂じゃねぇか。
おまえは確か午前中の綱引きと、この借り物競争にエントリーしてたんだよな。
……で、お題は何だった?」
俺は、お題が書かれた紙切れを赤城の目の前に突きつけた。
「……『妹(いもうと)』って書いてあんけど、その子はおまえの妹じゃねぇよな。
いくら同じクラスのヤツでも、審判という立場上目こぼしするわけにはいかんぞ。
さあ、高坂、この場はどうやって切り抜けるつもりだ?」
825 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/10/14(金) 21:15:38.97 ID:BOwqrdO5o
俺とあやせを交互に見やりながら、赤城はニヤリと不敵に笑った。
赤城はこれまで桐乃とは面識がないはずだが、俺たちも長い付き合いだし、
桐乃の顔くらい知っていたとしても不思議じゃない。
誤魔化しが利かないとなれば、この際こじつけだろうが何としてもこの場は凌いでやる。
俺はあやせを背後からしっかりと抱き締めると、自信満々で叫んだ。
「赤城っ! あやせはなぁ……あやせはなぁ――
俺の……ラブリー “妹(マイ)” エンジェルなんだぁぁぁぁぁぁぁぁ――――っ!」
すべての競技が終了し、俺たち三年生に残された最後の仕事は撤収作業だけだ。
先輩達から脈々と受け継がれてきた我が校の伝統の体育祭。
次は、真壁くんたち今の二年生が裏方に回って体育祭を盛り上げていく番だ。
あやせは片付けが終わるまで、校門の外で俺を待っているという。
茜色に光り輝くいわし雲――その神々しいまでの美しさに思わず見惚れていると、
鼻に詰め込んだ血染めのティッシュがポロリと抜け落ちた。
(完)
自分でもくだらなかったと反省してる……
826 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/14(金) 22:20:39.96 ID:WtZnNTgf0
>>825
乙!
このスレを次に繋ぐために
早く目を覚まして、次のSSを書いてね
827 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/14(金) 22:22:27.51 ID:WtZnNTgf0
あれ...書きこめない?
828 :
◆WNrWKtkPz.
[sage]:2011/10/14(金) 23:49:41.32 ID:mWTn9zHAO
投下じゃなくて宣伝で申し訳ない
このスレで桐乃の暗黒物質(夕食)作り(
>>150
)とその後日談であやせに桐乃の料理について相談するSS(
>>321
)を書いたあと、スレを立てたあいつです
そのあやせ?SSを完結させました
完結したら本スレで報告してくれって人がいたんで、一応報告にきました
>>825
乙です
赤城は何をやっとるんだwwww
829 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/10/15(土) 04:47:32.22 ID:2T7ot2oAO
>>816
いや普通にのくす牧場やエレファント速報に載ってるぞ?
コメント欄がちょっと荒れてるが…
このSSは賛否両論あるみたいだけど俺は良作だと思う
原作でやれと言いたいわ
830 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/15(土) 14:50:32.70 ID:m80573Ng0
いい加減、書く事もなくなってきた。
一応799の続きで、リアルを追求するなら作文は
ひらがなで書くべきだったけど、読む方も書く方も面倒だから妥協。
そろそろ、本編で麻奈実無双を期待しつつ投下
831 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/15(土) 14:55:26.10 ID:m80573Ng0
Love Letter
-----------------------------------------------------------------------------
ぼくの家族
5年2組 高坂京介
僕はお父さんとお母さんとキリちゃんで四人家族です。
お父さんは見た目は怖いけど、中身も怖いけど、時々優しくて
お母さんは僕とキリちゃんに甘すぎるといつも言っています。
お父さんの仕事は正義の味方です。警察官は僕も将来なりたいと
言ったら『そうか』としか言わないけど普段は怖い顔が
優しい顔になるので多分嬉しいんだなと思いました。
いつか腕相撲でお父さんに勝つのが僕の夢です!
お母さんは美人で若くて33歳くらいにしか見えません。
でも怒ると滅茶苦茶怖いので…いつもキリちゃんと怒らせない様に気を付けてます!
この前キリちゃんの嫌いなピーマンを僕がこっそり食べてあげたら…
罰として次の日はピーマンと僕の嫌いなにんじんの料理ばかり出てとてもイヤでした!
でも本当は僕たちの事を考えてくれてるので感謝してます。
ってお父さんが言えと言ったので言ったら喜んでくれたので僕も嬉しかったです。
お母さんいつも美味しい料理を作ってくれて有り難う。
でもにんじん少なめにして欲しいなぁ…。
キリちゃんは僕の妹で僕よりも年下です。
何で『キリちゃん』って言うかって言うと名前が桐乃だからです。
キリちゃんは僕の事を"お兄ちゃん"とか、"きょうぉ兄ちゃん"とか言います。
短くするとどっちも『きーちゃん』なるので、よくふざけてお互いに
『き(ょう)ーちゃん』、『き(り)ーちゃん』って呼んだりもします。
キリちゃんは子供の時は、今も子供だけど、子供の時は身体が
弱くてよく病院に行ったり入院してました。
心配だったけど今は元気になって凄く嬉しいです。
でもあんまり体育とかが苦手なので、今は僕が駈けっこの特訓してあげています。
僕が『僕が走るからちゃんと見ててね、わかった?』って言うと
キリちゃんは『わかった』って言って練習してます。
キリちゃんが頑張ったらよしよしって頭撫でてあげます。
キリちゃんの夢は駈けっこで僕に勝つ事みたいだけど…
でも僕も絶対に負けないつもりです!
そういえば、駈けっこでは友達の"まーちゃん"がクラスで一番早いので、
キリちゃんは、まーちゃんにもどうしても勝ちたいみたいです。
僕はキリちゃんもまーちゃんも好きだから…どっちを応援したら良いのかな?
まーちゃんがこの前
『キリちゃんときょうちゃんって夫婦みたいに仲良いね』
って言われたので恥ずかしくなりました。
キリちゃんは
『べ、別に……………そんなことない』
とか言ったので
832 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/15(土) 15:17:17.00 ID:m80573Ng0
僕は
『じゃぁオレはまーちゃんと結婚する』って言ったら
キリちゃんが泣いてしまったのであせりました。
冗談で…と思うけど、まーちゃんが
『じゃぁ駈けっこで勝った方がきょうちゃんのお嫁さんになろうね』
とか言ったので、
またあせったけど、そしたらキリちゃんが泣きやんだので良かったのかなぁ?
それに、いつもみたいに多分まーちゃんは僕を助けてくれたのかなぁ?
お風呂の時にキリちゃんが髪洗いながら
『お兄ちゃんはまーちゃんみたいな長くて黄色の髪の毛が好きなんでしょー?』
と聞かれて困りました。
キリちゃんは僕と同じ髪の色で短いけど……何でそんな事…言うのかな?
でも何度もしつこく聞かれるので
『そうだよ!まーちゃん美人だし』って言ったら滅茶苦茶怒ったので…。
僕は
『じゃぁオレはまーちゃんと結婚しないから、キリちゃんも誰とも結婚したら、
駄目だよ、わかった?』
って言ったら
『わかった』って言ったから、仲直りで頭撫でたら、キリちゃんも僕の頭撫でたので
恥ずかしくて僕が『にひひ』と笑うと、キリちゃんも『にゃはは』って笑いました。
時々、キリちゃんの怒った時の怖さがお母さんに似てると思うって
お父さんに言うとお父さんがびっくりするくらい笑ったので僕もびっくりしました。
この前、僕とキリちゃんだけでお留守番してると、停電になって雷とかが、
ピカピカして僕はビビってたけど、キリちゃんも怖そうだったので、
僕は泣かない様に我慢して、
キリちゃんに『大丈夫だよ!オレが絶対に守るからね』って言いました。
(そ)したらキリちゃんが全然関係ないのにいきなり抱きついて
『きーちゃん、まーちゃんみたいになったら、きーちゃんと結婚する、わかった?』
と言われてよく分からなかったけど…キリちゃんが喜ぶと思って
『わかった』と言って指切りしました。
お父さんとお母さんが帰ってきて、ちゃんとキリちゃんの面倒をみて偉いと
褒められたけど、キリちゃんの事が好きだから当然とか言ったけど、
実は、キリちゃんが居てくれたから泣かなかったけど一人だと泣いてたかも…。
僕はもっと強くなって、大好きなお父さんもお母さんもキリちゃんも守れるよう
になりたいです。
おわり
-----------------------------------------------------------------------------
833 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/15(土) 15:19:04.92 ID:m80573Ng0
何か滅茶苦茶重くて、やらかしそうだから軽くなったら続きを投稿で
連投になってないとイイけど(汗)
834 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/16(日) 02:50:16.46 ID:10D1YkUA0
↑つづき
(私説)真夜中のガールズトーク2 トワイライト・トライデント・ガールズ
「ど、どう?」
「………………………………………………」
「………………………………………………ニンニン」
「ちょ、ちょっと黙ってないで何か言いなさいよ…
あたし一人だけが恥ずかしい事みたいになってるじゃん!!」
「……ひとつ…いえ最低でも、二つほど聞きたいのだけど…。
これを見せて私達にどんな感想を求めているのかしら?
そして何故あなたが兄(さん)、お(兄さん)、、、京介先輩の作文を持っているの?」
「ずっと変わらないって言ってくれたじゃん、あんた達。
別に今まで信用してなかったとかじゃないけどさぁ…何となくあたしの秘密を
あんた達に見て欲しい気分になっただけ、他意はないっての」
「ふむふむ、拙者分かりますぞ…キリちゃん…。
これはキリちゃんの戦利品なんでしょうな、確かに大切な宝物なのですね」
「か、勘違いしないでよね、これはあいつが勝手にあたしにくれたんだから…
だから別に盗んだとかじゃ全然ないっての!」
「そう…しかし凄い内容ね…ふと思ったのだけど…何かに似てるとか思えば、
どことなく…文体があなたの俗物小説にそっくりじゃないの…血は争えないわね」
「はぁ?!…いい加減な……こ…と……あいつ…とな…んて全然………
……でもさぁ……や、やっぱり……………そ、そうかな?」
「怒りながら、喜ぶなんて…相変わらず落ち着きの無い女ね。
何であなたはそんなに動揺しているの?別に言いたくないなら良いのよ。
無理に聞きだそうなんて、考えてないのだから」
「べ、別に秘密とかじゃないしぃ…小さい時にあ、あいつがさ…京介があたしに
色々な絵本とか読んでくれたり、自分で考えた話を話してくれたりとか、
一緒にお話考えたりした…だけ。そんだけだから、変な勘ぐりは辞めてよね!」
「へぇ…意外でござるな、あの京介氏がキリちゃんの小説の師匠とは」
「ええ、本当ね…でも……いいえ何でもないわ…」
「そ、そいでさ…か、感想とか…あるなら言ってみなさいよ!」
「あらあら……まぁ正直な感想なんて言って、もしキリちゃんが泣いて怒り出したら
困るのだけど…見せてくれた事は嬉しいわ…有り難う」
「拙者…非常に感動しておりますぞ…拙者…拙者…こんなキリちゃんと瑠璃ちゃん
と出会えて本当に嬉しいですの…この沙織・バジーナ、世界一の果報者です!」
「え、え、え?な、なんで沙織が泣き出してるの?そりゃ…まぁあたしも………
あんたらに会えて滅茶苦茶良かったにいぃ、決まってんじゃん!!
そんなの今更、確認するまでも無いっての…でしょ?黒猫」
「そう言いながらまん丸のお顔から何か出てる様ね…キリちゃん?フフフ」
「あ、あんたこそ…何、もらい泣きして号泣しちゃってるの?ププ…普段は
『闇の眷属たる私が人間風情に』とか言ってる癖にさ…」
「こ、こ、これは魔界のダークマターよ…何で私が…」
835 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/16(日) 03:00:32.50 ID:10D1YkUA0
「ほらほら…二人とも喧嘩は駄目でござるよ…あー瑠璃ちゃんもキリちゃんも
拙者の娘にしたいくらい…愛しいでござるよ!よしよし…良い子でござるですの」
「く…も、もう絶対にハブったりしないから…か、過剰なハグは辞めて頂戴…」
「でもでも…確かに沙織ってお母さんって感じがするかもぉ…黒猫は…
全然お姉ちゃんじゃ…ないか…ププ」
「ふ、勝手にいってなさいな…い、妹は日向と珠希で充分よ……まだ今わね」
沙織の大きな胸で抱きしめられる二人。
と同時に
夕方、京介が麻奈実との受験勉強を終え帰宅、田村屋のお菓子を持参
トントン…ノックして、おもむろに桐乃の部屋に入る
「おまえら、もう集まってたのか。え?、ご、ごめんなさい…部屋間違えました」
「あ〜京介氏、これは別にそ、そういうプレイではないのです!」
「そ、そうよ…京介先輩…邪推は辞めて頂戴」
「ちょっと…な、何、その犯罪現場を目撃してしまったみたいな顔は…
逆にこっちが引くから、や、辞めなさいよね…ふん!」
「で、でもさ…何でおまえら泣いてんの?どう考えても普通、気になんだろ!」
「京介氏、何でもないのでござる、わかって頂けましたの?」
「京介先輩、何でもないのよ、わかったかしら?」
「あん…(た)、京介、何でもないっての、ほんとわかってんの?」
「わかった…………で…それ今、流行ってんの?」
『あはは』 『フフフ』 『にゃはは』
と黄昏の西日に照らされて快活、蠱惑的、悪戯っぽく笑う三人の可愛らしい仲間。
「な、何ニヤニヤしてんの!また…(キモ)い、か、感じ悪いから辞めてよね、
わ、わかってんの?」
…そういや、こいつ…あのデート以降は俺の事を"キモイ"とかあんまり言わないし、
麻奈実の事も"地味子"とは言わず"あの人"に変わってるんだよな…気のせいなの
かも知れないが…と考える京介
「悪りぃ…何かさ、おまえらが姉妹みたいに見えたから。微笑ましいなってさ」
「き、京介氏、申し訳ありません…まだそういう覚悟は出来てないですの」
「へ?」
「あら…先輩は、兄さんはまだ妹さんが欲しいのかしら…欲張りな雄ね…」
「!!!キモイ、やっぱキモキモ…最近調子に乗ってんじゃないの?あんた!
