【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 Ⅱ

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2 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 13:15:11.79 ID:KQ/Vb07vO
前スレ>>994
長身金髪女性さんは見た目によらずスライムが好きなようです。それを表に出さないようにしているみたいですね。
また、クローディアとクロシュヴィアの存在は抑止力として非常に大きかったと思います。二人が健在なら、誰かが悪事を企んでも早い段階で阻止されるでしょう。彼女達がいなくなった本スレの世界では、その影響が多少なりとも出ているようです。よければお付き合いください。

前スレ>>995
ありがとうございます。描写したキャラクター達がこの先、どのように関わってくるかはわかりません。また、テラヌス・ウルスにはまだ未登場のキャラも何人かいるので、彼、彼女達が魅力的に見えるように頑張りたいと思います。

前スレ>>996
>>1に余裕があれば平日等にも更新することはあります。そういった場合は予告なく行う可能性がありますのでご了承ください。

フローディアとセーレフェリアが組んでいる理由は利害の一致です。フローディアは自身の目的を達成しやすくするために、セーレフェリアの世界征服の野望を利用しています。なお、フローディアの目的はセーレフェリアには隠されたままです。
封印が解けてしばらく経った後、ロスチャイルド一族を滅ぼしたばかりのセーレフェリアと出会い、紆余曲折の末に行動を共にしています。最初は最悪の関係でしたが、長い時間を共にするうちに、現在は多少の絆も芽生えているようです。

前スレ>>997
ありがとうございます。それらの中から冒険者ギルドと商人ギルドが無くなってること以外は、大体同じ主要施設があることにしたいと思います。記されていない場所も>>1の判断にはなってしまいますが、ありそうなら対応しますのでよろしくお願いします。

本家様が更新を再開されるみたいです!
とても嬉しいですね。楽しみましょう!!!
3 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 13:16:12.10 ID:KQ/Vb07vO
ーーテラヌス・ウルス 宮殿

金髪三つ編みの少女「こちらで少々お待ちくださいね〜」

サーシャ「案内、ありがとうございます。ユーシリアの王城とはまた違った厳格さがあるね……」

アインズ「国のお偉方といってもそう緊張することはない……こちらは大魔女帝国の正式な証明を持っているのだからな」

リーゼリット「そうできるの、アインズだけじゃない……?」

アインズ「いや、ガイとテルを見てみろ。二人とも落ち着き払っているだろう?」

ガイ「……」

テル「……」ピシッ

サーシャ「ガイはいつも通りだけど……テルさんがしっかりしてるとなんだか違和感があるね」

テル「なんでよ!私だってこういう場ではきちんとできるんだから!」

金髪三つ編みの少女「みなさん、もうまもなく議長が参りますよ〜準備をお願いします」

スタスタ……

銀髪ロングの女性→ヨードリー「ようこそ、テラヌス・ウルスへ……旅の者たちよ。私はヨードリー。テラヌス議会の議長を務めさせてもらっている」

サーシャ「っ……」

リーゼリット「雰囲気……すご……」

テル「ヨードリー様、この度は我々のために時間をお作りいただきありがとうございます……引きましては、テラヌス・ウルス周辺の調査許可をいただきたくおもい馳せ参じました」

ガイ(全然キャラ違うな)
ガイ「……ここに大魔女帝国からの証明もある。確認してもらいたい」スッ

ヨードリー「拝見しよう……確かに。偽物の余地はないな……ふむ、事情は理解した。テラヌス・ウルス議会は貴殿らに周辺の調査許可を与える。だが──」

ヨードリー「くれぐれも、公序良俗に則った行動を心がけてほしい。……この地は繊細だ。余計な混乱を招けば、許可は即時に取り消さざるを得なくなる」

サーシャ「は、はいっ……!」

アインズ「心配は無用だ、ヨードリー殿。我々は必要な調査だけを行う」

ヨードリー「……その言葉を信じよう。では、テラヌス・ウルスを自由に見て回るがいい。国としても、外からの視点は貴重だ。貴殿らの調査が有意義なものであることを期待している」

ガイ「……感謝する」

⭐︎議長から正式に調査許可をいただきました。
4 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 13:16:43.36 ID:KQ/Vb07vO
ーーテラヌス・ウルス首都

アインズ「一度宿をとって今後の方針を決めることにしよう」

サーシャ「うん、ひと段落つきたいよね」

テル「ヨードリー議長の隣にいた三つ編みの子……なんだかちょっと怖かったねぇ」

リーゼリット「うん……あの子、私たちと目が合っても表情ひとつ変えなかったし……」

アインズ「おそらくヨードリー殿の護衛だろう。ああいう者は、表情の揺れだけで他国の者に隙を見せるわけにはいかない……職務ゆえの無表情だ」

サーシャ「へー、そうだったんだ……」

リーゼリット「それにしては結構冷めた目線をしてたっていうか……まあ、気のせいだよね」

ガイ「……すまない、先に行ってくれ。少し、気になることがある」

サーシャ「え、どうしたの?」

ガイ「長くはかからない……宿で待っていてくれ」

アインズ「……?わかった。無理はするなよ」

リーゼリット「ちゃんと帰ってくるんだよー?」

ガイ「……ああ。勿論だ」

5 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 13:17:24.28 ID:KQ/Vb07vO
ーーテラヌス・ウルス 大魔女帝国大使館

ガイ(ここに……大魔女がいるのか?)

ガイ(だが、どうやって入る?正式な理由などないし……気になったから来ました、などといっても相手にされるわけがない……)

ガイ(……どうしたものか)ウーム

「こんなところで立って……どうかしたの?」

ガイ「!」クルッ

「私に用かしら?」

ガイ「……大、魔女?」

大魔女?→トゥルーエンド「ええ、いかにも。私が大魔女帝国の……トゥルーエンド、ですわ」

ガイ「……本当に、お前が“大魔女”なのか」

トゥルーエンド「……あら、疑うのね?まあ、そうなるのもわかるけれど」

トゥルーエンド「それで、あなたは何を求めて大使館の前まで来たのかしら?」

ガイ「……それは……」

ガイ(どう言えばいい……理由なんて……)

トゥルーエンド「──説明できる理由はない。でも、確かめなければならないことがある──そう思っているのでしょう?」

ガイ「……!」

トゥルーエンド「ふふ。図星ね」

トゥルーエンド「──少し話をしましょうか。招待するわ、私の部屋に」



ーー大魔女帝国大使館 大魔女の部屋

お茶「」ホカホカ

トゥルーエンド「どうぞ。テラヌス産のハーブティーよ。緊張を和らげる効能があるわ」

ガイ「……遠慮しておく」

トゥルーエンド「まあ、警戒心の強いこと」

ガイ「……」

トゥルーエンド「とって食いやしないわよ。それで聞きたいことは、何かしら?」

ガイ「お前は……本物の大魔女ではないんじゃないか?」

トゥルーエンド「いきなりね……何を根拠に?」

ガイ「ただの勘だ。だが……俺が知る大魔女とは、何かが違う。お前の立ち方も、気配も……どこか作られた感じがする。それがどうにも……気になってな」

トゥルーエンド「……ふふ。よく見てるのね。さすがはユーシリアを救った英雄……」

ガイ「……ッ!」

トゥルーエンド「そんなに身構えなくてもいいわよ。答えはあなたの考えている通り」

トゥルーエンド「私は大魔女クローディアその人ではない。大魔女様が造ったホムンクルス──トゥルーエンドよ」

ガイ「ホムンクルス……」
6 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 13:17:53.52 ID:KQ/Vb07vO
トゥルーエンド「大魔女帝国の外でこのことを知られたのは初めてだわ。みんな、私のことを本物の大魔女様だと思ってくれているのだもの……」

トゥルーエンド「でも、あなたは見抜いた。本物そっくりに作られた偽物の私をね。真似には結構自信があったんだけど、どこでわかったのかしら?」

ガイ「……夢を見なければ、俺はお前を本物だと思っていただろう」

トゥルーエンド「夢?」

ガイ「世界めくれが起きたとき、大魔女と誰かがそれを阻止する夢だ。そこで大魔女が……世界に溶けていくのを見た」

トゥルーエンド「……その夢は、本当に起きた出来事よ」

ガイ「なぜ、そう言い切れる?」

トゥルーエンド「言い切れる理由は簡単よ。──私も見たから」

ガイ「……何?」

トゥルーエンド「あれは夢じゃない。大魔女様の最後の記憶……世界そのものに刻み込まれた痛みの残滓。私は大魔女様の模倣体。だからかしら、あの方の最期の感覚が……時折、流れ込んでくるの」

トゥルーエンド「溶けて、広がって、世界に溶解するようなあの感覚……私も共有したの。その瞬間の苦痛も、孤独も、覚悟も……全部ね」

ガイ「……」

トゥルーエンド「暗黒館のオーナーから聞いたわ。世界めくれを終わらせるために世界樹の残滓を探索してるんでしょう?」

ガイ「……ああ。ということは、大魔女帝国の支援は直々に指示を?」

トゥルーエンド「もちろんよ。大魔女帝国があなたたちを支援すると決めたのは私の判断よ」

ガイ「……理由を聞いても?」

トゥルーエンド「言ったでしょう。私は大魔女クローディアの模倣体。大魔女様の思考、判断基準、価値観……その多くを引き継いでいる」

トゥルーエンド「大魔女様は世界を守るためなら、迷わず動く方だった。だから、世界めくれを追うあなたたちへの支援は、そうあるべきだと判断した」

ガイ「……大魔女本人が、そう望むと?」

トゥルーエンド「ええ。そして……私はそう在るべきなのよ。大魔女の代わりとして」

ガイ「……」

トゥルーエンドと何か話す?
安価下1〜2
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 13:28:17.83 ID:SQ4DNdkgo
模倣ばかりで君自身の幸福はどこにある
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 13:52:19.98 ID:9CnC4t9mO
時間魔法の手ほどきを受けたい
9 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 20:31:25.59 ID:RIisvXqpO
ガイ「模倣ばかりで、お前の幸福はどこにある」

トゥルーエンド「私は造られた存在。与えられた役割以外に何を望むというの?」

ガイ「……望んでいるように見える」

トゥルーエンド「……なによ、それ」

ガイ「……自分で気づいていないだけだ。
本当は自分の意思で何かを選びたいと、どこかで思っている」

トゥルーエンド「……言っておくけれど、それはあなたの勘違いよ」

ガイ「そうか」

トゥルーエンド「ええ、そうよ。私は影武者で、代用品で……そのために作られて……だから……それ以外の何かを望むなんて……許される、はずがないわ」

ガイ「……」

トゥルーエンド「私は……模造品なの。大魔女様の代わりを務めるためだけに存在している。
だから……それ以外の気持ちなんて……あっちゃいけないのよ」

ガイ「なら、どうして泣きそうなんだ」

トゥルーエンド「……泣いてなんて、ないわよ」

ガイ「……」

トゥルーエンド「……余計な詮索はしないことね」

ガイ「……ああ。悪かったな」
10 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 20:31:53.82 ID:RIisvXqpO
ガイ「……ところで、一つ聞きたいことがある」

トゥルーエンド「……なに?今度は何を言うつもり?」

ガイ「大魔女は全ての魔法に精通すると聞いた。お前もそうなのか?」

トゥルーエンド「急に話題を変えるのね……模造品だから、万能ってわけじゃないけど」

ガイ「時間魔法について聞きたい」

トゥルーエンド「……時間魔法は適性がある者にしか扱えない。努力や才能の問題じゃなくて、そもそも触れられない人は一生触れられない類の魔法よ。大魔女様さえ扱うことはできなかった……私だって、教えることはできるけど扱うこと自体は無理よ」

ガイ「……俺には、適性がある。」

トゥルーエンド「え、あなた……時間魔法の適性があるの?」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「……それ、本当に希少なのよ?さらっと言わないでほしいわ」

ガイ「といっても、それを知ったのはつい最近でな……使い方もよくわかっていない。これまで使っていたものを速度強化だと思っていたくらいだ」

トゥルーエンド「速度強化と時間魔法を同じものだと……?ふふ……なるほど、時間の属性を持つ者にありがちな勘違いね」

トゥルーエンド「速く動くのと時間を扱うのは全く別物よ。結果が似て見えるから、気づかない人は多いけれど」

ガイ「……どう違う?」

トゥルーエンド「速度強化はあくまで自分を強化する魔法。筋力や反応速度を底上げしているにすぎないわ」

トゥルーエンド「でも、あなたがやっていたのは……自分の時間だけを、速く動かしている」

ガイ「俺だけの時間を……」

トゥルーエンド「ええ。あなたの体は強化されていない。ただ、時間が他より少しだけ速く流れていた。それだけで、世界が遅く見えるのよ」

ガイ「なるほど。確かに、身体が強化された実感はなかった」

トゥルーエンド「……正直に言うけれど、そのような使い方は危ないわ」

ガイ「危ない?」

トゥルーエンド「今は自分の時間だけをいじっているみたいだけど……時間魔法を深めれば、いずれ周囲の時間にも触れられるようになる。でも、それは世界の理そのものに手を突っ込むのと同じことよ。代償は必ず発生するし……当然、魔翌力の消耗も桁違いに激しい」

トゥルーエンド「あなたがこれまで感じてた異常な疲労……あれは時間を動かした反動。むしろ、生きていられるだけ運がいい方だわ」

ガイ「……危険だと自覚していなかった。教えてもらえるなら助かる」

トゥルーエンド「そうね……私が特別に見てあげる。時間魔法の適性を持つ者なんて稀少だし、それが世界めくれを止めるために必要なことだと思うから」

トゥルーエンド「……時間があるときに私のところへ来なさい。あなたに時間魔法の手解きをしてあげるわ」

ガイ「……頼りにさせてもらう」

⭐︎トゥルーエンドと出会いました。
※自由行動安価時、トゥルーエンドと交流する旨の安価でガイが時間魔法への理解を深めます。
11 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 20:32:24.04 ID:RIisvXqpO
ーーテラヌス・ウルス 噴水広場

ガイ(あの夢は本当に起きた出来事か。未だに信じられないが……ん?)

噴水「」シャワシャワ

砂漠スライムたち「〜〜」モニョモニョ

ガイ(スライムがあんなに……)

砂漠スライムA『ねえ、あのお兄さんこっち見てるよ』
砂漠スライムB『なんだか……目線がやらしいかも』
砂漠スライムC『わるいひと……?』

ガイ(……なんだか酷い勘違いをされているようだ。せっかく翡翠の賽の力でスライム語が話せるし、情報収集をしてみるのも手だな)

スタスタ……

砂漠スライムA『わっ……近づいてきた!」

ガイ『警戒しないでくれ……俺はガイという』

砂漠スライムB『えっ!スライム語を話せるの!?』

ガイ『……どうやら伝わっているみたいだな』

砂漠スライムC『ほんとにわたしたちの言葉……しゃべってる……!』

砂漠スライムA『でも、なんで?人間はふつう、わかんないのに』

ガイ『少し事情があってな。お前たちに聞きたいことがある。できれば、教えてほしいんだが』

砂漠スライムB『え、ええと……わるいひとじゃない……の?』

ガイ『よく勘違いされるが、悪い人じゃない。良い人でもないがな……』

砂漠スライムA『それで……聞きたいことってなに?』

ガイ『そうだな……』

安価下1〜2

1 古代遺跡について
2 巨大生物について
3 その他(自由安価)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 20:34:26.73 ID:OUEfCZWsO
3この町に怪しい人物はいるか
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 20:37:23.20 ID:x640BbRu0
1
14 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 22:25:01.30 ID:jjW2qCZbO
ガイ『古代遺跡について聞きたいんだが』

砂漠スライムC『古代遺跡はね〜……最近になって、今まで見つかってなかった場所がぽこぽこ出てきてるんだよ〜』

砂漠スライムA 『発掘の人が見つけたり、旅人がたまたま見つけたり……毎週のように新しい入口が見つかって、街の人すっごく喜んでるよ!』

砂漠スライムB『おかげで外から来る人が増えて賑わってるんだけどね。新しい遺跡が見つかっても、すぐに入れなくなることもザラだよ』

ガイ『なぜだ?』

砂漠スライムB『それはね……サラザール・ロートリンゲンっていう、すっごく迷惑な人がいるから』

ガイ『サラザール……?』

砂漠スライムA『うん!テラヌス・ウルスの嫌われ者ナンバーワンだよ!』

砂漠スライムC『へんなローブ着てて、目がきらーんってしてて……影から突然出てきたりするの』

ガイ『影……?』

砂漠スライムB『うん。影魔法っていうのを使うの。自分の影から分身みたいなのを出したり、影の中に潜って移動したり……』

砂漠スライムA『あの人ね、探検家やってるんだけど……本当は壊すために遺跡に行くの』

ガイ『壊す……?』

砂漠スライムC『そうなの〜!なんかね、変な神さまを信じてるんだって〜。古い遺跡は全部よごれたものだから壊さなきゃいけないって言ってるの〜』

砂漠スライムB『だから、宝物とか魔石は根こそぎ取って……最後にロケットランチャーっていう、大きな筒みたいなので爆破させちゃうの』

ガイ『……テロリストじゃないか』

砂漠スライムA『うん!まさに!』

砂漠スライムC『でも、あの人の兵隊さんたちがすっごく強くて……首長様たちも強く言えないんだって〜』

砂漠スライムB『おかげで見つかったばかりの遺跡は、サラザールに破壊される前に観光区画にする必要があってね……封鎖されたり、調査中止になったりが多いの』

ガイ『……なるほど。厄介な男だな』

砂漠スライムA『うん。ガイさんも気をつけてね!なんでも壊せば解決だと思ってるひとだから!』

砂漠スライムC『でもね〜、仲間には優しいんだって〜。よくわかんないけど!』

ガイ『……そんな男が遺跡に出没するなら、確かに警戒は必要だな』
15 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 22:25:40.36 ID:jjW2qCZbO
ガイ(警戒といえば……フローディアとセーレフェリアか。姿はわからないが、もしかしたらこの国に来ているかもしれない。怪しい人物がいないか聞いてみるとしよう)

ガイ『最近は遺跡の探索者や、大魔女帝国の人の出入りが激しいとは思うが……怪しい人物を見かけなかったか?』

砂漠スライムB『あなた』

ガイ『……俺以外で、だ』

砂漠スライムA『んと……二、三日くらい前にガイさんみたいな雰囲気の、大きい剣を背負った人を見たよ。古代遺跡を調べてるみたいだったけど?』

ガイ『……アルバか。既に到着しているんだな。他にはいるか?』

砂漠スライムC『う〜ん……あっ!銀髪の日焼けしたエルフさんを見たよ〜。なんか、フラフラしてて怪しかった〜』

砂漠スライムB『……金髪で背の高いお姉さんと古い言葉を話すオレンジ色のスライム……街にはあまりいないみたいだけど、その二人も古代遺跡を調べてるみたい……』

砂漠スライムA『あと、リンさんって人……十年前にこの国に来てから、夜な夜な大きい袋を引きずっててなんだかちょっと怖いんだよね……』

ガイ『……助かった。礼を言う』

砂漠スライムC『お兄さん、悪い人じゃなかった〜』

砂漠スライムB『でも、顔がこわいのはほんとだから直した方がいいよ』

ガイ『……善処する』

砂漠スライムA『わたしたちはこの辺りによくいるから、またお話ししようね!』

⭐︎砂漠スライムたちと話しました。
16 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 22:46:54.63 ID:jjW2qCZbO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

ワイワイガヤガヤ

ガイ「……だいぶ人が多いな」

テル「ガイ君!お帰り〜♪もしかして街でナンパでもしてたのかな〜?」

ガイ「人聞きの悪いことを言うな……もう酒を飲んでいるのか?」

テル「うん!周りの人が飲み比べで勝ったら奢ってくれるっていうから、挑戦してきた人を片っ端から倒してきたんだよ〜!」

ガイ「身体に悪いぞ……他のみんなは?」

テル「ん」ユビサシ

酔い潰れサーシャ「ふぇぇ……」
酔い潰れリーゼリット「うぅ……飲み過ぎた……」

アインズ「こんなところで寝ると風邪をひくぞ、寝るなら部屋で寝ろ」
アインズの尻尾「」ペシペシ

ガイ「……サーシャにも飲ませたのか?」

テル「いやー。あれは事故というかなんというか……」

アインズ「ああ……まさかあそこまで綺麗に注がれた酒がサーシャの飲み物に混ざるとは……タイミングも悪かったな……」

ガイ「リーゼは?」

テル「リーゼリットちゃんは飲み比べに参戦して途中で敗退しちゃったの……いい線いってたんだけどねえ」

ガイ「……そうか」

アインズ「……今後の方針は全員が回復してからでも遅くはあるまい。今日は休んで、明日に話し合おう」

ガイ「ああ……」

現在はテラヌス・ウルスです。(2日目)
安価下1〜3
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 22:48:08.13 ID:sC34wckCO
ガイ ギルドでリュックをせおった冒険者と偶然会って仲良くなる
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 22:48:13.64 ID:dkOm3xtvO
ソーラとリアンノンに出会い、情報収集を兼ねて会話する
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 22:48:29.58 ID:cHj3twlhO
テル、テラヌスウルスのスライムに埋もれて壊れる尊死
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/15(土) 22:48:30.20 ID:xLNx6Pyx0
ヨードリーの所にいた金髪三つ編みちゃんの仕事の手伝いをする
21 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 23:37:18.14 ID:jjW2qCZbO
テル「ん〜……ガイくぅん……だっこ……」グテー

ガイ「……仕方ないな」ヒョイッ

テル「んへへ……♪」

大きなリュックを背負った茶髪の男「──うわ、どこも空いてないじゃないか……あっ、悪い!ここ、座ってもいいか?」

ガイ「ああ、構わないぞ……すぐにどく」

大きなリュックを背負った茶髪の男「え、あっ、それ、仲間さん……?すごい担ぎ方してるな……」

ガイ「こいつはこうでもしないと動かないからな……お前は?」

大きなリュックを背負った茶髪の男→ドルク「そ、そうか……俺はドルク・ロック。遺跡を探索してる冒険者だ!」

ガイ「ドルク……その荷物、全部装備か?」

ドルク「そう!遺跡調査用の道具とか、槍とか……!ワクワクしすぎて詰め込みすぎちゃってな」タハハ

テル「ぐぅ……」zzz

ガイ「……こいつの寝相が悪化する前に部屋に戻りたいんだが、席を使うなら遠慮なく使ってくれ」

ドルク「あ、いや!そんなつもりじゃないんだ。ちょっと腰を下ろしたかっただけで……!」

ガイ「そうか」

ドルク「ん?ちょっと待て……あんた、相当やるな?」

ガイ「どうかな……あまり自分の強さに自信はない」

ドルク「いやいや!そんな簡単に人間を抱えて運べるのは強い証拠だよ。パーティ仲間なんだろ?……仲良さそうでいいな」
22 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 23:37:55.63 ID:jjW2qCZbO
ガイ「……まあ、悪い奴ではない」

テル「ふへぇ……ガイくぅん……」モゾ

ドルク「ははっ。めっちゃ懐かれてるじゃないか」

ガイ「……」ポリポリ

ドルク「あんたは、ガイ……っていうのか?」

ガイ「ああ、そうだ」

ドルク「いい名前だな。覚えやすいし、なんか冒険者って感じがするよ」

ガイ「……そうか?」

ドルク「そうそう。こう……頼れそうなやつって雰囲気があるっていうかさ」

ガイ「……買いかぶりすぎだ」

ドルク「いやいや、パッと見でわかるよ。そうじゃなきゃ、そんな状態にはならないだろ?」

テルを担ぐガイ「……まぁ、こいつはこう見えて子どもみたいなところがあるからな。気を許している相手には、平気でこういう甘え方をする」

ドルク「へぇ……そりゃ信頼されてる証拠だな!誰にでもこんなふうにはならないだろ?」

ガイ「……さあな。だが、少なくとも俺にはよくこうなる」

ドルク「いいじゃないか。仲間に頼られるってのは、悪い気分じゃないだろ?」

ガイ「……そういうものかもしれんな。お前の仲間は?」

ドルク「仲間、か……」

ガイ「……何かあったのか?」

ドルク「まぁ、ちょっとな……昔はパーティ組んでたんだけどさ、熱量が違うって理由で外されて……今は一人でやってる」

ガイ「……すまなかった」

ドルク「いや!そんな深刻に受け取らなくていいって。冒険が楽しいのは変わらないしな!」

テル「……ガイくぅん……ねむ……」グテー

ガイ「……悪いが、そろそろ部屋に戻らせてもらう」

ドルク「あ、ああ!引き止めちゃって悪いな。お仲間さんを早く運ばないとな!」

ガイ「……重くはない」

ドルク「そう言えるのがすげぇよ……あ、またこの辺で見かけたら声かけてくれよ!話の続きしたいし、一杯奢るぜ!」

ガイ「フッ……ああ、気が向いたらな。俺たちもしばらくこの宿を拠点にしている。会う機会は多いだろう」

⭐︎ドルクと出会いました
23 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/15(土) 23:40:02.99 ID:jjW2qCZbO
本日はここまでです。明日もよろしくお願いします!
それでは、また。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 00:50:57.75 ID:au81Ouopo

国序盤の問題が起こる前の平和な時間は嫌いじゃない
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 09:02:00.86 ID:HPFuLnnIO

ガイ結構人相悪くて目線がやらしいのね
26 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 11:25:09.87 ID:I90xNqYGO
>>24
今回はユーシリアのときのように国自体は安定しているので、そう簡単には滅亡の危機に陥ることはないでしょう。もっとも、何人かは平和を乱しそうな予感がしますので注意しておいた方がいいかもしれません。

