過去ログ - 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:45:16.33 ID:5ErbohVa0
祭囃子が聞こえる。
ドンドンドン。ピーヒャララ。
そんな擬音をつけたくなる小気味良い音楽が島中を満たしている。
時刻は6時、夕暮れ時。少年は一冊のノートを汗ばんだ手で握り締め、海の見える堤防に一人座っていた。
以下略
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:46:38.23 ID:5ErbohVa0
今日は年に一度の久代祭の日。久代祭というのはこの村、いや島の伝統行事である。もちろん、祭の代名詞である神輿を担いでいる声はあちこちで聞こえ、たこ焼きやお好み焼き、射的などの出店も数えきれないほどある。だが久代祭のメインは神輿でも屋台でもない。
この島の祭の特異な点、それは天狗の仮面を被った大人が、飴を持って島中を徘徊すること。
天狗はたくさんの飴を持っていて、子供とすれ違う度に飴を渡してくる。だから子供が集まっている所というのは、大抵その中心に天狗がいる。落としたアイスに群がる蟻の図、を見ているようで端から見ると気持ち悪いかもしれない。
飴は無駄に自家製で、その年の天狗を任された人によって味が変わるのがポイントだ。
天狗は全部で五人。
以下略
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:49:45.40 ID:5ErbohVa0
久代祭の天狗飴。
この島の子供達にとって、それが何か特別だという意識は無い。
無かったのだが、ついこの前本土から引っ越してきた女の子が、この話を聞いて目を輝かせていた。それ以来、この祭の天狗飴はこの島だけの特別なこと、そんな認識が小学生達の中で広がっていた。
それで気になった少年は図書館に行って調べてみた。なぜに天狗なのか。仮面を被ってバイクにまたがるヒーローではダメなのか。分厚くて埃まみれになった、『久代島、昔話』によるとこうだ。
元々久代祭の天狗飴は戒めの意味で始めたらしい。
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:50:36.22 ID:5ErbohVa0
(神隠しか……)
連れ去られた世界ってどんな世界なんだろう。と、少年は考える。
誰かが帰って来たという話は聞かないし、そんなに居心地のいい世界なんだろうか。と、少年は夢想してみる。
きっと毎日が楽しくて、動物と遊び回れて、宿題が無い世界なんだ。と、少年は決め付ける。
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:52:14.81 ID:5ErbohVa0
少女が母親に懇願し、目一杯背伸びをしたおめかし姿。
の成れの果てだった。せっかくの浴衣は着崩れて、帯はゆるゆる髪はボサボサ。
「あ、キモノ着てる!」
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:53:43.04 ID:5ErbohVa0
「違うよ。天狗じゃない、あの島に行こうと思うんだ」
少年が指差す先にあるものは、島。海を挟んで数百メートルの所に、小さな島があった。
渡行禁止の島、離れ島、ちいじま。
呼び名は色々あるが、正式な名称を知る者は少ない。
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:55:22.98 ID:5ErbohVa0
「……」
しかしこの少年からすればこれ以上ない不可思議に違いない。むしろ今まで興味を持たなかったのがおかしいくらいなのだ。
「で、でも。それに道はすぐ消えちゃうって。危ないよぉ」
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:58:00.91 ID:5ErbohVa0
ドンドンドン。ピーヒャララ。
「はっ、はっ、はっ」
少年達は走った。離れ島に通じる海の道が現れるという場所まで。
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 01:59:20.33 ID:5ErbohVa0
「ふー……」
半分ほど進んだところで、少年は何かに惹かれるように後ろを振り向く。
「……」
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 02:00:40.62 ID:5ErbohVa0
「そうかなぁ」
「そうだよ、絶対そう!!」
二人が話しながら歩いていると、少年は石造りの階段を見つける。手すりが無く、草が生い茂った状態の石階段。
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332
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れいまぁ
◆9ozEqs2lE0cc
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2012/04/01(日) 02:02:00.89 ID:5ErbohVa0
「ほっ、ほっ!!」
もうあと少し。
少年が石階段から顔を出すと、
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