過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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2:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:45:02.86 ID:aYv84ioOo
1.

私がその声を聞かなければ、違う未来が待っていたのかもしれない。

しかし、結局のところ、“一旦起ってしまったことは永久に起こり続けるより他ない”。
以下略



3:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:46:12.97 ID:aYv84ioOo
「……」

「姫様……」

事態の飲みこめない私と、絶句する姫。しかし、すぐに姫の口から金切り声が上がると、
以下略



4:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:49:06.54 ID:aYv84ioOo
部屋に再び足を踏み入れると、姫はベッドの中で毛布にくるまっていた。

「姫様」

跪き、呼びかけても返事はなかった。
以下略



5:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:52:43.53 ID:aYv84ioOo
2.

私は物心ついてから殆どの時間を、姫のために捧げてきた。

姫の従僕であるという文脈に沿えば、私の命など使い棄ての駒である以外に塵芥ほどの意味も持たない。
以下略



6:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:55:51.42 ID:aYv84ioOo
今から一年二ヶ月前の独立記念日、姫は旧王立広場に集まった大勢の民衆に向かって、
壇上で華々しい祝辞を披露していた。国にとって最も重要な意味を持つ祭日ということもあり、
慣例として、その場には、他に貴族院や王室の要人が多く列席していた。

もうひとつ慣習化していたのは、この祭日が人々の熱情を煽り狂乱に駆り立てることだった。
以下略



7:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 19:58:28.66 ID:aYv84ioOo
男が現れた瞬間、壇上の人間は戦慄し、壇下の観衆は騒然となった。

男の眼は血走り、興奮のあまり短剣を持つ手は震えていて、口から意味不明な言葉を撒き散らしていた。
姫の傍らで護衛の任に就いていた私は、直ちにこれを制圧、男を地面に叩き伏せると、
周囲を見渡して追撃の手がないかどうかを確認した。
以下略



8:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:00:45.19 ID:aYv84ioOo
件の従者が剣を握る手に力を込め、まさに振り下ろそうとする瞬間、その剣はぴたりと止まった。
姫が素手で、抜き身の刃を掴んだからだった。
勢いがついていなかったので傷は浅いようだったが、すぐに姫の手から紅い血が流れ、刃をつたった。

常軌を逸した姫の行動は、旧王立広場にいた人間をひとり残らず驚愕させ、あらゆる言葉を奪った。
以下略



9:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:08:53.86 ID:aYv84ioOo
姫、ご乱心なさいましたか、何をしている、誰でも良い、早く殺せ、この薄汚い男を。

私は男のこめかみに短剣の柄を叩きつけて気絶させると、
すぐさま自分の服を破り取って姫の手の止血にかかった。

以下略



10:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:10:51.23 ID:aYv84ioOo
一連の出来事はすぐさま民衆に広まり、どこへ行っても姫の話で持ち切りになった。
あれは単なる政治的なパフォーマンスにすぎないとか、血を流す以外に方法はあったろうとか、
姫の行動を疑問視する人間もいたが、大部分は姫の行いを好意的に受け止めていた。

何故なら、紛れもなく姫は自ら身体を張ったのであり、
以下略



11:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:12:24.89 ID:aYv84ioOo
だからこそ、あの夜、姫が自室で自慰に耽っていたという事実は、
主観時間を完全に凍結させるほどの衝撃を私に与えた。

そこに、姫に恥辱を与えたという激痛を伴う自責の念も加わったことで、翌朝になって、
ようやく再び心が時を刻み始めても、動揺した心は収まる気配さえ見せることはなかった。
以下略



12:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 20:14:21.09 ID:aYv84ioOo
私が混乱していた真の理由は、私が心に抱いていた姫の幻影と、
あの晩に目撃した姫の有様(ありよう)が、あまりにもかけ離れていたことにあった。
仮に、姫の本質が淫乱だと私が考えていたのであれば、私の気は、ああまで動転しなかっただろう。
黙って姫を辱めた処罰を受けるのを待っていた筈だ。

以下略



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