42: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:09:55.05 ID:bIt6DJVy0
「おっ、喜べ綾乃。もう少しで終わるぞ〜」
「それは良かったわ。まだ手伝う事はあるかしら?」
43: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:11:00.58 ID:bIt6DJVy0
「綾乃、ありがとな〜」
「い、いいのよ、別に。たまたま暇だっただけなんだからねっ」
44: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:11:41.94 ID:bIt6DJVy0
歳納京子が急に寄り掛かってきたかと思うと、今度は私の肩に首を預けてぐったりしている。
身体が熱いのは、私の体温だけではない気がする。たぶん。
「ちょっと、歳納京子? まさかあなた」
45: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:12:51.44 ID:bIt6DJVy0
歳納京子をベッドに移動させている間、ずっと私は彼女と密着していたわけで、言うまでもないが死ぬほど緊張した。
私が風邪を引いているわけではないのに、余計な汗もかいてしまった。
勝手とは思ったけどタオルや洗面器を静かに拝借して、彼女の部屋まで持ち込ませてもらった。
46: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:13:34.92 ID:bIt6DJVy0
既に外は明るみ始めている。
歳納京子を一人でここに置いて行くのは心配だけど、私は学校へ行く準備をしなくちゃ。
出来れば一度自宅に戻って制服も替えたい。
47: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:14:54.84 ID:bIt6DJVy0
彼女はもう片方の手も伸ばして、私を引き留めようとしている。
この状況で、この仕草。私はみるみるうちに力が抜けて行くのを感じた。
「え、や、ちょっ・・・歳納、京子ぉ・・・」
48: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:16:20.14 ID:bIt6DJVy0
「・・・。」
「・・・・・・・。」
49: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:17:30.70 ID:bIt6DJVy0
「ゆいぃ・・・行かないで・・・」
「・・・・・・・・・・。」
50: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:18:39.34 ID:bIt6DJVy0
思考が止まらない。
私には今、この手を握る事しかできない。
51: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:21:05.72 ID:bIt6DJVy0
結局私は、夕方近くまでベッドの側で、寝ている歳納京子のタオルを替えたりおかゆを食べさせたりと、フルタイムで働いてしまった。
千歳にはメールを入れて、こういう事情で学校は休むという事を伝えた。
[件名:なし]
52: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 21:22:39.68 ID:bIt6DJVy0
それに、いつもは私が照れてばかりで歳納京子と実のある会話をした事がなかったような気がした。
例えば、食べ物は何が好きか、とか、彼女の趣味(同人誌も含めて)とか、そういった“普通の”会話をしたのも、ほとんど初めてだったような気がした。
その点については1年以上同じクラスにいるのに、と自分のふがいなさを呪うばかりだ。
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