478:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:14:38.28 ID:8hjNMdxho
職員室に繋がっているであろう無線のスイッチを警衛がカチッと押す。
しばらく間を置いて、警衛に返信が入ってきた。
返信内容は「手短に」との事。
479:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:17:06.60 ID:8hjNMdxho
「こんにちわ、あ、もうこんばんわの時間かま、適当に座ってください」
フレンダは「あ、はい」と言い、クリーム色のソファにゆっくりと腰を落ち着ける。
「君の知り合いの…ステファニーだっけ?」と男はウェイファラーのレイバンの眼鏡をくいと少しだけ下にやり、フレンダに頬笑む。
480:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:23:15.46 ID:8hjNMdxho
黒人教師はわらいながら坊主頭をばりばりと掻きむしる。
フレンダは初めて会ったと男に感謝されるいわれはない、と思いつつ、「あれ?初めてお会いしたんじゃ?」と聞く。
「確かにそうなんだけどさ、前に横田基地で主催したお祭りの警護で君たちが活躍したって話を小耳にはさんでさ」
481:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:34:59.96 ID:8hjNMdxho
飽くまでフレンダから情報を話すのではなく、男が口を開くのを待つ。
彼女は男と姉の関係が判然とするまで自分と姉の関係を口外する気になれなかった。
「彼女は…教諭である前に一人の軍人だった」
482:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:47:11.11 ID:8hjNMdxho
(行動を共にしている傭兵…?一体誰?)
フレンダはステファニーとともに行動している傭兵という情報を今まで眉唾だと断じて信じようとはしなかった。
483:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:49:48.59 ID:8hjNMdxho
フレンダはがばっと首をあげて男の方をまっすぐに見据える。つい先程まで落胆していた彼女が一転して瞳をキラキラと輝かせている。
男はその動作を視界に捉えつつ弁を続ける。
「派手な戦い方を好むステファニーと対照的な凄腕の狙撃手…考えられない組み合わせではない」
484:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:56:53.61 ID:8hjNMdxho
「ここらへんでいいわ」
「じゃあ、また何かあったら気軽に学校にでも来てくれ」
485:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:58:39.75 ID:8hjNMdxho
フレンダは滝壺には気を許しているのだろう。
姉の事に関してフレンダは滝壺には腹蔵なく話していた。
それはフレンダが超電磁砲との戦いの後で滝壺に見出した姉の様なぬくもりや優しさによるものなのかもしれない。
486:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 03:02:08.11 ID:8hjNMdxho
自分ではその答えを出したつもりだった。
しかし、いざ口に出そうと思うとはばかられるのは何故だろうか。
アイテムに入ってからは約十数万という安月給で学園都市の治安維持に影ながら貢献してきた。
487:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 03:06:24.27 ID:8hjNMdxho
「…私は…お姉ちゃんが見つかったら…ここを出ようと思う…」
やっと絞り出した言葉のなんと力のない事か。
自分がどんな表情で言ったのだろうか。フレンダは知る由もない。
488:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 03:10:09.52 ID:8hjNMdxho
「滝壺と離れたくないからかもしれないなぁ」
気付けば口に出していた。
実の姉に会いたいと思う反面、自分の要求通りに応えてくれる姉の様な存在、滝壺と離れたくないのだ、とフレンダは思った。
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