照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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2:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:46:07.01 ID:YwSoJMOz0
「今さらだけど、このタイムスケジュールおかしいわよね」

「なんの話じゃ」

会場の近くにあるコンビニで買った六人分のタコスやら飲み物やら、私とまこはそれらの入った手提げ袋を揺らしながら部員たちのいる待ち合い室へと向かい廊下を歩いていた。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:47:04.07 ID:YwSoJMOz0
会話の一区切りとみたからなのか否か、まこの視線が前方に向きを変える。その先にある丸の下に三角というシンプルな絵を見て、まこが言う。

「……すまん、ちょっと寄ってええか」

「あら、トイレ?いいわよ、前で待ってるわ」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:49:29.31 ID:YwSoJMOz0
まこと別れてから一分ほど歩いたあたりだろうか。廊下を曲がったところ二台の自販機と人ひとりが立っていた。足が思わず止まる。
自販機は、飲料水を扱っているものとアイスを扱っているものが一台ずつ。

なんだ、ここに自販機があったならコンビニで買うこともなかったわね。自販機を目にした瞬間に思ったのはこんなところだが、固まった原因はそっちじゃない、立っていた人のほうにある。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:50:54.44 ID:YwSoJMOz0
「やっぱり、ホントに迷子なのね。よかったら案内しましょうか?」

返答を考えているのか二秒ほどの間を空けて返事がくる。

「オネガイシマス」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2018/07/27(金) 14:53:38.35 ID:YwSoJMOz0
インハイチャンプでマスコミ対応も容姿も良い。世間では理想像のような扱いだけれど、いざ話してみると意外と隙があるように感じて少しホッとする。

「そうだ。前々から気になってたんだけど、宮永さんって読書家よね?」

「読書家……なのかな。好きっていうならそうかもしれない。どうして?」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 14:55:59.93 ID:YwSoJMOz0
しかしまあ、海外の推理小説とは。聞けば聞くほど、似てるのは容姿だけじゃないんだなと思わずにはいられない。

「今はなに読んでるの?」

「毒入りチョコレート事件って小説」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 14:57:53.45 ID:YwSoJMOz0
横を歩く宮永照の表情は別段変わってないが、aの音を発したところで止まっている口元はその心境を物語っているように見える。

しかし実際にどう思っているかはわからない。たった今失敗したと感じたのは彼女じゃない、私のほうだ。変に羅列したことが誘導になり、それでタブーにかすったのなら不本意ながらこれは私のミスなんだろう。


以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:01:54.50 ID:YwSoJMOz0
3秒くらいだろうか、あるいは10秒くらいか。ふいの失言でから回った体内時計では宮永照の口が固まってからどれくらいの間があったのかわからなかったが、ふたたび正常に動き出す。

「……たしか、マネージャーの須賀くん。これで、四人」


以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:03:34.86 ID:YwSoJMOz0
……よくない!
馬鹿か私は。なんのためにここまで来たんだ。妙な空気に冷静さを失っちゃダメだ。今このまま彼女を行かせては、今までの行動全てが無駄になりかねない。
一言、最後に一言、私には宮永照に言わなければならないことがあるじゃないか。

「待って、宮永さん」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:04:13.24 ID:YwSoJMOz0
undefined


12:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:06:22.12 ID:YwSoJMOz0
がちゃり。
ファイナリストの会見がある部屋、その横にある一回り小さな部屋の戸が音を立て、人影が出てくる。

ああ、そっか。ちょうど前の会見も終わったところなんだ。ホントは荷物置いてから来るつもりだったけど、グッドタイミング。
人影は咲のものだった。
以下略 AAS



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