過去ログ - 一方通行「俺は悩まねェ。目の前に敵が現れンなら……叩き斬るまでだァ!!」
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402: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 21:56:29.41 ID:Ry400+Mho
   『…………』

 少女は答えない。
 確かにはいそうですとあっさり言われても拍子抜けではある。
 何か答えるまで待とうか、さらにたずねようか、コルボーが迷い始めたとき、おもむろに少女は口を開いた。
以下略



403: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 21:57:20.63 ID:Ry400+Mho
   『……!! ダメ……!!』

 少女が慌てた様子で語気を強めた。
 その視線の先は、彼の手の先、支えにしたせいでその本の部分だけくぼんでしまった場所だ。
 
以下略



404: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 21:58:28.31 ID:Ry400+Mho
 果たして、その先にあったのはがらんとした小部屋であった。
 大きさはちょうど、コルボーがレジスタンスの仲間とともに住む二人部屋と同じくらいだ。
 壁面に苔などは生えていないが、長い時間の間に海水が浸入したのだろう、多少の劣化がみられる。

コルボー「……これ、なんだろう?」
以下略



405: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 21:59:27.33 ID:Ry400+Mho
 何者なんだ、と問おうとして、コルボーははっとした。
 二つの装置の間に人影が現れたのだ。
 
『今君がこれを見ているということは、この世界には再び恐ろしい危機が迫っているのだろうね?
 僕のメッセージをこの学校に遺すことを了承してくれた月詠、黄泉川両先生に感謝するとともに……
以下略



406: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 22:00:15.44 ID:Ry400+Mho
コルボー「『僕の最高傑作』!?
      じゃ、じゃあこの人が一方通行さんを作ったドクター・ヘヴンキャンセラー……!?」

 ドクター・ヘヴンキャンセラー。
 妖精戦争のころ、ダークエルフに対抗しうるレプリロイド『一方通行』を開発し、
以下略



407: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 22:01:02.34 ID:Ry400+Mho
 ドクター・ヘヴンキャンセラーが語ったことは、そう多くはなかった。

 本来は人の命を救う医者で、それも学園都市随一の名医であった彼は、
その研究の結果、負の遺産と呼ばれる行き過ぎた発見をもしてしまった。
 それはわずかな時間で急速に肉体を復活させる治癒薬であったり、
以下略



408: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 22:01:55.93 ID:Ry400+Mho
『サイバーエルフの研究は完全に凍結し、それを知るのは僕ただ一人のはずだった。
 しかし、どこかから嗅ぎつけたあの男が研究データを盗み出し……
 この戦争を引き起こしたのは、君も知っている通りだね?』

コルボー「……『あの男』だって?」
以下略



409: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 22:02:53.33 ID:Ry400+Mho
 これまでコルボーは――というより彼がかつて暮らしていたネオ・アルカディアでは――
ダークエルフはサイバーエルフの中から自然発生的に生まれたと聞いていた。
 しかしドクターヘヴンキャンセラーの口ぶりではまるで、
彼からサイバーエルフの研究データを盗み出した男がダークエルフをも作り出し、戦争を引き起こしたかのようである。
 
以下略



410: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 22:03:57.06 ID:Ry400+Mho
 映像はそこで終わっていた。
 コルボーが後ろを振り向くと、少女は先ほどまでと変わらずすぐそこに立ち尽くしていた。
 沈み込むような表情もそのままである。 

コルボー「そうか、君がこの学校に潜伏していたのは、この映像を一方通行さんに見せるためだったのか。
以下略



411: ◆x8SZsmvOx6bP[saga]
2012/02/04(土) 22:04:43.45 ID:Ry400+Mho
 その彼が、少なくとも見た目はであるが、年ごろの少女の心を開こうというのだ。
 やはり無理難題と言わざるを得なかった。

コルボー(……どうすれば、心を開いてくれるんだろうか)

以下略



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