108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:01:36.83 ID:wbDVTs5Go
嫉妬、羨望、敵愾心。
あんな奴がいなければ、という気持ち。
彼はようやく気付く。日陰者がおこがましいと自分で思うが、彼はヤマトをライバル視していたのだ。
109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:02:02.89 ID:wbDVTs5Go
◆
――×××が好き?
110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:02:29.65 ID:wbDVTs5Go
――告白、しないのか?
「……」
111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:02:59.02 ID:wbDVTs5Go
◆
◆
112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:03:30.88 ID:wbDVTs5Go
待合室には××××と×××が並んで座っている。夜の街には誰もいない。
待合室では××××と×××が楽しそうに話をしている。夜の街には誰もいない。
暗い部屋では女が二人すすり泣いている。なぜ泣いているのだろう? 思考はまったくもって正常だと彼は思った。
夜の街には誰もいない。待合室では××××と×××が性交を続けていた。
113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:04:18.58 ID:wbDVTs5Go
誰かが耳元でささやき続けている。いつまでこんなことを続けるのだろう。いつからこんなことを続けているのだろう。
どうでもいい、と彼は思った。
重要なのはそんなことではなく、むしろ が であるということ。
114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:04:48.15 ID:wbDVTs5Go
◆
待合室に戻る。風邪が治ってからは、思考が妙な方向に流れ出すことはなくなった。
彼はそのことを不思議に思わなかった。たぶん、それは当然のことなのだ。
115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:05:10.86 ID:wbDVTs5Go
それでも、彼女は沈黙を繰り返すことだけはしなかった。
「学校」
116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:05:37.03 ID:wbDVTs5Go
◆
彼は公園のベンチに座っていた。寒空の下で何もせずぼーっとしていると、自分がなぜこんなことをしているのかが不意に分からなくなるときがある。
117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:06:04.05 ID:wbDVTs5Go
「俺はおまえが大嫌いだ」
吐き捨てるように彼が言うと、隣に座る男が驚いたように顔を上げた。
118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:06:30.40 ID:wbDVTs5Go
×××は何を言い返せばいいのか分からないような表情でぼんやりと彼を見ていた。
彼にとってはその変化ももうどうでもいいことだ。どうでもいいことだ、と彼は頭の中で繰り返した。
その場を立ち去ってから、しばらくあてどもなく歩く。
132Res/141.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。