シスコン悪化させて、これ以上、犠牲者増やすつもりじゃないでしょうねえ?」
「俺の話を聞けって。妹なんてどう考えても、おまえだけでお腹一杯だよ!
だから誤解するなよ!わ、わかった…?」
「…………わかった……そ、そうだよね、あたしだからあんたの賞罰ゼロで済んでる
ってちゃんとマジ感謝してよ!ほら!何そこで突っ立ってんの、早くここ座りなさいよ!」
「あらあら………」 「…………ニンニン」
「へいへい………」
促されて苦笑しながら桐乃の隣に座る京介。
おわり
836 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/10/16(日) 08:54:38.26 ID:3leQFB6m0
>>835
おもしろかった!
乙!
837 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/16(日) 09:49:02.13 ID:YAfYWrzXo
>>825
意外にもあやせの出番あんまりなかったけど、話の内容が読ませるねww
面白かったよ。乙!
>>832
>>835
乙!
京介の年季の入ったシスコンぶり、桐乃のブラコンぶりに画面の前で2828しっ放しだったww
838 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
:2011/10/16(日) 20:52:57.01 ID:3dkdkMSl0
一部の人が頑張ってくれるからこのスレも活気があるような気がする
この期に乗じてもっと活気づいてくれれば
839 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/10/17(月) 11:48:55.12 ID:tfeRtpCAO
乙乙!
840 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/17(月) 22:54:01.08 ID:IpwRradl0
とある幼稚園にて――
先生「はーい 良い子のみなさん、
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の9巻は買いましたか〜?」
園児「「「は〜い 先生、とってもおもしろかったでぇ〜す」」」
先生「よかったですね〜。先生も発売日に買いましたけど、
お正月にでも読もうかと思って放り投げてあるんですよ〜。
それじゃあ今日は好きなキャラのグループに分かれて、
楽しくおしゃべりしましょうね〜」
園児「「「は〜い 先生」」」
ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ
先生「ここは、きりりんこと桐乃さんのグループですね。
おとなりの黒猫さんのグループをいじめちゃダメですよ〜」
先生「こっちは、かなかなちゃんのグループですね。
言葉づかいには気をつけて、仲良くおしゃべりしましょうね。
あと、ブリジットちゃんのグループをパシリに使っちゃいけませんよ〜」
園児「先生っ! わたしたちのグループ……みんな目付きが変なんですけど」
先生「えーと、ここはラブリーマイエンジェルあやせたんのグループだったかしら?
それはね、みなさん瞳から光彩が消えているからですよ〜」
先生「ええと、この人数の少ないところは……
麻奈実さんと沙織さんのキャラファンのグループですね。
特殊性癖の幼女グループよりもお友達が少ないみたいですけど、
忘れられているわけじゃありませんから気を落とさないでくださいね」
園児「先生、壁の隅で寝ている人たちは何のグループなんですかぁ?」
先生「あの人たちはやる気のなくなってしまった書き手さんのグループだから、
良い子のみなさんは目を合わせちゃいけませんよ〜」
園児「「「は〜い 先生、よくわかりました〜」」」
841 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/18(火) 07:07:09.53 ID:ENIJjn1Fo
ご、ごめんよ……やる気がないわけじゃなくて個別スレの方がいそが――
842 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/18(火) 20:38:05.63 ID:dlByzcHCo
SS速報VIPのローカルルールが変更になったね
個別でスレを立てている作者の方はご注意を
詳しくは、SS速報VIPのトップで……
843 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/18(火) 23:14:26.47 ID:zqNRsTDAO
個別スレも落としてもらったし、そろそろこっちに投下したいな・・・
ネタは1つ浮かんでるけど、オチが思いつかないんだよね
844 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/19(水) 21:26:50.81 ID:sOOFXejp0
>>843
特定した
まっているよ
845 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 22:56:32.62 ID:X8LsYYc60
京介×桐乃×麻奈実で単発
ずっと前に書いた俺が考える最終回でハッピー黒猫エンド書いたつもりが
実質的二股とか言われたのでもう思いっきり二股で。
でもこれでも自分的には二股じゃなくてギリギリ麻奈実エンドのつもり。
846 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 22:58:53.56 ID:X8LsYYc60
Trisection
土曜日午後三時、ホテルにて
「あ、あんたが本当に連れ込むとは思ってなかった…」
「俺はいつでも本気だし、俺がおまえに嘘ついた事あったか?」
「はぁ!?あたしに誰とも付き合わないとか言って…あの人と付き合ってるじゃん!
だからもう、あんたの事とか絶対に信用出来ないしぃ、したくもないから!」
「じゃぁ何で俺がデートに誘ったら、ノコノコついてきた?」
「それはあんたが滅茶苦茶お願いして土下座とかしたから…。
そ、それにさ…拒否したらもう絶交とか言うしさ…酷くない?」
「俺が本当に可愛い妹と絶交したいとおまえは思ってるのかよ!
逆にそれを酷いとか言われる方が傷つくわ」
「意味分かんない…あ、あたしがどんな気持ちでここにいるのか分かってんの?
どっちが傷ついたと思ってんの!」
「……………それだけ必死だったんだよ。
別におまえの事とかどうでもイイならこんな言い合いしねえよ。
おまえとゆっくり話したかったから無理やりでも話す機会を作ったのにさ」
「………」
「おまえがどんなに俺を嫌ったり、嘘つき呼ばわりしてもイイけどさ…。
俺が必死な事だけは分かって欲しい、じゃないともう何も話す意味なくなるからさ、
な?」
「………分かった。京介があたしの為に必死なのは。
でもじゃぁどうして…どうして?」
「やっと、名前で呼んでくれたな、桐乃。
何かずっと"あんた"呼ばわりされてると暗い気持ちになっちまうよ」
「あたしだって普通に呼びたかったのに…あん(た)、京介が裏切ったから…
あたしの気持ちを無視して、、踏みにじって!それに聞いてることに答えてよ!
何で?どうしてかちゃんと言ってみなさいよ!言えるものなら!!」
「やっぱ言いたくない。今、何言っても怒りそうだし、怒らせて
桐乃から嫌われるのは絶対イヤだから」
「い、言ってみないと分からないでしょ?あたしも京介から
ちゃんと聞かないと絶対に納得出来ないしぃ…だから」
「大事に思ってるおまえに、大切と思ってる桐乃に嫌われたくない!」
「わ、分かった…何を言われてもあたしは京介を嫌いにならないから、、、
だから…ちゃんとさぁ、教えて…ねぇ?」
「キッカケはあっちからだけど、告白したのは俺の方からなんだ…多分もう断る
なんてこと自体考えなかったんだと思う。その事は本当に悪いと思ってる…」
847 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:00:30.63 ID:X8LsYYc60
「は?な、何それ!結局…あんたはあたしよりもあの人の方が好きって事でしょ?!
大切とか大事とか言っても…………やっぱりもう話す意味なんてないじゃん…
もうあんたとは絶交する、もう帰るから、、手離してよ!!!!!」
「結局、桐乃はその程度でしか俺の事を考えてなかったんだ?
嫌いにならないって言って一秒後には絶交するとか言うなら、そういう事だよな」
「…そ、それは」
「だけど俺は違う。桐乃が俺をその程度にしか思って無くても、
桐乃が絶交するって言っても俺は絶対に絶交したくないし、させない!」
「………あたしもしたくないよ、絶対に…もう。
京介とあんな風になるのはイヤに決まってる…でしょ、でも、でも…」
「二人共同じ気持ちなのに、離れ離れにならないといけないのかよ?
違うだろ…桐乃」
「…京介はあたしよりもあの人が大事なんでしょ、あの人を優先するんでしょ?
もう…もう分からない…悲しいよ、、京介、、どうしたらイイの?」
「桐乃に嘘はつきたくないから正直に言うけど、確かに俺は麻奈実を愛してる。
でも俺は桐乃、、おまえも妹として同じくらい愛してる」
「結局、京介はあたしの事を"妹"としてしか見てくれないんだ…ね、、
あたしの気持ちは絶対に分かってくれない…ん…だよね……」
「覚悟ないなら、おまえを理解してないなら、中途半端な気持ちでおまえに
こんな話したり、ホテルに連れ込んだりは出来ないぜ」
「…あ、あんた…やっぱり狡いよね。彼女いる癖にさ。
裏切られたのにあたしがそう言われてやっぱりどうなるか、分かってる癖に…
でも、あの人とはキス出来とかても…妹とは……」
「出来ないと思うか?ほら、こいよ…桐乃」
「ほ、本気?」
「ああ、言っただろ、中途半端な気持ちじゃないって。
桐乃が納得するなら俺は何でもするつもりだぜ」
「ほ、ほんとうにホント?」 「だからこっちに来ってば!」
「…………………ふ、ふ〜ん…わ、分かった。でも今はイイ。
初めてなのに…なのに喧嘩してるみたいな時はムード最悪だしさ、ヤダ……」
「そっか…まぁおまえがそう言うならしょうがないな。
なら一緒に風呂でも入るか?」
「もう!ちょ、調子に乗っちゃって…ふ、ふざけんな!
で、でもさ…キス出来ないと…す、少しは残念に思った?
ってかさ…き、京介はどれくらい、、あたしの事好き…なの?」
848 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:01:55.49 ID:X8LsYYc60
「俺は幼馴染みの可愛い彼女がいるのに、"妹"のおまえとキスできるくらい」
「あの人の話はヤダ…そ、そういう所デリカシー無さ過ぎ」
「ご、ごめん。そうだな。おまえ妹系のエロゲーとかアニメ好きだよな」
「え?、、う、うん…ってかあたしの聞いてること…ちゃんと教えてよ」
「だから、おまえがエロゲーして、そのゲームに萌えてるなら、
俺はその分プラスしておまえに萌えると言うか、言ってる意味難しいか?」
「う…ん、でも何となく分かるかも…」
「オタクの桐乃も、モデルの桐乃も、陸上してる桐乃も、不機嫌な桐乃も
全部、全部俺は愛しい…それを魅力的だと俺は思えるんだ」
「あ、あたしの全部好きなんだ…。き、嫌いな所とか…ない?。
京介にもっと好きになって貰いたいから…何でも言って!
逆に隠したら怒るかんね!」
「…………キス拒否るところとか、風呂も入ってくれないところとか」
「ま、マジ?」
「うそうそ…はは、本当にねぇよ…。まぁでもこれは嫌いな所じゃないけど、
将来彼氏とか作られたらそりゃ、、ショックだろうな」
「何かさぁ、あんたって相当の超鬼畜だよね…じ、自分はさ…
あ〜もうこの話したくないのにぃ…もうバカ!」
「でも、俺は俺より良い男ならショックだけどおまえが
誰かと付き合っても反対はしないぜ、多分」
「……段々腹立ってきたんですけど?
あ、あんたあたしをからかってないでしょうね!」
「おまえが大切だから、おまえには幸せになって欲しいんだよ。
これは真面目な話、でもおまえへの気持ちは変わらねぇよ」
「……それは…さぁ」
「例えば、桐乃と俺がちゃんと付き合って、愛し合って子供作るとするじゃん?」
「え、、、、あ…………うん」
「仮に兄妹が生まれたとして、もし妹が俺を好きとか言ったり、
お兄ちゃんがママを好きとか言われたらどうする?
