1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:33:18.26 ID:dLTSi8430
「やぁやぁ。これは阿良々木先輩、奇遇だな」
「奇遇じゃねえよ」
やはり見破ったか。
「さすがは阿良々木先輩。将来は名探偵と称するだけのことはある」
「そんなこと称したことねえよ!」
そんな感じで。
私はいつ戦場ヶ原先輩のことを聞き出すのか頭の中で練っていた。
「そういえば、」
何気なく切り出す。
「阿良々木先輩は友達がいないのか?」
「い、いるよ!」
「何人?」
「え? それは聞いてはいけない質問だろ神原。特に、僕みたいな人間には」
「ああ、多すぎて数えきれないのだな。失敬した」
「しなくていい! 友達は……ええと、……さ、三人くらいかな!」
「誰と誰と誰なのだ?」
「せ、戦場ヶ原と……ああいや、か、彼女だったか……」
「阿良々木先輩は戦場ヶ原先輩が彼女なのか?」
「ええ!? あと、羽川と八九寺と……って、ああ、そっち?」
「挙動不審すぎだろ阿良々木先輩……」
「そうかな。自分じゃわからないもんだな」
「…………」
今、明らかに戦場ヶ原先輩の名前を挙げた途端だったな。
しかも微妙にごまかしている感が……そんなことはないのか。
「そうだな。僕は戦場ヶ原が彼女だ」
「へーじゃあ友達は二名なのだな!」
「そういうことになるな!」
快活な笑顔の阿良々木先輩であった。
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:35:06.61 ID:dLTSi8430
「って、そんなのどうでもいいだろ。改めて言わなくても」
「阿良々木先輩と私は友達なのだから、だから友達は他に一人ということになる」
「ならない」
「いや、阿良々木先輩には確か妹がいたのだから、マイナス一人ということになるな」
「マイナス!? 友達という勘定に対してマイナスの符号が使われるのか?」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:36:34.62 ID:dLTSi8430
「何色なんだ?」
「赤だな」
「分かった」
「何が分かったんだ?」
「今度赤いマウンテンバイクを見つけたら、問答無用で阿良々木先輩のと決めてかかることにする。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:37:55.41 ID:dLTSi8430
「阿良々木先輩はこれからどこへ向かうのだ?」
「え? 家だけど」
「阿良々木先輩にしては随分と早い気がするが」
「何だか知らないが侮辱を受けた気がするぞ」
「いつも寄り道してゲーセンへ寄ったりしているのだろう? 一人で」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:39:55.80 ID:dLTSi8430
私がすべきことは何もないのだ。
「ふう」
何となく。
こう考えてみて、自分に嫌気がさした。
なんなのだろう。まるで、自分がこれから付け入る隙があったみたいな……まるで狙っていたみたいな、
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:41:22.09 ID:dLTSi8430
それでも。
やはり。
私は今でも戦場ヶ原先輩が好きだ。
好きで好きで仕方ないのだ。
好きじゃなかった時は一度もないと言えるほど。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:42:04.03 ID:dLTSi8430
まあ阿良々木先輩より賢い自信はあるし大丈夫だろう。
あの人、高校一二年の時よくサボっていたと言っているし。
本人の言なのでどこまで信用していいかはわからないが、まあ本人が言うのならそうなのだろう。
サボりはだめだぞと言ったら、すいませんと阿良々木先輩は言った。
実に阿良々木先輩らしかった。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/15(木) 21:44:29.00 ID:dLTSi8430
短いので章分けはありません。
楽しんでいただけたら嬉しいです。では。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/15(木) 22:08:10.49 ID:7uqAYSU2P
化ssやたー
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/15(木) 22:28:14.99 ID:yvCRkdVIO
期待
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/15(木) 23:18:12.63 ID:iSDLBhIgo
これは期待
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage]
2011/09/15(木) 23:57:28.65 ID:bfDRSoTRo
神原が一番可愛い
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 18:48:21.16 ID:vC4YIqg+0
ちなみに終了です。
申し訳ありません。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:41:17.99 ID:vC4YIqg+0
と思いきや続編はあります。
公開する予定はなかったのですが。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:42:13.67 ID:vC4YIqg+0
「おう神原。朝から精が出るな」
「これは阿良々木先輩、奇遇だな」
「……あの時と似たような感じで言うな。まったく。頑張れよ」
「ああ。死なない程度にな」
「そんなことを言うと、僕みたいな心配性な奴は不安になるんだよ。頼むからそんなこと言わないでくれ」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:43:16.85 ID:vC4YIqg+0
「離せ……離すんだ……」
「離せば分かると言うのか!?」
「いや、ただの風邪だって」
「見てみなければ分からない!」
「いや分かるよ。見たもん、僕」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:44:04.07 ID:vC4YIqg+0
「まあ大丈夫だよ。心配すんなって」
そう言って阿良々木先輩は笑った。
そう言うのなら、そうなのだろう。信じようと思う。
しかし。
「戦場ヶ原先輩は、昔、病弱だったんだ……その頃の戦場ヶ原先輩を、阿良々木先輩は知らない」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:45:26.59 ID:vC4YIqg+0
「運が良かったなんて言わないさ。もう言わない。
あの時に助けられたのは僕だけだったんだ。僕だったから戦場ヶ原の彼氏になれたんだ。
お前だったらとは言わない。でも、そんなの、誰だって一緒だ。
誰だって神原みたいにはなれない。なろうと思ってもな。
僕にはそこまで一途に戦場ヶ原のことを思い続けたことはない。でもお前はずっと想い続けていたんだ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:48:26.47 ID:vC4YIqg+0
そして戦場ヶ原先輩の家に到着。
「いらっしゃい」
出迎えてくれたのは戦場ヶ原父。
「お、お邪魔します……」
何気に初対面だった自分は彼に会うのに恐縮しながら奥に進んだ。阿良々木先輩も私とは違う意味でかなり恐縮していたようだ。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:49:21.58 ID:vC4YIqg+0
阿良々木先輩は二回繰り返した。
「僕自体それまで誰とも付き合ったことがなかったし、素直に嬉しいと思った。でもそれ以上に戦場ヶ原のことが好きだった」
「そうか」
二人っきりの時に面と向かって言ってるんだろうな。
そんな事を思った。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:50:15.51 ID:vC4YIqg+0
異世界とか何とか。
いや、知らないし。
トランクスとか。
なんか阿良々木先輩に未来トランクスの格好よさについて熱弁された。
よく覚えていないが人造人間編だけでの登場だった彼はあまり私の記憶に薄い。
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