771:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:37:24.84 ID:Dar58s6AO
澪はすっとのし掛かっていた重圧が取れたのを感じた。
その一瞬の気の緩みの間に、憂は澪の真横に立っていた。
憂「どれだけ強いフリをしようが貴女は世界から見ればどうでもいい人間なんですから」
772:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:37:55.34 ID:Dar58s6AO
憂の足元が煌めき、巨大な氷柱が空を衝くように伸びる。
巻き込まれた憂はそのまま成す術なく空に投げ出された。
澪「私がどうでも良いだと? 私が強いフリをしてるだと?」
773:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:38:25.67 ID:Dar58s6AO
空間が裂け、斬撃が飛び交い、氷柱が飛散する。
だが怒りのままに振るった刃が憂に到達する筈もなく、逆に澪の視界を濁らせるだけだった。
憂「何度でも言いましょう」
774:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:38:56.68 ID:Dar58s6AO
憂「死んじゃえば?」
空いた手で澪の胸を円を描く様になぞった。
澪「んぐっ──!?」
775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:39:25.07 ID:Dar58s6AO
憂「お姉ちゃん……?」
漆黒の瞳で彼女を見つめ、驚きの表情を浮かべる憂。
唯「……おうよ、原初を駆ける黒龍。その姉は世界中の何処探したって私しかいねーだろうが……よっ!」
776:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:40:08.11 ID:Dar58s6AO
肩で息をする彼女は傍から見ていても辛いものがあった。
澪「唯……?」
胸の歪な膨みが消えたのを確認すると澪は彼女の肩に手をかける。
777:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:40:39.33 ID:Dar58s6AO
俯いた状態で彼女は大きく舌打ちをした。
唯「私は会いたくなかったよ……」
憂「お姉ちゃん! 私とっても良い事思い付いたの! きっとお姉ちゃんも喜んでくれるよ!」
778:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:41:20.05 ID:Dar58s6AO
拠り所を求める矮小の現れなのか、澪は彼女の肩を更に強く掴む。
澪「唯? お前は唯じゃないのか!?」
滑稽な事は重々理解していた。
779:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:41:53.61 ID:Dar58s6AO
両手を広げ、憂はつかつかと歩み寄ってゆく。
青褪めた顔を上げると彼女は憂をきつく睨み付けた。
唯「……テメーが出張る理由は何だ」
780:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:42:27.09 ID:Dar58s6AO
人形のような歪で色が無い表情が悲哀の色に変わる。
憂「でももうそれもお終い。この器には私の力を受け入れるだけの容量があるからね」
黒い稲妻が瞬く。
781:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:43:00.09 ID:Dar58s6AO
力を使い果たした彼女には虚勢を張る余裕も無い。
穏やかに聞こえる口調の中には弱々しさが入り交じっていた。
唯「そんな感情に縛られるのはもう止めてくれよ……。お姉ちゃんは復讐なんて望んでないからさ」
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