もしくは俺らの子供が兄妹で愛し合っちゃったら?」
「だ、駄目だよね…それは、あたしでも流石に駄目な気がする」
849 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:03:33.86 ID:X8LsYYc60
「現実はさ、現実の事実として、それがこの世界のルールなんだよ。
それでも俺の心の中には桐乃がいる、それも真実なんだ。
色々考えてると大変だなって思うからさ。
桐乃を俺みたいに悩ませたくなかったから、、ずっとおまえには言えなかった。
もう遅いかも知れないが一応俺の気持ちは伝えたぜ、、伝わったよな?」
「わ、分かった……中途半端はイヤなんだよね。あたしの事を真剣に
考えてくれてるんだ、、それだけ本気ってこと…でしょ?」
「ああ、男の責任あるしな、ついでに兄としての責任も俺にはある」
「た、多分さ…今の話をあの人と付き合ってない状態で言ってくれたら、、
あたしも覚悟出来てたかもしんないけど。あ、あんたは…あの人ことだって
す、凄く大切なんでしょ…?」
「麻奈実は俺の理想なんだ。顔も性格も全部、だから今の関係になったのも当然、、
運命と言うかさ、これもずっと前から分かってた事なのかも知れないけどな」
「あっ、そぉ!だ、だけどさあ、あたしがキスしようとしても…
そ、それ以上の事でも京介は全部受け入れるんでしょ?!!」
「もちろん」
「じゃぁ…そうなったらどうすんの?男の責任とか言ってさ!」
「そりゃ、その時になって考えるさ」
「そ、そんな余裕かましてると、あたし意地悪したくなるかもよ?
ほら、ほら…ほんとに良いのぉ?あ、あたしに勇気がないと思ってんの!!!」
「桐乃…………おまえ……?」
「…ほ、ほんとうに…あたしがする勇気、、ないと、思ってん…の………」
「ほら、こうやって…………」
「きゃ…な、に、、、いきなり」
「……………ほらこうやれば、少しは勇気が出たか?」
「………」
「なら、おまえが勇気が出るまで、ずっとこうしててやるよ」
「ねぇ…もっとギュっとして…もっと強く…お願い…」
「ああ」
「き、京介はあたしと…したいの?」
「したいって言ったら?」
「……………し、してもイイよ、もうルールとかどうでも良いしぃ…
京介がしたい事…ぜんぶ、あたしも…し、したい…」
850 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:05:26.41 ID:X8LsYYc60
「そっか………分かった」
「う……ん…」
「………」 「…………?」 「………」 「…………ねぇ?」
「なんだよ?」
「…ど、どうしたの?」
「俺はずっとこうしておまえと抱き合っていたいからさ、そうしてる」
「そう………わ、わかったぁ…」
「あの日、人生相談された時から考えると、おまえとホテルで
こんな風になるなんて想像出来なかったなぁ…すげぇ不思議な気分だ」
「あたしとこうなった事、、後悔…してる?」
「………滅茶苦茶、後悔してる」
「そ、そか…やっぱそうだよね…あたし達…兄妹だ、、もんね……」
「ちげぇよ。何でもっと早くこうしなかったのかって。
思いっきり抱きしめて、桐乃は俺にとって特別だって言えば良かったんだ」
「…うう…………う……ん」
「桐乃ごめんな…俺、甲斐性無しだったわ、実は俺が一番分かってなかった…」
「あ………お、お化粧…崩れ…た…から…今、顔見ちゃイヤ……だ、ダメ…」
「俺は眼を閉じてるから、、これなら良いか?」
「………あ、ありが、、と」
「別に…俺らの関係に"彼氏"とか"彼女"なんて名前や意味なんて
最初から必要ないし、、これからだって全然必要無かったんだ」
「京介の彼女は、あ(の人)麻奈実さんだもんね…あたしは単なる妹だしぃさぁ
ねぇ…お兄ちゃん、、」
「本当にそれだけかどうか…それは自分で分かるんじゃないのか?
それともまだ分からないのか?」
「………………わ、わかってる、、しぃ、、意地悪、言いたかっただけ!」
「何だかいつものおまえらしくなってきた……ちょっとだけ安心した」
851 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:07:29.76 ID:X8LsYYc60
「ま、まだ眼を開けちゃダメ!!」
「…へいへい」
「チュ」
「それで…………良かったのか?」
「うん………ちょっぴり残念だった?も、もっと期待…してた?」
「さぁな」 「!(怒)」 「痛いな…つねるなよ(汗)」 「♪」
「結局…同じ場所かよ」
「ねぇねぇ、京介は、あの(人)…麻奈実さんが居ても、、あ、あたしが望んだら
またこうやって抱きしめてくれる?」
「桐乃が望むならそうする」
「………信じて…いいの、、?ぜったいのゼッタイ?」
「いや全然違う、俺がそうしたいんだ、だからそうする」
「う……うん、わ、わかった…京介を信じる、、、
じゃぁ…さぁ、、ねぇ…ひとつだけ約束、、、して欲しい事がある」
「俺もあるけど、桐乃が先に言ってくれ」
「毎日一回でイイからこうやって抱っこして、京介に好きって言って欲しい…
もうそれ以上は望まないから、、だからそれがあたしの…お願い、、だ、だめ?」
「2回言うよ。だから桐乃も俺に好きって言ってくれ…それでイイか?」
「……わかった、、ねぇ…今日の分はまだしてくれない…の?」
「さっきおまえの全部愛しいって言ったけど、不機嫌なおまえも魅力的って
言ったけど、やっぱ今のおまえの顔が一番可愛いな」
「ちょっと…な、なんで眼開けてるのぉ…もう」
………この会話で一番恐ろしいのは、本当は俺でも桐乃でもない。
"妹"は恐ろしいが、それは実は"彼女"の比では…全然ない。
日曜日午後一時、麻奈実の部屋にて
「きょうちゃん、きょうちゃん、ちゃんと桐乃ちゃんと仲直り出来たかな?」
「ああ…と言うか報告する前から笑顔って最初から全部お見通しだったのか?」
「えへへ…内緒。でも仲直り出来て本当良かったねぇ、ふふ。
桐乃ちゃんはきょうちゃんが居ないと駄目だもんね。
わたしもきょうちゃん居ないとダメだもん…だ、だから桐乃ちゃんの
気持ちはきょうちゃんよりも分かってるつもり…なんだ」
852 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:09:58.68 ID:X8LsYYc60
「今日、三人で飯でも食いに行くか…桐乃がおまえに話があるらしい」
「う、うん!わたしも桐乃ちゃんとお話したい事たくさんあるんだぁ!
だから凄く楽しみ…だよぉ〜」
「麻奈実…本当にいつも有り難うな、そして本当にごめん」
「ううん…きょうちゃんもわたしが居ないとダメって分かってるからね!
前にわたし言ったよね…きょうちゃんとお付き合いしたり、お嫁さんになる
女の子は絶対に苦労するって。
だから覚悟した上できょうちゃんと付き合ってるの!」
「お、おまえ……やっぱ俺の可愛い幼馴染みだな、、ま〜麻・奈・実!!」
「はあ〜〜きょうちゃんって甘えん坊さんなだけじゃなくて、、ほんと、
えっちぃだねぇ、、ぷーもうしょうがないなぁ…ほらおいで…」
「おまえと付き合えて良かったよ…ぶっちゃけ俺には過ぎた彼女だ」
「そ、そんなことないよ!わたしも、、今凄く幸せだもん。
でも、あともう少しだけ頼りがいがあって、男らしくなって欲しいかなぁ、、
えっちぃなコトだけじゃなくてね、うふふ」
「う、うん…俺、頑張る…頑張らないと…麻奈実の彼氏の資格ないもんな」
「頑張って…きょうちゃん、、わたし期待してるよ」
何故、桐乃が髪を染め、モデルになり、陸上をやっているのか?
本当は"誰"の為に必死に…取り憑かれたように頑張っていたのか?
どうして兄である俺にあれだけ執着するのか?
ちゃんと過去を清算出来なかったのだから、今そのツケを払うしかない…。
麻奈実…おまえは本当にすげぇよ…。
おまえがもし俺の立場だったら、もっとスマートに波風立てずに
全てを丸く収めたんだろうけどさ。
もし俺が麻奈実だったら…どう考えても悲劇しか思い浮かばない。
いや…今だっておそらく、この歪で危険な三角形のバランスがギリギリ
保たれているのは麻奈実のお陰なのだ。
桐乃と俺、もう一つの三角形の頂点はもしかしたら黒猫だったのかも知れないが、
俺は自ら麻奈実を選んだ。その後に起きた色々な事に後悔してもしょうがない。
起きてしまった事はもう起きてしまったのだ。
こんな情けない俺でも無様に足掻いて何かの予兆が起きる、その時まで
……最後までやり通すしかない。
それは俺の大切な桐乃の為であり、それが俺が愛している麻奈実の為なのだ。
もう俺のせいで誰かを傷つけるわけにはいかないのだから…。
(私説)俺の妹がこんなに可愛いわけがない
麻奈実ルート いささかバットなノーマル・エンド
853 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/19(水) 23:27:53.14 ID:wqF0mtkfo
>>852
乙です。
こういう話は春先の8巻発売直前にやってもらいたかったよ
そうすりゃあんたも桐乃スキーの皆々様からフルボッコだったのにさ
854 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/19(水) 23:29:30.10 ID:/6Zoqvuu0
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世
SS予定は無いのでしょうか?
855 :
◆36m41V4qpU
[sage]:2011/10/19(水) 23:42:44.65 ID:X8LsYYc60
だから8巻前に黒猫エンド書いたけど二股とか
言われたから麻奈実で書いたんだけど…。
桐乃嫌いなつもりで書いてないけど、そう取られるならしょうがないね。
それと書き忘れたけど、まとめサイトにSS追加する方法って
掲載順でタイトル書けば後はここのコピればイイの?
すでに右メニューにSSあるのもそのままでイイのか分からないんで
やり方が分かる人、教えてください。
856 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/10/20(木) 00:17:28.00 ID:ORJfKGCAO
そこで持ち込みロトの剣
857 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東)
[sage]:2011/10/20(木) 00:32:45.71 ID:ORJfKGCAO
間違った。
>>852
乙乙
桐乃スキーのひとりとして、わりと理想的な落着点に見える。楽しく読めたよ
京介がこのあと板挟みになるのはまず避けられないだろうと思うとまた楽しからずや
858 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/20(木) 20:01:20.87 ID:vinZv3pIO
理想的か?
主観はどうであれ、端からはうまく言いくるめてるだけの二股男にしか見えんが…。
859 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/20(木) 20:52:26.02 ID:VQfG1aqYo
くだらねえ
860 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/22(土) 21:39:38.57 ID:8vGbXi14o
京介「あやせは、『沈黙は金』ってことわざは知ってるよな」
あやせ「ええ、知ってますけど……それがどうかしたんですか?」
京介「きのうは何曜日だった?」
あやせ「きのうは金曜日……って、
ああ、それで書き込みが無かったんですね」
京介「……今日もなさそうだけどな」
861 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
:2011/10/23(日) 16:19:42.94 ID:7+qor2ZM0
>>852
乙乙〜
健気な桐乃、懐の広い真奈美。だからこそ成る3角関係・・・実にいい。良かったよ。
862 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/24(月) 01:26:11.92 ID:/ERvcJ1AO
>>861
地味子ェ・・・
863 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2011/10/24(月) 04:25:26.10 ID:Wkas27rgo
京介「思えば遠くへ来たもんだ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319390510/
なんか立ってんな
864 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/25(火) 00:07:05.10 ID:77YoBnCFo
桐乃と京介が義理だった時の設定について考えてたら変な電波が飛んできた
高坂兄妹には地のつながりがなくて、実は2人ともそもそも高坂家とも血のつながりがなくて
桐乃は父親の親戚筋の子で、京介は母親の親戚筋の子
誰得だよって話
865 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/26(水) 02:42:07.74 ID:h6qgFUSAO
兄妹モノで普通の義理設定はもういいわ
どうせやるんなら革新的なのがいい
桐乃が地球人じゃないとか
866 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/10/26(水) 03:31:29.67 ID:Na1K9omFo
それだと「おれの妹のばあい」になるなww
867 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/27(木) 11:41:18.42 ID:DBohfvWAO
京介は、兄×妹エロゲやりすぎた桐乃の妄想が生んだ、実在しない幻影だった
ってので久々に書いてみるか
既に同じようなのがあるかもしれないけど
868 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/10/27(木) 19:50:06.15 ID:0l2rLEVu0
>>867
少し違うけど似たような設定のSSがあるよ
エロパロスレに投下された「兄貴の消えた日」マジおススメ
※R-18
869 :
867
[sage]:2011/10/27(木) 21:50:35.14 ID:DBohfvWAO
>>868
あ…あぶねぇ…
読んでみたらやろうとしてたことモロ被りだった…
さすがにエロは考えてなかったけど
別のアイデアにします。ありがとう
870 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/28(金) 00:24:23.70 ID:cKeyRBnzo
最近、個別スレの勢いが停滞している気がしてたけど、
こっちのスレは停滞どころか静かな冬の海の様相を呈してきた感じだ
原作9巻は、SSにとって新たなネタにはならなかったのだろうか……
871 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/28(金) 01:59:35.86 ID:Missn8Ezo
>>869
かぶってもいいからなんか書いて…
872 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/28(金) 13:11:39.98 ID:dIT4lJFL0
>>869
ごめん・・・そういうつもりで教えたわけじゃなかったんだけど
でもエロがないなら別物じゃん!気にせず投下GO!
873 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/28(金) 19:46:02.23 ID:cKeyRBnz0
今、生きてる個別スレっていくつあるの?
