過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
1- 20
886: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:14:08.61 ID:fiKeJx/Ho

 『油性兵装』の周囲の床や壁がグズグズに溶け出していく。
それに連動して、空気中に黒い靄がかかり始める。
気化した可燃性オイルの充満。着火すれば容赦なく周囲の空間を焼き払うナパーム攻撃。

以下略



887: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:14:50.60 ID:fiKeJx/Ho

 強さを求めて戦って、後に残るのは自分か相手の骸だけ。他には何も残らない。
最終的には自分以外のすべての存在を叩き潰すか、あるいは夢半ばにして自分も死体の山の一部となるのか。末路はそのどちらかしかない。

特大の悲劇を引き起こした大馬鹿が、悲劇を引き起こしかねない馬鹿へと諭すように言う。
以下略



888: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:16:17.21 ID:fiKeJx/Ho

「……ぷっ、あはは。何それおっかしー」

 少女は笑う。哂う。

以下略



889: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:16:45.02 ID:fiKeJx/Ho

 『油性兵装』が指を鳴らし、澱んだ大気が爆炎へと姿を変える。
それすらも意に介さず黒煙の尾を引きながら飛び出した一方通行を待ち受けていたのは、宙に浮かぶ大量のオイルの滴。

(また酸素の消耗策か)
以下略



890: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:17:41.07 ID:fiKeJx/Ho

「……は?」

 至近距離で大口径榴弾が爆発したかのような、鼓膜が破れそうなほどの大轟音が巻き起こった。
間違いなく直撃はした。
以下略



891: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:19:11.05 ID:fiKeJx/Ho

 運動エネルギーを失った『破城槌』が重力に引かれ、床へと落下し重厚な音を響かせた。

「ベクトルの操作と合成が出来りゃァ充分なもンで、分解はあンまり使わないンだがな。
 やろォと思えばこンくらいは朝飯前だっつの」
以下略



892: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:20:04.94 ID:fiKeJx/Ho

「ぐっ、がァああああああああッ!!??」

 喉が裂けるのではないのかと思うほどの、つんざくような悲鳴が『油性兵装』の喉から漏れる。
彼女が纏う絶大な防御力を誇る液体と固体の区別すら曖昧な特殊複合装甲は、今や奇妙にボコボコと歪んでみえた。
以下略



893: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:21:19.22 ID:fiKeJx/Ho

 鼻と鼻がくっつくほどの距離まで接近して、一方通行は脳裏にちりとした妙な違和感を覚えた。

 それは直感や第六感、あるいは虫の知らせと言われるようなものだったのかもしれない。

以下略



894: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:21:54.51 ID:fiKeJx/Ho





以下略



895: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:22:29.79 ID:fiKeJx/Ho

 一瞬、一方通行の思考が空白になった。
心臓も肺腑も脳髄も全ての臓腑が機能を停止したかのごとく、彼は止まる。

その様子を見て、苦しそうに咳き込みながらも『ミサカ』はにぃと笑う。
以下略



1002Res/744.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice