過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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305:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:21:13.63 ID:3SORN3Q00
「美味しいねぇ」

「後で飯作ってやるから、少し待ってろな」

「うん」
以下略



306:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:21:40.21 ID:3SORN3Q00
逃げる途中で、よりにもよってルケンに投げつけられた肉切り包丁が、彼女の大腿骨を貫通して神経を切り離してしまったのだ。
初期治療の遅さが致命的になった。
もぞもぞと毛布の下で足を動かしたカランの股間に手を当て、慌ててそれを止める。

「どうした、トイレか?」
以下略



307:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:22:16.67 ID:3SORN3Q00
毛布の一部から覗いているのは、義足の接続部だった。
切断された足の切断面にはめ込んで、そして義足に接続するコネクタの役割を果たす器具だ。

「いや……まぁ、程ほどにな。俺は料理してるから、何かあったら声を出せよ」

以下略



308:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:22:41.77 ID:3SORN3Q00
「トイレ行きたくなったら言えよ」

「うん」

そこまで言って、ゼマルディは彼女に見えないように深くため息をついて背中を向けた。
以下略



309:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:23:10.65 ID:3SORN3Q00
ボロボロで繋ぎだらけの白衣を方に羽織り、中はやはり繋ぎとコーヒーの染みだらけのスーツ姿だった。
彼は玄関に足を踏み入れると、きょとんとしているカランを見て嬉しそうに片手を振ってみせた。

「やほ。元気かいカランちゃん」

以下略



310:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:23:41.96 ID:3SORN3Q00
「ちょっとマルディ、三十分くらい借りていっていいかな? すぐに返してあげるからさ」

「うん、いいよ。マルディ、ドクって人が呼んでるよ」

頷いてゼマルディは水道を止め、白衣の青年に近づいた。
以下略



311:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:24:23.17 ID:3SORN3Q00
「いや、俺は酒は……」

あくまで断ろうとするゼマルディを、しかしドクは一瞬だけ鋭い視線でチラリと見た。それを見て言葉を止め、ボリボリと頭を掻いてからゼマルディは肩をすくめた。

「ほいほい」
以下略



312:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:24:49.96 ID:3SORN3Q00
「ああ」

「どのボタンを押せばいいの?」

「赤いボタンだ。一個しかねーだろ?」
以下略



313:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:25:18.38 ID:3SORN3Q00
食い入るように見ている。
画面から流れてくる音は、彼女の知らない言語だ。意味なんて分かっていないのだろう。
いや、どうせ。
覚えてもすぐ忘れてしまう。
彼女が集中しているのを見て、ゼマルディはそっと扉に鍵をかけた。そして外から何重にもロックをかけ、最後に開かないかを確認する。
以下略



314:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/13(月) 20:25:47.01 ID:3SORN3Q00


「ずっとあの調子なのかい?」

ドクにそう聞かれ、ゼマルディは目の前のテーブルに置かれた酒に手をつけようとはせずに、ソファーに寄りかかった。そしてマントにつけてあるフードを目深に被る。
以下略



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