>>25
ガイの人相は悪く、表情も大きくは変わらないため誤解されがちですが、目線がいやらしいのは砂漠スライムたちの完全な偏見です。
サーシャ曰く美人の女性と話してるときは表情が変わっているらしいですが、リーゼリットやアインズ、テルはそれを感じたことはないそうです。
27 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 11:25:56.25 ID:I90xNqYGO
ーーテラヌス・ウルス市街

サーシャ「うぅ……まだ頭が痛いかも……」ズキズキ

アインズ「大丈夫か?今日は無理に出歩かずともいいんだぞ」

サーシャ「せっかくテラヌス・ウルスに来たのに、宿屋で寝込んでるだけって、もったいないでしょ……?」

アインズ「ふむ……辛くなったらいつでも言え。無理をして倒れられては、本末転倒だからな」

サーシャ「ありがとう、アインズ……」

リーゼリット「あはは……昨日ははしゃぎすぎちゃったね。反省しなきゃ……」ズキズキ

テル「大丈夫!二人の代わりに私が情報収集頑張るからさ!」

サーシャ「……テルさん、足元ふらふらしてる」

リーゼリット「それ、絶対まだお酒残ってるよね……?」

ガイ「まったく……少しは自分の限界を覚えろ」

タタタッ……

白髪金目の少女「きゃっ」ドンッ

ガイ「おっと……大丈夫か?」ヌッ

白髪金目の少女「ひっ……!?ご、ごめんなさい……!どうか、怒らないでください……!」ジワワ

ガイ「!?待て、泣くな!怒ってない。ぶつかっただけだ、気にするな……! 」アセアセ

テル「あーあ、ガイ君泣かせたー」

アインズ「……誤解されるのも慣れたものだな、ガイ」

緑髪三つ編みの女性「──ソーラ!」タタッ

白髪金目の少女→ソーラ「あっ、おかあさま!」

緑髪三つ編みの女性「大丈夫?……あなた、一体ソーラに何をしたんですか……!?」ゴゴゴ

ガイ「待て、誤解だ。ぶつかっただけで、断じて、傷つけるような真似はしていない」

ソーラ「ち、違うの……!おかあさま、この人は悪くないの……!」フルフル

緑髪の女性「ソーラ……?でも、さっき泣いて──」

ソーラ「顔が怖くてびっくりしただけ……!」

ガイ「……」

リーゼリット「ぷっ……見た目はちょっと怖いかもだけど、中身は優しいんです。保証します」

サーシャ「そ、そうです!ガイは子供に手をあげたりなんかしません……!誤解です……!」アセアセ

アインズ「その娘の様子を見れば明らかだ。ガイは危害など加えていない」

緑髪の女性「……」ジッ

ソーラ「ほんとだよ、おかあさま。ガイさん、怒ってない……やさしい人……!」

緑髪の女性「……そう。ソーラがそう言うなら……私が早とちりしたようですね。申し訳ありません」ペコリ

ガイ「いや、親なら当然の反応だ。気にしていない」

テル「そうそう、ガイ君は見た目だけで損してるけど、中身はちょっとだけ優しいんだよ」

ガイ「ちょっとだけは余計だ」
28 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 11:26:23.88 ID:I90xNqYGO
緑髪の女性「ふふ……あなたたち、仲が良いのですね」

リーゼリット「はい。いつもこんな感じなんです」

サーシャ「ソーラちゃんは……おかあさん、心配して駆けつけてくれるなんて、いい家族だね」

ソーラ「うん……!」

緑髪の女性→リアンノン「申し遅れました……私はリアンノン・ルルゥと申します。この子、ソーラの母です」

アインズ「アインズだ。こちらこそ、驚かせてしまってすまない」

リアンノン「いえ……こちらこそ取り乱してしまって。本当に、ご迷惑をおかけしました」

ガイ「済んだことだ。それより──」

テル「ねえガイ君、せっかくだしリアンノンさんに色々聞いてみない?」

リーゼリット「えっと……ソーラちゃんとリアンノンさんはテラヌス・ウルスの人なんですよね?」

リアンノン「ええ……ホトルス族の首長という立場でもありますので、この街や遺跡の情勢にはある程度通じています」

サーシャ「しゅ、首長さん……!?」

アインズ「なるほど。ならば伺いたいことがある」

ガイ「かつて、世界樹の光がこの国にも落ちたと思うんだが……その落ちた場所を知らないか?」

リアンノン「十年ぶりにその言葉を聞きました……落ちた場所は古テラヌス王家の巨大墳墓です。現在は危険もなく、観光整備も進んでいて入口にはガイドもいます。誰でも安全に見学できる名所ですのでぜひご覧になっていってください」

アインズ「……これはまたあっさりと情報を得られたな」

リーゼリット「た、たしかに……もっとこう、秘密の場所とか、封じられた何かがあるのかと思ってたよ……?」

サーシャ「観光地って聞くと安心だけど……逆に拍子抜けしちゃうね」

ガイ「……情報は得られればそれでいい。楽に越したことはないだろう」

リアンノンとソーラと何か話す?
安価下1〜2
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 11:32:43.78 ID:rJe496HFO
リンという人物の危険度について
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 12:10:14.66 ID:au81Ouopo
この国は平和なんだねとしみじみ雑談
31 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 19:57:08.94 ID:nD7/g56gO
ガイ「そういえば、リンという人物を知っているか?」

リアンノン「リン……リン・フレイミング・マオーニャのことですか?」

リーゼリット「誰……?」

サーシャ「えっと……有名な人なんですか?」

リアンノン「ええ……彼女はこの街に研究所を構えている魔法学者です。十年前にこの国に移住して以来は死者の蘇生を研究していて……議会からは、あまり良い目で見られていません」

アインズ「……その感じだとあまり好かれてはいないようだな」

ソーラ「リンおねえちゃん、優しいよ!白骨さん見せてもらったことある……!」

リーゼリット「白骨さん……?」

テル「ガイ君、なんでそんな人の名前知ってるの?」

ガイ「……とある情報筋から名前だけ聞いていてな。怪しい動きをしているらしいが……」

リアンノン「まあ……彼女は悪い人ではありません。その、研究内容ゆえに周囲から誤解されやすいだけです。屍体を用いた魔法研究と聞けば、誰もが身構えてしまうでしょうし……」

ソーラ「みんな……リンさんのこと危ない人だって……」

リーゼリット「……そんなふうに言われてるんだ」

リアンノン「……ええ。ですが、私は彼女が誰かを害そうとしている姿を一度も見たことがありません。研究の目的も正しく扱えば死者を救えるはずという信念からだと聞いています」

アインズ「信念自体は立派だが、内容が恐れられるのも理解はできるな」

ソーラ「リンおねえちゃん、今日も研究所にいたよ。行けば会えると思う……!」

ガイ「……そうか。会うかどうかはさておき、情報として覚えておこう」
32 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 19:58:30.33 ID:nD7/g56gO
サーシャ「それにしても……この街は平和ですね」

リーゼリット「うん。観光客も多いのに、全然荒れてる感じがしない」

リアンノン「テラヌス・ウルス全体で治安維持に力を入れていますから。衛兵の巡回も増えましたし、遺跡関係者の監視体制も整備されています」

アインズ「国としての対策が徹底されているわけか」

リアンノン「ええ。それに……最近は特に問題を未然に防ぐ存在もいますしね」

テル「問題を未然に……?」

リアンノン「ベルフレアという悪魔の少女です。結界魔法の名手で、危険があれば瞬時に駆けつける……というか、駆けつけてしまう子でして」

リアンノン「誰かが喧嘩を始めれば数秒で飛んできますし、酔っ払い同士の小競り合い程度でも全力で止めに入るんです」

テル「へぇ〜……そんなすごい人がいるんだ。でも、喧嘩の気配がしただけで飛んでくるって……ちょっと怖くない?」

リーゼリット「いや、むしろ安心感あるよ。街中に絶対に暴れられない空気があるのはいいことだし」

サーシャ「そうだね。安心して歩ける街って、それだけで素敵だよ……!」

リアンノン「ふふ。皆さんのように旅人の方々もこの国は居心地がいいと言ってくださいます。ベルフレアの存在は、その理由のひとつでしょうね」

ソーラ「ベルおねえちゃん、すごくやさしいよ。おててつないでくれた」

サーシャ「あ、子供にも懐かれてるんだね」

リーゼリット「街の平和って、そういう人の積み重ねなんだなぁ……」

ガイ「……なら、俺たちも余計な騒ぎを起こさないよう気をつけないとな」
33 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 20:00:20.85 ID:nD7/g56gO
アインズ「……引き止めすぎてしまったか?リアンノン殿、ソーラ、長々と付き合わせてすまない」

リアンノン「いえ、私のほうこそ立ち話にさせてしまって……皆さんがお優しいから、つい色々とお話ししてしまいました」

サーシャ「そんな!むしろ色々教えていただけて助かりました!」

リーゼリット「観光の予習になったよね。ありがとうございます、リアンノンさん」

リアンノン「こちらこそ、お役に立てたなら嬉しいです。ソーラ、皆さんにご挨拶を」

ソーラ「……ガイさん、また会える?」

ガイ「ん?ああ……この街にいる間はどこかで会えるだろう」

ソーラ「……!わかった、またね!」

テル「ふふっ、ガイ君すっかり懐かれてるじゃない」

ガイ「……なぜだ」

アインズ「では、私たちもそろそろ行こう。宿に戻るにせよ、観光を続けるにせよ、動けるうちに行動しておきたい」

リアンノン「皆さんも、どうか良い旅を。何かあればホトルス族を訪ねてくださいね」

サーシャ「はい!また会いましょう、リアンノンさん!」

リーゼリット「ソーラちゃんも、またね!」

ソーラ「ばいばーい!」

⭐︎リアンノン親子に出会いました。
34 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 20:01:46.90 ID:nD7/g56gO
ーーテラヌス・ウルス噴水広場

噴水「」シャワシャワ

砂漠スライムたち「〜〜」モニョモニョ

アインズ「スライムか……結構いるな」

サーシャ「わぁ……なんだか見てて癒されるなぁ……」

ガイ「……待て。テルはどこだ?」

リーゼリット「えっ……さっきまで隣にいたけど」

ガイ「しまった……!」バッ



スライムに埋もれるテル「……ここが天国?私、ここで死んじゃってもいいかな……」

砂漠スライムたち「」モニョモニョ

砂漠スライムC『何このひとー!!!???」
砂漠スライムB『変態って人じゃない……?私たちを触ろうとする人は沢山いるけど、埋もれようとした人は初めて見たかも……』
砂漠スライムA『このひと……喜んでる……?』

テル「君たち……ぷにぷにで……ああ……尊いなぁ……♡」ハァハァ

ガイ「くっ、間に合わなかったか!おいテル、スライムたちの迷惑になっているから離れろ!」



サーシャ「スライムさんたち、本当にごめんなさい……!テルさん、悪気は……悪気はたぶんないので……!」

砂漠スライムA『う、うん……気にしてないよ。ちょっとびっくりしただけ』モニョモニョ

砂漠スライムB『こういう人もいるんだね……勉強になった』

砂漠スライムC『デロデロするの楽しかった〜』

ガイ「……気にしてないそうだ」

アインズ「スライム語がわかるのか?」

ガイ「ああ……翡翠の賽のおかげでな」

リーゼリット「世界樹の光の力を宿してるとはいえ……すごいよね、その賽」

サーシャ「これも立派なアーティファクトだもんね……それより」チラ

テル「……しゅごおい♡……うへ、うへへへ……♡」

ガイ「はぁ……本当にどうしようもないな……」

⭐︎テルが天国へ導かれました。
35 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 20:02:42.55 ID:nD7/g56gO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

ガイ「さて……世界樹の光が落ちた場所は古テラヌスの巨大墳墓とのことだが……正直、そこにはもう残滓の力が残っていない気がするな」

サーシャ「どうして?」

ガイ「ユーシリアを思い出せ。場所自体ではなく、あの赤いスライムから認められて俺たちは力を手に入れた。トコナツ火山島でも……記憶はないが、竜から力を得たんだよな?」

リーゼリット「そうだよ。あのときは手を焼いたね……」

アインズ「ふむ。トコナツ火山島にも竜がいるのか……一度、手合わせ願いたいものだな」

テル「えー、物騒だなぁアインズさん……もっと平和的にいこうよ〜」

サーシャ「あはは……それで、今日はどうしよっか。もう巨大墳墓に行く?」

ガイ「それでも構わないが……どうするか……」

現在はテラヌス・ウルスです。(3日目)
何をする?
安価下1〜3

※3日目終了時にあるキャラがテラヌス・ウルスに到着します。
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 20:03:01.66 ID:5uxh9/VH0
金髪三つ編みちゃんの仕事を手伝う
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 20:04:15.97 ID:hlOXRjU50
市場でラハニ四世達に遭遇し会話する。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 20:06:05.57 ID:cs0bL7D3O
トゥルーエンドを口説きにいきつつ時間魔法を鍛える
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/16(日) 20:06:56.03 ID:9aQPRpjVO
ドルクにまたあったので話しついでに何か遺跡について知ってないから聞いてみる。
40 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 23:24:05.07 ID:gm+WWd89O
ーーテラヌス・ウルス市場

ワイワイガヤガヤ

サーシャ「ここも賑わってるなぁ……いろいろ目移りしちゃうね!」

ガイ「無駄遣いはするなよ、サーシャ」

サーシャ「大丈夫だよ!これでも、一人旅の経験は長いんだからね?」

ガイ「……そうか」

金刺繍ターバンの老人「そこのエルフのお嬢さんと目つきの悪いお兄さん……ちと、耳を貸してはもらえぬかの?」

サーシャ「え? わ、私たち?」

ガイ「……なんだ、あんた」

金刺繍ターバンの老人「そう警戒なさるな……他でもない、旅人のお主らに頼みがあって声をかけたのじゃ」

サーシャ「た、頼み……?」

ガイ「……怪しいな」

金刺繍ターバンの老人「怪しむのは当然じゃろう。じゃが、わしはお主らに害をなすつもりは毛頭ない……ユーシリアを救ったその手腕をわしらに貸していただきたい」

ガイ「……!」

金刺繍ターバンの老人→ラハニ四世「名乗っておこう。わしはラハニ四世……今は隠居の身じゃが、スピーゲル族の元首長でもあった者じゃよ」

サーシャ「スピーゲル族の……元首長……?」

ガイ「……そんな大物が、どうして俺たちを?」

ラハニ四世「ふむ、立ち話もなんじゃ。人目につかぬ場所で、少しばかり語らせてもらえぬかの?」

サーシャ「え、えっと……ガイ、どうする?」

ガイ「……話だけ聞く価値はある。行こう」

ラハニ四世「恩に着る。では、ついてまいれ……旅人よ。お主らにしか頼めぬことがあるのじゃ」

41 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 23:24:51.50 ID:gm+WWd89O
サーシャ「それで、頼みって……?」

ラハニ四世「かつての魔族排斥の件も、干ばつも、部族抗争も収まり、今のテラヌス・ウルスは安定しておる。じゃが……新たな厄介事が生まれつつあるのじゃ」

ガイ「……それは一体?」

ラハニ四世「影を喰らうもの……最近、夜に出没する巨大生物の噂程度は知っておるだろう?」

サーシャ「ええ、まあ……まさか、本当に?」

ラハニ四世「うむ。正体不明、姿もあいまい。夜の砂漠で影を引きちぎる巨大な怪異……いまは被害こそ少ないが、このままでは遺跡調査にも観光にも悪影響が出る」

ガイ「この国の兵士で対処できないのか?」

ラハニ四世「できぬ。夜に度々捜索を行なっているが、何も見つからないか、死体となって帰ってくるかのどちらかじゃ……」

サーシャ「そんな……」

ガイ「……普通の魔物ではなさそうだな」

ラハニ四世「生物かどうかすら怪しい。砂そのものの意志とも、古代遺跡の守護者とも囁かれておるが、いずれも推測じゃ」

サーシャ「じゃあ……手がかりも、ほとんどないんですか?」

ラハニ四世「そうじゃ。だからこそ……外を知る旅人に頼りたいのじゃ。わしらの目には映らぬものでも、そなたらなら何か掴めるやもしれん」

ガイ「……つまり、影を喰らうものの正体を突き止めろ、という依頼か」

ラハニ四世「うむ。討伐までは求めぬ。正体がわかれば、その性質に合わせて対策もできよう」

サーシャ「私たちに……できるかな……」ギュッ

ガイ「……きっとできる。俺たちだけじゃなく、リーゼとアインズ、テルもいるんだからな」

サーシャ「そうだね。ガイがそう言うなら……やってみるよ」

ラハニ四世「助かる……だが、無理はしてくれるな。これは国の未来に関わる問題ではあるが……そなたらの命を天秤にかけてまで、とは思っておらん」

ガイ「心配はいらない。慎重に動く」

ラハニ四世「うむ。では──目撃地点と時刻をまとめた記録を渡しておこう」スッ

サーシャ「……けっこう細かく書かれてる……夜明け前が多いみたい」

ラハニ四世「それと……ひとつ忠告しておく。影を喰らうものに遭った者は、皆、異様な静寂を感じたと言う。不自然なほどに、音が途絶えるらしい」

ガイ「静寂……?」

ラハニ四世「それを感じたならば、その場から決して動くでない。影を捉えるまでは、息を潜めておれ。それが唯一の、生存例の証言じゃ」

ラハニ四世「とはいえ、そなたらなら何かを見つけると信じておる。影を喰らうもの……どうか、その正体を暴いてくれぬか」

ガイ「ああ、わかった」

サーシャ「……準備しておかないとね。やれるだけやってみます、ラハニ四世さん」

ラハニ四世「感謝する、旅の者よ。どうか……砂漠の夜に呑まれぬようにな」

⭐︎ラハニ四世と出会いました。
42 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 23:29:23.01 ID:gm+WWd89O
ーーテラヌス・ウルス市街

リーゼリット「さて……私たちは買い出し担当だから早めに済ませちゃおうか」

テル「うんうん!お酒売ってる場所はどこかな〜?」

アインズ「……お前はまず自重を覚えろ」

金髪三つ編みの少女「あれ?こんにちは〜。ヨードリーさんに挨拶に来てた人たち……ですよね?」

リーゼリット「あなたは……たしかヨードリー首長の護衛の子?」

金髪三つ編みの少女→キキ「はい、キキ・ナイテンゲールです〜。今は首長のおつかいをしてます……ふああ、眠い……」フラフラ

アインズ「歩きながら寝ている……器用なやつだな」

テル「それ、何持ってるの?書類……?」

キキ「調査報告書の束なんですけど〜……途中で風に飛ばされちゃって……ぜんぶ拾い直したら、もう疲れて……」パサッ……

リーゼリット「あ、落ちたよ!大丈夫?」スッ

キキ「すいません、ありがとうございます〜」

アインズ「報告書……量が多いな。砂漠調査関係か?」

キキ「はい〜……でも、午後の分もあって……一人じゃ終わる気がしなくて……」

テル「じゃあ、手伝おっか?私たち今ちょうど手が空いてるし!」

アインズ「おいテル、勝手に──」

キキ「えっ……手伝ってくれるんですか?助かる〜……!」パァァ

アインズ「……」

リーゼリット「あはは……断れなくなっちゃった……」

アインズ「……仕方ない。ガイとサーシャがいたら、手伝うといっていただろうしな……」

テル「やりましょう師匠!」

アインズ「誰が師匠だ」

キキ「じゃあ〜、この資料をヨードリーさんの執務室にまとめて届けたいんです。あと砂漠調査の依頼を受けてる人にも情報共有があって……」

リーゼリット「それなら問題ないよ。場所さえ教えてくれれば!」

キキ「ありがとうございます〜……!寝てていいですか?」

アインズ「寝るな。案内だけは起きてやれ」

キキ「うぅ……がんばります〜」

リーゼリット「うん!キキさん、よろしくね!」

43 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 23:29:54.04 ID:gm+WWd89O
キキ「みなさん、ありがとうございました〜。お陰で助かりましたよ〜やっぱり手伝ってもらってよかったです〜。ひとりだと途中で寝てたかもしれません〜……」

テル「途中で一回寝てたよね?」

キキ「……記憶にありません〜」

リーゼリット「うんうん。もう仕事終わったんでしょ?あとでちゃんと休んでね」

キキ「ん〜……そうします〜。帰ったらベッドに倒れます〜……」

テル「ベッドまで持つかな……?」

キキ「あっ、それと……お礼に何かしたいんですけど〜……眠すぎて何も思いつきません〜……」

リーゼリット「気にしなくていいよ!困ってる人を助けただけだから!」

キキ「ふふ〜……みなさん優しい……まだしばらくこの国に滞在するのなら、いずれお礼をしますね〜」

アインズ「そのときは起きている状態で頼むぞ」

キキ「がんばります〜……寝ない保証はないですけど〜……」

テル「もう今にも寝そうだよ!?」



リーゼリット「ふふ、最初の印象とは違って面白い子だったね……じゃあ私たちも買い出しの続きしようか」

アインズ「うむ……テル、酒場方面へ勝手に逸れるなよ」

テル「ぎくっ!?」

⭐︎キキの仕事を手伝いました。
44 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/16(日) 23:31:00.13 ID:gm+WWd89O
本日はここまでです。次回は土曜日に更新予定です。それでは、また。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/17(月) 12:02:45.57 ID:p7u67qa6O
新スレ乙です
スライム語が話せるのけっこう便利そう
スライム通信もできるし有効活用していきたい
46 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 06:45:35.90 ID:juZeIGnDO
>>45
ありがとうございます。
スライムたちとの会話は翡翠の賽を持っているかぎり会話できますので、安価等で色々試してみてください。
47 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 06:46:10.71 ID:CDUO0D3LO
ーー大魔女の部屋

コンコン

ガイ「入るぞ」ガチャ

机に突っ伏すトゥルーエンド「……」zzz

ガイ「……寝ているのか」

トゥルーエンド「んん……」zzz

ガイ(寝ているだけなのに不思議と威厳がある……それにしても、綺麗な寝顔だな……)

ガイ(……起きるまで待っているか)



トゥルーエンド「……ん、……ぁ……?」パチ

トゥルーエンド「……あら……?寝ちゃってたのね……」

ガイ「起きたか……長いこと寝ていたな」

トゥルーエンド「ええ……最近は寝る時間が少ないから──」

トゥルーエンド「!?」バッ

トゥルーエンド「ちょっ、ちょっと待って!?あなた、来てたの?ていうか、ずっと見てたの?」

ガイ「ああ」

トゥルーエンド「な……なんで起こさなかったのよ!!!///」

ガイ「起こすのも悪いと思ってな」

トゥルーエンド「だからって起こさないのは違うでしょう!?大魔女らしく見せようと頑張ってるのに……よりによって寝落ちなんて……!」

ガイ「大魔女らしさ?」

トゥルーエンド「そうよ!人前ではちゃんと威厳のある姿を──」

ガイ「寝ているときも威厳はあったが」

トゥルーエンド「あるわけないでしょう!?机に突っ伏して寝てる姿のどこに威厳があるのよ!?」

ガイ「姿勢が堂々としていた」

トゥルーエンド「堂々と寝落ちしてただけよ!!!そんなの威厳じゃないわ!!!」

ガイ「……寝てる姿を見られて困るなら、鍵くらいかけたらどうだ?」

トゥルーエンド「……それを言われると返す言葉がないわね……」

ガイ「……」

トゥルーエンド「……今日はあなたが来ると思ってなかったのよ。だから気が緩んでただけで……普段はもっとシャキッとしてるの。威厳もあって、完璧で、隙なんて一つもないのよ」

ガイ「そうか」

トゥルーエンド「……信じてないでしょ?」ジト

ガイ「信じているさ。少なくとも、そうしようとしているのは分かる。弱ってても、それでも頑張ろうとする姿勢は立派だと思うが」

トゥルーエンド「……そういうこと言われると調子狂うわね……」

ガイ「?」

トゥルーエンド「……ご、ごほん!とにかく、この件は後回し!せっかく来たんだから、今は時間魔法の制御を学ぶのが先決よ。準備しなさい」

ガイ「ああ、頼む」

48 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 06:46:43.41 ID:YQsq17gqO
トゥルーエンド「まずは時間魔法の使い方を見せてもらうわ……普段通りにやってみせて」

ガイ「わかった──」キュイイイン……

シュンッ

ガイ「──こんな感じだ」

トゥルーエンド「……速度が上がったように見える、なんてもんじゃないわね。あなた自身が時間の流れから外れて……周囲の流れが置いていかれてるような……普通の速度強化魔法じゃ絶対に起こらない現象ね」

ガイ「使っている身としては、あまり実感はないんだがな」

トゥルーエンド「ただ……今のままでは危険よ」

ガイ「危険?」

トゥルーエンド「あなたは無自覚のまま時間操作をしているの。意識せずに自分の時間を加速させて、偶然元の時間に戻れているだけ……」

トゥルーエンド「戻ってこれなかったら、時間の狭間に取り残されるわ。身体も、意識も、世界の時間からズレたまま固定されるの。誰にも触れられず、声も届かない……存在しているのに、どこにもいない状態になるわ」

ガイ「……最悪だな」

トゥルーエンド「ええ……私は時間魔法を使うことはできないけど、適性持ちがやるべき正しい入口くらいは教えられるわ」

ガイ「入口……」

トゥルーエンド「そう、入口。あなたはいきなり高度な段階に手を伸ばしてしまっている状態ね。例えるなら──基礎も知らずに、いきなり最上級魔法を行使しようとしてる感じかしら」

ガイ「危なっかしいな、それは」

トゥルーエンド「とんでもなくね。今まで何もなかっただけで奇跡よ……いい?まずは時間の流れを理解することから始めるわ。あなたは時間魔法を使って動こうとするたびに無意識で加速してるの。だから基準を作る必要がある」

ガイ「基準?」

トゥルーエンド「そう。時間魔法の基本中の基本……世界の流れと自分の流れ、その差を感じるところから始めましょうか」

ガイ「……できるだろうか」

トゥルーエンド「できるわよ。適性があるんだから……」スッ

ガイ「……?両手を広げてどうした?」

トゥルーエンド「……やっぱり感じ取れないわね……うぅ、あまりこの方法はやりたくなかったんだけど……ガイ、こっちに来なさい……///」

ガイ「こっち……?」

トゥルーエンド「ああ、もう……っ!」ガシッ

ギュッ

抱きしめられるガイ「!?」

ガイ「こ、これは……こうする必要はあるのか!?」

トゥルーエンド「あるのよ!私には時間魔法の適性がないから、あなたの時間の流れを感じ取るのに私の魔翌力を限界まで近づけなきゃいけないの!///」

ガイ「だ、だからといってこれは……」
ガイ(落ち着け。冷静になれ。これは訓練だ。ただの訓練だ。余計な意識を捨てろ……!)