874 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/28(金) 20:41:26.44 ID:Pek3SFhAO
>>873
今現在、スレッド一覧の番号順で
1人生相談(桐乃)
2安価で悪戯
3思えば遠くへ来たもんだ(あやせ)
4願い(桐乃)
5夫婦(桐乃)
6落ち着かない(加奈子)
7安価で行動 ※立て逃げ疑惑
8黒猫
9沙織
がある。
875 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/28(金) 20:50:08.30 ID:cKeyRBnz0
>>874
さんきゅ
7の安価で行動は見落としてたわ
876 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
:2011/11/01(火) 22:50:19.92 ID:yRGYDxsM0
結構個別スレ立ってるんだな
一応全部生きてるっぽい?
サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:
http://vs302.vip2ch.com/
877 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/01(火) 22:51:20.04 ID:O4J5GUXNo
公園にある大きなブナの木が色づき始めた十一月のある日のことだった。
いつもの角で麻奈実と別れようとしたとき、麻奈実が急に真面目な顔をして俺に言ったんだ。
「きょうちゃん、お家に帰っても驚いちゃダメだよ」
「驚くなって、俺ん家に何があるって言うんだよ」
「……今は言えない。帰ってみればわかることだよ。
それに、もう手遅れかもしれないし」
麻奈実の顔から血の気が引くのを見て、俺はいやな予感がして家へ駆け戻った。
玄関の扉を開けた途端、魚か何かの生臭いにおいが俺の鼻を突いた。
何かがおかしいと直感したさ。
靴を脱いでそのままリビングへ行くと、テーブルの上に桐乃の文字でメモが置いてあった。
今頃帰ってきても遅いっつーの
もう、このスレは見捨てられたんだよ
俺が迂闊だったと言えばそれまでのことなんだけど。
まさか10月28日以来、誰一人としてレスしていなかったなんて……。
この三日間のことを思い出そうとしても何も思い浮かばない。
そのとき、俺はあることに気付いたんだ。
俺ん家がこうなっていることを麻奈実は知ってたんじゃねぇかってな。
そのことに気付いた俺はすぐさま麻奈実に電話をした。
「俺だけど……麻奈実は知ってたんだろ?」
『うん、わたしは知ってたんだけど、きょうちゃんがいつ気付くかな〜と思って黙ってたんだ。
でもねきょうちゃん、わたしはもっと早く気付いてもらいたかったんだよ。
残念だけど、遅すぎたよ……』
「まっ、麻奈実、待ってくれ! 俺だけでもすぐに――」
俺の言葉を遮って、麻奈実は無情にも言ったんだ。
『無理しないできょうちゃん。
きょうちゃんが今更レスしたところで、もう誰も見てないんだから』
(オワコン)
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878 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/01(火) 23:16:58.76 ID:/AdP2JHAO
またお前か
一個ネタが思い浮かんだから書き溜めてるけど、少し詰まってる
vipに立ったあやせスレのネタも良かったな
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879 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/01(火) 23:47:45.15 ID:O4J5GUXNo
>>876
仮眠中のスレが結構あるようだね、別の小ネタでもこっちに投下してくれるとありがたいけど
>>878
>vipに立ったあやせスレのネタも良かったな
↑どれ?まだあるなら読みたいんだが
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880 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/02(水) 01:02:12.16 ID:btwVZUPAO
>>879
今朝立って20レス未満で完結したあとだらだらと雑談してたけど、夕方に落ちたっぽい
中身はあやせが京介に痴漢プレイを強要するって話だった
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881 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/02(水) 08:34:17.61 ID:FuAeOzKX0
>>877
乙
お前さんがいるかぎりおわらねよ
882 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/02(水) 23:17:26.89 ID:rGzdehuI0
早く原作やらPやらで燃料投下してくんないかな
アニメ見ただけの俺が言うと無責任なんだろうけど
883 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/03(木) 01:03:39.23 ID:Vd24FsFXo
>>882
燃料はけっこう投下されてるんだけど、SSの書き手が燃え尽きてすでに灰になってる。
いまも燃え盛っているのは桐乃スレくらい、沙織スレにいたってはdat落ちしてたよ。
884 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/04(金) 18:16:30.53 ID:4wifeW8AO
燃料って言っても焼け石に水みたいな感じだけどな
原作9巻もSSの題材としては扱いづらいだろ
885 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/04(金) 21:29:38.08 ID:eWv1p4gAO
元々アニメが火付け役になって盛り上がったので、当時発行されてた7巻まではSSスレも賑わってた
8巻はアニメ終了後だったけど、ストーリーが7巻の続きだし、SS題材にしやすい恋愛話ということでそれなりに賑わってた
でもそこで一区切りついてしまったので、9巻は燃料になり得なかった
もうアニメ2期でも始まらないとダメだと思う…
886 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東)
:2011/11/04(金) 22:07:26.03 ID:6VyO0ZiAO
ダメとか言うなヨ…
アニメ2期よりも10巻のほうがまだ希望持てるんでない? 現実的には。
別にコレといって燃料が無くてもちょっとした動機・切っ掛けがあれば単発ネタなSSは書けるろうけど、
それが減ってきてる事実はやっぱ少し寂しいね
ネタ(着想)があれば書けるとは限らないけどさ
逆に書けてないけど構想はあるってケースも結構いるかもしれない。
こんな構想を暖めてるぜ!って宣言するほど厚顔ではないだけで…とか。
言って音沙汰なしになったらガッカリじゃんね(´・ω・`)
887 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/04(金) 23:25:45.72 ID:z2Ab67WZo
前から少し言ってるけど、一応書き溜めてはいる
ただ、決まったオチに持っていくのに詰まって進んでない・・・
888 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/05(土) 00:11:19.09 ID:wBb3v8m6o
俺は麻奈実からこのスレが如何に過疎っているかを思い知らされた。
こんな現実を目の当たりにしながら黙っていたんじゃ男が廃るってもんだ。
しかし、そうは言っても俺が出来ることなんて高が知れている。
適当に思いつきで書いたレスを投下するくらいのもんだ。
だが見てくれよ。
釣られて何人かがレスしてくれたじゃねえか。
中には書き溜めてる最中の書き手さんもいたし、このスレもまだ捨てたもんじゃねえよな。
俺は麻奈実に電話をして、心配すんなって言ってやろうと思ったのさ。
「麻奈実か? スレの方は麻奈実が言うほど酷くねえよ。
まあ、以前ほど活発じゃねぇけど、まったく人がいないってわけでもねえしな」
『そうかな〜、きょうちゃんは昔っから楽天家さんだからなぁ〜。
わたしのキャラスレなんか酷いもんだよ。
「おはよう麻奈実」の次のスレが「おやすみ麻奈実」なんだから、もう、ぷんぷん』
「キャラスレ? いや、すまねぇ、そこまでは気が回らな――」
ちょうどそのときキャッチが入って、俺は麻奈実に一言断ってから切り替えた。
「もしもし……」
『京介氏でござるか? 拙者、沙織でござる』
「なんだ沙織か、おまえから掛けて来るなんて珍しいじゃねぇか。
どうした、何か変わったことでもあったのか?」
『……拙者のキャラスレが、先日dat落ちしたでござる。
いや、今は親切な御仁が新しく立ててくれたので心配はないのでござるが……』
「沙織、悪ぃんだけどさ、その話はまた今度聞いてやるから」
沙織には悪いと思ったけど、俺は急いで電源を切ってやったよ。
ついでに麻奈実との通話も切れちまったけどさ――本当にどうなってるんだかな。
必ずPart.12はやって来る、俺はそう信じてるんだぜ。
しばらくして麻奈実からメールがあった。
きょうちゃんへ まとめwikiの訪問者が1000人を切りそうです
なぁ麻奈実、俺にどうしろと……
(オワコン)
889 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/05(土) 03:03:54.30 ID:FAzBfIU80
>>888
乙
終わらねえよ
お前が書くのを止めないかぎりな
890 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 04:09:15.08 ID:rlUtBc7IO
>>888
き、桐乃スレはキャラスレでも三位の勢いなんだぜ?
891 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 09:08:52.77 ID:067vy/gDO
下火というかネタが出尽くして想像の余地が無くなったんだろう
ifルートなPSPも出たしな
書き手はそもそも何書けばいいのかに苦労するはず
892 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/07(月) 03:10:18.66 ID:0Xf1dT2AO
詰まってる部分の参考になるSSがないかまとめWiki読んでたけど
気付いたらもしもあやせが妹だったらの話を読んでニヤニヤしてるだけで終わってた
まとめWikiにあるあやせSSの中であれが一番好きだな
893 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/08(火) 11:23:48.66 ID:IX5WlyWAO
>>891
確かに、恋愛も一応の決着ついたし、桐乃のオタク属性も馴染んでしまったし、主題だった兄妹の関係もブラコンが公になったし、もはや新展開にするしか活路がないね
9巻は新展開に行く前のワンクッションだったんだろうけど、結果として読者離れちゃったかもね…
894 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
:2011/11/08(火) 16:15:32.79 ID:GFM1yr+10
桐乃スレは化け物だな
いろんな意味で
895 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/08(火) 16:23:28.65 ID:SFtbUC+2o
あそこは自給自足で勝手に走り続けてるからな
ただ、桐乃と京介くっつくエンド以外は認めないみたいな空気だから、桐乃をただ妹として愛でたい派にとってはあんまり居心地がよくない
黒猫の、くの字でも出そうものなら叩かれるし
896 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 19:03:43.60 ID:yfFZ8fyIO
>>895
7巻のトラウマがなぁ…。
それまではただの妹エンドの人も結構いたし、アンチ黒猫でもなかったんだけどね。
あの反動で今の桐乃スレの現状が出来た感じ。
897 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 19:53:24.95 ID:ovFH+d9KP
作者もちょっとやり方を間違えたよなあ
加えて、原作外のところで京介が別の子とくっついた場合、
とてもじゃないが桐乃が胸張って幸せだと言えるようなEDにならないことを示しちゃってるし
桐乃に入れ込んでる人からすればもうそっちに走るしかなくなってる感はあるかも
まあ、名前出すだけで叩かれるのはさすがにいきすぎだろうけど
898 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/08(火) 23:10:53.46 ID:SWzvchONo
まあ名前出すだけで嫌がったり叩いたりするのはほんの一握りだけどね
たいして思ってない人は声を出さないけどそういう人たちが積極的に声を出すから
全体としてそう見られちゃう
899 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/09(水) 14:49:32.51 ID:9H+c3/KDO
黒猫のイラストをナイフでズタズタにするようなのが常駐してるスレなんかどうあがいても擁護できんよ
900 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/09(水) 19:17:15.78 ID:fmegKMGso
お前、あんなのがファンだと思ってんの?
901 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/09(水) 23:55:46.22 ID:RLwArFtLo
もう長いことあのスレにいるけど、スレ内でそんな画像見たことないな。
902 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 00:17:20.05 ID:0jI5fBIdP
8巻バレの時に表紙をズタズタにするようなのが常駐してるスレもあるんだから仲良くしろよ
903 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/10(木) 00:24:30.36 ID:qtsF9d5+o
>>901
あのスレは進行が早いから多分見逃したんじゃないかと
どのキャラスレにしろ、かなり変わった人が紛れ込んでいるのは事実
物語を物語として楽しめないのかねって思ったけど
リアルを捨てて、あっちの世界で生きている人かもしれんけどね
それはともかく、まとめwikiの訪問者がついに1000を切った
今月末で1周年なのに、審判の時が訪れたってか
ちなみに11月23日は、「いい兄さんの日」
904 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/10(木) 00:32:09.21 ID:ENWKukp5o
>>903
このスレがまだVIPにあった頃にそのネタで書いてる人いたな
やたらクオリティ高かった
あの人また書いてくんないかな
そしてもうすぐ1周年なのか。妙に感慨深い。
今、一番最初に投下した奴自分で読み返したら、恥ずかしさで悶死しそうになった。
905 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 00:57:55.59 ID:2MQmkhNfo
ssは結構読むし原作も全部買ってるから衰退している現状は心が痛いな…
ほとんどいってないけどたまにはまとめにも顔だすか
906 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/10(木) 03:47:41.10 ID:rxCtRmSAO
>>904
kwsk
907 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/10(木) 04:21:25.25 ID:ga92RE/9o
>>906
まとめに載ってる
これだよ
http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/31.html
VIPに立てた時はまさか総合スレ化するなんて思ってもみなかったな
厳密に言えば立てたの俺じゃないけど
908 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/10(木) 11:12:53.63 ID:rxCtRmSAO
>>907
ありがと
(良い意味で)いかにも俺妹なssだな
4巻あたりを思い出した
909 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/10(木) 19:47:22.32 ID:qtsF9d5+o
暮れなずむ公園で、俺は秋風に吹かれながらベンチに座って黄昏ていた。
ちょっとした俺の親切があだになって、その挙句に桐乃と口論になっちまったんだ。
その場に居づらくなった俺は、桐乃が頭を冷やしてくれるまで、ここに非難して来たってわけ。
何が原因だったのかってあんたは聞くのかい?
