少年「薄氷の僕ら、無人駅」
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12: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:07:04.38 ID:tFwOjaKn0
少年「いよいよ明日だね」

少女「そうね。村の人達も忙しそうだわ」

少年「ねえ……少女」
以下略 AAS



13: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:08:45.39 ID:tFwOjaKn0
少女「……大丈夫よ」

少年「……少女」

少女「何があったのかは分からないけど、きっと大丈夫」
以下略 AAS



14: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:12:13.67 ID:tFwOjaKn0
少年(次の日、僕はいつもより早く目が覚めた)

少年(今日は少し寒さが弱まったな。散歩にでも行こう)ガチャ

少年「……洞窟には何があるんだろう」
以下略 AAS



15: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:41:00.52 ID:tFwOjaKn0
少女「あら、おはよう。よく眠れた?」

少年「……まあね。それより……はい!」

少年(僕は彼女にそっと砂時計を渡す)
以下略 AAS



16: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:43:08.95 ID:tFwOjaKn0
少年(広場では住人が集まり、皆が祝福してくれた)

少年(僕らには十二歳になった証として、草の冠が渡された)

少年(皆の拍手が照れくさい。でも、嬉しくてつい笑ってしまう)
以下略 AAS



17: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:45:38.51 ID:tFwOjaKn0
少年(例の洞窟は、村から少し離れた場所にある)

少年(……何だろう、寒さが和らいだ、と言うより)

少年(……空気が揺らいでる?)
以下略 AAS



18: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:50:33.70 ID:tFwOjaKn0
少年(ようやく、奥までたどり着いた)

少年(小さな池がある。エメラルド色の綺麗な水だ)

少年「……!」
以下略 AAS



19: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:52:35.16 ID:tFwOjaKn0
少女「えっ……」

村長「村の命全てが、この氷から生み出されている」

村長「そして、我々が死ぬと……その命はこの氷へと還元されるのだ」
以下略 AAS



20: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:54:17.91 ID:tFwOjaKn0
少年「……」

少女「……ぐすっ」

少年「……泣かないでよ、少女」
以下略 AAS



21: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 20:55:21.00 ID:tFwOjaKn0
少年(僕らはいつもの釣り場に戻った)

少年(もう日は暮れている。此処なら人は来ない)

少年(僕らは無言で、岩の上に座った)
以下略 AAS



22: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:00:27.06 ID:tFwOjaKn0
少女「私達も、あの星みたいに小さな存在なのね」

少年「……うん。そうだね」

少年「大人になるって、どういう事なんだろうな」
以下略 AAS



23: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:11:14.70 ID:tFwOjaKn0
トプ……

少年「……えっ!?」

少年(ど、どうなっているんだ!?)
以下略 AAS



24: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:13:03.63 ID:tFwOjaKn0
少年「ごめんね、また泣いちゃった」

少女「ううん、嬉しい時には泣いてもいいのよ」

少年「僕もさ、君と一緒なら消えてしまっても良いんだ」
以下略 AAS



25: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:27:45.47 ID:tFwOjaKn0
少年(村からかなり離れた所に、駅員が居ない無人駅が存在する)

少年(当然、村の人間が此処まで来る事は無い)

少年(僕も名前を知っているだけだ)
以下略 AAS



26: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:28:42.22 ID:tFwOjaKn0
少女「……ねえ、空の色が明るくなってない?」

少年「本当だ。日が昇るみたいだね」

少年(そんな他愛も無い話をしていると、東の方角から何かの音がしてきた)
以下略 AAS



27: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:30:49.41 ID:tFwOjaKn0
ガタン……ガタンガタン…

少年「わあ、すごく速いね」

少女「そうね。……ねえ、気付いてる?」
以下略 AAS



28: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:35:14.05 ID:tFwOjaKn0
少年「え……?」

少女「浮いてる……どうして?」

少年(砂時計は蒼く光を放ち、僕らの目の前に浮遊している)
以下略 AAS



29: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:42:20.21 ID:tFwOjaKn0
少年(僕らはぎゅっと手を繋いだ)

少年(例え僕らが薄氷のような儚い存在だとしても)

少年(今この瞬間だけは、きっと生きていると言い切れる)
以下略 AAS



30: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2018/02/02(金) 21:43:36.23 ID:tFwOjaKn0
終わりです。ありがとうございました。

前作 青年「風鈴屋敷の盲目金魚」
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31:名無しNIPPER[sage]
2018/02/02(金) 21:54:47.35 ID:PK0vJn/xo
儚くて良かった。乙


32:名無しNIPPER[sage ]
2018/02/02(金) 23:05:51.05 ID:oq4q/Cfbo
こういうの、結構好きだわ


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