78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2011/06/13(月) 00:39:45.42 ID:A4OzF5fSo
時は夕暮れ。
所在は巴家。
三人がかりで、魔女と魔獣についての説明を二人に済ませる。
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:40:35.95 ID:A4OzF5fSo
ひとまず事実を伝えることは終わった。
これから先は、交渉。
どうなるかは分からないけれど、ただ私に出来る事は誠心誠意頼み込むことだけ。
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:41:11.53 ID:A4OzF5fSo
二人はとても辛そうな顔をしている。
一人は己の無力さに、
一人は己の強大さに、
それぞれが対照的な悩みを抱え、心を惑わせている。
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:42:42.84 ID:A4OzF5fSo
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今日聞かされたことは、どれもこれも訳が分からないほど非現実的だった。
この世には魔女とか魔獣とか魔物だとかっていう人を食う化け物が居て、それと戦うのが魔法少女?
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:43:40.34 ID:A4OzF5fSo
「入ってもいいかい、美樹さやか」
「キュゥべえ……だっけ?」
窓を開けた瞬間、夜風が身体を打つ。
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:44:33.20 ID:A4OzF5fSo
その言葉はひどく甘い。
何をどうしても治らないと通告された恭介の腕を、治せる。
他でもない、このあたしが。
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:46:12.43 ID:A4OzF5fSo
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そんなあたしの方針は、思いもがけない形で叶えられる。
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:47:00.86 ID:A4OzF5fSo
そこで一度、会話は途切れる。
この会話が本題でないことくらいは、あたしにも分かる。
言葉を選び終わったであろう彼女が、口を開いて。
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:47:52.47 ID:A4OzF5fSo
向けられた言葉は、ただただ残酷なもの。
その意味を文字通りに理解することすら、今のあたしには難しい。
「世界ってのは残酷なもんでな。
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:48:32.86 ID:A4OzF5fSo
「……何を願ったっていうのさ、あんたが」
「佐倉杏子」
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga sage]
2011/06/13(月) 00:49:18.98 ID:A4OzF5fSo
零された言葉には、到底受けきれない重み。
言葉を返せない。
何も言うことができない。
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