トゥルーエンド「距離があると干渉が弱すぎるの。あなたの時間の揺れを捉えるには、こうして……身体ごと密着するのが一番効率的なの……///大魔女様なら、こんなことしなくても見れるんだろうけど……!」

トゥルーエンド「だ、だからこれは魔法的に必要であって……別に、他意はないのよ……///」ギュウ…

ガイ「な、なるほど。理にかなってるんだな……」ギュッ

抱きしめられるトゥルーエンド「ぅえっ……!?ちょ、ちょっと……!?」ビクッ

トゥルーエンド「な、なにしてるの!?///わざわざ抱き返さなくてもいいのよ!///」

ガイ「……すまない。完全に無意識でやっていた」

トゥルーエンド「くっ……もう……!と、とにかく……感じて!今まで見えてなかった時間の流れが、私の魔翌力で浮かび上がってきてるはずだから……!」

ガイ「あ、ああ……」

ガイ(感触と匂いを……違う!時間の流れを感じ取るんだ……!集中しろ、集中……!)

49 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 06:47:13.59 ID:7wTm9SFdO
ガイ「……なんとなく、つかめた気がする」

トゥルーエンド「……そうみたいね。今日はここまでにしましょう」

ガイ「区切るんだな」

トゥルーエンド「当然よ。やりすぎると感覚が壊れるわ……初日に無茶は禁物よ」

ガイ「……確かに、少し重い感じがする」

トゥルーエンド「だから切り上げるの。次はもっと深く踏み込むわ……覚悟しておきなさい」

ガイ「わかった……また頼むぞ、ルー」

トゥルーエンド「……ルー?」

ガイ「ああ。トゥルーエンドだと呼びづらくてな」

トゥルーエンド「呼びづらいって……わ、私は大魔女代理なのよ?あだ名なんて──」

ガイ「……無理にとは言わないが。嫌だったら辞める」

トゥルーエンド「……ま、まあ。あなたの好きにすればいいわ」

ガイ「じゃあ、ルーと……」

トゥルーエンド「っ……慣れないわね……///ほら、今日は終わり!別に引き止めたりしないから……早く帰りなさい」

ガイ「ああ……ありがとう、ルー」

バタン

トゥルーエンド「……ルー、ね……ふふっ……」

⭐︎時間魔法への理解が深まりました。1/3
50 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 06:47:38.13 ID:rMflZURMO
幕間

ーーテラヌス・ウルス 市街

リーナ「着いた……ここにガイたちが……」

リーナ「……会わなくて済むなら、それが一番いい。光の残滓だけ拾って……帰ろう」

リーナ「……すべては、消えゆく真の正しい世界のため……」

銀髪褐色男エルフ「……!」スタスタ……

リーナ「……なに……?」

銀髪褐色男エルフ「あなた……わたしと……おなじばしょ、うまれたですか?」

リーナ「……は?」

銀髪褐色男エルフ「……」ジッ……

リーナ「……なんなの、あなた。フォレスティナ出身じゃないの?」

銀髪褐色男エルフ「フォレスティナ……?」

リーナ「……エルフなのに、知らないの?」

銀髪褐色男エルフ「フォレスティナ……そのことば、きいたこと……ない」

リーナ「……あなた、どこの国の人なの?」

銀髪褐色男エルフ「わたし……幽世から、きた。だから……ここのこと、ぜんぜん……」

リーナ「幽世……そんな場所、聞いたことないけど」

銀髪褐色男エルフ「ここじゃない、ばしょ。このせかい……ちがう」

リーナ「そう……わたしは、ミュージアで生まれたの。たぶん、あなたとは生まれは違う」

銀髪褐色男エルフ「あなた、ほかの人とちがうまりょく……もってたから。おなじかと……かんちがいした。ごめんなさい」

リーナ「別に……どうでもいい……」スタスタ……

銀髪褐色男エルフ「……」

銀髪褐色男エルフ(あの子の魔翌力、たしかに乾属性……この世界では希少な属性だが、あそこまで強い魔翌力となると──)

銀髪褐色男エルフ(やはり、世界めくれは……既に理を乱しているということか……)

銀髪褐色男エルフ(幽世だけじゃない……現世も、すでに壊れはじめている……なにか、手を打たなければな……)

51 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 06:48:34.17 ID:Ayrs6hvaO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

ガイ「ん?みんな……今日は早いな」

サーシャ「あ、ガイ!やっと起きてきたんだ。珍しいね、一番遅いなんて」

ガイ「……昨日は鍛錬で少々疲れたからかもな」

リーゼリット「えぇ……大丈夫なの?」

ガイ「行動に支障はない」

アインズ「そうか……無理はするなよ?」

テル「そうそう、何事も過剰はよくないからねー」

ガイ「ああ。さて、今日の行動だが──」

現在はテラヌス・ウルスです。(4日目)
何をする?
安価下1〜3

襲撃
コンマ下1
01-10 リーナ
11-50 フローディア&セーレフェリア
51-00 襲撃なし
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 07:15:59.97 ID:+fCxnEYL0
リンを訪ねて遺跡の情報を聞く
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 07:47:21.06 ID:vCJ/yEsc0
ドルクにあったので一緒に遺跡調査するか誘ってみる
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 07:52:00.13 ID:yKpCo4Rko
ロスチャイルド同士の穏やかな邂逅
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 07:57:14.71 ID:zTJPEbePO
サーシャ 酒場で酒に酔ったミラに絡まれる
56 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 17:25:05.26 ID:kecl81AtO
ーーリンの研究所

リーゼリット「情報収集するっていっても……なんでこんな人気のないところに?」

ガイ「……リンというやつは死体を利用して研究を行っているらしい。おそらくだが、その死体の出所は、古代遺跡で死んだ冒険者やミイラだ。遺跡の情報をそれなりに知っているかもしれない」

リーゼリット「それなら宿屋とか、街にいる冒険者に聞き込みすればよかったんじゃない?」

アインズ「リンという人物が光の探索の障害になるかどうか判断するという目的もある。もし仮に、障害となる場合は……相応の対応をすることになる」

リーゼリット「……!」

ガイ「リアンノンも言っていたが、そうなる可能性は低い。だが、用心はしておけ……行くぞ」

57 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 17:25:23.46 ID:Vq9qx2+jO
コンコン

ガイ「失礼する。少々聞きたいことがあってな……リンという者はいるか?」

「え?お客さん?ちょっと待ってねー!」

ドタバタ……

リーゼリット「……女の人の声だ」

ガイ「油断はするな」

ガラッ

紫髪の猫耳女性「やっほー!来客なんて珍しいね!どうぞどうぞ入って入って!」

ガイ「……お前がリン・フレイミング・マオーニャか?」

紫髪の猫耳女性→リン「そうだよ!リンって呼んで!あなたたちは……この辺りじゃ見かけないね。冒険者さん?」

アインズ「似たようなものだ。私はアインズ。ガイとリーゼリットだ」

リン「そっか、よろしくね!……ふむふむ……ほほう……!」ジッ

リーゼリット「な、なに……?じーっと見て……」

リン「……銃使いと、槍使いと……あとは使えるものはなんでも使うってかんじだね?」

ガイ「……見ただけでわかるのか」

リン「いやぁ〜、筋肉のつき方とかでだいたい分かっちゃうんだよね……あなたたち、強いね」

アインズ「……妙な観察眼だな」

リン「へへっ、褒め言葉として受け取っとく!で、聞きたいことってなに?人体構造とか?」

ガイ「遺跡についてだ。特に、古代遺跡についてな」



リン「古代遺跡ね……十年前は数えるほどしかなかったのに、最近は沢山見つかるようになって……ゴールドラッシュならぬ、遺跡ラッシュみたいな?」

リーゼリット「そんなに一気に見つかるものなの?」

リン「うん。地形がめくれて、中に埋まってた構造物や通路が顔出したり……世界めくれの影響かも、なんて話が出てたりね。遺跡そのものが本来あった場所じゃない位置に出てきてるって研究もあるくらいだしね〜」

アインズ「……貴様はなぜそんな遺跡に詳しい?」

リン「んー……友達がよく冒険してるのと、研究のために私も潜ったら成り行きで詳しくなった……て感じかな」

リーゼリット「研究……って、死体の?」

リン「もちろん!古代の死体、冒険者の死体、たまに動く死体もあるけど……全部貴重な資料だよ!」

アインズ「……物騒な話を明るく言うな」

ガイ「遺跡の構造や内部事情にも詳しそうだな」

リン「まあ、そこそこね。依頼されて調査をすることもあるし……この街で遺跡に詳しい人って言ったら、結構上位に食い込むと思うけど」

ガイ「……それなら、俺たちが遺跡を調査することになったら協力してくれないか?」

リン「もちろん!外から来た人なら大歓迎!」

リーゼリット「ほんとにいいの?」

リン「いいよ!そのかわり──」

ガイ「条件があるのか?」

リン「うん!遺跡に行くとき、余力があれば私も連れてって!死体が動く条件とか、魔翌力の流れとか、現場で見れるなら絶好の研究チャンスだから!」

ガイ「危険だぞ」

リン「平気平気!死体と罠と崩落には慣れてるから!」

リーゼリット「崩落に慣れてるって何!?」

リン「それに、あなたたちは死んだら最高の材料になりそうだし♪」

アインズ「ガイ、なるべくコイツは連れて行かない方がいいかもしれん」

ガイ「……かもな」

⭐︎リンと出会いました。
58 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 17:26:22.63 ID:gKVyJdIzO
ーーテラヌス・ウルス 市場

ガイ「光の残滓……一体どこにあるのやら……」

ドルク「お?ガイ!奇遇だな!」

ガイ「ドルクか。遺跡帰りか?」

ドルク「おう!今日はそれなりに当たりの日でな。一緒に組んだアルバっていうおっさんのお陰でとくに危険らしい危険もなく調査を終えてきたぜ!」

ガイ(……古代遺跡か。調査するとなったら、ある程度詳しいヤツを連れていきたいところだが……アルバと合流できる保証はない。リンは……)

リン『あなたたちは死んだら最高の材料になりそうだし♪』

ガイ(……やはり同行させるには不安がある。あれは悪気がないだけに尚更危険だ)

ガイ(……ああ、そうか)

ガイ「……ドルク、頼みがあるんだが」

ドルク「ん、なんだ?」

ガイ「遺跡の調査することになったら同行してほしい。お前の経験が必要だ」

ドルク「……俺の、経験?」

ガイ「危険区域に踏み込む可能性が高い。信頼できて、立ち回りが分かっているやつと行きたい」

ドルク「……」

ガイ「引き受けてくれるか?」

ドルク「……あ」

ガイ「あ?」

ドルク「当たり前だろ!!!断る理由がねぇ!!!遺跡潜りなら任せとけ!俺の目と足があれば、そうそう死なねぇよ!」

ガイ「そうか……助かる。調査をするときは声をかける。そのときはよろしくな、ドルク」

ドルク「お、おう……!任せとけっての!」

ドルク「つーか、ガイ……そんな真っ直ぐ言われたら、逆に照れるんだけどよ……!」ポリポリ

ガイ「事実を言っただけだ」

ドルク「そういうとこだよ!……でもまあ、頼られんのは悪くねぇ気分だな。いつでも声をかけてくれ!」

ガイ「ああ。頼りにしている」

⭐︎遺跡調査の際、ドルクを同行させることができるようになりました。
59 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 17:28:17.29 ID:0iyYl3oVO
ーーテラヌス・ウルス 酒場

ワイワイガヤガヤ

サーシャ「もう……テルさん、情報収集って名目でずっとお酒飲んでるじゃないですか!」

テル「仕方ないじゃん、酒場の情報は酒に溶けてるんだから〜」グビッ



セーレフェリア「ふー、疲れた……またフローディアどっか行っちゃったし……ん?」

サーシャ「えっ、あの娘……セーレフェリア!?」ガタッ

テル「……サーシャちゃん、私の後ろに下がってて」スッ

セーレフェリア「ん?……あれ?あれあれ〜?懐かしい顔……生きてたんだ、テル」

テル「おかげさまでね……そっちは聞くまでもなさそうだけど、元気にしてた?」

セーレフェリア「うん!元気も元気……ただ、そう構えられると、悲しくなるなー」

サーシャ「テルさん……セーレフェリアとどういう関係なの?」

テル「……ちょっとした親戚。セーレ、この国に何をしにきたの?」

セーレフェリア「探し物ー♪そういうテルこそ、どうしてこの国にいるの?」

テル「仲間との冒険中……それだけだよ」

セーレフェリア「へー、ずいぶん弱そうな子を連れてるんだね?」

サーシャ(──トコナツ火山島で、セーレフェリアは星竜と戦ってた……だから、私たちの顔をちゃんと見てない……?けど、どうしよう……私とテルさんだけじゃ勝てない……!)

テル「サーシャちゃんは弱くなんかないよ……それで、まだ本気で世界を自分のものにできると思ってるの?」

セーレフェリア「えっ、当たり前でしょ?私たちロスチャイルドはそのために作られたんだよ?」

サーシャ(作られた……?)

セーレフェリア「だからね、世界めくれが起きたとき邪魔になった連中はわたしが全部どーんって吹き飛ばしたもん」

サーシャ「……え?」

テル「……セーレ。今の……どういう意味」

セーレフェリア「どういうもなにも……同じ一族のくせに、足を引っ張るような子たちがいたでしょ?弱いのに偉そうだったり、古いやり方にしがみついたり……」

セーレフェリア「だから──わたしが全部まとめて吹き飛ばしたの」
60 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 17:28:50.06 ID:0iyYl3oVO
サーシャ「──っ」

テル「……じゃあ、私とレーティア兄さん、グレースは?」

セーレフェリア「テルとレーティアは身の程わきまえてるし、テルグレースはわたしと同じくらい強いし。残す理由があるよね」

セーレフェリア「クラウディアは残念だったな〜。面白いことしてたのに死んじゃったし」

テル「……セーレ。世界征服なんて、やめなよ」

セーレフェリア「えー?なんで?」

テル「そんなの、誰も幸せにならないよ」

セーレフェリア「別に弱い人が幸せかどうかなんて興味ないし。従うなら生きれるし、逆らうなら吹き飛ばすだけ」

サーシャ「ひどい……!」

セーレフェリア「ひどい?弱い方が悪いよ?」

テル「セーレ……お願いだから、そんなこと……!」

セーレフェリア「──わたしの生き方に口出ししていいのは、強い人だけだよ?」

サーシャ「……っ!」ゾクッ

セーレフェリア「でも安心して。邪魔しに来ない限り、なにもしないから」

テル「セーレ……」

セーレフェリア「お酒飲む気分じゃなくなっちゃった。フローディアでも探しにいこっと。じゃあね、テルと、そのお仲間さん」



テル「……サーシャちゃん、大丈夫だった?」

サーシャ「はい……テルさん、今のは……」

テル「……セーレは……あの子は昔はああじゃなかった。けど、ああいうふうになってしまった……心が欠けてるわけじゃない。だけど、他人を『同じ存在』として見ていない……」

サーシャ「……じゃあ、あの人は……人の命をなんとも思ってないってことですか……?」

テル「……わからないよ。わかってたら、とっくに止められてる」

サーシャ「テルさん……」

テル「……もしセーレが人を傷つけるなら、止めなきゃ。それはきっと、私のすべきこと……一度、ガイ君たちと合流しよう」

⭐︎セーレフェリアと話しました。
61 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 17:29:26.43 ID:CAeFtp7uO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

リーゼリット「セーレフェリアと会った!?」

テル「うん……さっき酒場でね」

サーシャ「セーレフェリアは私たちのことを覚えてないみたい。トコナツで顔を見られてなかったから……」

アインズ「ふむ……だが、そいつがこの街にいるというのは厄介だな。覚えていようがいまいが危険には変わらん。翡翠の賽を狙っているのだろう?」

ガイ「ああ……世界征服が目的なら、世界樹の光を求める理由も筋が通る。強大な力だ……放っておけるはずがない」

リーゼリット「そんな……本気で世界を取るために動いてるってこと……?」

サーシャ「うん……あの言い方、冗談じゃなかった……」

リーゼリット「ど、どうするの……?セーレフェリアとフローディアに遭遇したら……」

テル「……正面からは苦戦するかも。あの子、冗談抜きで災害みたいなものだから」

アインズ「……ならば、狙われる前に動くしかない。光の残滓の在処を急いで突き止めるぞ」

ガイ「……テル。最悪の場合は俺に任せろ。約束は果たす」

テル「ガイ君……」

現在はテラヌス・ウルスです。(5日目)
何をする?
安価下1〜3

襲撃
コンマ下1
01-10 リーナ
11-60 フローディア&セーレフェリア
61-00 襲撃なし
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 17:30:23.04 ID:QUARphmoO
ヨードリーとキキの鍛練に付き合う
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 17:34:17.80 ID:0lE7aBiQO
巨大墳墓へ行ってみる
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 17:39:28.70 ID:CwuV7jUeO
かげをくらうものを捕獲して研究検体にする
65 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 19:44:21.61 ID:4R0gZYQrO
ーーテラヌス・ウルス 練兵場

テル「練兵場……ここで何をする気?」

ガイ「この場所は兵士が多い。フローディアとセーレフェリアも中々手を出すことはできないはずだ……そして、二人の襲撃に対して対策を考えることができる」

アインズ「なるほどな……理には適っている。一般の街中よりは監視も多く、いざとなれば周囲の兵を盾にもできる」

リーゼリット「た、盾!?そんなことできないよ!」

アインズ「……リーゼ。話を聞く限り、相手は相当の手練れだ。誰一人犠牲を出さずに、というのは無理だ。だからこそ巻き込まれる側が多い場所の方が、奴らも軽々しくは動けんというだけの話だ」

リーゼリット「……うぅ、それは……そうだけど……」

サーシャ「でも、ここなら確かに安全……かも」

テル「でも、対策って何をするの?私たち、正面から戦って簡単に勝てるような相手じゃないよ?」

ガイ「……勝てなくてもいい。生き延びるための動きを身につける。奴らの攻撃にどう対応するか、事前に体で覚えるんだ」

ヨードリー「……物騒な発言が聞こえたが。首長として聞き捨てならん」

キキ「みなさま、こんにちは〜」

サーシャ「あっ、ヨードリーさんにキキさん!?え、ええと……今の言葉はその、冗談でして……」

ヨードリー「冗談にしては顔が笑ってないぞ……さて、聞かせてもらおう。誰が、誰に襲われると言うのだ?」



キキ「なるほど〜大変な旅をされてるんですね〜」

アインズ「こちらとしても街に被害を出したくはない。だからこそ、練兵場で避難と訓練を兼ねようというわけだ。兵には悪いんだがな」

ヨードリー「悪いとは思わんさ。兵というものは未知の脅威に触れねば育たん。ましてや……世界征服などとのたまう者を野放しにしてるとなればテラヌス・ウルスの名が廃る。私たちも協力しよう」

キキ「うふふ〜、ヨードリーさんやる気満々ですね。では、私もお手伝いしますよ。危険な訓練になりそうですし」

ガイ「そういうことであれば……よろしく頼む」

訓練の成果
コンマ下1
01-40 微妙
41-80 普通
81-00 上等
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 19:52:26.54 ID:yKpCo4Rko
こんま
67 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/22(土) 20:43:05.16 ID:HX0RveSVO
申し訳ありません。急遽なのですが>>1に予定が入ったため本日の更新は終わります。
次回更新は明日予定です。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/22(土) 20:57:07.47 ID:yKpCo4Rko
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 01:07:48.84 ID:/g+7bgULO
これ古代遺跡いくごとに誰かしらの死亡判定がつくのかしら
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 18:53:06.39 ID:bUhiHctQO

襲撃は自由行動終了後に発生するんだろうか
71 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 19:24:49.39 ID:QIkiNpTAO
>>69
古代遺跡の探索は、よほどのことがない限り死亡判定はありません。
ただ、リンさんと一緒に探索する場合は若干ですが、判定は発生しやすくなるかもしれません。参考までに。

>>70
襲撃はタイミングがいい安価があるのでこれから起こります。よろしくお願いします。
72 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 19:25:17.32 ID:QIkiNpTAO
ヨードリー「衝撃波……か。丁度いい。私とキキにはおあつらえ向きの魔法がある」スッ

キキ「ああ、なるほど……じゃあ、まずはこれを避けてみてください!」

風「」ヒュオオオ……!

サーシャ「きゃっ……これ、風魔法!?」

リーゼリット「すごい強さ……!吹き飛ばされそう……!」

アインズ「まだ風が一箇所に集まっているだけだ。攻撃はこれから来るぞ」

ガイ「なるほど、衝撃波の再現というわけだな……!」

キキ「では、いきますよ〜。それっ!」

風の塊「」ビュオオオッ‼︎

テル「セーレの衝撃波……完全じゃないけど、雰囲気は近いよ。威力は抑えられてるけど、真正面から受けたら身体ごと飛ばされる……!」

ヨードリー「さあ、どう攻略する?」

ガイ「……予兆は風の流れだ。衝撃が集まる前の空気を読むんだ!」

サーシャ「そんなの読めるわけ……ひゃっ──!」スッ
風の塊「」ドォン‼︎

サーシャ「うぅ……」クラクラ

リーゼリット「ほ、ほんとに飛んだ……」

アインズ「訓練だからあの程度ですんでいるが、実戦であれば死んでいるな」

テル「……でもサーシャちゃん、身体が浮く直前に空気が止まった感じ、わかった?」

サーシャ「えっ……なんとなく、ですけど……急に静かになったような……」

ガイ「衝撃が放たれる瞬間、風は一瞬だけ動きをやめる。そこを感じ取れれば回避が間に合う」

リーゼリット「それが簡単にできたら苦労しないよ……でも、やるしかないよね」

ヨードリー「いい心意気だな……回数を重ねろ。身体は繰り返せば覚える」

キキ「では、角度を変えてもう一発いきますよ〜」



ヨードリー「ふむ……短時間の訓練にしては、それなりの成果を得られたんじゃないか?」

キキ「そうですね。始めたばかりの頃と比べたら全然動きが違いますよ〜」

アインズ「完璧にはほど遠いが……無策よりははるかにましだ。最悪の状況でも全滅だけは避ける動きはできるようになっただろう」

ガイ「攻撃の予兆を感じ取る意識も掴めてきた。訓練はこのあたりで切り上げるとしよう。無理に続けても雑になるだけだしな」

テル「そうだね。セーレに会う前に疲れ果ててたらシャレにならないし」

ヨードリー「……であれば、本日の練兵場の使用はここまでとしよう。あとは兵の訓練時間だ」

キキ「みなさん本当にお疲れさまでした〜」

⭐︎セーレフェリアの対策をしました。

セーレフェリアとの戦闘時、コンマに+10の補正を得ます。
73 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 19:28:08.88 ID:QIkiNpTAO
ーー西テラヌス砂漠 巨大墳墓前

魔導車「」キキー

ワイワイガヤガヤ

サーシャ「わぁ……!ここが巨大墳墓……観光地だからか、人がいっぱいいるね」

テル「前はこう、神秘的な雰囲気があったのかもしれないけど……人が集まりすぎると、どうしても俗っぽくなっちゃうね」

アインズ「実情を知られれば、神秘性は薄れるものだ。遺跡といえど収益が優先されればこうなる」

リーゼリット「……十年前に世界樹の光が落ちた場所、なんだよね」

ガイ「ああ……ここを調べたらすぐに立ち去ろう。フローディアとセーレフェリアもここを調べる可能性が高いからな」

テル「……そうだね。急ごうか」



ーー古テラヌス王家の石室

吹き抜けの天井から差し込む太陽「」カッ―!!

