863:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:48:50.35 ID:CgKSQ36AO
しずか(このままじゃやられる……)
今はできる限り気を鎮めて闘気を抑えているもののそれが零になるわけではない。
文恵がその微量の闘気を気取った瞬間、事はお終いだ。
ならばどうする?
864:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:49:16.25 ID:CgKSQ36AO
絶対安心だと解ってはいても脈打つ心臓の鼓動を気取られそうで不安に駆られる。
そしてその不安は更に鼓動のテンポを早める。最悪の循環だ。
しずか「──っ!」
865:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:49:47.16 ID:CgKSQ36AO
「こんな時間に何してるの?」
凜と鳴る鈴の音のような声の後に冷たい風が吹き抜けた。
その場に居た全員が声の主の正体を察知する前に無数の氷柱が降り注ぐ。
866:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:50:15.15 ID:CgKSQ36AO
澪「んー……」
まじまじと辺りの光景を眺め、澪は状況を整理する。
鎖を伸ばして風子と対峙しているキミ子とよしみ。
手摺にもたれて苦しそうに俯く姫子。
867:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:50:56.75 ID:CgKSQ36AO
澪「じゃあ立花さんをお願い。そうだな……終わるまでグラウンドで待ってて」
しずかは力強く頷き、貯水タンクから飛び降りた。
澪「あ、ちょっと待って。ついでにこれも……」
868:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:51:26.39 ID:CgKSQ36AO
文恵「逃がすと思う?」
澪「逃げてもいいよ。個人的な恨みがあるわけでもないし、むしろそっちの方が助かるな」
安い挑発に文恵が澪をきつく睨むと、死神の鎌が這い寄った。
869:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:52:02.17 ID:CgKSQ36AO
氷が急速に溶けてゆき、文恵の視界を埋め尽くさんばかりに白い靄が広がる。
自分の掌すら視覚出来ないほどに靄が広がるまでにそれほど時間は掛からなかった。
文恵「…………」
870:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:52:33.14 ID:CgKSQ36AO
文恵「進む!」
退くのではなく進む。
たとえ攻撃が当たらずともそれは敵の動きを抑制する枷となる。
だがそれはあくまで視界不安定という条件が平等ならばの話だった。
871:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:53:01.54 ID:CgKSQ36AO
文恵「氷……?」
鏡のように煌めく鋭利なそれは触れずとも分かるほど冷気を放っていた。
氷ならば溶かせる、そう思って炎で溶かそうとしたその時、耳障りな音が靄の奥から響いた。
肉を殴打する音が断続的に鳴り、それと付属で風子の短い悲鳴が聞こえる。
872:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:53:32.47 ID:CgKSQ36AO
血が溜まっていたのだろうか、風子は大きく咳き込むと吐血した。
四つん這いの体勢になり、呼吸を整えている彼女の真横に靄の中から飛んできた鎌が突き刺さる。
澪「大人しく逃げてれば追いかけもしないのにさ」
873:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/03/25(金) 00:54:03.05 ID:CgKSQ36AO
文恵「何で倒れてないの!? トップランカーにも立てない格下なんかに……私達が負ける筈無いじゃない!」
澪「…………」
澪は再び困ったような顔をして頬を掻く。
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