別にそれほど大したことじゃないんだ。
あんたも知ってるブリジットが、今日は俺ん家に泊まることになったんだ。
ブリジットは同い年のガキよりも大人びているとはいえ、所詮はまだ十歳の子供さ。
だから、俺がブリジットを風呂に入れてやろうかと思ったんだよ。
イギリスの風呂なんて、身体を洗うためだけにあるようなもんだろ。
日本の浴槽みたく深くはねえし、だったら子供が一人で入っても問題はねえよ。
俺はブリジットを心配したからで、桐乃が言うような卑猥な気持ちなんかまったくなかったんだ。
それなのに、桐乃はてめえの兄貴をつかまえて、ロリコン野郎って抜かしやがったのさ。
まだ十歳のブリジットに、十八歳の男子高校生が欲情するとでも思ってんのかね。
ブリジットにしたって、凄い剣幕で桐乃が怒鳴るもんだから、顔を強張らせて怯えていたさ。
そりゃあ怯えるのだって無理もねえよ。
俺が鼻歌まじりにブリジットのブラウスとスカートを脱がしてやってさぁ、
そーれ、あとはパンツを脱がせばってところで、桐乃が血相変えて脱衣所に飛び込んで来たんだ。
910 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/10(木) 20:11:19.66 ID:qtsF9d5+o
申し訳ない。急用にて出掛けます
後日、日にちをあらためて頭から投下させてください
911 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(京都府)
[sage]:2011/11/10(木) 20:15:06.54 ID:Kos45tqAo
乙
楽しみに待ってるぜ
912 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/11(金) 03:17:00.69 ID:Cjmf6/IZo
>>907
桐乃「え?嘘でしょ?」
の人か?
あれが始まりだったんだなー
913 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/11(金) 08:02:05.75 ID:dZBnzdGK0
>>910
続き書く気ないだろ...
914 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/11(金) 19:08:30.65 ID:4b26h4rDO
「後日」は明日って意味じゃないだろ
915 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/11(金) 23:51:25.84 ID:eN0Ii211o
最近はvipでスレが立ってもすぐに落ちるな・・・
それはともかく
>>909
は投下するなら何レスかくらい先に書いてから投下してほしい
普通の雑談だったのにいきなり長文が書き込まれたのかと思った
916 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/12(土) 03:53:28.31 ID:BhPEVRmAO
2chのVIPでやるSSは行き当たりばったりで書かれるのが多いから
なんだかこことはまた違った楽しさがある
その分コケる可能性も上がるが
久しぶりに加奈子とイチャイチャするSSが見たいけど
加奈子SSは需要が低いからなぁ・・・、自分で書くしかないなか
917 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/12(土) 04:16:00.34 ID:qzhKTi0so
>>912
覚えてくれてる人がいて有頂天
今は「安価で悪戯」の方を書いてるのでよかったら遊びに来てくださいね
個別スレとここを両立できないのがもどかしい
>>916
期待しても……いいんだよね?
918 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/12(土) 05:03:13.17 ID:Rm7kGmoyo
>>916
加奈子ssは始めて見た時から俺妹ssで一番好きだ
応援してる
919 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/12(土) 10:31:40.88 ID:2USwqPAJ0
ここ雑談するとこじゃねーから
920 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関東)
[sage]:2011/11/12(土) 16:32:54.48 ID:rrPPK5hAO
近いうちに書こうという人が複数いる
こんなに嬉しいことはない……
ただ長いのは次スレに移ってからのほうが良さげ。容量厳しいよ
>>919
えっ
921 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/12(土) 23:57:43.06 ID:cHvsewNto
ここの板って容量制限あったっけ?
922 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/13(日) 00:19:19.86 ID:EJsI/5SGo
>>917
またこちらでも書いてくださいね
安価のはちょっと自分には合わなかった。すいません。
923 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:40:05.90 ID:hMM60VVZo
前出の
>>909
です。
ごめんなさい。
ちょっとエロっぽいのを冗談で投下してみただけなんだ……。orz
さーてと、自分のお尻は自分で拭かないとね。
かなり改変しましたが、とにかくSSにしてみました。
投下:直ちに投下します 投下(13レス)
カプ:京介×あやせ
※以下の点にご注意下さい。
・エロはなくなった
924 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:42:22.31 ID:hMM60VVZo
誰もいない公園のベンチで独り、俺は沈み行く夕陽に我が身を重ねて眺めていた。
これから一体どうしたらいいもんかね。
家に帰れば桐乃がいるし、かといって公園でこのまま夜を明かすわけにもいかねえだろ。
夏ならまだしも、十一月も中旬となれば下手すりゃ凍え死んじまうもんな。
桐乃があれ程までに激怒するとは思わなかったんだ。
俺の親切心がたまたま裏目に出ちまったと言えばそれまでなんだけど、
結局は桐乃の一方的な剣幕に押されて、仕方なくこの公園へ避難して来たってわけさ。
あのまま家に居たら今頃、俺は全殺しになっていてもおかしくはないかも。
何が原因だったのかって?
別に大したことじゃないんだ。
アルファ・オメガのコスプレで有名なブリジットが、今日は俺ん家に泊まることになったんだ。
親父さんの仕事の都合らしいけど、俺もはっきり言って詳しいことは知らねえんだよ。
初めはあやせが同じ事務所の先輩としてブリジットを預かろうとしたらしいんだが、
ブリジット大好きの桐乃があやせを言いくるめて、無理やり家に連れて来ちまったんだ。
大きなお友だちに熱狂的なファンがいるとはいえ、俺から見れば所詮はまだ子供さ。
今日も秋葉原でのコスプレショーをこなしてきたらしく、可哀想にすっかりお疲れのご様子だ。
純粋な気持ちで俺はブリジットを風呂に入れてやろうと思ったんだよ。
俺はブリジットが疲れているだろうと思っただけで、猥褻な気持ちなんかまったくなかったんだ。
大体、年端もいかない女の子に、そんな気持ちを抱くほど俺は変態じゃねえ。
それなのに、桐乃はてめえの兄貴をつかまえて、ロリコンの変態って抜かしやがったのさ。
まだ十歳のブリジットに、健全な高校生のこの俺が欲情するとでも思ってんのかね。
ブリジットだって桐乃が凄い剣幕で怒鳴るもんだから、可哀想に怯えていたじゃねえか。
925 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:42:57.35 ID:hMM60VVZo
どうして桐乃が激怒したかと言えば、こういうことなんだ。
俺がブリジットを脱衣所へ連れて行って、鼻歌まじりにブラウスとスカートを脱がしてやったんだ。
日本人の子供と比べれば、ブリジットは十歳にしては確かに発育は良かったさ。
しかし、やっぱり子供は子供なんだな。
俺が思ってたとおりブラじゃなくてキャミソールを着ていた。
キャミソールは後回しにして、先にパンツを脱がそうと俺が指を掛けたところで、
桐乃が血相を変えて脱衣所に飛び込んで来たんだ。
「なっ、あああ、あんた! ブ、ブリジットちゃんに何してくれちゃってるわけ!?」
「何って、見りゃ分かんだろ。ブリジットちゃんを風呂に入れてやろうとだな」
「あんたがロリコンだったのは知ってたけど、よりにもよってあたしのブリジットちゃんに――
この家からすぐに出て行って! 二度と帰って来ないで! このロリコンの変態!」
よくもまぁ兄貴に向かってそんな口汚く罵れるもんだよ。
俺だってブリジットがいくら幼女とはいえ、恥じらいがあることくらいは知ってるんだ。
だから、事前にちゃんと手は打ってあるんだよ。
「桐乃、とにかく落ち着いてよく見てみろよ。
ブリジットちゃんが俺と風呂に入っても恥ずかしくねえように、ちゃんと目隠ししてんだろうが」
「……あんた、自分が何言ってるか意味分かってんの?
ブリジットちゃんにだけ目隠しさせて、あんたが目隠ししないってどういうこと?」
「どういうことって、ブリジットちゃんだって俺の裸なんか見た――」
桐乃は俺がまだ言い終わらないうちに、いきなり顔面に平手打ちを喰らわせてきやがった。
挙句の果てに腰にタメを作りやがって、今にも俺を蹴り殺さんばかりの勢いだったよ。
そんなわけで、俺は今公園のベンチで黄昏ているってわけさ。
926 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:43:28.97 ID:hMM60VVZo
「あ……あの……マネージャー……おにいさん」
「ん? なんだ、ブリジットちゃんじゃねえか。
そっか、桐乃が俺に帰って来てもいいって言ってるのか?」
「……い、いいえ……きりのおねえさんから伝言で……おにいさんに早く死ぬようにって」
「そっか、桐乃が俺に死ねってか――
ところでブリジットちゃん、あの後、桐乃に風呂に入れてもらったのか?」
ブリジットは俯き加減で、小さく首を横に振った。
「なんだ、桐乃はブリジットちゃんが風呂に入る途中だったこと、すっかり忘れてんだな。
よっしゃ、じゃあ俺が健康ランドへ連れてってやっから、今日はそこで一緒に風呂に入ろう、な」
ブリジットは健康ランドが何のことか解らない様子で、小首をかしげながら俺の顔を見ていた。
イギリスから来た十歳の女の子に健康ランドを一言で説明するのは難しい。
何か、いい例えでもあればいいんだが……
「健康ランドっていうのは……あっ、ほら、浦安にあるディ○ニー・ランドは知ってるだろ?
ちっとばかし趣は違うんだけど、あれのお風呂版っていったところさ」
ディ○ニー・ランドと聞いた途端、ブリジットの瞳がパッと輝くのが分かったよ。
幸いにもズボンのポケットには財布が入ってたから手ぶらでも構やしねえ。
タオルだとかはあっちで買えばいいし、今どきの健康ランドは下着だって売ってるもんな。
というわけで俺は、ブリジットの手を引いて駅前に出来た健康ランドへと向かった。
927 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:44:11.64 ID:hMM60VVZo
ブリジットはこういう施設が初めてだったのか、俺の手を握ったままかなり戸惑っていた。
夜はめっぽう冷え込むし、家からも歩いて来られるここの健康ランドはかなりの賑わいだ。
何はともあれ、先ずは券売機で入浴券を買わなくちゃいけねえ。
「ブリジットちゃんは、こういう所は初めてだったみてえだな。
何も心配はねえから。俺が一緒に入って、ちゃんと身体も洗ってやっから、な」
「誰の身体を洗ってあげるつもりなんですか、お兄さん」
「そんなの決まってんだろ、ブリジッ――
げっ! あ、あやせ! な、何でお前がこんな所に!?」
「それはわたしの台詞です。
どうしてお兄さんがブリジットちゃんと健康ランドに来てるんですか?
ちゃんと、わたしにもわかるように説明してください。
桐乃も一緒なんですか? まさか、二人だけで来たなんてことはないんでしょうね」
分かるように説明しろって言われても、見たまんまさ。
健康ランドには風呂に入りに来てるわけだし、桐乃と三人で来られる状況なら、
そもそもここに来る必要がねえだろっての。
家にはちゃんと風呂があるわけだし、現に俺は、ブリジットと入ろうとしてた最中なんだからな。
しかしそれをあやせに言えば、俺が生きてここを出られる保障はねえような気がしたんだ。
「いや、別に大したことじゃねぇんだよ。
家の風呂が急に壊れちまってさぁ、それも、桐乃が入った後ブリジットちゃんが入ろうとしたらな。
それにしても、あやせはなんで健康ランドなんかに?」
「わたしの家でも給湯器を新しいものに変えようと今朝から工事をしてたんですが、
なんでも部品に手違いがあったとかで、今日だけお風呂が使えなくなってしまったんです。
お母さんたちは帰ってくるのも遅いですし、取り敢えずわたしだけでもと思って」
「ふーん、そういう偶然ってのはあるもんなんだな。
話は変わっけど、俺はブリジットちゃんと一緒に入るつもりだったんだけどさぁ、
そうなるとあやせが一人になっちまうし……いっちょ奮発して、貸切の家族風呂にすっか?」
おっと、地震か? 最近の地震は太腿に激痛が伴うようになったのか?
928 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:44:53.08 ID:hMM60VVZo
「お兄さん、今何かおっしゃったようですけど、わたしの空耳でしょうか?」
「なんでもありません」
いくらなんでも公衆の面前で蹴らなくたっていいじゃねえか。
桐乃の場合は怒鳴りながらだから俺だって身構えることも出来っけどさ、
あやせは表情一つ変えずにいきなり蹴りを入れてくるからたまったもんじゃねえよ。
「冗談は顔だけにしてくださいね。
お風呂に入る前から顔を赤くして何を言ってるんですか。
大体、お兄さんが何を考えているかなんて、わたしにはわかるんですから」
「そう言うなって、あやせと貸切の家族風呂なんて冗談に決まってるじゃねえか。
まあこんな所でいつまでも話しててもしょうがねえしな。
あやせは女風呂だからあっちだろ……。俺たちはこっちだから」
「健康ランドに来たのに、死にたいんですか?」
それまで俺とあやせの会話を黙って聞いていたブリジットが、不安そうな顔で俺に訊いてきた。
「あ……あの……家族風呂とか女風呂って何なんですか?」
「うーん、どう説明すればいいかなぁ……」
「お兄さん、もしかして、ブリジットちゃんがこういう所のお風呂が初めてだって知ってて、
騙して一緒に入ろうとしてたんですか?」
俺がブリジットと一緒に風呂に入るのが、そんなにおかしなことなのか?
