184:猫宮[saga]
2013/02/26(火) 05:24:59.37 ID:W44uIBOk0
私の言葉に、憂ちゃんが困った感じの苦笑を浮かべる。
反論しなかったのは、憂ちゃん自身もそう感じていたからだと思う。
今日のライブはとっても素敵なライブだった。
でも、完璧なライブだったわけじゃない。
澪さんがこけてしまったトラブルは仕方が無いにしても、
185:猫宮[saga]
2013/02/26(火) 05:25:54.78 ID:W44uIBOk0
「ねえ、憂ちゃん……?」
喉がカラカラに渇いて、泣き出しそうなくらい緊張するのを感じながら声を出す。
大した事を言うつもりじゃないのに、胸が痛いくらいに心臓の動悸が激しくなる。
186:猫宮[saga]
2013/02/26(火) 05:26:27.00 ID:W44uIBOk0
私の言葉はそれで終わった。
これ以上の言葉は無理強い過ぎたし、無理に憂ちゃんに付き合ってもらっても辛かった。
これで憂ちゃんが嫌だと言うなら、それも仕方無かった。
それは憂ちゃんが悪いわけじゃなくて、私が憂ちゃんに迷惑しか掛けなかったって事だもんね……。
とても悲しい事だけど、それはそれで私の一つの結果なんだと思うもん……。
187:猫宮[saga]
2013/02/26(火) 05:26:59.51 ID:W44uIBOk0
「君を見てるといつもハート……」
はっとして顔を上げると、憂ちゃんがとても真剣な表情で頷いていた。
それ以上読まなくても分かる。
188:猫宮[saga]
2013/02/26(火) 05:27:54.26 ID:W44uIBOk0
今回はここまでです。
またよろしくお願いします。
189:猫宮[saga]
2013/03/02(土) 18:39:29.77 ID:8FQpE2Qb0
▽
190:猫宮[saga]
2013/03/02(土) 18:40:08.78 ID:8FQpE2Qb0
「じゃあ、憂ちゃん、絆創膏を貼るね」
箱の中から絆創膏を取り出そうとすると、
憂ちゃんが私の手首を掴んでから首を振った。
191:猫宮[saga]
2013/03/02(土) 18:40:50.19 ID:8FQpE2Qb0
「じゃあ、ちょっとだけ休憩しちゃおうよ、憂ちゃん。
ちょっと早いけど、お昼ごはんにしちゃおう。
お腹が空いたら練習にも支障が出ちゃうもんね」
192:猫宮[saga]
2013/03/02(土) 18:41:25.29 ID:8FQpE2Qb0
だけど、同時に思う。
憂ちゃんの技巧は凄いけど、将来的にプロになる事も無いんじゃないかな、って。
勿論、憂ちゃんの技巧に申し分は無い。
これから練習すれば、誰よりも凄い演奏が出来るようになるはず。
でも、プロの音楽ってそういう物じゃ無いんだって事も、私は何となく分かってる。
193:猫宮[saga]
2013/03/02(土) 18:42:45.75 ID:8FQpE2Qb0
▽
194:猫宮[saga]
2013/03/02(土) 18:43:27.11 ID:8FQpE2Qb0
私達はギターを抱えて部屋から出て、肩を並べて歩き出して行く。
向かうのはあの場所……、私達が初めて出会えたあの公園。
そこが私達の最初のライブ会場なんだ。
どちらからともなく、私達は手を繋いでいた。
お互いの体温を感じていると、とても落ち着ける。
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