サーシャ「おお……すごい!!!」

アインズ「見惚れるのはわかるが、観光に来たわけじゃないんだぞサーシャ……ガイ、翡翠の賽は反応しているか?」

ガイ「──ダメだ、まったく反応しない。この辺りに残滓の力は無さそうだ」

リーゼリット「じゃあ……空振り、ってこと?」

ガイ「ああ……ここは人が多すぎる。長居は避けるべきだな」

テル「そうだね。セーレがもしこの場所を探してて……ここで鉢合わせたら、大変なことになっちゃうから」

サーシャ「うぅ……でも、せっかく来たのに何もないなんて……」

「嘘……なんで……」

サーシャ「……え?この声……」クルッ
74 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 19:28:39.64 ID:QIkiNpTAO
リーナ「どうして……ここに、いるの……」

ガイ「リーナ?どうしてここに」

サーシャ「リーナちゃんもここに来てたんだ……?」

リーナ「なんで……なんで会っちゃうの……?」

サーシャ「え?」

リーナ「ここにいるなら……私、やらなくちゃいけなくなる……!」

テル「リーナちゃん、それどういう──」

ガイ「リーナ。何があった?」

リーナ「……命令、されたから。あなたたちを……消すように」スッ

リーゼリット「命令?」

アインズ「下がれ……全員、構えろ」
竜角の槍「」ブンッ!

テル「……アインズさん?あはは、冗談キツいなぁ〜。あまり面白くないよ、それ……」

干からびていく周囲の人々「」バタッ……バタッ……

テル「!」

サーシャ「嘘……」

アインズ「……あのときの死体は──リーナ、お前だったのか」グッ

リーナ「……ごめんなさい。ほんとはこんなこと……したくない」

リーナ「でも……あなたたちが世界を元に戻そうとしてるから……邪魔なの……!」

ガイ「元に戻すことが、なぜ邪魔になる?」

リーナ「戻しちゃダメなの……世界は消えるべきだから。間違った世界なんて……全部消すべきだから……!」バッ

ーー戦闘開始 リーナーー

01-10 痛恨(死亡判定あり)
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心

コンマ下1

閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り2回)
代償の刃 +99(現在使用不可)
抑制行動 -20(回数制限なし)

※同時使用はできません。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 19:29:39.71 ID:9y4FFYCOO
76 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 19:34:51.91 ID:QIkiNpTAO
ちょっとわかりづらかったかもしれませんので補足説明をします。

勝利判定の際、直前の行動が 抑制行動でなかった場合、リーナは死亡します。参考までに。
77 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 20:31:47.06 ID:AGNhO4HWO
リーナ「……」
乾燥していく地面「」カラッ……
近づいてくる乾魔翌力の塊「」ドドドドドド

アインズ「……来るぞ!距離を保て!」バッ

魔翌力を避けるリーゼリット「わあああっ!?」バッ
リーゼリットがいた足元の地面「」カラッ……

ガイ「ッ……直接触れずとも、あの魔翌力に触れただけで干からびるのか!」

テル「あんな魔法、初めて見たよ……!」

サーシャ「リーナちゃん、やめて!!!」

リーナ「……だまって……!」
乾魔翌力の塊「」ズオオオ……

乾魔翌力の塊「」ドドドドドド

アインズ「くっ……手加減をしていたらこちらがやられるぞ……!」ブンッ

竜角の槍「」ガギィンッ!
乾魔翌力の塊「」ギュウン……

リーゼリット「──くっ!!!」サッ
狙撃型魔導銃「」バァン!バァン!

肩口を撃たれるリーナ「あぅっ……!」バスッ

リーゼリットを抑えるサーシャ「ダメッ!!!」ガシッ

リーゼリット「──けど、サーシャ!!!
あのまま暴れられたら……もっと、もっと被害が……!」

倒れている干からびた人々「」
逃げまどう人々「」ワーワー……

サーシャ「っ、でも……!」

テル「……サーシャちゃん。リーナちゃんをこのまま放っておいても、犠牲は増えるだけだよ……」グッ

サーシャ「……ッ!」

ガイ「……」スッ
魔導拳銃「」カチャ
短剣「」スラッ

サーシャ「ガイ……?」

ガイ「……俺が、やる」

01-10 痛恨(死亡判定あり)
11-50 劣勢
51-00 勝利

コンマ下1

閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り2回)
代償の刃 +99(現在使用不可)
抑制行動 -20(回数制限なし)

※同時使用はできません。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 20:34:25.77 ID:mKKeFOamO
連携技
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 23:16:50.91 ID:ZOSaeHA0o
容赦のない勝利
80 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 23:29:19.63 ID:AkS0tadrO
ガイ「」ダッ

乾魔翌力の塊「」ドドド……
ガイ「」シュンッ
魔導拳銃「」バンッ!バンッ!

撃ち落とされる乾魔翌力の塊「」シュウ……
撃ち落とされる乾魔翌力の塊「」シュウ……

ガイ(時間の流れがわかるようになってからは、魔翌力の動きも……全部手に取るように見える……)シュンッ

リーナの背後に瞬間移動するガイ「──」

ガイ(もう引き返すことはできない。リーナは……俺たちの障害になる)
短剣「」クルンッ ヒュンッ

ザクッ……

首元に短剣が刺さるリーナ「──っ……あ……」

サーシャ「そんな……!」

テル「……っ……」

アインズ「……」

リーゼリット「ガイ……」

短剣を引き抜くガイ「……」ズルッ

首を抑えるリーナ「あ……ごふっ……」ペタン……

リーナ「いつの、まに……まったく……ためらわなかった……ね……」

ガイ「ああ」

リーナ「……わたしも……みんなのこと[ピーーー]つもりだった……から……いいよ……これで……」ビチャビチャ……

サーシャ「な、なにしてるのガイ……?はやく、血を止めてあげなきゃ……!」バッ

アインズ「……サーシャ。回復魔法を使ってもあの状態では助からん」

サーシャ「そんなこと言わないで!だって、リーナちゃんはまだ──!」ダッ

テル「サーシャちゃん……」

リーゼリット「サーシャ!」

リーナとガイの間に立つサーシャ「」バッ

ガイ「……サーシャ」

サーシャ「なんでそんな……なんでそんな顔でいられるの!?……ガイ……!」

ガイ「世界めくれを止めるために必要なことだ。そのための障害は……たとえ、何であろうと排除する」

サーシャ「障害って……!リーナちゃんを……そんな言い方……」

ガイ「……たしかに、リーナとは共に過ごしたときもあったが……周りを見てみろ」

干からびた人々の死体「」

ガイ「仮に生かしたとしても、リーナが周りの人間を殺した事実は消えない」

サーシャ「でも……それでも……!」

ガイ「これから先、[ピーーー]可能性だってあった」

サーシャ「……っ!」
81 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 23:29:49.26 ID:AkS0tadrO
リーナ「……ガイの言うとおりだよ、サーシャ……わたし、これまでも沢山人を殺してきたから……それに……世界なんて……全部消えちゃえばいいって……ずっと……思ってた……」

サーシャ「リーナちゃん……そんな……!」

リーナ「……世界めくれは……救いだよ……全部……苦しいことも……悲しいことも……痛いことも……綺麗に……終わっちゃうんだもん……」

リーナ「……だから……消えたほうが……楽なんだよ……誰も……泣かなくていい……」

リーナ「……わたし……人が消えるのを見て……何も感じなかった……だって……最初に消えたのは……家族だったから……」

サーシャ「……!」

リーナ「……乾いちゃってて……触ったら……崩れちゃって……それでも……わたし……泣けなかった……それから……ずっと……この世界は……いらないって……思ってた……」

ガイ「……退いてくれ、サーシャ」スッ

サーシャ「……っ……」

ガイ「……聞こえるか」

抱き上げられるリーナ「……?」

ガイ「抱き上げるくらいは……してやってもいいと思った」

リーナ「……ふふ……へんなの……あなた……そういうの……しなさそうなのに……」

ガイ「そうだな。お前相手に……こんなことするとは思ってなかった」

リーナ「あったかい……わたし……だれかに……触れられるの……ずっと……怖かったのに……いまは……全然怖くないや」ニコ

リーナ「……さよなら、みんな……わたし、ここで……終わるけど……あなたたちは……生きてて……ね……?」ガクッ

リーナを下ろすガイ「……」ソッ

サーシャ「リーナちゃん……リーナちゃん……!」

アインズ「……ここを離れるぞ。まだフローディア達の脅威は残っているんだろう?……ヨードリーたちにここで起きた出来事を報告しなければならん」

サーシャ「ま、待ってよ……!リーナちゃんをこのまま置いていくなんて……!」

テル「サーシャちゃん……落ち着いて……!」

リーゼリット「でも……アインズの言う通りだよ……ここに長居するのは危険だし……」

サーシャ「でも!!!」

ガイ「……行くぞ。この国の残滓の力を探さなければいけない」スタスタ……

サーシャ「……ガイ……」

⭐︎リーナを倒しました。
82 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 23:33:05.86 ID:AkS0tadrO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

サーシャ「……」

ガイ「……」

リーゼリット(二人とも、あれから一回も口を聞いてない……サーシャはガイの顔すら見ないし……ガイは……ガイで、何も言葉を発しない……)

リーゼリット(あの戦いのあと、ガイはずっと無言だった。サーシャの呼びかけにも反応しなかった……いや……反応しなかったんじゃなくて……あえて反応しなかった……そんな風に見えた)

サーシャ「……ねぇ」ボソッ

ガイ「……なんだ」

サーシャ「どうして……助けようとしなかったの」

ガイ「……なんのことだ」

サーシャ「……リーナちゃんのことだよ」ギロッ

ガイ「ああするしか──」

サーシャ「そうじゃないっ!!!」

ガイ「……」

サーシャ「そうじゃない……なんで……なんで、迷わなかったの……?」

ガイ「……」

サーシャ「なんであんな顔で……障害とか排除なんて……そんな言い方ができるの……!」

ガイ「言葉の選び方で、結果は変わらない」

サーシャ「変わるよ!!!」

ガイ「そうか?」

サーシャ「変わるの!あなたの言葉は……あなたの気持ちは……全部……変わっちゃってるよ……!」

サーシャ「ガイ……あなたは……前みたいに笑わなくなったし……私たちの言葉にも、反応が薄くなった……誰かが死んでも……目が揺れない……」

ガイ「……」

サーシャ「怖いよ……今のガイ……本当に……怖い……」

ガイ「」スクッ
サーシャ「」ビクッ

ガイ「……怖がるのは勝手だ。だが──俺は間違っていない」

ガイ「迷いは、死につながる……だから切り捨てた。それだけだ」

サーシャ「そんな簡単に……!」

ガイ「簡単じゃない……必要なことだ」

サーシャ「……ねぇ……ひとつだけ答えて。ガイ……あなたは……リーナちゃんを殺したこと、後悔してないの?」

ガイ「……後悔はある。だが、迷いはない」

サーシャ「なにそれ……」

ガイ「それが今の俺だ」

サーシャ「……そんなの……そんなの……
ガイなんかじゃない……!」バッ

タタッ……

リーゼリット「サーシャ!!」ガタッ
83 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 23:33:32.23 ID:AkS0tadrO
スタスタ……

アインズ「今、サーシャが出ていったが……何があった?」

リーゼリット「アインズ……」

テル「ガイ君……サーシャちゃん、泣いてたよ……」

アインズ「……リーナの件か」

リーゼリット「ガイは……サーシャと話してたんだけど……その……ちょっと……」

テル「……サーシャちゃんのあんな顔……初めて見た」

アインズ「……影を喰らうものの対策を考えようと思っていたが……どうやらそれどころじゃないようだな」

テル「サーシャちゃんがあんな状態じゃ……とても……」

リーゼリット「……ガイの言い方が……ちょっとどころじゃなかったの……」

ガイ「……必要なことを言っただけだ」

テル「必要なことって……あんなにサーシャちゃんを傷つけても?」

ガイ「傷つくかどうかは……サーシャの問題だ」

リーゼリット「ガイっ!」

ガイ「言い方で結果は変わらない」

テル「優しく言うか、冷たく言うかでぜんぜん違うよ……!」

ガイ「……関係ない」

リーゼリット「関係あるよ!サーシャは……ガイのそういう言い方が怖かったの!」

ガイ「……」

アインズ「ガイ。お前の変化は最近、顕著だったが……サーシャが泣き出すほどになるとはな」

ガイ「泣くかどうかも自由だ」

テル「そんな言い方、あんまりだよ…… 」

ガイ「……俺は必要な判断をした。サーシャの気持ちを守るために動いたわけじゃない」

アインズ「お前の“正しさ”は理解できる。
だが──正しいだけでは仲間はついてこないぞ」

ガイ「ついてくる必要はない」

リーゼリット「えっ……」

ガイ「例え一人になろうと……誰がついてこようと、こなかろうと──関係ない」

リーゼリット「ガイ……そんなの……」

テル「私たちは……仲間だよ……?」

ガイ「仲間なら力になれ。感情で足を引っ張るなら──離れろ」

アインズ「……なるほどな。サーシャが泣いた理由が、完璧に理解できたぞ」

ガイ「……」

アインズ「ガイ。お前は正義の味方ではない。
救うべき世界の異物になりつつある」

リーゼリット「アインズ……」

テル「い、異物って……」

アインズ「褒め言葉だ。だが同時に──大変危うい」

ガイ「危うくとも、正しい道だ」

アインズ「そうか……ならば、サーシャには近づくな。今のままでは会話にならん」

ガイ「……」

アインズ「……頭を冷やしてよく考えるんだな」

⭐︎影を喰らうものへの対策を話し合えませんでした。
84 : ◆sIVlz2/mNs :2025/11/23(日) 23:35:34.31 ID:AkS0tadrO
ガイ(世界樹の残滓の光は巨大墳墓には残っていなかった……となると、考えられるのは誰かが先に持ち去ったか別の場所へ移動したかのどちらかだが……)

ガイ(前者の可能性は低いな。フローディア達が先に見つけたのならば、そのまま俺たちを待ち伏せて俺たちが集めた光残滓を回収して俺たちを待ち伏せし、俺たちが集めた光ごと奪うはずだ。そうしなかったということは──まだ奴らも確保できていない)

ガイ(影を喰らうものについては……正直、世界樹の光とはまったく関係が無さそうだ。ラハニ四世には悪いが、見送らせて……ん?)

影を喰らうものの資料「」ペラ……

ガイ(この目撃地点……全て巨大墳墓とその近くにある古代遺跡だな……)ペラ……

ガイ(……なにか関係しているのかもしれない。一度、目撃地点付近の古代遺跡を調べてみるか……)

現在はテラヌス・ウルスです。(6日目)

何をする?
安価下1〜3

襲撃
コンマ下1

01-60 フローディア&セーレフェリア
61-00 襲撃なし

本日の更新はこれで終わりです。
明日は>>1に仕事があるため、更新できそうな場合は夜に更新します。
それでは、また。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 23:36:20.67 ID:cvCVdo8Z0
夜に出歩いているソーラを保護する
友達と一緒にいたということでソーラと引き取りにきたリアンノンに詳しい話を聞いてみる
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 23:36:29.54 ID:kK5UhuWt0
サーシャ、気分転換に子供向け遺跡観光の手伝いをする
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 23:36:50.79 ID:3ew6GOa70
ガイ以外のメンバーにもドルクを紹介して交流する
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/23(日) 23:57:47.12 ID:ZOSaeHA0o

犠牲なったのだ犠牲の犠牲にな
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/24(月) 00:57:34.73 ID:DIjN0K7wo
おつ
失っていたのはいわば良心みたいなものか…
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/24(月) 07:30:45.94 ID:0bbMwnhbO

まあサーシャもまだまだ青いってことで・・・でもこっちの死亡判定ある中でマイナス選ぶのは迷う
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/24(月) 12:14:41.37 ID:vCFmuy6Jo
おつ
事情を話してもお辛いなこれ
92 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:00:33.19 ID:LEabQ3fwO
>>88
>>84で一部、文章が変なことになってしまっていますね。お恥ずかしい……リーナさんの死で>>1が動揺していたようです。該当箇所はこちらでお願いします。

ガイ(前者の可能性は低い。もしフローディアたちが先に見つけていたのなら、ここで待ち伏せして、俺たちが集めた残滓ごと奪うはずだ。それをしなかったということは──まだ奴らも残滓を確保できていない)

>>89
代償の刃で失ったものは現状、味覚と記憶だけです。それらは今のガイに影響を与えているのかもしれませんが、もとよりガイは目的のためにある程度割り切れるタイプのようでした。良心はまだ残っていますが、今後失う可能性もあります。

>>90
迷っていただけたのなら、>>1としては嬉しい限りです。良い結果を得るためにはリスクを選ぶ必要がある、という感覚を味わっていただきたかったのです。今後も似たような選択肢が登場するかもしれません。その時も迷ってもらえたらと思います。引き続きよろしくお願いします。

>>91
もしかしたら分かりあう未来もあったのかもしれませんが、今回は命を奪う結果となりました。この選択が今後どのように影響するかはまだわかりません。お楽しみに。
93 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:01:30.14 ID:LEabQ3fwO
ーーテラヌス・ウルス 首都

サーシャ「はぁ……なんだか、戻りづらいなぁ……」

サーシャ(あの場所でリーナちゃんを止めなきゃ、もっと大勢死んでいたかもしれないのはわかってたけど……)

サーシャ(止めるって……ガイがやったようなことじゃないって、どこかで思ってたのに……)

サーシャ(話して、説得して……手を引いて一緒に戻る──そんな奇跡みたいな終わり方を私は望んでたんだと思う)

サーシャ(けど……ガイは迷わなかった。迷ってないように見えただけかもしれないけど……あの判断が正しいってわかってる分……余計に胸が痛い)ギュッ

子どもA「……ねーちゃん、どうしたの?しょんぼりしてる?」

サーシャ「……えっ?あ、ううん……そんなことないよ?」

子どもB「だいじょーぶ?おねーちゃん、迷子?」

サーシャ「……迷子でもないんだけどね」

黒衣の美少女「こらー!知らない人に絡んじゃダメって言ったでしょー!」タタッ

子どもA「えー、おれなんもしてねーよー!」

子どもB「またベルが怒ってるー!」

黒衣の美少女「怒ってません!決めたルートから勝手に外れるなって言ってるの!入口で配る説明書もまだ渡してないんだから!」

子どもA「だってベル説明ながいんだもーん!」

子どもB「聞くまえに歩くほうがはやい!」

黒衣の美少女「歩く前に聞け!みんなと一緒に歩け!それが正しいツアーの流れなの!」

サーシャ「ええと……ベル、さん?これはその……どういう状況なんでしょう……?」

黒衣の美少女「おっと、ごめんね!今、子ども向け遺跡ツアーのボランティアをしてるんだけど、人手が全然足りなくてさ……その隙に、この子たちがちょろ〜っと抜け出しちゃったの!」

サーシャ「そうだったんですね」

黒衣の美少女「ん?あなた……ねぇお願い!ちょっと仕事を手伝ってくれないかな!」

サーシャ「え」

黒衣の美少女「少しでも人手が欲しくてさ!もしタダ働きが嫌だったらお金も出すし……」

子どもA「ベルよりおねーちゃんがいいー!」

子どもB「つれてってー!」

サーシャ「えぇ……!?いや、その……」

黒衣の美少女「お願い!この通り!」フカブカー

サーシャ(……少しの間だけでも気を紛らわせられるかな……)

サーシャ「……わかりました。少しだけでいいなら、手伝います」

黒衣の美少女→ベルフレア「ホント!?ありがとう!私はベルフレア・バッドエンド。こう見えて、ベスティア様の一番弟子なんだよ!」

サーシャ「サーシャです。よろしくお願いします、ベルフレアさん」

ベルフレア「ベルでいいよ!よろしくね、サーシャさん!」

94 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:01:58.74 ID:LEabQ3fwO
ーーテラヌス・ウルス とある古代遺跡

ベルフレア「──よし、到着!今日は一般解放されてる所だけ!危ないところには行かないから、安心してね!」

子どもA「奥まで入んないのー?」

ベルフレア「奥はね、大人でも迷子になるくらい広いんだ。危ない罠もまだ全部は取り除かれてないの!」

サーシャ「そうなんですか……?」

ベルフレア「この古代遺跡は最近見つかったんだけど、まだ探索されてない場所がたくさんあるの。謎の壁画とか、読めない文字とか……今も研究が続いてるんだ」

子どもA「なぞのもじって、なんかかっこいいー!」

子どもB「ベルー!おれもよめないもじよめるようになるー!」

ベルフレア「うんうん、勉強すれば読めるようになるよ!……多分!」

サーシャ(リーナちゃんも……普通に過ごしてたらこんな風に……)

子どもC「おねーちゃん!あそこみてー!あれ、なんのかみさまー?」

サーシャ「……あ、私も知ってるヤツだ。あれはホトルスって言ってね──」



ベルフレア「いやー、ありがとうサーシャさん!おかげで助かったよ!」

サーシャ「いえ……私なんて、ただ横にいただけで……」

ベルフレア「そんなことないって!子どもたち、サーシャさんの説明すっごく楽しそうに聞いてたもん。あれは才能だよ!」

サーシャ「そうですか……?」

ベルフレア「うん!それにほら──」

子どもA「サーシャねーちゃん、またつれてってよー!」

子どもB「つぎはなぞのもじおしえてー!」

子どもC「サーシャおねーちゃん、やさしいからすきー!」

サーシャ「……」

ベルフレア「ね?」

サーシャ「……ありがとうございます、ベルさん。誘ってくれて」ニコ

ベルフレア「よかったぁ!……サーシャさんが元気ないの、実は最初から気づいてたからさ。少しでも笑ってくれたらいいなーって思って声かけたんだ」

サーシャ「……え」

ベルフレア「何があったかは聞かないけど……弱ってる人を放っておけないのが私の性分なんだ。へへっ……つらいときほど、誰かのありがとうって効くでしょ?」ニカッ

サーシャ(……ベルさん、私のこと……気遣ってくれてたんだ……)

ベルフレア「だからさ、サーシャさんがちょっとでも元気になれたなら……今日はもう大勝利ってやつ!」

サーシャ「ふふっ……なんですか、それ……」

ベルフレア「よし、その笑顔!それだよそれ!困ったらまた呼んでね!ベルフレア・バッドエンドはいつでも正しき人々の味方だから!」

サーシャ(……戻ろう。ちゃんと話すために)

⭐︎ベルフレアを手伝いました。
95 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:02:24.32 ID:LEabQ3fwO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

ガイ「──光の残滓についてだが、周辺の古代遺跡を調べる必要がありそうだ」

リーゼリット「全部は無理だよ?一個ずつ調べてたら何十年かかるか……」

ガイ「ああ。調査する遺跡にはアタリをつけている……これを見てくれ」スッ

影を喰らうものの資料「」ペラッ

アインズ「影を喰らうものの出現記録か……古代墳墓の近くに集中しているな」

テル「特に印のある三つの遺跡の周辺は回数が突出してるね」

ガイ「ああ。影を喰らうものは世界めくれ以前は一度も観測されていない……関係している可能性が高いだろう」

ガイ「調査自体は人員を増やして挑もうと考えている。古代遺跡にそれなりに詳しいヤツをな……一人、紹介したいヤツがいる。連れてくるから待っていてくれ」



ドルク「はじめまして、ドルク・ロックだ!ガイに誘われて遺跡の探索に同行させてもらうことになったんだが……なんか、雰囲気重くねぇか?」

リーゼリット「えーと……ちょっと今、パーティ内で喧嘩みたいなかんじになっちゃってて……」

ドルク「……そうだったのか」

テル「まあ、何はともあれよろしくね。私はテル。そっちの気難しそうなのはアインズさんで、ジャケットの子はリーゼリットちゃん……あとはエルフのサーシャちゃんがいるんだけど……」

ドルク「……そのサーシャって娘と喧嘩中って感じか?」

ガイ「……」

ドルク「まあ、何があったかは知らねえけど……協力者の立場として助言するが、このまま遺跡に行ったら誰かしら死ぬぜ」

アインズ「……同意見だ。私も今の状態で探索を行ったところでまともに連携が取れる気がしない。命を無駄に捨てにいくようなものだ」

リーゼリット「アインズさん……」

アインズ「ガイ。リーナを殺したこと自体は……仕方がなかったと私も思う。あの場で被害を喰い止めるには、ああするしかなかった」

アインズ「……サーシャや私たちへ放ったあの言葉は、わざとだな?」

ガイ「……そんなことはない。本心から、そう思っていた」

アインズ「嘘をつけ。もし仮にそれが本当だとしたら、サーシャを待たずして今すぐにでも探索に向かう筈だ。そうしない理由は……お前がサーシャを仲間だと思っているからだろう?」

テル「てっきりアレ、本気で言ってるかと……でも、なんでそんなことを?」

リーゼリット「……ガイが全部背負うように仕向けた、ってこと?」

ガイ「──っ」

アインズ「まったく不器用なヤツだな……私も最初は本気かと思ったぞ。おかげでお前に酷いことを言う羽目になった」

ドルク「一人で抱え込むのが仲間のため、って理屈か?筋が悪いぜ」

ガイ「……否定はしない」

テル「そういうことなら、サーシャちゃんに謝らないとね……ガイ君、リーナちゃんを殺したことは君一人には背負わせない。私も一緒に背負うよ」

ガイ「テル……」

アインズ「私もだ。責は共に負う」

リーゼリット「私も……ここまで一緒にやってきた仲間だもんね」

ガイ「アインズ……リーゼ……」

ドルク「へへっ……ガイ、仲間のことを大事に思うのはいいことだけどよ、わざわざ辛い方を選ぶ必要はないと思うぜ。腹割って話すのが一番だ!さて、俺は調査する遺跡の情報を集めてくる……そっちはうまくやれよ?」

ガイ「……わかった。頼んだぞ、ドルク」

⭐︎ドルクを仲間に紹介しました。
96 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:03:51.64 ID:LEabQ3fwO
ーーテラヌス・ウルス 首都
ー 夜

サーシャ(いざ帰ろうと思っても……結局いろいろ考えすぎて遅い時間になっちゃった……ご飯も食べ損ねちゃったし……あれ?あそこにいるのってソーラちゃん?)