昔はよく一緒に……いや、俺がブリジットとなんてあるわけねえか。
929 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:45:41.81 ID:hMM60VVZo
「すまねえな、あやせ。冗談だから、気ぃ悪くしたらごめんな」
俺は受付で入浴券と下駄箱の鍵を渡し、係りの人に言ってタオルを購入した。
「ほら、ブリジットちゃん、これタオルな。……石鹸とかシャンプーは中にあるから。
あとこっちのバスタオルは借り物だから、帰りに返すことになってるんだ。
ごめんな、一緒に入れなくなっちまって……今日は、あやせと一緒に入ってくれないか」
本当は俺が一緒に入ってやりたかったんだが、これ以上あやせの怒りを買いたくはねえ。
あやせは俺のことなんか大嫌いかもしれんけど面倒見はいいヤツだから、
ブリジットもあやせに任せておけば大丈夫だろう。
「じゃああやせ、ブリジットちゃんのことは頼むな」
「お兄さん、ちょっとだけここで待っていてください」
あやせはそう言い残し受付まで小走りで走ると、係りの人と二言三言話をしてから戻ってきた。
受付で何か買ったらしく、小さなタオルくらいの包みを持って。
「貸切の家族風呂がまだ空いていたので、思い切って借りてみました。
一時間だそうですけど、わたしとブリジットちゃんと……お兄さんの三人で入ります。
お兄さんに異存はありませんよね」
「俺に異存はねえけど、あやせに――」
俺が言い掛けると、あやせはそれを遮るように手にした包みを俺の目の前に突き出した。
「ご心配なく。受付で湯浴み着を買ってきましたから。
ブリジットちゃんの分も買いましたけど……お兄さんは湯浴み着はご存知ですよね」
「何でそこまでして……」
「別に、いいじゃないですか。時間がなくなってしまいますから早くしてください」
あやせはブリジットの手を引くと、スタスタと建物の奥にある家族風呂へと歩いて行った。
930 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:46:26.88 ID:hMM60VVZo
この健康ランドには大浴場やサウナの他にも、貸切にできる家族風呂が幾つかあって、
中から鍵さえ閉めてしまえば他の客に邪魔されることもない。
それこそ、その名のとおり家族水入らずで風呂が楽しめるってわけだ。
あやせはそのうちの一つの前で足を止めると、俺に先に中に入るように促した。
中に入ると先ずは四畳半ほどの脱衣所があり、その奥のガラス戸の向こうが風呂場らしい。
ブリジットがやや緊張した面持ちで入ってきて、あやせがその後に続いて入ってきた。
「あやせ、俺は別に――」
「お兄さんは黙っていてください。
それと、わたしとブリジットちゃんが湯浴み着に着替えるまでの間、後ろを向いててください」
あやせは緊張のせいか多少言葉が上擦ってはいるものの、別に怒っている様子はなかった。
一体、何がどうしてこうなったんだろう。
俺があやせの機嫌を損ねるようなことを言った憶えもない。
そんなんだったら、あやせが俺と一緒に風呂へ入るなんて言い出すわけがねえし。
いや、自分でも気付かぬうちに俺が何か言っちまったのかもな。
あのとき、あやせが急に思い立ったように受付へ小走りで走って行ったんだから。
「お兄さん、もう前を向いてもいいです。
わたしたちは先にお風呂に入ってますから、お兄さんも服を脱いだら来てください」
二人の着ている湯浴み着は、かなりゆったりとしたキャミソールとでも言えばいいのかな。
光沢のある淡いピンク色の薄手の生地だが、その割りには透けることもないらしい。
お揃いの湯浴み着に着替えたあやせとブリジットは、まるで仲の良い姉妹のようだった。
二人ともちょっと恥ずかしそうだが、其の実けっこう気に入ってるみたいだ。
それにしても、湯浴み着を着ているとはいえ、すぐ下は二人揃ってスッポンポンなのかと……
931 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:47:16.49 ID:hMM60VVZo
あやせは、湯浴み着の裾が思ったよりも短いのをしきりと気にしているようだった。
俺から見ればいつもあやせが着ている制服のミニスカートと変わりがないように思うが、
さっきからひっきりなしに裾を引っ張っている。
「お兄さん、一つだけわたしと約束していただけませんか?」
「ん? 何を約束すればいいんだ?」
「今日のことは、わたしとブリジットちゃんと、お兄さんの三人だけの秘密にしてください。
わたしもブリジットちゃんも、こんな格好でお兄さんの目の前にいるなんて
本当は恥ずかしくて死にそうなんですから」
「わかった。あやせがそう言うなら……」
「ありがとうございます。わたし、お兄さんのことは信じています」
健康ランドが初めてのブリジットが待ち切れないとばかりに風呂場のガラス戸を開けると、
白い湯煙がうっすらと脱衣所の中まで立ち昇ってきた。
「あ……あの……あやせおねえさん……」
「ごめんねブリジットちゃん」
あやせはブリジットに待たせたことを詫び、二人揃って湯煙の中へと消えていった。
そんな微笑ましい二人の姿を見て、俺もぼうっとしてる場合じゃねえよな。
何しろ一時間しか時間がないってことだし、俺もとっとと服を脱いで風呂に入らねえと。
それにしても、さっきから何かおかしいんだよ。
ブリジットはまだ子供だって分かってるし、俺にロリコンの気は毛頭ないからいいとして、
あやせのあんな艶姿を見ても俺の身体が何の反応も示さないとは。
まさかゲー研の瀬菜の影響で、俺の性癖がそっち方面へ移ったわけじゃあるまい。
932 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:48:02.47 ID:hMM60VVZo
俺が腰にタオルを巻いて風呂場へ入ると、二人は仲良く並んで身体を洗っていた。
どこかでこんな光景を見た憶えがあるなと思いながら、俺はブリジットの隣りに腰を掛けた。
家の風呂と違って、こういった所は独特の匂いがあって新鮮な気分だ。
ブリジットも場に慣れたのか楽しそうに身体を洗っていたんだが、ふとその手を止めてしまった。
「ん? ブリジットちゃん、どうかしたのか?」
「あ……あの……背中が洗えないんです。
いつも、背中だけはパパに洗ってもらっていたんで……その……」
ブリジットを挟んで隣に座っていたあやせを見ると、ちょうど髪の毛を洗い始めたところだった。
あやせもブリジットちゃんの話を聞いていて一瞬だけ困った顔をしたんだが、
すぐに俺の顔を見て小さく頷いた。
この俺にブリジットの背中を洗えってことか……?
「背中だけはパパに洗ってもらっていたんで……あの……」
「じゃあブリジットちゃん、今日だけは俺がパパに代わって洗ってもいいかな?」
俺は背後に回って、ブリジットの手から石鹸の泡だらけになったタオルを受け取った。
そこで俺は気付いたんだ。
いや、それまで気付かなかった俺が馬鹿なのかも知れんけど……。
ブリジットの背中を洗ってやろうと思ったら、俺がブリジットの湯浴み着の中に手を突っ込むか、
それともなけれが湯浴み着をめくり上げるしかねえだろ。
そんな俺の戸惑いなんぞお構い無しにブリジットは、自分で湯浴み着をめくり上げると、
「お……おにいさん、おねがいします」
鏡に映るブリジットは、子供らしい無邪気な顔で笑っていた。
あやせはと見れば、俺と眼を合わせないようにがむしゃらに髪の毛を洗ってるし……。
933 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:48:44.33 ID:hMM60VVZo
ブリジットの背中を洗ってから、俺がシャワーで洗い流してやっていると、
「お、お兄さん……ブリジットちゃんの次は、わ、わたしの背中もお願いします」
「ま、まさか、あやせも普段はパパに洗ってもらってるなんて言うんじゃ――」
「ぶち殺されたいんですか? ――なわけないじゃないですか。
こ、こんなこと滅多にないことですし……できれば一度くらい……お兄さんに……」
今度はあやせの背後に回り、何の考えもなしにあやせの湯浴み着をめくり上げたときだっだ。
あやせは一瞬声にならない声を上げ、慌てて両手で自分の胸を隠した。
「す、すまねえ。そんなつもりじゃなかったんだけど……」
「い、いいんです。……でも、お兄さん……見ましたよね?」
「いっ、いや、何にも見え……ごめん、少しだけ見えました」
「うふっ、正直なんですね。別に怒ったりしませんから安心してください。
元はと言えば、わたしからお兄さんにお願いして頼んだことなんですから」
あやせの背中はブリジットと変わらないくらいに色白で、肌のキメが細かくてすべすべとしていた。
俺が洗い始めると、あやせはキュッと肩をすぼめて緊張していることが分かる。
しかし、肩越しに鏡に映るあやせの顔を見ると、顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに笑っていた。
あやせの背中を洗わせていただけるなんて、結婚でもしないかぎり無理かと思ってたよ。
「あやせの背中って、きれいなんだな……」
「そう言っていただけると、たとえお兄さんでも嬉しいです」
「たとえお兄さんでも、ってのが余計だけどな」
「わたし、一人っ子だから……兄妹で一緒にお風呂に入ることなんて一度もなかったし、
お兄さんに背中を流してもらえるなんて、考えたこともありませんでした。
ドラマなんかでそういうシーンを見ると、わたしにも兄妹がいればなぁ……なんて」
「そっか、そういうことだったったのか……」
934 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:50:14.88 ID:hMM60VVZo
あやせは勘違いしているようだが、兄妹だからって一緒に風呂に入るわけじゃねえ。
ましてこの歳でそんなことを口にしたら最後、俺の命はないものと覚悟しなければならん。
最後に俺が桐乃と一緒に風呂に入ったのだって、遠い記憶の彼方だし。
それにしても、女子中学生の背中を男子高校生が流している光景って一体……。
「わたしの次は、ブリジットちゃんとわたしでお兄さんの背中を流してあげますから」
「俺は別に……まぁあやせがそうしてくれるって言うなら」
妹がいる奴なら分かるだろうけど、この歳になって一緒に風呂に入りたいなんて思わんよ。
たとえ兄貴から入ろうと言っても、妹の方から拒否されるのは目に見えている。
「じゃあ、今度はお兄さんの番ですから、そこの椅子に座ってください。
今日は特別ですから正座じゃなくてもいいです」
その言い方だと、俺はあやせの前ではいつも正座してるみたいじゃねえか。
ブリジットが石鹸をつけたタオルを持って、俺の隣りで今か今かと準備していやがる。
あやせも言ってたけど、こんなこと滅多にないことだし……まいっか。
それは俺が椅子に腰を掛けて、少しだけ上体を前に屈めたときに突然やってきた。
視界が急に薄暗くなり、世界がぐるぐると回り始めちまったような、そんな感覚だった。
「あ、あやせ……何だか分かんねえんだけど……身体の調子が変なんだ。
ゆっくりでいいから、二人とも風呂から上がって誰か呼んで来てくれねえか」
「お兄さんどうかしたんですか? ……何だか、顔色が真っ青。
今、すぐに係りの人を呼んできますから待っててください」
「あやせ、本当にゆっくりでいいから。
二人とも裸同然の格好なんだし、落ち着いて着替えて、ちゃんと髪を乾かしてから……」
「お兄さんしっかりしてください。ブリジットちゃんはお兄さんを見ていて」
俺がまだ言い終わらないうちに、あやせがガラス戸を開けて飛び出していく姿が見えた。
ブリジットが不安げな顔で心配そうに俺を見ている。
すぐに廊下側の扉が開いた音がしたかと思うと、バタンと勢いよく閉まる音が聞こえた。
ゆっくりでいいってあれほど言ったのに。……あやせ、髪の毛が……濡れたままじゃねえか。
俺の意識は、そこで途切れた。
935 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:50:55.75 ID:hMM60VVZo
俺が瞼を開けたとき、先ず目に入ってきたものは白い天井だった。
ゆっくりと眼だけを動かして周囲を窺えば、左右と足元は淡いクリーム色のカーテン。
どうやら俺は、医務室か病院のベッドにでも寝かされているらしい。
「あっ、お兄さん……気が付いたんですね。桐乃! お兄さんが目を覚ましたよ」
あやせの呼び掛けにカーテンの隙間を開けて入って来たのは、あろうことか桐乃だった。
苦虫を噛み潰したような、それでいて少し安心したような複雑な顔をしてやがる。
「……肺炎に罹る一歩手前だったらいいよ。
ったく、夕方頃から何か様子がおかしかったもんね。
何でまた急にブリジットちゃんをお風呂に入れようなんてしてたのよ」
「き、桐乃……お兄さんも大丈夫そうだし、わ、わたしももう帰るね」
「あやせに感謝しなさいよね。
たまたまあやせが家族と一緒に健康ランドに来てて、ほんとに運が良かっただけなんだから」
あやせのヤツ、桐乃に嘘つきやがったな。
たしかにあの状況を桐乃に説明することなんか、さすがのあやせだってできやしねえ。
「あっ、あやせ、ちょっとだけこの馬鹿を見ててくれる?
