211:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 4/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/12(木) 23:59:50.86 ID:Ok8I1j8fo
髪をバレエダンサーみたいなシニョンにしていて、ザマスとでも喋りそうなメガネをかけている。年齢は三十
代の前半か中ほどの結構、美人。若い頃には持てただろうと思うけど、結婚はしていないらしい。つまるところ
のオールドミスという奴だ。
彼女はいつも着ている白衣を着ていない。教室のカーテンも何かの実験でもやるかのように閉められていた。
なにやら嫌な雰囲気がする。あたしは数学が苦手であるとする(仮定)。よって物理も苦手なのだ(定理)。数
212:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 5/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:00:22.55 ID:+8WHHyx8o
なにが見苦しいだ。欲を言えば、頭のお団子さえほどけば完璧なのに。
「見えましたか?」前をおさえてうつむきかげんからの流し目。
あたしは黙って頷いた。
その言葉を確認して、先生はブラウスを着直す。それから教壇の上にまとめていた白衣に手を通した。これで
いつも通り。だけど、今の光景が焼き付いて離れない。
213:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 6/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:00:52.56 ID:+8WHHyx8o
好きだ。シャルの成長した大きなおっぱいを揉むこともあるが、それは自分にはない女性らしさを確認したりと
か、やわらかいものをさわりたいとか子供の頃からは信じられない成長を確かめたいとか、ちょっと性格の問題
とかであって、断じてレズではない。
ただ通常の女の子ではないことも確かだった。失天使はどんな記録を出そうとも公式の記録として残されるこ
とはない。第三(そして第四)の染色体保持者であるとされている。
214:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 7/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:01:21.82 ID:+8WHHyx8o
「補修の連絡もしますね」
はうあ、とあたしは振り返る。
「冗談ですよね?」
「冗談ですよ」
先生がつまむようにもったケータイを白衣のポケットにしまう。
215:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 8/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:01:52.44 ID:+8WHHyx8o
こちらの授業はプロジェクタを使っての映像講習だった。途中からなのでよくわからないが、一見、グロいピ
ンクの映像が流れている。
「どうだった?」ミィコが小声で聞く。
「クーヘレン先生だった。内容はありきたり。そんなの"知ってんし"みたいな」
あたしのシャレにミィコが笑った。シャルは、辛いのを無理していない? とでもいいたげな視線をよこした。
216:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 9/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:02:21.33 ID:+8WHHyx8o
礼を言った。彼は高跳びの選手ではないが、いつも準備を助けてくれるのだ。
「いえ」
だが、そんないつもの返事を言った顔がいつもとは違っていた。明らかになんというかニヤついている。その
ニヤつきは嫌味な感じではなく、心の底から幸せを感じている、そんなニヤつき。つまりどちらにせよ、ヤナカ
ンジ。
217:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 10/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:02:50.70 ID:+8WHHyx8o
できるか? そんなこと。恥ずかしいだろ。
でも、そういったことができる奴がいるのだ。そんな奴が幸せになるように世の中はできているらしい。
支柱を直したが、飛ぶことはせず、落ち着くまで走ることにした。ランニングとダッシュを繰り返すトレ。気
のせいかダッシュの回数が多くてすぐにへばってしまった。
息を切らせて、空を仰いで、マットの上に寝転ぶ。見つかったら怒られるが、そうそうこちらを見ているもの
218:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 11/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:03:21.77 ID:+8WHHyx8o
るというので、断れなくなった。
「気持ちはわからないでもありません」クーヘレン先生が言う。先生はホットコーヒーしか頼んでいない。
あたしが相談した内容は、好きになった人が、あたしのことを好きになるのではなく、子供の出来ないあたし
の体を望んでしまうのが怖いということだ。
「そういう人達はたくさんいます」
219:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 12/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:03:52.12 ID:+8WHHyx8o
クーヘレン先生の見た目は綺麗だ。性格だって、こんな生徒の為に時間を使ってくれる人が悪い人であるはず
がない。結婚しようと思えば相手はいるだろう。だから、子供を望んでいて、男性の失天使を探しているのでは
ないか、とあたしはそう考えた。
でも、そうではなかった。
「結婚しますよ」クーヘレン先生は言う。「今年中には」
220:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 13/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:04:27.48 ID:+8WHHyx8o
急いで返信する。あきらかにムキになっている自覚はある。
タイトル:Re:失恋したって聞いたよ
本文:それ、どこ情報?
残念ながらしてませーん
221:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 14/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:05:14.49 ID:+8WHHyx8o
「いつ!」
あたしは貪欲に突き進む。あたしの辞書にはいろいろな文字が載っていないし、いろんなところが丸で囲んで
あるみたいだ。
「彼が大学を卒業したとき」
ついこないだ!
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