ソーラ「」ウロウロ

サーシャ「こんばんは、ソーラちゃん。ここで何してるの?一人?」

ソーラ「あっ、サーシャさん!?えっと、その……」

サーシャ「?」

リアンノン「──どこにいるの、ソーラ!」

ソーラ「まずい……」

サーシャ「……まずい?」

駆け寄ってくるリアンノン「あっ、ソーラ!!!またこんな時間に抜け出して!!!」タタッ

ソーラ「うっ……ご、ごめんなさい。おかあさま」

リアンノン「サーシャさん、ソーラを引き止めてくださったんですね?ありがとうございます……」

サーシャ「ええ、まあ引き止めたというか、たまたま会っただけで……ソーラちゃん、お家を抜け出しちゃダメだよ?リアンノンさんが心配しちゃうじゃない」

ソーラ「……さっきまでおともだちと話してたの。でも、もう帰っちゃった」

サーシャ「友達?」

リアンノン「またこの子は……毎回どうやって家を抜け出すのかな……」

ソーラ「抜け出すのはよゆう」ドヤァ

ソーラの頬をつねるリアンノン「こら」
ソーラ「あうっ」ムニュッ

リアンノン「まったく……サーシャさん。お礼をしたいのですが、今すぐに用意できるものがなくて……」

サーシャ「お礼なんて、全然!気にしないで──」グウウウ……

サーシャ「あはは……ご、ごめんなさい。お腹空いてて……///」

リアンノン「まあ……それでしたらご一緒にいかがですか?丁度夕飯にしようと思っていたので」

ソーラ「おかあさまのごはん、美味しいよ!」

サーシャ「ええと……それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」

97 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:04:25.68 ID:LEabQ3fwO
ーーリアンノンの家

ソーラ「まんぞく……」ケプ

サーシャ「──すっごく美味しかったです。ご馳走様でした、リアンノンさん!」

リアンノン「口にあったようなら、何よりです」ニコ

ソーラ「ふぁ……眠くなってきちゃった……」

リアンノン「もうこんな時間ですもの……そろそろ寝なさい、ソーラ。ちゃんと歯は磨くのよ?」

ソーラ「……うん。おかあさま、サーシャさん、おやすみなさい。またお話してくれる?」

サーシャ「もちろん!おやすみ、ソーラちゃん」

ソーラ「えへへ……」タタッ

サーシャ「……ソーラちゃん、やんちゃなところもあるんですね」

リアンノン「元気すぎて困るんです。ありがたいですが、大変で……」

サーシャ「ふふっ……あっ、そういえば旦那さんはどちらに?お邪魔してしまって申し訳ありません……」

リアンノン「お気になさらず。私に夫はいませんから……実は、ソーラは本当の娘ではないんです」

サーシャ「え?」

リアンノン「世界めくれが起きたとき……テラヌス・ウルスもある程度の被害を受けました。十年前、それらの対応に追われている最中でソーラを見つけたんです」

リアンノン「もちろん、本当の親を探したのですが……混乱している最中では探すこともままならず、おそらくは世界めくれに巻き込まれたのかと……そのまま孤児としてホトルス族で引き取り、私が育ててきました」

サーシャ「そうだったんですね……そういえば、ソーラちゃんは友達と話しにいくって言ってましたけど……心当たりはありますか?」

リアンノン「いえ、とくに……抜け出すようになったのも、ここ最近のことで……夜は見廻りの兵がいるとはいえ、もしかしたら悪い人に連れて行かれたり……最近だと影を喰らうものも出ますし、あまり出てほしくはないんですけどね……」

サーシャ「心配ですよね……」

リアンノン「ええ……落ち着いてくれるといいんですけど……」スタスタ……

寝室を覗くリアンノン「」ソッ

ソーラ「」zzz

リアンノン「ふふっ……」

リアンノン「サーシャさん、もう夜も遅いですし、今夜は泊まっていってください。客間が一つ空いていますので……」

サーシャ「えっ……でも、ご迷惑じゃ……」

リアンノン「助けていただいたお礼も兼ねて、どうか遠慮なく。起きたらソーラもきっと喜びます」

サーシャ「……そういうことなら、よろしくお願いします」

ソーラ「……まっててね……」ムニャ

⭐︎リアンノン親子と遭遇しました。
98 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 09:05:13.41 ID:LEabQ3fwO
ー翌日

サーシャ「──ただいま」

アインズ「戻ったか、サーシャ。昨夜はどこに行っていたんだ?」

サーシャ「リアンノンさんの家に泊めてもらってたの……その、心配かけてごめんね」

リーゼリット「そうだったんだ。無事でよかったよ……ほら、ガイ」

ガイ「……サーシャ」

サーシャ「ガイ……」

ガイ「あのときは俺の言い方が悪かった。お前を傷つける意図はなかった……すまない」

サーシャ「ううん……私も。ガイが全部悪いみたいに言っちゃった。ごめん」

ガイ「……俺がやったことだ。責任は俺にある」

サーシャ「……それでも、だよ。私たちパーティを組んだんだから……全部の責任をガイだけに押し付けたりしないよ」

ガイ「サーシャ……」

アインズ「ふむ。互いに謝り、共有もした。ならば、この件は一旦ここまでだな」

テル「これから先に進むための、区切りってやつだね」

サーシャ「……うん。私も、ちゃんと前を見る。ガイのこと、怖いままにはしておきたくないから」

ガイ「俺も、お前たちの言葉を斬り捨てるみたいな真似は、できるだけやめる。保証はできないが……変わろうとは思っている」

サーシャ「ふふっ……それでいいよ。改めて……よろしくねガイ」

ガイ「ああ……」

現在はテラヌス・ウルスです。(7日目)
※古代遺跡を調査する際はその旨を記載してください。

何をする?
安価下1〜3

襲撃
コンマ下1

01-50 フローディア&セーレフェリア
51-00 襲撃なし
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 09:24:50.48 ID:s3igZhpnO
ガイ、リンと模擬戦
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 09:37:31.88 ID:7xZsmJKC0
ソーラにおともだちについてもっと詳しく聞いてみる
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 09:41:26.96 ID:fnXqUI0QO
ひょんなことからバッドエンド結界術を学ぶ
102 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 11:03:28.01 ID:uaczAXbcO
ーーリンの研究所

ガイ「リン、いるか?」

リン「はいはい、ちょっと今手が離せないから勝手に入ってー」

ガイ「……邪魔するぞ」

ムワッ……

ガイ(……腐ったような匂いが充満している)

死体を弄るリン「ああ、ガイさんか……見ての通りちょっと作業中で申し訳ないね」カチャ……カチャ……

ガイ「……狂気的な絵面だな」

リン「まあ死者の蘇生なんて研究するの私くらいだし、そういうのは言われ慣れてるし……ふぅ、お待たせ。要件は何かな?」

ガイ「……近いうちに遺跡を調査しようと思うんだが、場合によってはお前の手を借りたい」

リン「ほうほう、なるほどなるほど。それは全然オッケーだけど……ああ、私の強さを知っておきたい感じかな?」

ガイ「……そうだ」

ガイ(あの発言が本気であれば……こいつを連れていって仲間が危険な状態に陥った際、こいつが何をしでかすかわからない。そのときに対処できるよう手の内は事前に把握しておく必要がある)

リン「わかった、模擬戦をすればいいかな?」

ガイ「……できるのか?」

リン「言ったでしょ?遺跡調査も任されることがあるって……そのくらいには動けるんだよ、これでも」ニコ

ガイ「……そうか」

リン「それに、私からしてもガイさんの強さはちゃんと見とかないとね。"もしも"のとき、有効活用できるように……」

ガイ「……」

リン「あはは、冗談冗談。ここでやると標本が吹き飛ぶから、裏の実験場がいいかな」

ガイ「……構わない。場所は任せる」



ーーリンの研究所 裏手の実験場

リン「ここが即席の実験場。簡易結界は張ってあるから、ちょっとやそっと暴れても外までは響かないはず」

簡易結界「」バリ……

死体が入った箱「」
リン「さてと……」ガサゴソ

ガイ「……それがお前の準備か」

リン「私の実力って、手駒の死体込みだからさ〜……ちょっと待ってね」ガサゴソ

リン「こっちは動かしていいやつ、こっちはまだ調整中……っと。番号付けもしてあるから、ややこしくはならないはず──よし、はじめようか!」

ガイ「──行くぞ」

コンマ下1

01-40 敗北
41-80 引き分け
81-00 勝利
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 11:08:36.13 ID:oJLuESYVo
よゆう
104 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 21:20:56.51 ID:nEkalymcO
リン「それじゃあ……行ってらっしゃい!我が僕たちよ!!!」

包帯巻きのミイラA「」ヨロ……
包帯巻きのミイラB「」ヨロ……
包帯巻きのミイラC「」ヨロ……

ガイ「なんとなく予想はしていたが……まるで悪役みたいだな」

リン「言われ慣れてるよ!さ、どうくるのかな?」

ガイ(時間魔法は見せない方がいいな……ならば、コレを試すか……)シュッ

リン「動きが速くなった……速度強化魔法だね!」

ガイ(本当の速度強化……時間魔法と比べたら消耗はまったくないな。今まで使っていたものと比べたら遅いが……充分実用的だな)

包帯ミイラ「」ダッ

ガイ「」シュッ
短剣「」ヒュン

包帯ミイラAの脚「」ザクッ
包帯ミイラA「」ガクン…

ガイ(筋肉の位置は死んでもそう変わらない……関節を狙えば動きは止まる)ズバッ

包帯ミイラBの首「」ボトッ

リン「切断は直すのに時間かかるからやめてほしいんだけどなあ……」

ガイ「」シュッ バキッ
包帯ミイラCの首元「」メキッ

包帯ミイラたち「」バタッ……

リン「三体をあっという間に……やっぱり強いね、ガイさん」

ガイ「数も質も……この程度なら話にならないな」

リン「。じゃあ、ここからが本番ってことで」スッ

魔法陣「」ボワッ…
分解されていた人骨「」カタカタ……
散らばってた鎧「」カタカタ……

組み上がっていく人骨→首なし鎧「」ヨロ…
落ちていた大剣「」ガシッ

リン「名付けて人工デュラハン!遺跡の探索もこの子と一緒のことが多いよ」

ガイ「……これが本命か」ダッ

首なし鎧死体「」ズシンッ
ガイ「」シュッ
短剣「」キィンッ

ガイ(ミイラと違って、どこを斬れば止まるのか見えない……魔法を使わなければ倒すのは難しいな……)バッ

首なし鎧「」
大剣「」ブンッ
ガイ「……こういった相手に馬鹿正直に付き合う必要はないな」サッ

シュッ

リーナ「なるほど。術者を狙うってわけか……いい狙いだけど……おいで、新入りちゃん!」スッ
魔法陣「」ヴォンッ

魔法陣から現れるローツインテールの少女「」ズズズ……
105 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 21:21:26.25 ID:nEkalymcO
ガイ「なっ──」ピタッ

首なし鎧「」ダッ
大剣「」ブンッ
ガイに当たる寸前で止まる大剣「」ピタッ

リン「私の勝ちだね!けど、今の攻撃……ガイさんなら避けられたでしょ」

ガイ「……剣は見てなかった。俺の視界に入っていたのは……そっちだ」

ローツインテールの少女「……」

リン「ああ、この子。ちょっと珍しい魔法が使えるんだよね。それで……この子がどうかしたの?」

ガイ「……知り合いだった」

リン「……そっか。悪いことしたね……身元がわかってたら、さすがに模擬戦に出したりはしなかったよ」

ガイ「……お前のやり方だ。責めるつもりはない」

リン「……そ。そう言ってもらえるなら、助かるよ」パチン

魔法陣「」ヴォンッ
ローツインテールの少女「」スゥッ…

ガイ「……今のは、ミイラや鎧とは違う術か?」

リン「うん。さっきのミイラと人工デュラハンはここにある死体そのものを動かしてただけ」

リン「今の子はね、元々の遺体を私の魔法に組み込んで情報をなぞるみたいに仮の身体を組んでるだけ。たまに元の魂も一緒に出てくることがあるんだけど……基本的には今みたいに身体だけだよ」

ガイ「……つまり、さっきのリーナの身体は、元の死体そのものじゃないってことか」

リン「あの子、リーナって言うんだ……こっちでは身元不明の標本って扱いだったからね。名前を教えてくれて、ありがと」

リン「それで……私はガイさんのお眼鏡にかなったかな?」

ガイ 「ああ……充分だ。遺跡でも戦力になるだろう。模擬戦に付き合ってくれて、感謝する」

リン「ふふっ。それじゃあ、一緒に探索することになったらよろしくね!」

⭐︎リンとの模擬戦に敗北しました。
106 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 21:22:01.06 ID:nEkalymcO
ーーテラヌス・ウルス首都

サーシャ「──なるほど。それで、三つの遺跡を探索することになったんだ」

リーゼリット「ドルクさんって人が一緒に探索してくれるよ。あとはこれ以上人を増やすかは状況次第って言ってたけど……どうなるんだろうね?」

アインズ「古代遺跡に詳しい者が増える分には問題ないだろう……ガイの方も、協力者になり得る人物のもとへ向かったようだしな」

テル「私たちも準備をしないとね。もしかしたら、影を喰らうものと戦うことになるかもしれないし……影を喰らうものって何が弱点なのかな?」

リーゼリット「資料も少ないしなぁ……」

サーシャ「……あ、あれ」

ソーラ「」トコトコ
買い物かご「」カチャカチャ

テル「あ、ソーラちゃん?」

リーゼリット「ほんとだ。おつかい中かな?」

サーシャ「ソーラちゃーん!」

ソーラ「……?あっ、サーシャさん!」パァッ

ソーラ「アインズさんと、テルさんと、リーゼおねーちゃんもいる!」

リーゼリット「リーゼおねーちゃん……ま、いっか。こんにちは、ソーラちゃん。おつかい?」

ソーラ「うん!おかあさまにたのまれて、おやさいとパンを買いにきたの」フンス

テル「えらいねぇ。ちゃんと一人でできるんだ」

ソーラ「よゆう」ドヤァ

リーゼリット「ふふっ、頼もしいなぁ」

サーシャ「ねぇソーラちゃん。少しだけ、一緒に歩いてもいい?」

ソーラ「いいよ!いっしょにいこ!」

107 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 21:22:34.48 ID:nEkalymcO
ーーテラヌス・ウルス 市場

ソーラ「こっちが野菜屋さんで、その向こうがパン屋さん!」

テル「おお……完全に常連の動きだね、これは」

サーシャ「……ソーラちゃん。ちょっと、この前の夜のこと、聞いてもいいかな?」

ソーラ「このまえ?」

サーシャ「あのとき、おともだちと話してたって言ってたよね。そのおともだちのこと、もう少し教えてくれる?」

ソーラ「……サーシャさんも、怒る?」

サーシャ「怒らないよ。心配はするけどね。ソーラちゃんが危ないことしてたら、それはちゃんと止めたいって思う。でも、話を聞かないと、なにが危ないのかも分からないから」

ソーラ「……ん」

サーシャ「そのおともだちって、どんな子?」

ソーラ「……子、なのかな……?顔は、よくわかんない。でも、声はきこえるの。暗いところで、きれいな声で、やさしいの」

サーシャ「暗いところ……」

ソーラ「夜のはじっこ。だれもこない場所、静かな場所……そこにいくと、話してくれるの」

リーゼリット「“そこ”って、街の外?それとも中?」

ソーラ「うーんとね……門は出ないよ。兵隊さんに見つかるから。……街のはしっこの、ひとがあんまりいない道」

サーシャ「そうなんだ……そのお友達は、ソーラちゃんにどんなことを話してくれるの?」

ソーラ「……なにしてたの、とか。今日は楽しかった?とか。悲しいことあった?とか」

サーシャ「……優しいんだね」

ソーラ「うん。ソーラがさみしいとき、“だいじょうぶ”って言ってくれるの。おかあさまに言えないことも、聞いてくれる」

サーシャ「言えないこと……?」

ソーラ「……ソーラ、ほんとはたまに……こわくなるの。まちがいっぱいで、ひとがいっぱいで……みんながんばってて、でもいつか全部なくなっちゃうのかなって思うと……」

ソーラ「みんなが消えたら、痛いのも苦しいのもなくなるのかなとか、考えちゃうの。そんなこと、おかあさまには言えないから……」

サーシャ「……その話を、おともだちに?」

ソーラ「うん。そしたらね、こわがらなくていいって言ってくれたの。いつか全部、静かになるからって」

サーシャ「……全部、静かに……」

ソーラ「そのときが来るまで、ちゃんと生きてればいいって。無理にがんばらなくてもいいって」

サーシャ「……そのおともだちの名前は、教えてもらった?」

ソーラ「ううん。ソーラが聞いても、名前はいらないよって笑うの。あなたが呼びたいように呼んでって」

サーシャ「ソーラちゃんは、なんて呼んでるの?」

ソーラ「えっと……かげのひと」

アインズ「……影、か」

ソーラ「こわくないよ?ソーラにはぜんぜん、こわくないの。やさしいの。なでてくれるみたいに、頭の中があったかくなるんだよ?」

サーシャ「そのおともだちと会ってるとき、ソーラちゃんは、どんな気持ちになる?」

ソーラ「楽しい。……でも、すこし、さみしい」

ソーラ「またねって言われるから……ソーラ、もっといっしょにいたくなるの。ずっと話してたいのに、帰りなさいって言うの。ここはまだ、あなたがいる場所じゃないって。時間が来るまでは、自分の場所で生きなさいって」

サーシャ「……なるほど」

ソーラ「へんな話だった?みんな、きらいになった?」

サーシャ「そんなことないよ。教えてくれて、ありがとう。ソーラちゃんにとって、大事なおともだちなんだね」

テル「怖がらせたくなくて黙ってたんだよね? それでも話してくれてありがとう」ナデ

ソーラ「んへへ……」

アインズ(……"全部静かになる"か……影を喰らうものとどこか似ているような……気のせいだろうか?)

⭐︎ソーラからおともだちのことを聞きました。
108 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 21:23:07.84 ID:nEkalymcO
ーーテラヌス・ウルス首都

ガイ「……みんな、ここにいたのか」

リーゼリット「あ、ガイ……酷い顔してるけど、何かあった?……リンさんのとこ、行ってたんでしょ?」

ガイ「いや……なんでもない。模擬戦をしたから少々疲れてな……」

テル「なんでもないって顔じゃないけどねぇ……まあ、詮索はしないでおこうか」

アインズ「遺跡に入る前に潰れても困るからな。休めるなら今のうちに休んでおけ」

ガイ「……ああ」

サーシャ「でも、顔色ほんとによくないよ?無理して倒れたりしないでよ、ガイ」

ベルフレア「おっ、サーシャさん!奇遇ですね!」ヌッ

サーシャ「わっ!ベルさん!?」

ベルフレア「こんにちは!そちらの方々は?」

サーシャ「私の仲間です。アインズさんと、テルさんと、リーゼと……ガイです」

アインズ「貴方がベルフレアか。話は聞いている。サーシャが世話になったな」

ベルフレア「ベルフレア・バッドエンドです!ベスティア様の一番弟子やってまーす。よろしく!」

テル「やっぱり苗字のインパクトがすごいね……」

リーゼリット「バッドエンドさん……」

ベルフレア「ここで会ったのも何かの縁!今から丁度、守護結界の練習するつもりだったんだ。よかったら見てく?」

ガイ「……守護結界?」

ベルフレア「うん。最悪の一発だけは、どうやっても通さないタイプの結界。前衛さんたちなら興味あるんじゃない?」

アインズ「ほう……その手の術ならば、ぜひ拝見したいな」

ベルフレア「じゃ、ついてきて!師匠もいるから、ついでに会っていきなよ!」

109 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 21:23:57.57 ID:nEkalymcO
ーー練兵場

黒髪ロングの女性「あら……ベル、お客さんを結構連れてきたのね?」

ベルフレア「はい、お師匠様!……まずかったですか?」

黒髪ロングの女性→ベスティア「構いませんよ。皆様、初めまして。ベスティア・バッドエンドと申します」

アインズ「私はアインズ。こちらはテル、リーゼリット、ガイ、そしてサーシャだ」

ベスティア「ああ……あなたがガイさんですか」

ガイ「……知ってるのか?」

ベスティア「トゥルーエンドとは仲良くやっていただけているようで」ニコ

ガイ「……」

テル「ん?トゥルーエンドってたしか大魔女様の……ガイ君、私たちに内緒で特訓とかしてた?」

ガイ「……個人的な問題の解決だ」

ベスティア「まだ訓練は終わってないのに、と寂しがってましたよ。余力があれば顔を出してあげてください」

ガイ「……考えておく」

サーシャ「ガイ、そんな人とまで知り合いだったんだ……」

リーゼリット「ていうか、ベスティアさんって大魔女様とどういう関係……?」

ベルフレア「あー……そこは話すとややこしくなっちゃうから、とりあえずお師匠様は大魔女様と知り合いってことだけ覚えてて!」

ベスティア「それじゃあ早速訓練をはじめましょうか……ベル、準備を。皆様もよければ一緒にどうですか?」

サーシャ「え、いいんですか?」

ベスティア「構いませんよ。強い守りは、強い攻めと同じくらい価値がありますから。興味があるなら、ぜひ」

コンマ下1
(パーティメンバーの名前を一人記載してください。そのキャラが使えるようになります。)

01-80 難しい
81-90 なんとなく掴めた
91-00 掴んだ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 21:28:18.55 ID:oJLuESYVo
アインズ
111 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 23:44:41.66 ID:mEtxJRZoO
ベルフレア「はい!それじゃあさっき説明した通り、自分の足元にぐるっと円を描くイメージで魔力を流してみてください!」

リーゼリット(ちょっと待って……すごく涼しい顔でやってるけど、これ難易度すごく高くない!?)