病院の外まで行って、お母さんに電話してくるから。病院の中じゃ携帯使えないし」
「あ、うん……気をつけてね、桐乃」
一方的に話をする桐乃と、そわそわと落ち着きのないあやせ。
二人の会話を聞き流しながら、調子がおかしかったのはどうも今朝からだったと思い出した。
朝起きたときから身体が重だるかったし、昼もそれほど食欲がなかったような……。
挙句の果てに、ブリジットに目隠をして一緒に風呂に入ろうとしたり。
936 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/13(日) 06:51:51.65 ID:hMM60VVZo
桐乃が病室を出て行ったのを確かめてから、あやせはベッド脇の椅子にそっと腰掛けた。
俺にはカーテン越しの隣りのベッドに他の患者がいるかどうかは分からねえけど、
あやせは俺に顔を近づけて、耳元で囁くように小さな声で話し始めた。
「お兄さん、本当にごめんなさい。
お兄さんの体調が悪かったなんて、わたし全然気付かなくて……」
「あやせが悪いんじゃねぇから、俺だって気を失うまでは分からなかったんだしな。
それよりもあやせ、ありがとうな。
桐乃に連絡したり大変だったろ……どう話したのかは聞かねえけどさ」
さっきの桐乃の話じゃ、あやせは家族と来ていたことになっているらしいし、
俺が腰にタオルを一枚巻いただけの姿で意識を失った後、ここまでどうやって来たのか。
訊きたいことは山ほどあったけど、無理に訊けばあやせが可哀相だしな。
「……お兄さん、あのときの約束は覚えていますよね?」
「ああ、誰にも言ったりしないから安心してくれ」
あやせは小さく頷いてから俺の手にそっと触れると、少しだけ頬を染めて俯いた。
「それともう一つだけ……わたしと約束していただけませんか?」
「俺にできることならな」
「あのときわたし、まだお兄さんの背中を流す前でした。
いつかきっと……一度だけでもいいですから、わたしの願いを叶えさせてください」
(完)
937 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/13(日) 08:32:15.71 ID:XvajtWEDO
GJ!
ブリジットものだと思ってたら途中からあやせものになっていた…な、何を(ry
てか京介は風邪引くと変態になるのかwwwwww
938 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/13(日) 10:14:05.24 ID:eWGL6dPAO
おつー
同じく最初は久しぶりのブリジットメインと疑わなかったwwww
京介はブリジットをこども扱いで気軽に風呂にも誘える一方、
ブリジットのほうはませてて「パパとは違うんだ…」的に意識しちゃってわちゃわちゃする
そんな風に思っていた時期が僕にもありました
939 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/13(日) 11:08:33.11 ID:2YK9QTkQo
乙
風邪引いても風邪を引かなくても変態とか、京介の救いようがねえwwww
というかあやせのおっぱいを見ただと?
なんてうらやまけしからん
940 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/13(日) 21:20:11.48 ID:mcAJo/QM0
乙!
あんなネタでまさか続きくるとは思わなんだ
疑ってすまなかったorz
941 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/13(日) 22:17:47.61 ID:LwkO1RSOo
くぅ…どうしてNekoさんの描くあやせは毎回毎回こうも魅力的なのか…!
GJでした!
942 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/13(日) 23:59:03.76 ID:hMM60VVZo
あやせを書くといつも最後は同じパターンなんて、口が裂けても言えない……。
と、本人がつぶやいてみる。
桐乃SSと加奈子SSも書きたいんだけど、口調がうまく書けなくて。
943 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/14(月) 02:42:26.43 ID:ssMRXiBDO
あやせSSを書き続けよという神のお告げなのだ
944 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/14(月) 03:07:09.15 ID:Z4Oaa813o
ワンパでもいい
たくましく投下してほしい
945 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/14(月) 04:40:34.81 ID:d7lxtZSAO
>>944
古いなww
946 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/14(月) 05:05:51.66 ID:6m+P77Nho
ワンパでつまんないんだけどね
947 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/14(月) 19:20:24.89 ID:ssMRXiBDO
プッ
948 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/14(月) 19:34:19.76 ID:I1zivV5io
-訂正-
× 「……肺炎に罹る一歩手前だったらいいよ。
○ 「……肺炎に罹る一歩手前だったらしいよ。
ニュアンスがかなり変わってしまうので
949 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(大阪府)
[sage]:2011/11/15(火) 23:43:12.89 ID:nURhku5H0
>>948
すまん、最近眼鏡を変えたせいで違いがよくわからんのだが
950 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/15(火) 23:49:19.82 ID:J4ulRX80o
>>949
落ち着いてよく読むんだ
951 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/17(木) 00:58:59.85 ID:aTSLcXZC0
漢字じゃなく平仮名をみな
952 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/17(木) 01:40:49.68 ID:d5apqcpfo
このスレの消化スピードには感慨深いもんがあるね
うっとおしい梅雨どきに産声をあげ、暑い夏もなんとか乗り越えたのに、
人恋しい秋に人はおらず、冬の寒さにその身をさらすのみ……
Part.12はもう無くてもいいんじゃないかと
953 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/17(木) 04:51:10.34 ID:V7ixFBWDO
お前が消えれば済む話だ
954 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/18(金) 03:44:27.15 ID:I39NYWDao
エロパロのそらおとSSスレなんか3年ぐらいかけて1スレ消化だからな
それにくらべればなんてことはない
955 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)
:2011/11/19(土) 13:40:44.36 ID:n0hb3/Ao0
今から投下しようにも残りが少ないからな
小ネタをちょくちょく
956 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/19(土) 21:48:57.04 ID:deRCnVtao
>>955
期待
957 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/11/20(日) 04:44:16.25 ID:6oa9KULAO
すこし早いけど次スレテンプレ用覚え書き
■関連スレ変更
(html化済)
ハムスレ
モデルスレ
あやせスレ
(置き換え、近日新スレ予定)
安価で悪戯
(追加)
○【俺の妹】 願い 【序から始まる物語】
○沙織「京介先輩」 ※LR変更による足切り可能性あり
○京介「思えば遠くへ来たもんだ」
○桐乃「読モをクビになっちゃった」
○京介「俺が教師かぁ…。」
下ふたつはまだここで新規告知なかったようだし、それも兼ねてってことで。
958 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/20(日) 23:02:02.48 ID:Lo9WU8Kro
スレの穴埋めにでもなればと……。
ほとんど書いたことのない京介×桐乃ですまん。
投下:直ちに投下します 投下(5レス)
959 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/20(日) 23:02:36.85 ID:Lo9WU8Kro
俺は河原の土手に腰を下ろし、河川敷で草野球に興じる小学生たちを眺めていた。
時を忘れたかのように夢中で遊ぶ子供たち。……ふと、俺も幼かった頃のことが胸に甦る。
この季節、うかうかしていると、立ちどころに日が暮れちまう。
いつまでも遊んで帰らねえと、家で子供の帰りを待っている親が心配するだろうが。
俺の場合は、親父に怒鳴られ、逆に家を飛び出してきたわけだが……。
親父との衝突は以前からもしょっちゅうあったし、今更珍しいことでもない。
しかし、親父が今日みたく本気で怒ったことなんか、俺の記憶を遡っても無い気がする。
強いて言えば、桐乃のオタク趣味がバレたとき以来のことかもな。
あのときは俺も身体を張って踏ん張ったんだが、今度ばかりは堪らずに逃げ出してきたってわけ。
どうも自分のこととなると、イマイチ腰が引けちまっていけねえ。
「やっぱ、ここだったんだ。多分、ここじゃないかなって思ってた。
……あんたはお父さんに怒られると、決まってここに来てたもんね」
「つまんねえこと憶えてんじゃねえよ」
「――ほらっ、少しはあたしに感謝しなさいよね。
寒いだろうと思って、あんたのジャンパー持って来てやったんだから」
桐乃は俺の鼻っ面にジャンパーを押し付け、さも得意げに俺を見下ろして笑いやがる。
俺と親父の怒鳴り合う声が二階にも聴こえたんだろうが、桐乃がリビングに入ってきたのは、
親父の剣幕に矢も盾も堪らず、俺がソファーから立ち上がったときだった。
顔を真っ赤にして仁王立ちになった親父の顔と、無言でリビングを出て行く俺の顔を交互に見て、
桐乃のヤツは目を白黒させてたっけか。
960 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/20(日) 23:03:14.05 ID:Lo9WU8Kro
「――横、座ってもいいかな」
「座りてぇなら、勝手に座ればいいじゃねえか。
別に、俺の河原ってわけでもねぇし……おまえの好きにすればいいさ」
「聞いてみただけなんですケド。
……なんか、横に座ったら、あんたとデートしてるみたいに見えてヤじゃん」
何だかんだと文句を付けながらも、桐乃は俺の隣りに腰を下ろした。
そして、辺りを少し窺うような仕草を見せたかと思うと、俺との間合いを少しだけ詰めて、
「か、勘違いしないでよね! 少し寒くなってきたし、あんたでも風除けくらいにはなるし……」
「はっ、そりゃどうも。……おまえの風除けくらい、俺はいつだってなってやるさ」
「な、何だか、いつもの態度と違ってて、調子が狂うんですケド……。
そんなことより、お父さんから話は聞いたんだけどさぁ……
やっぱ、今回の件は、お父さんの言ってることの方が正しいと思うんだよね」
「俺だって、馬鹿なこと言ったってのは分かってるさ。……売り言葉に買い言葉ってヤツ?」
「それにしたって、高校卒業したらサーカスに入るだなんて……馬鹿じゃん」
親父と喧嘩になったのは、俺の将来について話をしている最中だった。
取り敢えずそこそこの大学に入って、取り敢えずそこそこの企業に就職して……。
明確な将来の展望なんか俺にあるわけもねえし、それこそ俺の取り敢えずの将来設計だ。
厳格な親父にしてみれば、そんな行き当たりばったりの生き方が癇に障ったようだ。
「ほんと、あんたって呆れるほどの馬鹿だよね。
お父さんの性格を知ってて、そんなこと言えばお父さんが怒るに決まってるじゃん。
――で、あんたも怒りに任せて、サーカスに入りたいと……」
「俺みたいなのは大学へ入っても無駄だから、就職して世間の風に晒されて来いって。
俺も頭に血が上っちまって、だったら俺はサーカスに入って世界を股にかけてやるって……。
……面目ない」
961 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/20(日) 23:03:56.14 ID:Lo9WU8Kro
桐乃は呆れたような顔をしただけで、黙ったまま子供たちの草野球を見ていた。
一年と半年くらい前なら、こうして俺たち兄妹が川原の土手に並んで座っている光景なんて、
多分、想像もできなかっただろうな。
もっと、ずっと昔なら……こんな光景も珍しくなかったような気もするんだが。
「ねぇ、あんたって小さい頃から、あの子たちみたいに野球とかってしなかったよね。
興味が無かったの? それとも只の運動オンチだったとか」
「ばーか、俺は小学生の時は忙しかったんだよ」
「忙しいって、小学生のくせに――あっ、そうか……」
世の中に忙しい小学生なんか、ごまんといるんだよ。
塾の掛け持ちで忙しいヤツもいるだろうし、俺みたいに家庭の事情で忙しかったヤツとかな。
「……あんたは、あたしの面倒を見なくちゃいけなかったから、そんな暇なかったんだね。
あの頃は、お母さんもパート勤めしてたし、あたしの面倒を見るのはあんたの役目だったもんね」
「別に俺の役目ってわけでもねえけど、二人きりの兄妹だしな。
俺は兄貴だし、おまえは妹なんだから、気が付いたら自然とそうなってただけさ。
それに、あの頃のおまえって、今と違ってけっこう人見知りが激しかっただろ」
「ふ〜ん。まあ、あの頃は人見知りが激しかったのは本当のことだけど……
実は、あたしのことが可愛くて、心配で心配で仕方がなかったんじゃないの?」
「ば〜か」
桐乃の面倒を見るのは別にイヤじゃなかった。
あの頃の俺にとって、桐乃は親父とお袋からもらった大切な宝物みたいなもんだったし、
俺の言うことなら何でも素直に聞く家来でもあったしな。
「お母さんが、あたしの奴隷としてあんたを差し出してくれたわけだけど……」
「ざけたこと言ってんじゃねーよ、桐乃が俺の家来だったろーが」
「ばかじゃん」
962 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/20(日) 23:04:39.29 ID:Lo9WU8Kro
桐乃がまだ保育園へ通っていたとき、桐乃を迎えに行くのはいつも俺の役目だった。
当時は保育園が終わる時間と学校の授業が終わる時間が同じだったから、
俺は授業が終わると、友だちからの遊びの誘いを振り切って保育園へ走って行ったもんさ。
それでも、たまには誘いを断り切れないことだってあったんだ。
保育園には色々と家庭の事情ですぐに迎えに来られない親もいるわけで、
そんな園児のために居残りクラスが設けられていた。
俺が遊びの誘いを振り切れなかったときは、桐乃も当然その居残りクラスにいるわけで……。
桐乃は他の園児のように絵本を読んだり、積み木で遊んで待っているわけでもなく、
窓ガラスに張り付いて、俺が迎えに来るのをひたすら待っていた。
「あの頃、おまえにも今みたいに友だちがいれば、俺だって野球くらいやってたかもな」
「し、しかたないでしょ。……あの頃は、あたしもどっちかっていうと人付き合いが苦手だったし、
遊び相手なんて、あんたがいれば……十分だったし」
桐乃は俺が迎えに来たのが分かると、決まっていつも怒ったような顔で玄関から飛び出してきた。
俺があと五分でも遅れていたら、怒った顔は泣き顔に変わっていたかもしれんけど。
保育園の帰り道、桐乃は、俺のシャツの裾をしっかりと握ったまま離すことはなかった。
文句を言いながら俺のシャツを握っていたときの姿は、あの夏コミのときとまったく変わらねえ。
「あんた、小さい頃あたしと一緒によくやった、かくれんぼって今でも憶えてる?」
「ああ、俺がいっつも鬼で、おまえが隠れる役ばっかだったのは憶えてるさ」
「あたしは早く見つけてもらいたいんだけど、あんたって、かくれんぼやらせてもダメじゃん?
