842:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方)[sage]
2012/07/04(水) 00:43:55.10 ID:jhGCyq2bo
怖い‥レスしたくなくなるくらい怖い
843:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]
2012/07/04(水) 02:04:07.43 ID:Chsh22oOo
乙
一気読みしてたら追いついちゃったよ
てかなにこれ、めちゃくちゃ面白い
最後まで期待してる
844:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/07/04(水) 19:36:53.68 ID:zIJDoxKDO
一人称視点うますぎわろた
845:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:01:37.12 ID:5zJPOgVlo
俺はアキに背を向けて駆け出した。彼女は何も言わなかった。
頭が混乱して、うまく回らない。
おいおい、と俺は思った。俺はまた、アキの言葉を信じるのか?
846:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:02:07.21 ID:5zJPOgVlo
アキにしては珍しく、たしかにマトモな発言だ。
もし彼女の言葉をすべて信用するなら。
そうだ、嘘っぱちなのかもしれない。
847:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:02:39.86 ID:5zJPOgVlo
けれど、俺は走っている。とにかく走っている。足は自然とある方向へと動いていった。
彼女がどこに逃げたのか、俺には分かっていた。
いや、俺は彼女が逃げる場所を知っていたのだ。
848:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:03:27.94 ID:5zJPOgVlo
俺が足音を立てても、彼女は俯けた顔をあげようとはしなかった。
鳥居をくぐって少し進んだ右手に、大きな樹がある。その枝が、上空を暗く覆っているのだ。
夏になると葉陰が心地よく、風のざわめきが心地よい。そういう場所だ。
849:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:03:55.64 ID:5zJPOgVlo
小さな声だった。俺は戸惑う。
初めて見る態度だった。こんなことを言われたことは一度もなかった。いままで一度も。
だから俺は一瞬立ち止まっておきながら、また一歩踏み出した。
850:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:04:28.35 ID:5zJPOgVlo
泣き疲れたような声だった。彼女の目に涙は浮かんでいなかったし、表情は眠たげなだけで、寂しそうにも見えない。
それでも彼女は泣いていたのかもしれない。あるいは俺の自意識過剰なのかもしれない。
俺はこいつの考えていることが分からない。ずっと前からなにひとつ。
851:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:04:54.77 ID:5zJPOgVlo
「だからあの子の言ってることが嘘だなんて知ってる。でも、きみの気持ちまでは分からないから」
彼女の声は曇天の下の神社に透明に溶けていった。何もかもを透き通ってしまいそうな声だった。
852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:05:20.66 ID:5zJPOgVlo
彼女は自嘲するように笑った。
「ストーカーみたい。気味悪がってくれて、いいですよ」
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。