過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:02:52.48 ID:ooW4dNWwo
            ・ ・ ・
 とにかく、多少の不死身を見せたところでどうやら僕は信頼されていないようだ(むし
ろ嫌われているような気がする)忍野は、こういうのは信頼関係が大事だと言っていたか
ら、その点から鑑みるに、この状況はあまりいいとはいえないみたいだ。
 まあ、仕方がない。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:03:40.28 ID:ooW4dNWwo
 しかし、嫌いでも気まずいのは嫌なのか、沈黙を破ったのはひたぎちゃんだった。
「それにしても、よく、こんな、今にも壊れそうなビルに住んでいるわね――その、忍野
って人」
「ああ……ずいぶんな変わり者でね」
「私よりも?」
以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:04:41.85 ID:ooW4dNWwo
「あら。阿良々木くん、右腕に時計をしているのね」
「ん?ああ。うん」
「ひねくれものなの?」
「先に左利きかどうかを聞いてくれよ」
「そう。で、どうなのかしら」
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:05:55.54 ID:ooW4dNWwo
「なんだい。阿良々木くん、今日はまた違う女の子を連れているなあ――全く、ご同慶の
至りだよ」
「僕をそんな安いキャラ設定にしないでくださいよ……」
「ふうん――うん?」
 忍野は?
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:07:27.66 ID:ooW4dNWwo
「いやいや、阿良々木くん」
 そこで忍野が割り込むように言った。
「影と形、それに存在がないのはその通りだけれど、名前は今日、つけてやったんだ。ゴ
ールデンウィークには良く働いてくれたし、それにやっぱり呼び名がないと、不便極まり
ないからね。それに、名前がないままじゃ、いつまでたっても彼女は凶悪なままだ」
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/07/30(土) 10:09:00.30 ID:ooW4dNWwo
「そんなことより」
 またしても、ひたぎちゃんが沈黙を破った。
 実はなかなかにいい子かもしれない。
「私を助けてくださるって、聞いたのですけれど」
「助ける?そりゃ無理だ」
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:11:38.14 ID:ooW4dNWwo
 とにかく、状況説明。ひたぎちゃんが、どうしてこのような憂き目に遭ったのか、僕は
翼ちゃんと一緒に聞いている。
 小学五年生のとき、ひたぎちゃんは――本当に病弱な女の子だったらしい。
 あるとき、名前を言えば誰でも知っているような、ひどい大病を患った。九割方助から
ないというような、それこそ医者がさじを投げるような、病状だったそうだ。
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:14:15.85 ID:ooW4dNWwo
 本当に――まるで釈明だ。
 超人。
 まるで超人だった、中学時代のひたぎちゃん。
 それは――ひょっとしたら、母親に、その姿を見せるためだったのかもしれない。そん
な宗教なんかに頼らなくても、自分はちゃんとできるんだから――と。
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:16:15.70 ID:ooW4dNWwo
005
 二時間後。
 僕は忍野と忍ちゃんの居ついている学習塾跡を離れ、ひたぎちゃんの家に居た。
 ひたぎちゃんの家。
 民倉荘。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:16:52.32 ID:ooW4dNWwo
 しかしまあ、なんというか、信頼されてんだか、されてないんだか……
 ひたぎちゃんは今、シャワーを浴びている。
 体を清めるための、禊だとか。
 忍野いわく、冷たい水で体を洗い流し、新品でなくとも良いから清潔な服に着替えてく
るように――との、ことだった。
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:18:30.67 ID:ooW4dNWwo
「おもし蟹」
 ひたぎちゃんの事情を、順序だてて説明したところで、忍野は「成程ねえ」と頷いた後、
しばらく天井を見上げてから、ふと思いついたような響きで、そう言った。
「おもしかに?」
 ひたぎちゃんが訊き返した。
以下略



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