過去ログ - 少女「ずっと、愛してる」
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479:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:01:30.22 ID:rIc6JsyG0
「……俺達の中ニ、裏切り者ガイマス」

その断固とした口調に、愛寡は顔を上げ、そして唾を飲み込んだ。

「裏切り……者?」
以下略



480:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:01:56.72 ID:rIc6JsyG0
「どうして? どうしてそう思うの?」

「直感デス。そして、俺ノ直感ハ外れたコトがない」

「私が、やったと……?」
以下略



481:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:02:22.39 ID:rIc6JsyG0
「分かりマセン。ただ、コレだけは言える」

功刀は押し殺した声で言った。

「俺達モ危険ダ」
以下略



482:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:02:50.08 ID:rIc6JsyG0
「私じゃない……私、いただけ……他の人が、協力して……そのせいで、上層には、私のウィルスに感染した、魔法使いもどきしかいないわ……」

「愛姉ノBMZは、空気感染ダカラな。仕方ネェ」

「フィル……?」
以下略



483:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:03:20.46 ID:rIc6JsyG0
単純なその言葉に殴りつけられ、愛寡は下を向いた。
その、大魔法使いとしてはあまりにも頼りない姿に、功刀はため息をついた。
そして、彼女がスカートの中に隠していた左足の義足を目に留める。

「……聞きヅライんデスが、その足……」
以下略



484:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:03:56.20 ID:rIc6JsyG0
「……面倒なコトになりそうダナ」

カタカタと、テーブルの上の血のグラスが振動していた。
爪が歯軋りするたびに、振動が大きくなっていく。
遂には、功刀が持っているグラスと、愛寡がテーブルに置いたグラスが、パァンッ! と音を立てて砕け散った。
以下略



485:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:04:32.72 ID:rIc6JsyG0
「待って……功刀!」

愛寡が慌てて呼び止める。
しかし功刀は、それを坦々とした瞳で見返し、やがてトプリと、影の中に音を立てて消えた。
愛寡は慌てて、転がるように爪に駆け寄り、彼の腕と足のワイヤーを解き始めた。
以下略



486:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:05:04.50 ID:rIc6JsyG0
「畜生……畜生あの……野郎……!」

爪が歯軋りをする。
その手の束縛を解き、愛寡は爪の頭を強く抱きしめた。
胸に顔が押し付けられ、爪は一瞬きょとんとした後、真っ赤になった。
以下略



487:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:05:30.90 ID:rIc6JsyG0


ガタン、ゴトン、とトレーラーが揺れる。
それを運転しているのは、まだ年端もいかない少女だった。
鼻歌交じりに、大きなハンドルを切っている。
以下略



488:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/18(土) 19:06:43.87 ID:rIc6JsyG0
燐は息をついてギアをチェンジさせると、里の方を向いた。

「私達が、前のドームを出てから二ヶ月くらい経ちますわ。本当にその地図、合ってるんですの?」

「高額で落札したものです。信憑性は高いと思われます」
以下略



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