22:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:34:59.05 ID:c4Axoe8J0
(それにしても……今日も「はずれ」だったわね)
マミにはむしろそのことが気がかりだった。
確証はなかったものの、先日路地裏で相対した使い魔を送り込んで来た相手こそ、目下その行方を追っている、二人の中学生を自殺に追い込んだであろう魔女だと睨んでいた。
23:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:35:51.46 ID:c4Axoe8J0
「あ、巴さん」
期末試験最終日。エントランスに向かうために保健室の前を通り過ぎようとしていたマミは、中から出てきた誰かにそう呼び止められた。
「今、帰り?」
24:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:36:34.47 ID:c4Axoe8J0
女生徒がマミに話してくれたところによると、保健室で寝ていたMという少女は、このところずっと様子がおかしかったのだという。
「で、今日は試験中に気分が悪いからって抜け出して保健室。さっき話した感じじゃ、大したことはなさそうだったけど」
「もともと身体が弱いの?あの子」
25:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:37:25.65 ID:c4Axoe8J0
その日の午後。マミは一人で(正確にはキュゥベえを引き連れて)繁華街をぶらついていた。
「学校の試験とやらも終わったんなら、少しは息抜きをしたらどうだい」
と言うキュゥベえの言葉に従ったのだった。
26:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:38:34.01 ID:c4Axoe8J0
試着室の中では、ライトブルーのキャミソールを試着したマミが、鏡を前に考え込んでいた。
(ううん……デザインは、とても素敵だと思ったのだけれど)
(私には似合わないのかしら……。人が着ているのを見たらきっと綺麗だと思うのに、自分だと何だか気後れしてちゃってダメだ)
27:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:39:29.44 ID:c4Axoe8J0
結局キャミソールをあきらめたマミは、書店に立ち寄った後、駅の近くの小さなカフェに入った。
「ここの紅茶はとても美味しいのよ。それにマドレーヌも」
「へえ、マミがそう言うということはよほどなんだろうね」
28:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:40:51.44 ID:c4Axoe8J0
あの日の屋上。
マミは、別れ際にあきから一冊のノートを受け取った。
「イタリア語の初歩的な文法について、自分なりにまとめてみたの。その辺で売ってる参考書より、きっと分かりやすいと思うんだ。だからこれでマミも勉強してみて」
29:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:41:44.24 ID:c4Axoe8J0
「マミには今度話すよ……。また時間がある時にでも」
そのとき、昼休みの終了5分前を告げる予鈴が鳴った。
「あ、昼休み終わっちゃう」
30:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:42:41.43 ID:c4Axoe8J0
「どうしたんだい、マミ」
キュゥベえの声でマミは我に返った。
「冷めてしまった紅茶は嫌いじゃなかったのかい」
31:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:44:11.83 ID:c4Axoe8J0
「よっと」
佐倉杏子が当て身を食らわせると、そのOL風の女性は小さな呻き声を上げてからその場に崩れ落ちた。
「しばらく眠ってな。あんたにゃ、ちょっとばかし刺激が強すぎるだろうからね」
32:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:45:24.12 ID:c4Axoe8J0
杏子にとって今夜の「狩り」は、ちょっとしたハプニングだった。
いつものようにふらふらと買い食いをしていると、目の前を魔女に魅入られたとおぼしき人間が通りがかった。
「狩り」をするつもりはなかったものの、獲物をみすみす逃すのももったいない、そう考えた杏子がこっそりその後をつけてみると、この駐車場まで来たところで案の定魔女の気配と遭遇した、というわけだった。
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