そのうちに、あたしはいつも眠くなっちゃって、気が付くとソファーの上で寝かされてて、
ちゃんと毛布も掛けてもらってて……あれって、あんたがやってくれたんだよね」
「俺以外だったら怖いわ。……おまえは、いっつもとんでもねえ所に隠れてっから、
捜す俺だって大変だったんだよ。
ひとりかくれんぼやってんじゃねーよって言いたかったぜ」
963 :
◆Neko./AmS6
[sage saga]:2011/11/20(日) 23:05:27.88 ID:Lo9WU8Kro
家の中で、それも妹と二人きりのかくれんぼってのは、けっこう辛いもんさ。
俺が桐乃を見付けても、幼い桐乃が鬼をやるわけもなく、鬼はいつまで経っても俺なわけだ。
しかし、考えてみれば今も俺は桐乃とのかくれんぼで、鬼を続けているのかもしれない。
目を離した隙に俺の元から居なくなってしまう桐乃と、そんな桐乃をいつも捜し続けている俺。
永遠に終わらないかくれんぼだが……それは、俺が望んでることなのかもな。
「ねぇ、もしも、もしもだけどさぁ……あたしが、あんたに……
兄貴に、『もう〜いいよ』って言ったら、兄貴は今よりももっと自由になれるんだよね」
「何を馬鹿なこと言ってんだか、俺はおまえが思ってるよりも、結構自由気ままに生きてるさ。
そんなことより、親父が怒ってる件、何とかなんねぇかなぁ」
「ばかじゃん、自分のことは自分で何とかしなさいよね。
妹が兄貴に頼るのは可愛いけど、兄貴が妹に頼るなんて、只のヘタレにしか見えないって。
お父さんも、今頃は少し言い過ぎたって後悔してるかもしれないじゃん」
何となく俺の方からはぐらかしちまったけど、桐乃が、俺に何を言いたかったかは分かっていた。
いつの日にか桐乃が、この俺に、『兄貴、もういいよ』と言ってくる日が来るかもしれない。
その日は明日かもしれないし、もっとずっと先のことかもしれねえけどな。
「なぁ桐乃……もう〜いいかい?」
桐乃は立ち上がってスカートの裾に付いた土埃を軽く払うと、
「まあ〜だだよ……ってね。
あんたは生まれたときからあたしの兄貴なんだし、そう易々と御役御免になんかしないっつーの。
ほらっ 、いつまでも馬鹿なこと言ってないで――」
桐乃が、少しだけ照れたような仕草で俺に向かって右手を突き出した。
俺は、桐乃の手をしっかりと握って立ち上がった。
今、桐乃の顔が赤くなっているように見えるのは夕陽のせいかもしれねえけど、
お蔭で桐乃にも、俺の顔が赤いのは分からねえだろうな。
(完)
964 :
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(埼玉県)
[sage]:2011/11/20(日) 23:20:00.06 ID:OeImpdTyo
読モやっている子が「ジャンパー」とは言わんだろww
965 :
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[sage]:2011/11/20(日) 23:32:26.81 ID:Q8m7D1lvo
ちょっぴり切なくて、しんみりしてしまった。
こういう繊細な感じの話、相変わらずうまいね。
乙でした。
966 :
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(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/21(月) 01:28:52.49 ID:4PkRcs4Q0
泣いた
967 :
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[sage]:2011/11/21(月) 03:03:14.70 ID:FgKNs22DO
しんみりとした
968 :
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(東京都)
[sage]:2011/11/21(月) 20:53:27.62 ID:KwOxnsEr0
乙なんだ
969 :
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(福岡県)
[sage]:2011/11/22(火) 00:00:26.92 ID:6Z/dcUCF0
普通に秀作だと思った
余計なお世話だろうけど、実はあやせより桐乃書く方が面白かったりして
970 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/22(火) 22:07:48.12 ID:Bxa/eJnAO
明日は1123の日
兄妹の濃厚なやつを期待したい
971 :
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[sage]:2011/11/22(火) 23:24:29.01 ID:oRS1Ene7o
>実はあやせより桐乃書く方が面白かったりして
それは、あやせSSがつまらんってことかい? 屋上で話そうじゃないか
>>970
京介が押入れの整理をしていると、小学生のときに使っていたランドセルが出てくる。
ランドセルは型が崩れ、傍目に見ても、とてもじゃないが使えるような代物ではない。
当時、まだ小学校に上がる前の桐乃にとって、京介のランドセルはまさに憧れの的。
ある日のこと、桐乃が京介の目を盗んで勝手にランドセルを背負って遊びに行ってしまい、
桐乃が居ないことに気付いた京介はあちこちと探し回っていた。
ちょうどそのとき、近くの用水路で大きな水音が聞こえる。
重いランドセルを背負いフラフラと歩いていた桐乃が、誤って用水路に落ちてしまった。
幸いにも京介が用水路に飛び込み桐乃は無事だったんだが、水中に沈んだランドセルは……
↑こんな内容は?
972 :
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(大阪府)
[sage]:2011/11/26(土) 02:37:47.64 ID:Wy6ESuh50
思うんだが、Mr.武士道のようなアプローチをあやせたんにかけたら楽に落とせるんじゃね?
973 :
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(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/28(月) 15:55:25.22 ID:u4deUh4AO
俺のオナホールが〜
が面白かった
色々酷いけど
974 :
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[sage]:2011/11/30(水) 12:48:12.61 ID:47/HYBZSO
京介「思えば遠くへ来たもんだ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319390510/l50
が突然の打ち切り終了
更に◆Neko./AmS6さんが俺妹引退宣言
Part.12は大丈夫かな…
975 :
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(長屋)
[sage]:2011/11/30(水) 13:35:44.68 ID:0VtntuwUo
あぁ…ますます過疎っていく……
976 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/30(水) 15:02:02.48 ID:Sa5XwBKAO
>>974
スレ見てきたけど、単にまとめる力量がなくて逃げを打ったんじゃね?
終わらせ方って一番難しいんだよね
977 :
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[sage]:2011/11/30(水) 15:26:16.87 ID:qrd0pb9DO
何が逃げだ
アホか
あーあこういう頭悪いのがいるから引退しちゃうんだろうな…
978 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/30(水) 17:29:46.76 ID:Sa5XwBKAO
そのSSが好きだったのか知らんけど、更新止まったSSスレ主の「都合によりやめます」は行き詰まりの常套句だぞ?
途中で投げ出したならそれ相応の意見を言われるのは普通のことだと思うけどね
979 :
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(関東)
[sage]:2011/11/30(水) 18:33:39.63 ID:cFs67aeAO
実生活での事情や都合は窺い知れないわけだし、今までありがとうと気持ちよく送るべきじゃね?
↓次スレよろしく
テンプラあげには957参照
980 :
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[sage]:2011/11/30(水) 18:45:47.24 ID:6E6GU+5xo
宣言しただけ良いと思うけどね
981 :
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[sage]:2011/11/30(水) 18:48:42.97 ID:6E6GU+5xo
スレ立てって980だったっけか…
初めてだけどやってみる
982 :
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[sage]:2011/11/30(水) 19:16:06.06 ID:6E6GU+5xo
俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.12
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1322648060/
立ててきました
至らぬ点があれば補足してもらえると助かります
983 :
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[sage]:2011/11/30(水) 19:24:09.42 ID:+UgNmMU0o
まとめwikiの一周年にあたる今日、Part.12が立つとは
なんだか感慨深いというか……
984 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/11/30(水) 22:07:44.99 ID:Sa5XwBKAO
>>979
でも10月末にスレてて100スレも行かないうちの11月初めに更新しなくなって、でも本スレには投下してて、
結局3週間放置の後に辞めます宣言だから、普通の尺度で測ればマナー違反だと思ったよ
まぁ、宣言しただけマシってのは同意
985 :
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[sage]:2011/11/30(水) 22:40:51.34 ID:SfbCLJ/ho
>>982
スレ立て乙
>>984
つーか総合スレを含めて引退なんだからリアルで何かあったんだろ。
単発の個別スレじゃなくて今まで色んな作品を書いてきた人なんだし。
お金払ってるお客様でも何でもないのに何でそんな上から目線で文句言えるのか理解に苦しむわ。
986 :
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[sage]:2011/11/30(水) 22:59:48.44 ID:fR5FiTAWo
>>更に◆Neko./AmS6さんが俺妹引退宣言
マジで?どこで宣言したんだ?
987 :
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[sage]:2011/12/01(木) 19:35:51.84 ID:ZT/UNT/IO
>>986
あやせSSの単独スレ。もう落ちちゃったけど。
988 :
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[sage]:2011/12/02(金) 00:47:02.40 ID:ZjgeIatKo
そう考えると安価SSの人は凄いな
あの人一年中ほぼ同じペースでSS書いてる気がする
989 :
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[sage]:2011/12/02(金) 04:58:52.27 ID:lrKANVJBo
たまには普通のSSが読みたい気もするけど
990 :
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[sage]:2011/12/03(土) 22:12:50.28 ID:gLbpzwQRo
『俺妹』って、いつの間にかファンの間で、桐乃vs黒猫の構図だけが注視されるようになってから
急激につまらないものになっていったような気がする。
原作をじっくりと何度も読み返してみれば、それぞれのキャラのいいところが見えてくるのに。
SSが衰退してしまったのもどこかそんな理由があったりしてね。
991 :
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[sage]:2011/12/03(土) 22:35:43.93 ID:tv++7UsnP
黒猫ばかりが活躍&突出するせいで他のキャラの活躍の場が
急激に減ったせいじゃない?
露骨な特定のキャラへの贔屓は作品をすごくつまらなくする
ファンの動向を限定しちゃうしな
992 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/12/03(土) 23:38:15.09 ID:6illf8+Vo
黒猫だけ死んだようなものになったからつまらなくなったんじゃね
993 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/12/03(土) 23:53:55.11 ID:SlzGD2dlo
そうだねw
994 :
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[sage]:2011/12/04(日) 00:46:18.99 ID:66o1+4k6o
桐乃SSは桐乃スレへ、黒猫SSは黒猫スレへと住み分けがされてるみたいだけど、
そうなると、総合はそれ以外のキャラのSSだけってことになるのかね
少し寂しい気もするけど、それも流れってことなら仕方ないか……
あと6レスだけだし、ここは埋めてPart.12へ移動するか
995 :
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[sage]:2011/12/04(日) 01:16:33.49 ID:+uMfOyxQo
俺妹ssの繁栄を祈願して埋め
996 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/12/04(日) 01:18:21.85 ID:x2kXPgWjo
埋め
997 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/12/04(日) 02:08:31.03 ID:66o1+4k6o
「お兄さん、そんなに埋めて欲しいんですか?」
「あっ、あやせ、ちょっと待って! こいつ埋めるんなら、あたしも一緒に埋めて!」
「桐乃!? ふ〜ん、そう、やっぱり桐乃はお兄さんのことが……。
ずっとわたしに嘘ついてたんだね。親友だと思っていたのに、ずっと嘘ついて――」
「桐乃もあやせも落ち着けって。……取りあえず、三人一緒に埋まってみるってのはどうよ?」
998 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/12/04(日) 02:10:04.56 ID:klVXqXbbo
>>990
あー、それ同意だわ。
どのキャラもそれぞれに味があるところが良かったのに、
いらん恋愛要素で対立の構図ができて純粋に楽しめなくなった。
>>994
エロパロにしろここにしろ、総合系のスレが衰退すると色んなキャラが絡み合うSSが減っちゃうのが痛い…
999 :
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[sage]:2011/12/04(日) 09:16:14.07 ID:WX0XhfthP
その対立もほとんど公式が煽った形で形成されちゃってるからどうにもこうにも・・・って感じだが
住み分けも、各スレに投下されるSSはスレの雰囲気や事情で出せるキャラに
縛りっぽいものが生まれちゃって、話に幅が生まれなくなっちゃってる気もするなあ(桐乃スレなんかは特に)
1000 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/12/04(日) 09:35:25.35 ID:Wg1EJxiGP
まあもう盛り返す事は無いだろうな
1001 :
1001
:Over 1000 Thread
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