過去ログ - マインドスイーパー
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42:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:53:52.97 ID:CGXDMCHp0
2.血の雨が降る景色

「今日はこれ以上は無理だ。汀ちゃんを家に帰してやれ」

そう言われ、圭介はしばらく考え込んだ後、苛立ったように部屋の中を歩き回り、ぴたりと足を止めた。
以下略



43:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:55:19.03 ID:CGXDMCHp0
「これで六回目のダイブ失敗か」

「元々無茶なダイブなんだ。特A級スイーパーでも難しいことは分かっていた」

大河内がフォローするように言う。
以下略



44:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:56:12.73 ID:CGXDMCHp0
「限界か?」

問いかけられ、汀は落ち窪んだ目で言った。

「もう一回行けるよ。もう少しで見つかりそう」
以下略



45:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:57:04.43 ID:CGXDMCHp0
「今日は、私も君達の病院に遊びに行こうかな」

「本当?」

汀が目を輝かせて、両手を膝の前で組んだ。
以下略



46:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:58:05.21 ID:CGXDMCHp0
「私が下まで送っていこう。高畑は看護士を呼んで、患者の移動をさせてくれ」

圭介は一つため息をついて、ベッドに横になっている白髪の壮年男性を、横目で見た。

「分かった。汀、大河内先生に失礼のないようにな」
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47:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:05:20.43 ID:CGXDMCHp0
 *
 
大河内が頼んだ寿司の出前を前に、汀は、自分の部屋で、彼とゲームに熱中していた。
それを興味がなさそうに見ながら、圭介が寿司を一つつまんで口に入れる。

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48:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:08:17.82 ID:CGXDMCHp0
「汀ちゃんも食べるかい?」

「せんせが食べさせてくれるなら食べる」

「どれがいい?」
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49:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:08:55.93 ID:CGXDMCHp0
その背中をさすって、大河内がおろおろと圭介を見る。

「す……すまない。少しくらいならいいかと思ったんだが……」

「全く……人の話を聞かないから」
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50:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:12:47.12 ID:CGXDMCHp0
血の雨。
立ち尽くす男。
泣き声。
血だまり。
コンクリートの地面。
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51:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:16:24.09 ID:CGXDMCHp0
「…………っ」

頭を振り、汀が声にならない叫び声を上げる。
頭の奥の方に、抉りこむような頭痛が走ったのだ。

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52:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 01:17:30.86 ID:CGXDMCHp0
 *
 
「……悪かった。汀ちゃんの病状を、軽く考えていたよ」

診察室の椅子に座り、大河内がため息をつく。
以下略



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