リーゼリット(他のみんなはどんな感じなんだろ……)チラ

ガイ「……中々うまくいかないな」シュウン

サーシャ「一瞬だけ張るのでやっとだよ……維持するのが難しいね」シュウン

テル「なかなかコツを掴めないなぁ……」ジジ……シュウン

アインズ「たしかに難しいが……維持自体はなんとかできるぞ」ジジジ……

ベルフレア「おお!凄いです、アインズさん!まだ少し薄いですけど、鍛えれば実戦でも十分使えます!」

ベスティア「ふむ……初めてにしては悪くありませんね。皆さん、素質はあります」

リーゼリット「ほ、ほんとですか……?私、全然形になってる気がしないんだけど……」

ベスティア「焦らなくて大丈夫です。結界は慣れた人ほど地味に見える術ですから。派手に光らないからといって、失敗とは限りませんよ」

サーシャ「維持できるようになるまで、いっぱい練習しないとだね……」

テル「攻撃魔法より神経使うかも……」

ベスティア「この系統の結界は、一度だけ、どうしても通したくない一撃を止めるためのものです。燃費も負担も大きい。乱発するものではありません」

アインズ「使いどころを見極めろ、というわけか」

ベスティア「ええ。ここぞという瞬間にだけ、迷わず張れるようにしておくこと。それが何より大事です」

ベルフレア「私は毎日ちょっとずつやってたら、ある日いきなり “あ、できてる!” ってなったタイプなので……コツコツやれば、きっと平気ですよ!」

アインズ「ふむ……有意義な時間だった。礼を言おう、ベスティア殿、ベルフレア殿」

ベルフレア「お気になさらず!皆様のお役に立つことを祈ってますね!」

⭐︎アインズが結界魔法を使えるようになりました。
(アインズが戦闘に参加しているとき、1度だけ劣勢を無効化します)
112 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 23:46:45.47 ID:mEtxJRZoO
ーーテラヌス・ウルス カフェ

ガイ(光の残滓、影を喰らうもの、世界めくれ……全部、対応が遅れれば遅れるほど被害は増える。俺たちが動きを止めた瞬間に、どこかで誰かが死ぬ……進み続けなければな……)

スタスタ……

目の前に座るフローディア「ようやく見つけた──こんにちは。預けてたものを取りに来たわよ」ストン

ガイ「……誰だ?」

フローディア「あら?トコナツでのこと、忘れちゃった?」

ガイ「……生憎、記憶喪失でな」

フローディア「なるほどね……だから、私がこんなに近くにいても落ち着いてるわけ。このまま無理やり奪ってもいいのだけど、それじゃ可哀想だから聞いておくわ……翡翠の賽を私にくれる?」

ガイ「……それはできない」

フローディア「……ふふ。相変わらず即答ね。そう言うと思ってたわ……素直に渡すなら、ここでお茶を飲んで終わりにしてあげようと思ってたのに」

ガイ「賽は渡せない。これは、世界めくれをなくすために必要なものだからだ」

フローディア「世界めくれを?ふふっ、たしかに大事なことね……けど、それよりも先に優先すべきことがあるわ」

ガイ「何?」

フローディア「この世界から死をなくすことよ。この世界から、痛みも、老いも、別れも──そんなみっともない終わりを全部、消してあげるの」

フローディア「そのためにこそ、翡翠の賽と世界樹の光の残滓が必要なの。世界めくれの修復なんて、そのあとでいくらでもやり直せるでしょう?」

ガイ「……死のない世界など、魅力的には思えないが」

フローディア「そう?寿命に怯えながら、生まれては死んでいく世界のどこが魅力的なのか、むしろ私には理解できないけれど」

ガイ「死があるからこそ、限りがあるからこそ……今を選べる。少なくとも、俺はそう思う」

フローディア「きれいな言葉ね。でも現実はどうかしら?選ぶ前に奪われた命なんて、いくらでも見てきたでしょう」

フローディア「病気で、事故で、戦争で……理不尽に踏みつぶされて……それでも死があるから尊いなんて、本気で言える?」

ガイ「……理不尽は、消したいと思う。だがそれは、死そのものを消すこととは違う」

フローディア「同じことよ。原因を一つ一つ潰すより、結果そのものをなくす方が早いわ」

フローディア「誰も死なない。誰も喪わない。泣かなくていい世界……それを作ろうとしている私と、世界めくれを元に戻すだけのあなた」

フローディア「どちらが本当に優しいかなんて──考えるまでもないでしょう?」

ガイ「……並行線だな。俺とお前が分かりあうことはない」

フローディア「そのようね……まだ、あなたの仲間は来ていないのでしょう?今すぐ始めてしまってもいいけれど、それじゃつまらないし── せっかく"殺し合う"相手なんだから、互いのことを少しくらい知っておいてもいいでしょう?」

ガイ「……」

フローディアと何か話す?
安価下1〜2
113 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/29(土) 23:48:05.35 ID:mEtxJRZoO
本日はここまでです。
次回はフローディアとセーレフェリアのコンビとの戦闘から始まります。
このレスは安価に含まれません。
それでは、また。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 23:51:17.73 ID:dVtXXEpq0
ダークヒーローパーティについて知ってるか
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/29(土) 23:53:06.67 ID:rk7G7L5CO
その優しさはほんとに人々のためのものか?不死鳥
お前みたいな奴こそ救いたくなってくると煽る
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 00:02:56.30 ID:HZRc6GUMo

普通に今この二人相手は不利すぎない
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 11:05:34.08 ID:wqBaiy/4o
おつでした
味方にいてくれることを感謝枠:リンさん
118 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 20:54:23.33 ID:0jEOvRs3O
>>116
ガイ単体だと厳しいように思えますが、代償の刃を使えば実はどうにかなったりします。その場合、失うものは特殊なものになりそうです。

>>117
敵と味方という立場は状況や立ち位置等で変わります。リンさんが敵として登場した場合はそれなりに厄介なことになったかもしれません。
119 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 20:54:53.67 ID:0jEOvRs3O
ガイ「その優しさは、本当に人々のためのものか?自分だけ取り残されるのが怖いだけじゃないのか」

フローディア「……さあ、どうかしら?自分だけ取り残されるのが怖いのは、きっと誰だって同じよ。家族に先立たれるのも、友人に置いていかれるのも、恋人に死なれるのも──みんな、同じだわ」

ガイ「……」

フローディア「私はそれが嫌なだけ。私だけが延々と見送る役を押しつけられて……永遠に『さようなら』を繰り返すなんて……もう嫌なのよ」

ガイ「だから世界から死を無くすのか」

フローディア「ええ。私が怖がりだっていうのなら、そうなのかもしれないわね。でも、怖がりなのは私だけじゃない。あなただって、死を恐ろしく感じるでしょう?」

フローディア「死なない世界、終わらない時間、失われない繋がり……私が完成させるものは、あなたが想像しているよりずっと優しい世界よ」

フローディア「私はね、ガイ。自分のためだけにこんなことをしているつもりはないの……私の恐れを消すということは、同じ恐れを抱く全ての者を救うということでもあるわ」

フローディア「誰も失わずに済む世界を用意してあげる……それができるのは、この世界で私だけ。だからこそ──これはみんなのために必要なことなの」

ガイ「……哀れだな」

フローディア「……なんですって?」

ガイ「みんなのためなどと言いながら、一番救われていないのは自分自身だと気付いていない……俺としてはお前みたいな奴こそ救いたいと思うがな」

フローディア「ふふ……あははははははっ!救いたい?この私を?笑わせないでちょうだい……あなた、何を言っているかわかっているの?」

ガイ「理解してるつもりだ……それでも、黙って見ているほど無関心にはなれなかった」

フローディア「誰か普通の人間が言うのなら、きっと綺麗事として笑い飛ばして終わりだったわ……記憶も半端、世界の命運まで背負って、それでも敵さえ救いたいなんて言える人間なんて、そうそういないわよ」

ガイ「褒められてる気がしないな」

フローディア「褒めているわよ。とびきりね……」

フローディア「いいわ。その言葉、覚えておいてあげる。もっとも──その前にあなたを焼き殺せたら、それはそれで仕方ないけれど」
120 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 20:55:43.49 ID:0jEOvRs3O
フローディア「ねえ、あなたは十年前に各国を救ったダークヒーローたちを知っている?」

ガイ「……そういうヤツ等がいたことは知っているが、詳しくはない」

フローディア「そう。私も会ったことはないのだけれど……記録や噂話なら、知っているわ。いくつもの国を渡り歩いて、救い続けた英雄……暴走した竜を鎮めたり、支配された都市を解き放ったり……そういう話ね」

フローディア「それでも世界めくれは止められなかった。命を削って走り続けて、それでも届かなかった側に消えていった英雄たち」

フローディア「愚かだと思わない?結果が変わらないと分かっていたのに、それでも足掻き続けたのよ?」

ガイ「結果がどうであれ、救われた命はあったはずだ」

フローディア「ええ、あったでしょうね。その瞬間だけは、誰かを救えたのかもしれない。でも結局、世界は歪んだまま。彼女たち自身も行方不明。物語としては美しいけれど……現実として見れば、報われない努力だったわ」

ガイ「……お前はそう思っているわけか」

フローディア「ええ。愚かで、無駄で、でも──どうしようもなく、少しだけ愛おしい」

ガイ「……愛おしい?」

フローディア「壊れかけた世界の前で、それでも『自分たちが動けば何か変えられる』って信じてしまう……滑稽で、どうしようもなく人間らしい幻想。あなたも、同じ目をしているわ」

フローディア「仲間を守る、世界めくれを止める、光の残滓を集める……全部抱え込んで、それでもまだ敵さえ救いたいなんて言葉を口にするんだから……ほんとうに、よく似ていると思うの」

ガイ「……俺を同類だと言いたいのか」

フローディア「ええ。愚かで、報われる保証なんてどこにもないのに、なお前に進もうとするところがね……十年前の英雄たちのように、あなたもきっと、限界まで自分を削って──それでも世界の崩壊に間に合わない側として、静かに沈んでいく」

ガイ「そうなると決めつけるな」

フローディア「そうならない未来を、この世界がいままで一度でも用意してくれたかしら?どれだけ足掻いても、結末だけは変わらない……そんな光景を、私は山ほど見てきたのよ」

フローディア「だから私は作り替えたいの。もう二度と、あなたみたいな愚か者が、命を賭けて走り続けなくていい世界に」

フローディア「十年前の英雄たちも、あなたも──頑張ればいつか報われるなんて幻想に縛られてる。結果なんてどこにも保証されていないのに、それでも前に進もうとする……」

フローディア「そういうものから、どうしようもなく目を離せないのよ。……ふふ、少し饒舌になり過ぎたわね」
121 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 20:57:35.36 ID:0jEOvRs3O
ガイ「……十分だ。あとは、言葉じゃなく行動で示す」バッ

ガイ「」ゴロン

飛来する矢「」ヒュン……
飛来する魔力弾「」ドギュン!

矢が刺さるフローディア「──あら?」バスッバスッ

魔導弓を構えるサーシャ「ガイ!大丈夫!?」ギリギリ……

リーゼリット「フローディア……!ガイから離れて……!」
狙撃型魔導銃「」ガチャンッ

燃えるフローディア「ふふ……手荒い歓迎ね……」メラメラ……

アインズ「──」バッ
竜角の槍「」ドスッ!

フローディア「……竜まで仲間にしたのね」

テル「嘘……なんで全然効いてないの!?」

フローディア「あなたも初めまして、ね?ちなみに効いていない訳じゃなくてしっかり効いてるわよ……」ボォォ…
傷が塞がっていく皮膚「」シュウウ…スッ…

アインズ「たしかに手応えはあった……だが、持続的に攻撃を続けなければ傷はすぐに治癒するようだな」

テル「それなら──雷よ……!!!」バッ
迸る電流「」バチバチバチ‼︎‼︎‼︎

フローディア「それは厄介そうね……けど、そろそろかしら──」

セーレフェリア「──よっと!」バッ

衝撃波「」ドォン‼︎
電流「」バチッ…スゥ…

セーレフェリア「危ない危ない。いきなり全力はひどくない、テル?フローディアが焦げちゃうところだったよ?」

ガイ「セーレ……!?」

セーレフェリア「あれ?ガイじゃん。なんでここにいるの?」

テル「セーレ……もう一回聞くけど、世界征服を辞める気はないんだよね?」

セーレフェリア「またその話?んー……ないよ。やめる理由、ひとつも思いつかないし?」ニコ

テル「そっか……じゃあ、こっちもはっきりさせなきゃね……」

セーレフェリア「テルは?まだ邪魔するつもり?」

テル「うん。セーレが人を踏みにじるなら……私は、それを見過ごせない」

セーレフェリア「あはは!家にいた時の模擬戦、最後まで一度も勝てなかったのに、ずいぶん大きく出たね?いいよ。ロスチャイルドの落ちこぼれが、どこまで足掻けるか──見せてよ!」

テル「……落ちこぼれでいいよ。私は、あなた達みたいになりたくない!」バッ
迸る電流「」バチバチバチ……!

ーー戦闘開始 フローディア&セーレフェリアーー

01-30 痛恨(死亡判定あり)
31-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心

コンマ下1

閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り2回)
代償の刃 +99(現在使用不可)

コンマ下2
増援(テラヌス・ウルスで会ったキャラを一名記載してください)

01-50 テラヌス兵士
51-00 指定キャラ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 20:59:21.79 ID:6qbi5pMGO
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 20:59:46.79 ID:TVIPzn590
キキ
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 20:59:46.81 ID:+Kbjt1iLO
トゥルーエンド
125 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 22:15:51.50 ID:SHNXryChO
アインズ「私が前に出る!ガイは不死身の女を押さえろ!サーシャとリーゼリットは援護に徹しろ。テルは雷で牽制を切らすな!」ダッ

ガイ「ああ!」シュンッ

テル「行くよ……セーレ!」バッ
迸る電流「」バチバチバチ!

セーレフェリア「それじゃあ、遊ぼっか、テル!!!」バッ

衝撃波「」ドォンッ!
衝撃波「」ドォンッ!
衝撃波「」ドォンッ!

リーゼリット「テルさん!」サッ
狙撃型魔導銃「」ドギュウン!ドギュウン!ドギュウン!

衝撃波にぶつかる弾「」ジュッ!
衝撃波にぶつかる弾「」ジュッ!
衝撃波にぶつかる弾「」ジュッ!

セーレフェリア「へー、やるじゃん。ちょっと鬱陶しいからあなたから飛ばしてあげる──」

アインズ「させると思うか?」
竜角の槍「」ブンッ!
衝撃波「」ドォンッ!
セーレフェリア「チッ……邪魔しないでよね、つまらないじゃん!」
魔力矢「」ヒュンヒュンヒュン!

セーレフェリア「わぁ、こっちも来た。人気者だなぁ、私」スッ
衝撃波「」ドォンッ!
撃ち落とされる魔力矢「」カランカランカラン……

サーシャ「やっぱり単純な不意打ちは防がれちゃうか……もっと手を加えないと……」
魔導弓「」ギリ……

落ちる電撃「」バチバチバチッ!!

セーレフェリア「おっと!」ヒョイッ
セーレフェリアの足元「」ドォンッ!バリバリッ!

テル「──外した!」

セーレフェリア「ふふっ、やっぱり強くなってるね、テル!前よりずっと当たりそうになってきた!」

テル「当てるよ……今度こそ!」

126 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 22:16:20.22 ID:SHNXryChO
フローディア「あっちは随分賑やかね」

ガイ「仲間に手出しはさせない……相手は俺だ」シュッ

死角から射撃するガイ「」シュンッ
魔導拳銃「」ドギュウン!ドギュウン!

撃ち抜かれるフローディア「速い……?まったく反応できないわ」バスッバスッ

ガイ「」シュンッ
連射される弾丸「」ドギュウン!ドギュウン!ドギュウン!

フローディア「……ほんと、容赦ないわね」ヒラッ
バスッ

ガイ「容赦すれば諦めてくれるのか?」シュンッ

フローディア「そんな訳ないでしょ── むしろ、優しさは命取りよ?」
炎「」ゴウッ!

ガイ「」シュンッ

フローディア「……やっぱり避けると思ったわ」

サーシャの方向へ飛んでいく炎「」ゴウッ

ガイ「──しまった!サーシャ、避けろ!」

サーシャ「!」

サーシャを取り囲む暴風「」ビュオオオ!
消え行く炎「」シュウウウ……

サーシャ「あれ?私……なんともない……」

キキ「皆さん、大丈夫ですか〜?」スタッ

リーゼリット「キキさん!どうしてここに!?」

キキ「そりゃあ街中でこんな大規模な戦いが起きてたら止めに来るに決まってるじゃないですか〜。しばらくしたら兵士の方々も来ますよ」

アインズ「キキ……助かった。礼を言うぞ!」

キキ「いつぞやのお礼ですよ〜。それに、まだ終わってませんから、油断したらまとめて飛ばされちゃいますよ?」

01-55 劣勢
56-90 優勢
91-00 会心

コンマ下1

閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り2回)
代償の刃 +99(現在使用不可)

コンマ下2
増援(テラヌス・ウルスで会ったキャラを一名記載してください)
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 22:18:39.20 ID:dgC9jGMho
連携技を
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 22:18:43.57 ID:HZRc6GUMo
ベルフレア
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 22:19:04.81 ID:9Cjy5boaO
リン
130 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 23:33:33.82 ID:VazBJ9uiO
セーレフェリア「一人増えたところで変わらないよ!」
衝撃波「」ドォンッ!

アインズ「そうだといいがな……あれ一人で、戦況は大きく変わるぞ」

キキ「そうですよ〜。これでもテラヌス・ウルスの治安維持も任されてるんですから……これ以上、街をめちゃくちゃにされたら困ります〜」

キキの足元から吹き上がる風壁「」ビュオオオオッ!
風に流される衝撃波「」ギュルルルッ……

セーレフェリア「わっ、軌道がズレた……ふーん?」

テル「今の……風で衝撃波の向きを……」

リーゼリット「味方に当たらないように逸らしてる……!」

サーシャ「キキさん、すごい……!」

セーレフェリア「ちょっと遊んでる暇はないかも……」グッ
圧縮される魔力「」ギュウウウン……

サーシャ「!リーゼ、撃って!」
魔力矢「」バシュバシュバシュッ!

リーゼリット「間に合って──!」
狙撃型魔導銃「」ドギュウン!ドギュウン!

矢と弾丸を止める衝撃波「」ドォンッ!
セーレフェリア「ふふ、喰らってあげないよ──」

アインズ「──やるしかないか!」バッ

キキ「一体何を……」

セーレフェリア「──爆ぜろ」

解放された魔力「」パチッ…

ドッガァァァァァァン‼︎‼︎‼︎

凄まじい衝撃波「」ゴォォォォッ!!
石畳「」メキメキメキッ!!

サーシャ「きゃ──!」

リーゼリット「うわっ──!」

テル「っ……!」

アインズ「──守護結界っ!」グッ
足元に走る魔力円「」シュイィィン!
半球状の結界「」バシュウウウッ!!

衝撃波「」ドォォォン!!
結界「」ギギギギィッ!!

アインズ「く……ぬぅぅ……!」
結界「」ピシッ……ピシピシ……

サーシャ「これ……結界魔法!?」

結界「」バリィンッ!

アインズ「ハァ……ハァ……みんな、無事か?」

テル「助かったよ、アインズさん……あれが直撃してたら、流石にまずかった……」

セーレフェリア「……あは。凄い凄い!なんで立ってるの!?今の、結構本気で撃ったのに!おもしろいね、あなた!」

圧縮される魔力「」ギュウウウン……

リーゼリット「また!?どうしよう、もう防ぐ手段は──」
131 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 23:34:42.43 ID:VazBJ9uiO
???「みなさん、大丈夫ですか!?」
セーレフェリアを取り囲むように広がる結界「」キィン!

セーレフェリア「また増えた……!」クルッ スタッ
四散していく魔力「」シュウン

サーシャ「ベルさん!」

ベルフレア「市民の避難誘導で遅れました!アインズさん、早速結界を使ってくれたんですね!役に立ったようで何よりです!」

アインズ「フッ……他に選択肢がなかったのでな」

キキ「ベルさんが来たなら防御は心配しなくても大丈夫ですね〜。私も前衛に加わりますよ〜」
剣「」スラ……

サーシャ(……あの娘、私とリーゼの攻撃を衝撃波で防いだってことは……当たれば致命傷になり得るって、ちゃんと警戒してるってことだよね……)

サーシャ(なら……正面からじゃなくて、読まれない当て方を考えないと……)

サーシャ「ねえ、リーゼ、テルさん……」コソッ

リーゼリット「?」

テル「──なるほどね。それならセーレにも通じるかも」

ベルフレア「良い案でも浮かびましたか?」

キキ「私たちも手伝いますよ〜」

⭐︎アインズが結界魔法で劣勢を無効化しました!

01-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心

コンマ下1

閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り1回)
代償の刃 +99(現在使用不可)
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 23:35:25.71 ID:TVIPzn590
連携技
133 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/11/30(日) 23:38:53.54 ID:VazBJ9uiO
会心が確定したところで本日の更新を終わります。果たして、この戦いの行方はどうなるのでしょうか……次回もお付き合いください。

それでは、また。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/11/30(日) 23:41:21.07 ID:HZRc6GUMo

セーレ倒せてもフローディア残ってるのに連携技切れてしまった
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 07:00:26.83 ID:WzZcT05X0

両方同時に戦ってるし同時に会心いきそう
136 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 09:19:18.30 ID:LqUHziWtO
>>134
戦闘も終わりが近づいてきました。もう一息です。頑張りましょう!

>>135
描写上ではちょっと離れた別の場所で戦っていますが、システム的には同一判定なのでまさしくその通りです。引き続きよろしくお願いします。
137 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 09:20:22.19 ID:LqUHziWtO
サーシャ「それなら、キキさんにはセーレフェリアの目と耳を一瞬だけでいいから狂わせてほしいんです。風で砂埃を巻き上げて音をかき消して……できますか?」

キキ「勿論です。お任せください〜」

サーシャ「ベルさんは結界でリーゼの撃った弾が着弾した場所にセーレフェリアを誘導してください……なるべく、悟られないように」

ベルフレア「分かりました。いつでも合わせますよ!」

アインズ「私も誘導を手伝おう」フラッ

サーシャ「ダメ。アインズは動けるようになるまでしばらく休んでて」

アインズ「しかし……」

サーシャ「私たちなら大丈夫だよ、アインズ。本当に危ないときになったら、助けてくれる?」

アインズ「サーシャ……わかった。無理はするなよ」

サーシャ「うん……リーゼ、テルさん、準備はいい?」

リーゼリット「──水属性弾、準備できたよ」

テル「チャンスは一度きり──」スッ
テルに集まる魔力「」ギュウウウン……

テル「……いつでもいいよ、サーシャちゃん」

サーシャ(ガイ……リーナちゃんを殺したとき、『後悔はあるが迷いはない』って言ったよね。本当にそうなれたら楽だろうなって、少しだけ思った……でも、私はきっとそうはなれない)

サーシャ(私は……後悔も迷いも抱えたまま、それでも手だけは止めない。ガイとは違う形でも、同じ方向を見て戦う……怖さごと抱えて、それでも射る。それが、私の前を見るって決めた答えだから)スゥ……

サーシャ「──行くよ!」バッ
魔導弓「」バシュバシュバシュッ

セーレフェリア「そこに隠れてたんだ!場所さえわかっちゃえば……」スッ
キキ「見えなくとも当てられますか〜?」
巻き上がる砂風「」ビュオオオ……

セーレフェリア「風──目くらましのつもり!?鬱陶しいなぁ……!」

リーゼリット「……」スッ
狙撃型魔導銃「」ドギュウン!ドギュウン!ドギュウン!

セーレフェリアの近くの壁に着弾する水属性弾「」バシャッ!
濡れるセーレフェリア「きゃっ……あはは!惜しいね!今のが本命の弾だったら、ちょっとは痛かったかも?」

地面に当たる水属性弾「」ビチョッ……

リーゼリット(よし、狙い通り地面に着弾した……しかも、セーレフェリアを濡らすことができた!これなら──)
138 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 09:21:16.92 ID:LqUHziWtO
衝撃波で自分ごと弾き飛ばすセーレフェリア「もう終わり?それなら反撃するよ──」ドォン!……ドォン!……

ベルフレア「逃げ道はそっちじゃありませんよ!」
壁のように展開する結界「」フォンッ
結界に衝突するセーレフェリア「ぐっ!?……」ガンッ ドサッ……ビチャッ!

セーレフェリア「うぅ……もういいや、まとめて吹き飛ばして……」ググッ……

セーレフェリア「あれ?……待って、テルはどこ──」
テル「──落ちろ、雷よ!」バチッ……バチッバチッ……

放たれた雷「」ドォンッ……!
水で濡れた石畳「」バチッ!!
濡れた地面を伝う電流「」バチバチバチバチバチバチ……!

感電するセーレフェリア「きゃあああああああっ!?!?!?」ジジジジジジ‼︎‼︎‼︎

セーレフェリア「あ……?あ……」プスプス……

セーレフェリア「なんで……わたし、が……テルの、魔法を……受けてるの……?」フラ……

膝から崩れ落ちるセーレフェリア「」ガクンッ

セーレフェリア「足……力、入んない……?魔力も……うまく、回らない……息、苦し……」ヒューヒュー

テル「……その状態じゃまともに魔法も撃てないでしょ」

アインズ「……どうやら、終わったみたいだな」

セーレフェリア「コホッ……ねぇ、テル。これ……ほんとに、テルが……やったの?」

テル「うん。私がやった……初めてセーレに当てられたけど、威力は相当でしょ……?」

セーレフェリア「はは……そうだね……ゴホッゴホッ……最悪……気持ち悪い……」

リーゼリット「笑ってる場合じゃないでしょ、あんた……」

サーシャ「……」

139 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 09:23:12.82 ID:LqUHziWtO
フローディア「──セーレ!?」

ガイ「よそ見をしている暇があるのか?」シュンッ
短剣「」ジャキンッ!
魔導拳銃「」ドギュウン!

首を斬られるフローディア「……っ!!!」ビチャッ

フローディア「──いくら斬っても、いくら撃っても無駄よ!私は死なないッ……世界から死を消し去ろうとしている私が、自分の終わりごときで止まるはずないでしょう!」ボォォ……

ガイ「……」スタッ……

ガイ(ずっと致命傷を与え続けているが、それを上回る速度で傷が治癒していく……キリがないな)

ガイ(こうなったら……)チラ
代償の刃「」カタカタ……

パティ『それは世界の法則そのもの。奇跡を起こすには、それに見合うだけの対価が必要になる』

アトニス『ソイツはあと一回まではお前自身から代償を貰う。そこから先は──お前だけじゃなく、お前の周りからも代償をもらう可能性がある』

ガイ(──ダメだ。コレは使えない。だが、永遠に再生する相手をどうやって……)

トゥルーエンド『戻ってこれなかったら、時間の狭間に取り残されるわ。身体も、意識も、世界の時間からズレたまま固定されるの。誰にも触れられず、声も届かない……存在しているのに、どこにもいない状態になるわ』

ガイ(こんなときに何を思い出しているんだ、俺は……待て。"世界の時間からズレたまま固定される"……?)

ガイ「……そうか」

フローディア「ふふ、なにか閃いたような顔ね?どうせまた、無駄に斬りかかるだけでしょうけど」

ガイ「試してみたいことができた」

フローディア「試す?この私を相手に、実験のつもりかしら?」

ガイ「ぶっつけ本番だが、うまく行けばお前を殺せる」

フローディア「……なんですって?」

コンマ下1

01-50 劣勢
51-90 勝利
91-00 ???

コンマ下1

閃光玉 +10(残り3回)
連携技 +30(残り0回)
代償の刃 +99(現在使用不可)
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 09:26:13.81 ID:JX1l2zhx0
閃光玉
141 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 16:55:11.95 ID:VQZzRQ+NO
ガイ「……やれるかどうかは、試してみないとわからないがな」

フローディア「……殺せるって言ったり、わからないって言ったり……どっちなのかしら?」

ガイ「これからわかるさ」スッ
閃光玉「」ピッカァァァン‼︎

フローディア「くっ……やっぱりハッタリだったってわけね……!」

ガイ(──今だ)スッ

ガイ(今までは自分自身にしか時間干渉をしてこなかったが……今回は違う。フローディアの“流れ”そのものに触れる。再生へ向かう速度を奪い、致命傷を負った状態の時間だけを引き延ばす!)

