過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:36:00.55 ID:TBBAKQJ7o



 悪路から解放され広く整った道路を十数分走り、
巨大な骨組みで構成された塔の足下に車を停めると、私は全身を目一杯伸ばした。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:37:07.67 ID:TBBAKQJ7o

「柊ちゃん」

 振り返えれば差し出されるペットボトル2本。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:38:39.30 ID:TBBAKQJ7o

「峰岸、悪いんだけどそっちの水ちょっともらえない?」
「あれ、柊ちゃん100パージュースだめだったっけ?」

 彼女は心底意外そうな顔を見せながら、ミネラルウォーターのボトルキャップを閉めて差し出してくれる。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:40:24.38 ID:TBBAKQJ7o

「……そんじゃ日下部もいないところで真面目な相談なんだけど、峰岸はこれどう思う?」

 と、つとめて明るい調子で呼びかける。
そう、私達はなかなかの難問を目の前にしていた。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:41:50.89 ID:TBBAKQJ7o

「山奥だとこんなこともあるのかなあ……」

 峰岸はおっかなびっくり手を霧に差し出す。
私もそれに倣って右手を伸ばすが、腕が丸ごと呑み込まれていくような感覚に慌てて手を引っ込めた。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:43:18.52 ID:TBBAKQJ7o

 私は水を一口含んで一息に飲み込んだ。
口ぶりからすると峰岸はこの霧に少なからず不安を持っているようだし、それは私も同じだった。
正直に言えば、このまま旅行を止めてすぐに帰りたいとさえ心のどこかで考えている。
なぜかはわからないけど、あの霧に触れた瞬間にそう思った。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:44:25.47 ID:TBBAKQJ7o

 その風は冬より冷たく、私の体温を奪い去る。
肩を抱いて、目を閉じて歯を食いしばって寒気を堪える。
風は周囲の音や色を吹き飛ばし、世界を真っ白く染め上げた。
そして霧の中からは再びあの視線が矢のように飛んでくる。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:46:08.83 ID:TBBAKQJ7o

「―――っ!」

 目を開くと世界は以前の姿に戻っていた。
じっとりとした空気が肌にまとわりつき、遠くで鳴く蝉の声が耳に障る。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[age saga]
2011/07/18(月) 05:52:26.63 ID:TBBAKQJ7o
 今日は、以上です

 投下間隔は一週間目安で予定しとります
が、次回は21日深夜にやる予定であります

以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/18(月) 07:50:49.97 ID:GkrweyXSO
また変わった組み合わせだな


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