1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:35:21.86 ID:JL05U58SO
律「え? ……ありがと」
澪が私にお弁当を作ってきてくれた。
今までにもあったことだ。
それ自体は別に珍しいことじゃないし、私だって澪にお弁当を作ってきたことも何度かある。
だけど、今日はお弁当関連で過去に例のない違和感があった。
律「でも私、今日ふつうにお弁当あるんだけど」
澪「知ってるよ」
穏やかな笑顔で私のカバンに弁当の包みを押し込む澪。
知ってるか。なら私が少食ということも知っているはずだ。
だというのに、なんだろうこの澪は。
律「作っちゃったものはしょうがないから、食べるけど……」
澪「うん」
私の気も知らずに、なんでちょっと嬉しそうなんだ、この澪は。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:36:49.00 ID:JL05U58SO
律「……今度からは作ってくれるときは、前の日に言っておいてくれよ」
これまでだって、そうしていただろう。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:38:23.08 ID:JL05U58SO
律「あのな……」
そもそも必要を求めているのは私のほうだ。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:39:27.30 ID:JL05U58SO
OK、わかった。みなまで言わずとも大丈夫。
そういうことだったのか。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:40:23.62 ID:JL05U58SO
不可解な澪だ。
料理人は料理人だろう。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:41:22.25 ID:JL05U58SO
澪「おかしいよな。今の」
律「悪かった」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:42:18.84 ID:JL05U58SO
律「ありがと、澪」
澪「頼んでるのは私だよ。……それより、お弁当の味については、率直に言ってほしいんだ」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:43:44.81 ID:JL05U58SO
澪は2年1組であるがゆえに、1年生と同じ1階の教室で授業を受ける。
私とクラスが別になるのは今回が初めてじゃないし、特に心配はしていない。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:44:48.12 ID:JL05U58SO
律「……おはよう」
私はムギの横に並んで見物に加わった。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:45:52.51 ID:JL05U58SO
律「なるほど……」
唯は恐らく、見せ物と化していることに気づいていないのだろう。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:47:59.22 ID:JL05U58SO
この状況で厳しい生活指導が現れれば、怒られずに済むはずがない。
総員が身構えて振り向いた音に紛れて、私は聞いた。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:48:55.92 ID:JL05U58SO
その後ほどなくして先生が来て、ホームルームが行われた。
1限までの短い休み時間のうちに、憂ちゃんからお礼のメールが届いてほっこりした。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:49:53.85 ID:JL05U58SO
――――
それからは何事もなく授業が進行された。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:50:40.60 ID:JL05U58SO
考えたくない話だが、澪にはすでに付き合っている相手がいるのだろう。
そして料理を振る舞ったところ、あまりご満足いただけなかった。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:51:29.16 ID:JL05U58SO
自分より年下なのに、圧倒的にいい料理を作る憂ちゃんが現れて、焦るようになったのだろうか。
ゆえに憂ちゃんと比較されて、はらわたの煮えくり返るような怒りを感じてしまった。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:52:12.99 ID:JL05U58SO
――――
突然ですがお昼の時間だ。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:53:01.53 ID:JL05U58SO
律「ムギ、いこーぜ」
紬「ちょっと待っててね」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:53:58.27 ID:JL05U58SO
律「まったく……シスコンめ」
紬「良いことじゃない。……あれ? 唯ちゃんお弁当忘れてる」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:54:55.88 ID:JL05U58SO
律「しかしなぁ……なんでまた急にお弁当なんて。それも毎日」
紬「だから澪ちゃんはりっちゃんに、おいしいって言ってもらいたいのよ」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:55:48.57 ID:JL05U58SO
律「うん……」
なんというか……。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/12(日) 05:56:48.51 ID:JL05U58SO
まぐれかもしれないと思って他のおかずにも手をつけるが、
私がはじめに感じた水準を下回るものは、この弁当箱の中にはなかった。
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