ガイ(そうすれば、治癒は追いつかず──致命傷のまま固定できる。その先にあるのは、ただの死だ……掴め……あいつの時間を──)グッ……

何かに触れる感覚「」
ガイ「……っ!?」ゾワッ

世界「」ゴォォォ──

巻き上がった砂埃「」
燃え上がる炎「」
飛びかけていた瓦礫「」

フローディア「」

ガイ「これは……ソールがやっていた時間の檻?」

ガイ「うぐっ……魔力の消費も桁違いだ……」フラッ

吐血するガイ「ごふっ……」ビチャッ……

目から血を流すガイ(解除しなければ……俺が、呑まれる──!)フラ……

ガイ(……だが、この一瞬を捨てるわけにもいかない。世界が止まっている今だけが、フローディアを殺せる唯一の隙だ……ここで削り切る)ギリッ

ガイ(腹、心臓、脳……魔力の流れが集中している核……考えられる場所は全部、同時に叩き潰す)

ガイ「──」
短剣「」スラッ……
魔導拳銃「」チャキ……



世界「」──ゴォォォ

フローディアの身体「」ドシャァッ!!

血だらけのガイ「ハァ……ハァ……!」ビチャビチャ

フローディア「なっ……な、に……これ……?」ドサッ
半分欠けた頭「」
胸部に空いた穴「」
腹部を深く抉られた身体「」

フローディア「さっきまで……なかった傷が……?い、一度に……」メラメラ……

フローディア「っ……再生が……追いつかない……?おかしい……私の身体は、もっと速く──」メラメラ……

フローディア「……ふふ……すごい……今、ほんの少しだけ……私の終わりの気配がしたわ……」ボソッ

ガイ「……さすがに、効いたか」

フローディア「なにを……したのよ、あなた……刃で斬られた感覚も、銃で撃ち抜かれた感覚もある……それが、全部“一度に”来てる……?そんな芸当……どうやって──」

ガイ「……さあな。俺にも、うまく説明できない」ビチャビチャ……



サーシャ「え……?」

リーゼリット「なに、今の……ガイ、ほとんど動かなかったよね……?」

テル「ていうか、あの血……大丈夫なの!?」

キキ「気づいたら、二人ともボロボロになってましたね……」

ベルフレア「一瞬、息が詰まるような圧を感じましたけど……何が起きたのかは、まったく……」

アインズ「……ガイの周囲だけ、空気が凪いだように見えたが……」ジッ

アインズ(間合いを詰める気配も、攻撃の予備動作もなかった。代償の刃を使った感覚もない……結果だけが上書きされたような……)

アインズ(……動こうとした瞬間には、もう終わっていた。あれは“戦闘”というより、結果だけを押し付ける何かだ……何をした、ガイ?)

142 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 16:56:52.10 ID:VQZzRQ+NO
フローディア「あなた、本当に人間なの……?」

ガイ「少なくとも今は、人間のつもりだ」

フローディア「……ふふ、その言い方、嫌いじゃないわ」

崩れかけの身体を無理やり支えるフローディア「」ググッ…

フローディア「でも……まだ、足りないわ……これじゃまだ……終わりには届かない……!」カッ!

不滅の炎「」ゴオオオオオッ‼︎‼︎

短剣を構え直すガイ「……驚いたな。まだ、死なないのか?」フラッ

ガイ(まだ足りなかったか──本当に厄介な相手だな。だが、もう立つのもやっとだ……あれをもう一度やれば、先に潰れるのは俺のほうだ)



サーシャ「ガイ!!!」バッ
魔導弓「」ギリギリ……バシュッ

炎に溶ける矢「」ジュッ!

リーゼリット「……炎が邪魔して狙えない!」

キキ「風よ──!」ヒュオオオ……

炎「」ゴウッ‼︎

キキ「あの炎……相当手強いですね。下手に掻き消そうとしたら、こっちにまで飛び火しますよ〜」

ベルフレア「こっちに火が来ないようにするので精一杯です……!」ジリ……
結界「」ジジジ……

アインズ「くっ……動けさえすれば、こんな炎──!」フラ……



ガイに近づくフローディア「ふふ……そんな身体で、まだこちらに手を伸ばしてくるなんて……やっぱりあなた、最高ね……」ユラァ……

ガイの胸倉をつかむフローディア「」ガシッ
持ち上げられるガイ「くっ……!」ブラン
落ちる短剣「」カラン……

フローディア「……ねぇガイ。私……あなたのこと、すごく……すごく気に入ったわ……」ジッ……

ガイ「何……」

ガイの頬を触るフローディア「終わらない私に、終わりを見せようとしてくれるなんて……ふふ、やっと見つけた。私を殺してくれるかもしれない人……その残酷で優しい姿……本当に、綺麗よ」サワ……

ガイ「……褒め言葉には、聞こえないな」

フローディア「とびきりの賛辞よ。だって──あなたなら、いつか本当に“私の死”に手を届かせてくれそうなんだもの」クス

フローディア「だから、あなたが忘れないように証を残してあげる」クイッ
ガイ「……何、を──」

唇を重ねるガイとフローディア「」

143 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 16:57:24.68 ID:VQZzRQ+NO
サーシャ「っ……!?」

リーゼリット「ちょっ……な、なにあれ……!?ガイと、あの女が……!」

テル「えっ、どういうこと?なんで……?」

キキ「おやおや〜……ずいぶん大胆ですね〜……あれ、戦闘行為に入るんでしょうか〜?」

ベルフレア「い、今すぐ引き剥がしたいですけど……炎が邪魔で、近づけません……!」ギリッ
結界「」ジリジリ……

アインズ「……ああいう女は厄介だ。甘い仕草で距離を詰めて、一番深いところを揺さぶってくる」



バッ

フローディア「……ふふ。震えてるじゃない」

フローディアを殴るガイ「」ペチン……

フローディア「あら……それで本気?」

ガイ「何を……考えている……!」

フローディア「私に終わりを少しだけでも見せてくれたお礼よ?……それに──」スッ

指先で自分の唇に触れるフローディア「今のは、約束の口づけ。いつか本当に殺してくれる、その時まで……絶対に逃がしてあげないわ」

ガイ「……物騒な執着だな」

フローディア「ふふ、あなたも大概でしょう?……それと残念だけど、セーレは置いていくわ。今の私じゃ、連れて帰るだけの余裕がないの」ヤレヤレ

フローディア「どうするかは好きにしなさい。あなた達がどんな答えを選んでも……私はそれを否定しないわ。だって、あなたの選択は全部……“私の最期”に繋がっていく道筋だもの」

フローディア「……また会いましょう、ガイ。次は──今日の続きから、ね?もっとちゃんと、“私を殺せるあなた”を見せて頂戴」ニコ

炎に包まれながら消えていくフローディア「」ゴッ──

ガイ「くっ、待て──」ドサッ

144 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 16:58:00.64 ID:VQZzRQ+NO
ーーホトルス族 診療所

ガイ「──ッ!?」ガバッ

ガイ「……ここは?」

サーシャ「ガイ!!!」ギュッ

ガイ「ぐっ……サーシャ……く、苦しい。状況を説明してくれ……」ペシペシ

ソーラ「ガイさん!目が覚めた……?」

ガイ「ソーラ……ここは、ホトルス族の管轄か」

サーシャ「うん。パーティのみんなとホトルス族の人達がずっと治療を手伝ってくれてたんだよ。ガイ、二日くらいずっと意識がなくて……!」

ガイ(サーシャの目の周りに隈ができている……)

ガイ「……すまない。心配をかけたな」

リーゼリット「ホントだよ。目からも鼻からも血を出して倒れてさ……今回ばかりは本当に死んだかと思ったんだから……こっちは心配してたのに、起きるなり“状況を説明してくれ”はないでしょ」

テル「ガイくん……よかった、目が覚めたんだね!」

ガイ「テル……」

アインズ「起きて早々、それか……もう少し自分の身体を心配しても罰は当たらんと思うがな」スタスタ

ガイ「アインズ……」

テル「ガイ君は高熱と魔力欠乏……それと全身に過剰な負荷がかかっていました。今は峠は越えたけど、しばらく無理は絶対に禁物です」

ガイ「フッ……なんだか、本当に医者みたいだな」

テル「なっ……私、これでも医術には自信があるってテラヌス・ウルスに来る前に言ったよね!?」

ガイ「すまない……正直、疑っていた」

アインズ「フッ……状況なら、簡単に説明しよう。フローディアは撤退した。炎を残して姿を消したが、追撃は不可能だった」

アインズ「街側の被害は……兵たちの奮戦もあって最小限で済んだ。死者も負傷者も出たが、最悪の事態は免れている」

ソーラ「この診療所に運び込まれた人たちも、今のところ、みんな命は繋がっています……ガイさんがフローディアの動きを止めてくれたおかげです」

リーゼリット「セーレフェリアは、別室で拘束と治療中。テラヌス・ウルスの各種族が一緒に監視してるよ。まだ完全には目を覚ましてないけど、暴れられる状態じゃない。セーレフェリアの処遇は、まだ決まってないよ」

アインズ「細かい経緯や今後の方針は……お前がもう少し回復してから、改めて話し合うとしよう」

ガイ「……そうか。大筋はわかった……少し眠らせてくれ。起きたら、全部話す」ユッ…

サーシャ「うん。ここにいるから……ちゃんと、起きてね」

ガイ「ああ……サーシャも寝てくれ。お前の目の下の隈がひどい。二日も張り付いていたんだろう?」

サーシャ「えっ……あ、その……」

ガイ「もう十分だ。これ以上ここに張り付いている必要はない。お前だけじゃなく……みんなも少しは休め」

リーゼリット「……そう言われちゃったら、素直に甘えとくよ。ガイもちゃんと起きてくれたしね」

テル「うん……けど、何かあったら遠慮なく言ってね。対処してあげるから」

アインズ「ふむ……ようやくまともなことを言ったな。今は各々、身体を整えるのが先決だ」

サーシャ「……うん。じゃあ、ちょっとだけ隣で休むね」ポスン

ガイ「?……勝手にしろ……」

サーシャ「……」zzz

現在はテラヌス・ウルスです。(9日目)
※まだ回復しきっていないため、遺跡探索や遠出、戦闘等はできません。また、自由安価終了後、セーレフェリアの処遇を決めます。

何をする?
安価下1〜3
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 16:58:32.28 ID:WzZcT05X0
酒場でキキと会い身の上話を聞く
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 16:58:49.51 ID:u4iH1xmQO
トゥルーエンドに言い寄りつつ時間魔法を鍛える
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 17:00:20.02 ID:NJ2H/X6Do
取り敢えずキスの件で煽られる
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 17:00:30.56 ID:74TFnHwK0
アインズ ドルクの強さに気になる為、軽く模擬戦する
149 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 23:34:29.79 ID:CDrkjIQNO
ーー大魔女の部屋

ガイ「ルー……入るぞ」

トゥルーエンド「その声……ガイ!?」

タッタッタッ……ガチャ

ガイ「訓練の続きをしに──」

トゥルーエンド「無事だったのね!?バカ!どれだけ心配したと思ってるのよ!」

ガイ「……まだ今日、目が覚めたばかりなんだ。大きい声は頭に響く……」

トゥルーエンド「あっ、ごめんなさい……って謝るのはこっちじゃなくて、そっちでしょ」ジトッ

ガイ「……そうなのか?」

トゥルーエンド「“そうなのか?”じゃないわよ。意識が戻らないって報告を受けたこっちの身にもなりなさい」

ガイ「……すまない」

トゥルーエンド「まったく……いい?状況を聞いた限り──あなたは自分の時間だけじゃなく、相手の時間の流れにまで触れたみたいね。普通なら数年単位で段階を踏む領域に、いきなり踏み込んだのよ」

ガイ「……だが、そのおかげでフローディアを止められた」

トゥルーエンド「止めたわね。だから結果だけ見れば正解よ。でもね、ガイ──もしそこで、あなたが戻ってこなかったら。誰が『正解だった』って言ってあげるの?」

ガイ「……」

トゥルーエンド「世界は救われるかもしれない。人も守られるかもしれない。でも、あなたはそこで終わるの。誰にも触れられず、誰にも気づかれずに」

トゥルーエンド「……私は、それを正しいとは思わない。世界を救う手段に、誰か一人まるごと捧げるなんて──そんなの、悪趣味な魔術式と変わらないわ」

ガイ「……そういう線引きをするのは、意外だな」

トゥルーエンド「誰に向かって言ってるのよ。私は“大魔女代理”なの。世界を俯瞰して見なきゃいけない立場だけど……それでも、目の前で頑張ってる誰かを雑に扱いはしないわ」

ガイ「……少なくとも、俺のことをそこまで思ってくれているのは理解した」

トゥルーエンド「最初からそう理解しなさい。時間を弄る前に、自分の命の扱い方から学び直してほしいくらいだわ……さて、本題よ。今回の戦闘で──あなたが何に触れたのか、一緒に整理しましょう。報告は受けたけど、本人の口からも聞かせなさい。今回起きたことを順を追って話して」
150 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 23:34:55.49 ID:CDrkjIQNO
ガイ「順を……そうだな。閃光玉で視界を奪ったあと、フローディアの時間の流れを掴みにいった。これまでと違って、自分ではなく──相手の時間に手を伸ばすつもりで」

トゥルーエンド「そこまでは想定の範囲内ね。自分じゃなく、他者の時間への干渉……それ自体は理屈としては間違ってないわ」

ガイ「だが、そこで妙な感覚があった。フローディアだけじゃない……周囲一帯の流れごと、何かに引っかかったような……掴んだ瞬間、世界が黙り込んだ。砂も、炎も、瓦礫も、何もかも……全部、動きを止めた。あとは、そこにいる“的”を……片っ端から壊した」

トゥルーエンド「……自分の感覚としては?止めたのか、置いていったのか。どっちに近い?」

ガイ「……止めた、だな。これまでとは違う。俺だけが速くなったんじゃない。周りが、こちら側に追いつけなくなった感覚だ」

トゥルーエンド「研究者としては喉から手が出るほど興味深いわ。大魔女代理としては全力で頭を抱える案件だけど……あなたのやったことを仮に言葉にするなら──“自分を基準に、周囲の時間を一時的に固定した”ってところかしらね」

ガイ「……狙ってやったわけじゃない」

トゥルーエンド「知ってる。狙ってできるなら訓練なんてしなくていいもの。無自覚で世界の時間に触れた、ってことは──同じぐらいの無自覚さで、今度は自分の存在を世界からこぼし落とす可能性だってあるの」

ガイ「……時間の狭間に取り残される、か」

トゥルーエンド「そう。前に言ったでしょう。戻ってこられなかったら、身体も意識もズレたまま固定されるって」

ガイ「ああ。だからこそ、制御が必要だと」

トゥルーエンド「そうね。今回あなたが掴んでしまったものは、時間操作のかなり深い部分よ。素質を持っていても、一生そこに届かないまま終わる人間のほうが多い……本来なら、年単位で段階を踏んで、“触れていい場所”と“踏み込んだら戻れない場所”を体で覚えていく領域──それをあなたは、実戦の中で一気に跨いだの」

トゥルーエンド「だからこそ、ここからはきちんと順を踏むわ。今までみたいな勘と勢いだけの時間操作は、もう絶対に禁止。いいわね?」

ガイ「了解した。二度とあんな賭け方はしない。少なくとも、意図せずにやることはないようにする」

トゥルーエンド「そう、それでいいわ……それじゃあ、訓練を始めるわよ」スッ

ガイ「……また抱きしめる必要があるのか?」

トゥルーエンド「察しが良くて助かるわね」

ガイ「……」ギュッ

トゥルーエンド「じゃあ……始めるわよ、ガイ」ギュッ

トゥルーエンド「……あら?」ピク

ガイ「どうした」

トゥルーエンド「ちょっと黙って……へぇ……この魔力……あなた、不死鳥か何かの知り合いでもいる?」ジッ

ガイ「いや、いないが……少なくとも、直接会った覚えはない」

トゥルーエンド「そう……まあ、あとで話すわ。訓練を始めましょう」ギュッ

151 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 23:35:24.55 ID:CDrkjIQNO
トゥルーエンド「──はい、そこまで」

ガイ「……ふぅ。終わりか?」

トゥルーエンド「ええ。世界を巻き込むような気配は感じなかったわ。暴走しかけた流れも、一度もなかった」

ガイ「そうか。実感としては、前より浅い水面で踏みとどまっている感じがあったが」

トゥルーエンド「それでいいの。深く潜る訓練じゃなくて、深く潜らない訓練だから……少なくともこれで、先日みたいにいきなり世界ごと止めることは、起こりにくくなったはずよ」

ガイ「……助かる」

トゥルーエンド「あなた、だいぶ掴みが上手いから私と一緒にする訓練は次で最後かもね……」

ガイ「……そういえば、訓練を始める前に言いかけていたことはなんだ?」

トゥルーエンド「ああ……あなたの胸のあたりに、あなたのものじゃない魔力が絡みついてるの。すごく古くて、焼けた灰みたいな……大魔女様に似てるけど、少し違うような……」

ガイ「心当たりはない」

トゥルーエンド「呪いじゃないわね。どちらかといえば祝福。炎の属性……再生、保護、輪廻……そういう性質に近い。ひどく歪んでるけど、悪意はない……」

ガイ「炎と再生?……待て、フローディアに口付けをされた」

トゥルーエンド「……ハァ!?ちょっと待ちなさい。今なんて言ったの?もう一回言って?」ズイッ

ガイ「フローディアに口付けをされた」

トゥルーエンド「よりにもよって、あの女に!?」

ガイ「ああ。心当たりはそれしかない」

トゥルーエンド「それしかない、じゃないわよ……!」ユサユサ
ガイ「揺らさないでくれ」

トゥルーエンド「……その灰みたいな魔力、口元から胸の奥にかけて筋を引くように残ってるの。キスの瞬間に流し込まれたって考えるのが一番自然ね……ホント、やってくれたわね、あの女」

ガイ「取り除けるか?」

トゥルーエンド「ええ……でも、結論から言うと取り除く必要はないわ」

ガイ「なぜだ」

トゥルーエンド「悪意を感じられないの。あなたの居場所がわかるとか、害を成すとか、そういったものを一切感じられない。むしろあなたに恩恵を与えるような性質ね」

ガイ「恩恵……?」

トゥルーエンド「不死鳥ほどじゃないけど、あなた、相当死にづらくなってるわ。怪我の治りも速くなってるし、死にかけてから死ぬまでの猶予が前よりずっと長くなってる」

ガイ「……つまり、簡単には死ななくなった、ということか」

トゥルーエンド「正確には"簡単には死なせてもらえない"、ね。瀕死になればなるほど、そこから先の時間を無理やり引き延ばされる感じ……少しだけでも足掻けるようにっていう意図を感じるわ」

ガイ「なぜ、そんなものを……」

トゥルーエンド「さあ?本人じゃないから本当の理由なんてわからないわよ……考えがあるのか、あるいはただの気まぐれか……動機までは読めないけど、この魔力はあなたを長く生かすために組まれてる──それだけは確かね」

ガイ「……厄介な好意だな」

トゥルーエンド「同感だけど、今さら文句を言っても外れないわよ。それに──利用できるものは利用しなさい。どうせあなたはまた無茶をするんだから、そのとき生き延びる確率が少しでも上がるなら、悪くない取引よ」

トゥルーエンド「……さて、と。今日はここまで。回復は早くなってるみたいだけど、まだ病み上がりなんだから、さっさと戻って休みなさい」

ガイ「そうさせてもらう……ありがとう、ルー。また頼む」

バタン

トゥルーエンド「ふふ……ほんと、手のかかる時間魔法使いを拾っちゃったわね、私」

⭐︎時間魔法への理解が深まりました。2/3
⭐︎フローディアに祝福?を仕込まれました。
152 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 23:38:03.46 ID:CDrkjIQNO
ーーテラヌス・ウルス 酒場

ワイワイガヤガヤ

ガイ(昼間に沢山寝たせいか、まったく眠くないな……診療所にいてもパーティの誰かが気配を探ってくるし……あの中でじっとしているほうが落ち着かない……ルーの所へ行くのも苦労したしな……)

ガイ(やることもないからここへ来たが……酒は飲めないんだよな……引き返すか?)

テーブルに突っ伏すキキ「あ、ガイさぁん〜……」ヒラヒラ

ガイ「……キキか」

キキ「お医者さんに止められてるんじゃなかったんですか〜?こんなとこで夜ふかしなんて、いけない人ですね〜」

ガイ「寝つけなかっただけだ。それに、お前こそ仕事はいいのか?首長の護衛だったはずだが」

キキ「ちゃんと交代制ですよ〜。今は他の人がヨードリー様についてますから、私はお暇タイムです」

キキ「ほらほら〜、そこ、空いてますよ。回復途中の患者さんは座って安静に〜」

ガイ「……わかった」スッ

キキ「あの〜……」チラ

ガイ「?」

キキ「あのとき……フローディアさんと、キスしてたのってなんでですか〜?」ニコ

ガイ「……」

キキ「なんでですか〜?理由によっては〜、サーシャちゃん達に報告しないといけないかもですね〜」ニコニコ

ガイ「……やめろ。余計な火種を増やすな」

キキ「じゃあ、先にガイさんの口から聞きますよ〜。『情熱的で忘れられないひとときでした』〜とかなら、黙ってられませんし〜」ニコ

ガイ「そんなことは一言も言ってないし、これからも言うつもりはない」

キキ「ふ〜ん?じゃあ、実際はどうだったんですか〜?」

ガイ「あいつが勝手にやっただけだ。動けないように胸倉を掴まれて、そのまま押し付けられた」

キキ「へぇ〜、襲われたってことですか〜?」

ガイ「……まあ、そうだな」

キキ「でもでも〜襲われた割には、ちゃんと目をそらしてるし〜、声も少し低くなってますよ〜?」ジー

ガイ「気のせいだ。無駄に思い出させるな」

キキ「あ〜、そういうことにしておきます〜。じゃあ、まとめると〜『世界から死を消し去ろうとしてるやばい女に、不本意にキスされました。非常に不快です』──こんな感じですか〜?」ニコ

ガイ「だいたい合っている」

キキ「ふふ〜ん、だいたいって言うあたり、ちょ〜っとだけ不快じゃなかった部分もあるんですね〜?」ニヤ

ガイ「……お前、意外と性格が悪いな」

キキ「堕天使ですから〜。性格くらいひねくれてないと、堕ち甲斐がないんですよ〜」
153 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 23:38:32.69 ID:CDrkjIQNO
ガイ「……堕天使?ハーピィじゃないのか?」

キキ「失礼ですね〜。羽が生えてて空飛んでる女の子は、全部ハーピィさん扱いですか〜?」

ガイ「他に思いつかないな。天使なんて、お伽噺の中の存在だろう」

キキ「世間的にはそういうことになってるんですよね〜。そのほうが、いろいろと丸く収まりますし〜……昔々〜、上のほうでお堅いお仕事してたんですよ〜。お祈りの書類整理したり〜、寿命の帳簿つけたり〜、現世報告書にハンコ押したり〜」

ガイ「……酒の席の冗談にしては、やけに具体的だな」

キキ「冗談半分、本当半分くらいで聞いておいてください〜。『天界』なんて言っても、どうせ信じてもらえませんし〜……あっ、でも堕ちたのはほんとですよ〜。お姉ちゃんが先に地上に降りちゃって〜」

ガイ「姉がいるのか?」

キキ「いますいます〜。ヒナって言うんですけど〜戦いが大好きで〜、『上は退屈!本気の戦いがしたい!』って勝手に降りちゃって〜」

キキ「で、放っといたら絶対ろくなことにならないから〜連れ戻さなきゃって追いかけたら〜……そのまま私も“堕ちました〜”って判定になっちゃって〜。書類一枚で地上行き片道コースです〜」

ガイ「書類一枚で堕天とは、ずいぶん雑な運用だな」

キキ「お役所仕事ですから〜。上も下もそういうとこは変わらないんですよ〜。というわけで、今は堕天使キキ・ナイテンゲール、お仕事は首長様の護衛とお姉ちゃん探しと昼寝です〜」

ガイ「最後の一つだけ、仕事じゃないだろう」

キキ「私の中では重要任務なんですよ〜? 寝ながら歩けて、寝ながら飛べて、寝ながら戦えるようになるまで鍛えたんですから〜。立派なスキルです〜」

キキと何か話す?
安価下1〜2
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 23:41:07.69 ID:0V4M2Yd+O
姉の情報は集まってるのか
155 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/06(土) 23:48:39.42 ID:CDrkjIQNO
本日の更新はここまでです。このレスは安価に含まれません。
本家様の展開がすごくすごいことになっていて続きがどうなるのか楽しみですね。
こちらのスレは明日も更新予定です。よければお付き合いください。
それでは、また。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/06(土) 23:54:35.65 ID:uq7fJyGro
アトニスやシルバークロースも天使だけど知り合いだったりする?
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 10:29:05.99 ID:c03wcF1Fo

クロシュのときもそうだけど不死鳥パワーはいくらあってもええですからね
158 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 15:28:44.35 ID:p6+9/7K0O
>>156
シルバークロースさんについては、ガイたちの視点から天使と結びつけることができないので今回、言及をするのはアトニスさんだけにさせていただきます。申し訳ない。

>>157
クロシュさんとは違って仲間に効果は及ばず、ガイ一人だけが生きながらえるような感じなので、全滅時のメンタルは大変なことになりそうです。気をつけましょう。
159 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 15:29:13.79 ID:p6+9/7K0O
ガイ「姉の情報は集まっているのか?」

キキ「それなりには〜。危険な依頼をこなして生還する凄腕冒険者だと聞いてます〜。今は青い髪のエルフと一緒にいろんなところを回ってるみたいなんですけど、中々見つかりませんね〜……」

