過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:26:35.74 ID:ooW4dNWwo
「阿良々木くん。まさかあなた、私のヌードを見て欲情したのではないでしょうね。」
「……仮にそうだったとしても僕の責任じゃないと誰もが証言してくれるだろうよ……」
「私に指一本でも触れて御覧なさい。舌を噛み切ってやるんだから」
「どれどれ」
太ももの辺りを揉んでみた。
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:27:41.46 ID:ooW4dNWwo
「もういいわよ。こっちを向いても」
僕は本棚から、ひたぎちゃんを振り向いた。
まだ下着姿だった。
やたら扇情的なポーズを取っていた。
「これ以上、ぼくを混乱させて、どうするんだ!何をたくらんでいるんだ!」
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:28:48.47 ID:ooW4dNWwo
「羽川さんも――忍野さんの、お世話になったのよね?」
「うん。まあね」
ひたぎちゃんは、箪笥から白いシャツを取り出し、シャツのボタンを最後まで留めると、
その上から、白いカーディガンを着るようだった。どうやら、下半身より先に上半身のコ
ーディネートを済ませてしまうつもりらしい。なるほど、服には一人一人、別々な着衣順
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:29:42.57 ID:ooW4dNWwo
「この奇妙な世界には、決して、夢幻魔実也も九段九鬼子も、いてはくれない。峠弥勒くら
いなら、ひょっとしたらいてくれるのかもしれないけれどね」
ありったけの嫌味を込めて、ひたぎちゃんは言う。
「だから阿良々木くん。私は――だからね、たまたま階段で足を滑らせて、たまたまそれを
救ってくれたクラスメイトが、たまたま吸血鬼に襲われていて、たまたまそれを救ってくれ
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:30:27.20 ID:ooW4dNWwo
「楽天的――ねえ」
「そうじゃなくて?」
「そうかもしれないけどね。別に、いいんじゃないの?楽天的でも」
僕は言った。
「世の中何にも考えないで生きていたほうがよっぽど幸せになれる。僕がいい例だろう?悪
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/07/30(土) 10:31:39.03 ID:ooW4dNWwo
「今度生まれ変わるなら」
ひたぎちゃんは言う。
「私は、クルル曹長になりたいわ」
「…………」
脈絡が無い上に、もう半分くらいなっているような気もするが……。
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:33:29.51 ID:ooW4dNWwo
そんな戯言を考えている内に、ひたぎちゃんは話題を変えた。
「ねえ、阿良々木くん。ひとつ訊いていい?どうでもいいことなのだけれど」
「何?」
「月の模様みたいって、どういうこと?」
「え?何の話?」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:34:59.82 ID:ooW4dNWwo
反省。
気遣いの足りない――不用意な発言だった。
「こればっかりは、飽きることはあっても慣れることはないわ――けれど、本当に記憶力が
無いのね。びっくりしたわ。やはり、頭の中に脳みそが入ってないのね」
「やはりとはなんだ。やはりとは」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:37:07.62 ID:ooW4dNWwo
006
トラウマとは一体なんだろうか?
精神的外傷。
後遺症を残すような、激しい精神的ショック。
しかし、多くの場合は後遺症を残すようなことは無い。
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:39:10.94 ID:ooW4dNWwo
なんだか前置きじみた戯言を考えながら、夜中の零時を、少し過ぎたところで。
僕とひたぎちゃんは、例の学習塾あとに、自転車で、戻ってきた。
何も食べていないので若干空腹である。
ここは地方の、さらに外れの町である。
夜になれば、周囲はとても暗くなる。真っ暗な、暗闇。それこそ、廃ビルの中も外も、ほ
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:40:28.21 ID:ooW4dNWwo
・ ・ ・ ・
それなりに見えてしまうのが、少々不快だ。
「忍野さんって――神職の方だったんですか?」
と、ひたぎちゃんが訊いたが、「いや?違うよ?」と、忍野は、あっさり否定した。
「宮司でもなければ禰宜でもないさ。大学の学科はそうなんだけれど、神社に就職はしてい
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