812:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/01/18(水) 00:05:16.64 ID:+wc+APWq0
乙です
813:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/01/18(水) 00:05:54.15 ID:+wc+APWq0
乙です
814:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:00:36.79 ID:/yleCiHto
前兆みたいなことはあった。相変わらず両親不在の夜、あたしは先輩に呼び出され遊びに行く支度をしていた。
先輩と付き合い出してから、あたしはよく夜に外出するようになっていた。両親は不在でそれを咎めることはなかったし、お兄ちゃんはあたしが外出しようがリビングで黙ってテレビを見ていようがどちらでもいいようだった。
今までずっと一人で夜を過ごしてきたしそれに慣れてもいたけど、一度夜先輩や友だちと一緒に騒ぐ楽しさを覚えるとやはりそれは一人でテレビを見ているよりは気が晴れた。
815:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:03:13.88 ID:/yleCiHto
ところがその日は違った。
先日どういうわけか早めに帰宅したお母さんより遅く家に帰ったことを、お母さんに見咎められて注意されたばかりのあたしはお兄ちゃんに口止めをしておこうと思った。
あたしは最近覚えた薄い化粧を手早くして服を着替え、キッチンでカップ麺でも作っていたお兄ちゃん話しかけた。
816:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:05:50.44 ID:/yleCiHto
「お兄ちゃん?」
少し不安になったあたしは反射的にVネックのセーターの胸元を手で押さえた。あたしの顔は赤くなっていたかもしれない。とりあえず動悸は経験したことがないほど早くなっていた。
あたしはそれでも気を取り直した。そろそろ行かないと遅くなってしまう。
817:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:07:43.11 ID:/yleCiHto
次にあたしがお兄ちゃんの気まぐれな好意に悩まされたのは、その翌日だった。
その日は突然に雨が振り出して、傘を持っていなかったあたしは妹友ちゃんの傘に入れてもらいながら校舎を出て街中に向かっていた。
818:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:09:15.85 ID:/yleCiHto
「じゃあ、あたしもう行くから」
あたしは外見は平静に、でも心中は声をあげて泣きたくなるような気持ちで言った。
「おい」
あたしの気のせいかお兄ちゃんは少し慌てたように声を出した。
819:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:18:15.73 ID:/yleCiHto
その夜のカラオケの様子なんて全く覚えていない。ひたすら考えていたのはお兄ちゃんが始めて示してくれたあたしへの関心や優しさ、そしてそれに対して考えうる限り最悪の態度を取ってしまった自分についてだった。
あたしはお兄ちゃんのことを諦めようとしていたけど、お兄ちゃんにこんな些細な好意を示されただけで動揺するほどお兄ちゃんのことをまだ想い続けていたんだ。
冷静に考えればただお母さんに言い使ったお兄ちゃんがいやいやあたしを迎えに来ただけかもしれないけど、それでもこんなことは初めてだった。
あたしはこれ以上この騒がしい場所にいることが耐えられなくなった。早く帰ってお兄ちゃんに今日の態度を謝ろう。たとえお兄ちゃんが許してくれなくても再び無関心な関係に戻ってしまうにしても。
820:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/01/18(水) 22:20:04.61 ID:/yleCiHto
短いけど今日は投下終了
今週中には終わると言いましたけど、一日の投下量がこの程度だと難しいかもしれません
それでは駄文にお付き合い感謝です
821:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国)[sage saga]
2012/01/18(水) 22:24:23.01 ID:jimEM5OAO
おつつん!
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