ガイ「見つけたらどうする気だ?」

キキ「そうですね〜……本音を言うと、首根っこ掴んででも上に連れ戻したいですけど〜……もう私たちは堕天してしまったので天界には戻れませんし〜……だから今は、このまま地上でのんびり一緒に暮らせたらいいな〜って思ってます」

ガイ「話を聞く限りだと、姉はなかなか破天荒そうだが」

キキ「そうなんですよね〜。戦いが大好き過ぎて堕天するくらいですから。けど、そういうのも全部ひっくるめて、私はお姉ちゃんが大好きなんですよ〜……お姉ちゃんがいなかったら、今の私はいませんからね〜。お仕事の仕方も〜、戦い方も〜……ぜ〜んぶ、お姉ちゃんの真似から入ってるんです」

ガイ「……尊敬しているんだな」

キキ「尊敬と〜、心配と〜、ちょっとだけ怒りと〜……それから、どうしようもないくらいの好きですね〜。全部まとめてお姉ちゃんです〜」

ガイ「……姉の具体的な特徴を教えてくれ。もしかしたら、旅の途中で出会うかもしれない。見かけたら、それとなく声をかけてみよう」

キキ「いいんですか〜?じゃあ遠慮なく〜。名前はヒナ・ナイテンゲール。背中に左右で色の違う白と黒の羽が生えてます〜。あと、強そうな人を見るとニコニコしながら近づいて行って〜『ねえ、ちょっと手合わせしませんか?』って言い出すと思いますよ」

ガイ(途端に会いたくなくなってきたな……)

ガイ「その時は、話を聞く前に応じる羽目になりそうだな……見かけたら、『キキが探している』と伝えておこう」

キキ「お願いしますね〜」
160 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 15:29:50.93 ID:p6+9/7K0O
ガイ(……それにしても天使か。まさか実在するとは思わなかったが……ん?そういえば……)

アトニス『ふーん……自己犠牲ってヤツか。じゃあここは天使らしく助言を与えてやろう』

ガイ「……知り合いの天使の中に、アトニスという名前のやつはいるか?」

キキ「っ」ピク

ガイ「?」

キキ「あ〜……ガイさん、それ、その名前どこで覚えたんですか〜?ロイエ教の中でも、かなりマイナーな天使ですよ〜?普通の人はまず知らない名前です〜。知ってるの、だいたい聖職者さんか、その筋の研究者さんくらいですから〜」

ガイ「そうなのか」

キキ「それに〜、こういう公の場でその名前を口にするのは、あんまりオススメしませんよ〜。聞き耳立ててるロイエ嫌いの人がいたら、絡まれます〜。今のご時世、あの宗教の天使の名前なんて出したら、それだけで変な目で見られますから〜」

ガイ「別に信仰しているわけじゃない……お前は、その天使を知っているのか?」

キキ「名前だけなら、ですね〜。アトニス様は、天界ではだいぶ上のほうの天使ですよ〜。非常に真面目で、冷静沈着。規定通りにしか動かない堅物って評価でしたね〜」

ガイ「……今のところ、俺の知っているやつとは似ても似つかないな」

キキ「でも〜、十年前の世界めくれが起きた時に、アトニス様は天界から姿を消したんです〜。ぽっかり穴が空いたみたいにいなくなって〜、その穴を埋めるために上はしばらく大騒ぎでしたよ〜」

ガイ「……そうか」

キキ「ま、ひとつだけ言えるのは〜上級天使ってだけで、信用しちゃダメってことですね〜。真面目でも〜、堅物でも〜、世界めくれのタイミングでいなくなった時点でロクな事情じゃないことだけは確かですし〜」
161 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 15:31:00.93 ID:p6+9/7K0O
ガイ「……忠告として受け取っておく。仮にそいつが本物だったとしても、距離は取っておいたほうがいい、ということだな」

キキ「ですね〜。何か言われても〜『へぇ〜、そうなんですね〜』くらいで聞き流しておくのが吉ですよ〜。天使や悪魔の都合に巻き込まれると、ろくなことになりませんから〜」

ガイ「肝に銘じておく」

キキ「あ、そういえば〜」

ガイ「まだ、何かあるのか」

キキ「あのときのサーシャちゃん達の顔、ちゃんと見ました〜?炎の向こうで、す〜っごい顔してましたよ〜。特にサーシャちゃんとリーゼリットちゃん」

ガイ「……見ている余裕はなかった」

キキ「ですよね〜。でもあれは〜、きっと後できっちり決算されますよ〜。『あの時のキスは何だったのか説明して下さい』って〜」ニコ

ガイ「……想像はつくな」

キキ「そのときに〜『あれは不本意な戦闘行為であってやましい感情は一切ありませんでした』って、ちゃんと言えるようにしとかないとですね〜。堕天使としては〜、面白くなるほうを応援したいところですけど〜」

ガイ「余計な応援はしなくていい……そろそろ戻る。あまり遅くなると、誰かに怒られそうだ」

キキ「ですね〜。病み上がりさんはおとなしく寝床に戻りましょ〜。今度サーシャちゃん達から事情聴取されたら〜、ちゃんと答えてあげてくださいね〜。盛らずに、削りすぎず〜、程よく正直に〜」

ガイ「……善処する」

⭐︎キキと話しました。
162 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 15:33:45.21 ID:p6+9/7K0O
ーーテラヌス・ウルス 宮殿

大勢のテラヌス兵「」ガチッ
拘束されたセーレフェリア「……」

ヨードリー「各首長、揃ったようだな……これより、我が国テラヌス・ウルスに刃を向け、民を危機に晒した流浪の魔術師──セーレフェリアの処遇について、各部族代表と協議を行う。各首長は意見を述べてくれ」

金髪の女性→ミラ「スピーゲル族はその罪を極めて重大と見なすわ。少ないとはいえ、怪我人も死人も出ている上に、あれだけの混乱を呼び込んだのよ?本来なら即時の処刑を求めたいところね」

リアンノン「……ホトルス族の見解を述べます。彼女はこの町の出身ではなく、フローディアと自らの意思で行動を共にしていた……外から来た加害者であることは疑いようもありません。ただ、今後の脅威を防ぐためにも軽率な処刑ではなく、能力と経緯の精査が必要だと考えます。少なくとも当面は、我々の管理下で厳重に拘束して情報を引き出すべきです」

A部族の首長「あたしらは砂漠の掟だけで言うなら、とっくに首を落としてるところだと思ってるよ。けど今回は、あの不死の火の女も絡んでる。事情を洗わずに捨て駒みたいに処刑するのは、国として得策じゃないね。生かすにしても、二度と自由に魔術は使わせないこと……それが条件だよ」

B部族の首長「わしは民の不安を何より重く見ておる。長くこの街に留め置けば、『またあの炎が来るのではないか』と恐れる者も出よう。必要な聞き取りと拘束を終えたのち、二度とこの地を踏めぬ形での追放を提案する」

C部族の首長「オデらは危機を連れてきた女を、何もせず帰らせるのは違うと思う。せめて、この国のために痛い思いをしてから、その先どうするか決めるべきだと思う」

セーレフェリア「ふーん……ずいぶん、好き勝手言ってくれるね」

テラヌス兵「黙れ!」ジャラッ……



ヨードリー「では、実際に相対した冒険者たちよ……意見を聞こう。お前たちは、彼女をどう裁くべきだと考える?」

ガイ「……」

サーシャ(……セーレフェリアのせいで、あんなことになったのは事実……あのとき、炎の向こうで笑ってた顔は楽しんでるように見えた……街が壊れて、みんなが傷ついてるのに……あれを見ちゃった以上、「仕方なかった」なんて言い訳は通らない……)

リーゼリット(正直、ムカついてる。街をあんな目に遭わせて、仲間をボロボロにして、それで無傷で帰れるなんて筋が通らない……でも、ここで「殺せ」って簡単に言ったら……私もきっと、あの女と同じ場所に足を踏み入れる気がする……)

テル(たとえ、どんな結末になっても……ちゃんと目で見て、聞かなきゃいけない。セーレがどこで間違って、どうしてあんな選び方しかできなくなったのか……)

アインズ(……何を選んでも誰かは不満を抱く。だが、ここで曖昧に濁すことだけは許されん。さて、ガイ……お前はどうするつもりだ)ジッ

セーレフェリアの処遇 先取3票

1 処刑
2 収容
3 追放
4 自由安価
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 15:36:26.55 ID:AUwmaB+lO
2
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 15:37:36.37 ID:9Zs/3hPGo
2
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 15:44:28.59 ID:x0AgwVJdO
3
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 16:33:17.58 ID:c03wcF1Fo
2
167 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 21:21:53.14 ID:VBnAJeABO
ガイ「処刑も、追放も……選択肢としては理解できる。こいつは街を混乱に巻き込み、民を傷つけた。戦いを楽しんでいた節もある。そこに情状酌量の余地はない」

セーレフェリア「うんうん、楽しかったよ?」ジャラ

ガイ「だが、セーレフェリアはフローディアと行動を共にしていた。あいつの具体的な狙いと、次にどこをどう狙うつもりなのか……俺たちの知らないことを、こいつは知っているはずだ」

ガイ「ここで首を落とすのは簡単だが、その瞬間に手がかりも消える。追放も同じだ。ただ外に放り出せば、今度は別の土地が同じ目にあうだけだ。こいつは後悔していない。もう一度同じことをやるだろう……だから俺は──セーレフェリアの魔力を封じ、二度と自由に力を振るえないようにしたうえで、テラヌス・ウルスの管理下に収容すべきだと考える。生かすのは、この先の被害を減らすための道具としてだ」

セーレフェリア「ふーん……でさ──テルはどう思ってるの?」クイッ

テラヌス兵「貴様が発言を──黙っていろ!」

セーレフェリア「えー?当事者の意見ぐらい聞いてくれてもよくない?」ジャラッ

テル「待ってください」スッ

テル「その質問、私も……聞かなきゃいけないと思ってました。彼女に、発言の許可を」

ヨードリー「……よかろう。ただし、無駄口を叩けばすぐに止めさせる。よいな、魔術師」

セーレフェリア「はーいはーい、了解でーす……じゃ、改めて。ねぇテル。あんた、さっきからずーっとこっち見てるくせに黙ってるじゃん。処刑?追放?それとも、ガイと同じ収容?あんたは、どうしたいの?」

テル「……私は、ガイ君と同じ意見だよ」

セーレフェリア「へぇ?わたしを殺せないから、便利なほうに乗っかったわけじゃなくて?」

テル「……別に、セーレを庇いたいわけじゃない。世界のことだけを考えるなら、ここで首を落とすのが一番簡単で、わかりやすい終わらせ方だってことは、私だって理解してる……セーレは危険で、反省もしてない。放っておいたら、きっとまた同じことをする……それもわかってる」

セーレフェリア「うん、するね。また面白そうな場所があったら、きっと行くよ?」ニコ

テル「……そういうところ、昔から変わらないよね。私が収容を選ぶ理由は二つ」

テル「一つは、フローディアのこと。あの女はきっと、死を消すためなら何だってする。私たちの目的の邪魔になるなら……その情報は、生かしてでも絞り出す価値がある」

テル「もう一つは── 私のわがまま」

セーレフェリア「んん?」

テル「私、まだ何も伝えてないから。セーレがどこで間違って、どうしてあんな選び方しかできなくなったのか……それを、ちゃんと聞いて、ちゃんと話して、それでも届かなかったって、胸を張って言えるところまで行きたい。そうじゃないと──もしここで『処刑でいいです』って言ったら……きっと、私もあの家と同じだ。間違ったものは切り捨てて、はい終わりって決めつける側に回っちゃう」

テル「……私は、そうなりたくない」

セーレフェリア「ふふっ。相変わらず、優しいねぇ。落ちこぼれのくせに」

テル「……以上です。世界とテラヌス・ウルスのことを考えたうえでの意見として私は、ガイ君の案に賛成します」

ヨードリー「……なるほど。冒険者ガイ、そしてテル。二人は収容を主張するか。今この場で、実際に命を賭けて相対した者たちの意見は重い。他の首長たちよ……その判断を踏まえたうえで、改めて聞こう」

ミラ「スピーゲル族としては、本心では即時処刑を望むわ。それでも……今後の被害を抑えるための資源として生かすというなら、首長としてその判断を支持する余地はあるわね」

リアンノン「ホトルス族も、当初から収容・拘束による情報の引き出しを提案していました。冒険者からの意見もそれに沿うのであれば、異論はありません」

A部族首長「こっちも同じさね。首を落とすのはいつでもできるけど、生きてなきゃ聞けないこともある。二度と好きに魔術を使わせないって条件付きなら、乗ってあげるよ」

B部族首長「民の不安は、厳重な拘束と情報の共有で和らげるしかあるまい。追放よりはまだマシじゃ」

C部族首長「オデらも賛成だ。痛い思いは……地下でたっぷりしてもらえばいい」

他部族首長たち「」ザワ……ザワ……
168 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 21:22:22.08 ID:VBnAJeABO
ヨードリー「……よし。概ね、意見は収束したようだな」

ヨードリー「──セーレフェリア。お前の罪は重い。本来ならば砂漠の掟に従い、その首をここで刎ねるが相当だろう……だが、お前は世界を脅かす存在フローディアと行動を共にし、その目的と力について、我らの知らぬ多くを知っている。さらに、特異な衝撃魔法を扱う稀有な術者でもある……その価値を鑑み、即時処刑は見送りとする」

セーレフェリア「寛大な処置、痛みいります」ペコリ ジャラ

テラヌス兵「ふざけるな!」ギリッ

ヨードリー「……ふざけている余裕は、地下に降りてから好きなだけ味わうがいい。テラヌス・ウルスの地下牢において、魔力を封じたうえで無期限拘束。監視と尋問を続け、危険が完全に去るまで地上への出歩きは一切許可しない。逃亡を企てた場合は、その場での殺処分もやむなしとする……意義のあるものはいるか?」

シーン……

ヨードリー「──では、これをもって決定とする。セーレフェリア。その身、今日よりテラヌス・ウルスが預かる」

セーレフェリア「はーい。地下牢かぁ……退屈そうだけど、まあいっか。適度にお話し相手がいるといいなぁ?」ニコ

テラヌス兵「黙って歩け!」グイッ

セーレフェリア「いったた……乱暴だなぁ、もう。……じゃ、またね。テル。ガイも」ヒラヒラ

ガイ「……次に会うときは、話を聞かせてもらう。そのつもりでいろ」

セーレフェリア「あはは、怖いなぁ。楽しみにしとくよ」

ジャラ……ジャラ……

サーシャ(……これで、本当によかったのかな。終わらせたわけじゃなくて、先送りにしただけかもしれない……きっと、この先また、誰かが傷つくかもしれない)

サーシャ(それでも今、テルさんが顔を伏せずに、ちゃんと前を向いて立っていられるのは、この答えを選んだからなんだと思う。誰か一人を切り捨てて楽になる道じゃなくて……迷って、悩んで、それでも生かして向き合うほうを選んだから)

サーシャ(……だったら、私も目を逸らさない。セーレフェリアのことも、フローディアのことも。この選択の先に何があっても……一緒に見届ける)

⭐︎セーレフェリアがテラヌス・ウルスに拘束されました。
169 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 21:22:56.38 ID:VBnAJeABO
ーー宿屋「月明かりのオアシス」

リーゼリット「……セーレフェリア、ほんとにあのままでよかったのかな」

サーシャ「リーゼ……」

リーゼリット「街をめちゃくちゃにして、人も傷つけてさ。それで“地下牢行き”で済ませちゃって……甘い、のかなって」

テル「甘いかどうかで言うなら、きっと甘いよ。もっとスッキリした終わらせ方はいくらでもあったしね」

ガイ「だが、選んだのは俺たちだ。あそこで別の答えを出したとしても、きっと同じように迷っていただろう」

アインズ「そうだな。処刑しても、追放しても……後悔の形が変わるだけだろう。どのみち誰かが背負う話だ」

ガイ「今は、選んだ結果を抱えて進むしかない。セーレフェリアの処遇はテラヌス・ウルスに任せる。それより──」

サーシャ「それより?」

ガイ「本来ここに来た目的を、そろそろ思い出すべきだ。世界樹の光の残滓を探すこと……そして、『影を喰らうもの』への対処だ」

サーシャ「あ……そうだ。フローディアに街を狙われたせいで、すっかり後回しになっちゃってたけど……」

ドルク「おーい、入っていいか?」コンコン

ガイ「ドルクか。どうぞ」

ガチャ

ドルク「よう、みんな!遺跡から帰ってきたらなんだか街が凄いことになってて驚いたぜ……っと、今回は全員いるな。雰囲気はまあ、思ったよりマシか?」ニヤ

テル「ふふん、ちゃんと話し合ったからね!」

サーシャ「えっと……私はサーシャ。初めまして、ですよね?」

ドルク「お、噂の狙撃エルフか。ドルク・ロックだ、よろしくな!さて、挨拶はこのくらいにして本題いくぞ」スッ

地図とメモ「」バサッ

ドルク「頼まれてた三ヶ所の古代遺跡──ひと通り洗ってきたぞ」

ガイ「助かる。どんな場所だった?」

ドルク「まず一つ目がここだな」トントン

ドルク「“砂に呑まれた書庫”って呼ばれてる。古の魔法文明の遺跡だ。半分以上砂に埋もれてるけど、地下に魔法陣や古い魔法式を刻んだ部屋が残ってるらしい」

アインズ「魔法文明……なら、結界や魔導具の残骸も期待できそうだな」

ドルク「ああ。それと──三つの遺跡の中で影を喰らうものの目撃例が一番多かったのはここだ」

サーシャ(……なにか関係してるのかな?)

ドルク「二つ目は“風切りの機械塔”。こっちは機械文明の遺跡だ。外から見るとただの崩れた塔なんだけど、中には金属の通路や歯車みたいな構造物が残ってる。罠も特殊なものが多く見られる。影を喰らうものの報告は三つの中では少ないな」

ドルク「んで、三つ目がここだ。テラヌス・ウルスの先祖が聖域として使ってたって話の“砂底の聖堂”。比較的新しい時代のものだな。元は別系統の遺跡を流用して、祭祀場にしてた形らしい」

リーゼリット「ここは……街から大分近いね」

ドルク「地形は一番素直だ。迷いにくい造りになってる」

サーシャ「魔法文明、機械文明、テラヌスの聖域……きれいに三つの系統がばらけてるんだね」

ガイ「どれを調べても何かしらの古い事情にはぶつかる、ということか」

ドルク「そういうことだな。影を喰らうものの出没も、それぞれ癖が違う。どこから攻めるか決めたら、古代遺跡の探索をするってなったタイミングで声をかけてくれよな!」

ガイ「ああ……準備が整い次第、すぐに動こう」

現在はテラヌス・ウルスです。(10日目)
※古代遺跡を調査する際はその旨を記載してください。

何をする?
安価下1〜3
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 21:24:10.42 ID:plmn4o6o0
リンを遺跡探索に誘ってみる
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 21:28:18.57 ID:AUwmaB+lO
ヨードリーにテラヌスの聖域についてもっと詳しい情報知らないかと聞く
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 21:33:15.35 ID:pACGuCzGO
>>148
173 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/07(日) 22:02:26.56 ID:VBnAJeABO
アインズ「ドルク、少しいいか?」

ドルク「ん?アインズ、だったよな。どうかしたか?」

アインズ「古代遺跡の探索で力を貸してくれることは感謝している……だが、実際にどれほどの腕前かは、まだ見ていない」

ドルク「おっと、信用がないって話か?」

アインズ「そういう意味ではない。命を預け合う以上、互いの間合いと癖くらいは事前に知っておきたい……それに──」

アインズ「お前も槍を使うんだろう?私と手合わせしてくれないか?」ウズ

リーゼリット「……あ、なんか今ちょっと楽しそうな顔した」

テル「うん。完全にやっと殴り合える相手が来たって顔してた」

ドルク「ははっ、そういうことかよ。なるほどな──どんな相手か確かめたいってのと、純粋に槍でぶつかり合いたいって顔だ……よし、受けて立つか。さすがにこの部屋じゃ暴れられねぇし……どっか広い場所、借りられねぇか?」

ガイ「練兵場は一般の者も許可を受ければ使える。そこはどうだ?」

アインズ「問題ない。正式な場なら、全力も出しやすい」

ドルク「決まりだな。じゃ、さっさと行こうぜ。うずうずしてきた!」

サーシャ「二人とも、怪我しないようにね」

コンマ下1

01-30 敗北
31-50 引き分け
51-00 勝利
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 22:19:37.05 ID:KceK/2Mw0
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/07(日) 22:19:50.11 ID:kqb56AEX0
どうだ?
176 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/08(月) 00:00:05.93 ID:wam5wfj/O
ーー練兵場

ザワザワ……

リーゼリット「すごい人の数……明らかに兵士じゃない人も混ざってない?」

テル「いやー、私たちって今有名人じゃん?セーレフェリアの一件で、さんざん顔と名前売っちゃったしさー」

サーシャ「一体どこから聞きつけてきたんだろうね、周りの人達……」

ガイ「……大方、予想はつく」チラ

キキ「」ヒラヒラ

サーシャ「ああ……なるほど……」

アインズ「確認しておくが──これはあくまで模擬戦だ。本気で殺し合うつもりはない」

ドルク「もちろん。けど、手加減した戦いで間合いなんか分かりゃしねぇ……倒すつもりで当てない、くらいには本気でやろうぜ?」

アインズ「……いいだろう。木製の槍を使うとはいえ、そちらも致命傷だけは避けてくれ」

ドルク「上等だ、竜のお姉さんよ」

サーシャ「二人とも……ほんとに怪我だけは気をつけてね……!」

テル「最悪、私とサーシャちゃんが治すから大丈夫大丈夫」

リーゼリット「いや、最悪前提で見守るのやめてあげてよ……」

ガイ「始まるぞ」

テラヌス兵「これより、模擬戦を行う!双方、準備はいいな!」

アインズ「問題ない」

ドルク「いつでもいいぜ」

テラヌス兵「──始めっ!」

ダンッ

一気に間合いを詰めるアインズ「」ザッ
ドルク「速ぇっ──!」ガキィン!

アインズ(受け止めたか……なら)グッ
木製の槍「」ブォンッ!

ドルク「っと!」サッ

観衆「おおっ……!」
観衆「今の避けるのかよ……」

テル「二人とも、相当速いね……目で追うのが大変だよ」

サーシャ「うん……視線と足の向きまで見てないと、今の踏み込みは追えないね……」
177 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/08(月) 00:01:21.14 ID:wam5wfj/O
アインズ「……悪くない。では、これはどうだ」
木製の槍「」ドドドド‼︎

ドルク「うおおおっ、マジかよ──!」ガキッ! ガキッ!ガキッ!

ドルク(一発一発が重てぇ……正面の力比べじゃジリ貧だな……けど、あんたなら……!)ズザザ……

アインズ「踏み込みが甘いぞ!」ダンッ

ドルク「……来た来た、そう来なくっちゃな!」バッ

ガキィッ!

木製の槍「」ギリギリ……
木製の槍「」ギリギリ……

アインズ「ふっ……この程度の力で、竜に押し勝てると思うなよ」グッ

ドルク「正面からじゃ竜には勝てねえ……なら、こういうのはどうだ!」ググッ……バッ

噛み合わせた槍を軸に、身体を捻るドルク「」グルッ!

バランスを崩すアインズ「っ!」ガクッ

ドルク「もらった──!」バッ

アインズの目の前で止まる木製の槍「」ピタッ……

テラヌス兵「……勝負あり!勝者、ドルク・ロック!」

観衆「」ワアアアアアア‼︎‼︎‼︎

キキ「わあ~、いいもの見れました~。どっちも強すぎて、普通の人が混ざったら蒸発しちゃいそうですね~」パチパチ

アインズ「フッ……見事だ。完全に足をすくわれたな」

ドルク「いやいや、お互い様だぜ。真正面から一発でもまともに喰らってたら、今頃砂の上で伸びてんのは俺の方だ。最後まで手加減抜きで来てくれたおかげで、こっちも全力を出せた」

アインズ「慰めは不要だが……竜である私の一撃を受け止めた上でこの結果を出したのは事実だ。古代遺跡で背中を預けるには、申し分ない」

ドルク「へっ、その言葉だけで十分だ。竜のお姉さんにそう言ってもらえるならな」

ガイ「……これで、実力の方は十分確認できたな」

サーシャ「これなら遺跡の中でも心強いよ!」

リーゼリット「どっちも前衛で暴れてくれたら、後ろから撃ち放題だしね」

テル「うんうん……ガイ君とアインズさんの負担も減るだろうし、私も気兼ねなく酔っぱら……じゃなくて、後方支援に回れるね」

手を差し出すアインズ「次は実戦だな、ドルク……よろしく頼むぞ」スッ

ドルク「おう!望むところだ。改めてよろしくな、みんな!」ガシッ

⭐︎ドルクとの模擬戦に敗北しました。
178 : ◆sIVlz2/mNs [saga]:2025/12/08(月) 00:07:58.71 ID:wam5wfj/O
本日はここまでです。次回はリンさん勧誘とヨードリーさんから聖域の情報を聞くところから始めていきたいと思います。よければお付き合いください。
また、本家様のスレも目が離せない展開になっております。備えましょう。
それでは、また。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/12/08(月) 01:38:49.31 ID:7YboOegio
おつ
彼の場合だと自分が死にづらくなってるのなら率先して仲間の盾になりに行きそうでちょっと怖いなぁ…
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