過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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2012/08/06(月) 22:01:16.69 ID:4DOG5YTr0
「王子ー、着いたぞな!」
猿田の声に、はっと意識が戻った。
長いことぼんやり考えている内に、目的地の咲谷記念館に到着した。
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2012/08/06(月) 22:01:46.88 ID:4DOG5YTr0
◆No.22 Manabu Maejima
その晩の食事ほど、味気ないものはなかった。
管理人さんが持ってきた料理が、まずかったわけではない。
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2012/08/06(月) 22:02:19.35 ID:4DOG5YTr0
「違う!」「やめてよ!」「意味ねぇよ!」
榊原君、望月、そして勅使河原の三人が同時に声を荒げる。
三人は久保寺先生が死んだ後、見崎さんと親しくなっており、
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2012/08/06(月) 22:02:54.42 ID:4DOG5YTr0
僕は小さい頃から、背が低いことがコンプレックスだった。
いつも背の順は最前列、周りの男子や女子を見上げなければいけない。
おまけに童顔なので、いまだに小学生と間違えられることもしばしば。
中3の男子にとって、これはある意味屈辱である。
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2012/08/06(月) 22:03:25.56 ID:4DOG5YTr0
ふと我に返る。なんで今になって昔のことを思い出したんだろう?
ここは咲谷記念館一階のフロント。
みんなが自分の部屋に戻ってしばらく立った後、喉が乾いてた僕は、
一階にある自販機でジュースを買って飲み、
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2012/08/06(月) 22:03:54.44 ID:4DOG5YTr0
「だめだ、もう・・・」
「まさか、刺されたの?」
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2012/08/06(月) 22:05:37.07 ID:4DOG5YTr0
◆No.14 Takako Sugiura
対策係として、毎日災厄の恐怖と戦い続ける中、
せめて一日だけでも日頃の辛さを忘れ、遊びに行った海水浴。
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2012/08/06(月) 22:06:11.84 ID:4DOG5YTr0
私が泉美と出会ったのは幼稚園の時である。
泉美はその頃から、みんなの中でいつも中心にいた。
家が近所だったため、小学校で一度は別々になっても、
学校の外ではいつも一緒だったし、
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2012/08/06(月) 22:06:46.69 ID:4DOG5YTr0
私が自分は影にいて、人を立てる性格になったのは、
泉美と出会うもっと前、もしかしたら、物心着いた頃からだったかもしれない。
私には少し年の離れた姉が一人いる。
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2012/08/06(月) 22:07:22.31 ID:4DOG5YTr0
それは先月末、海水浴の数日前のこと。
私と泉美は資料を探すために、第二図書室を訪れていた。
その最中、泉美は一冊の古いアルバムを棚から出した。
ただでさえカビ臭いのに、より一層つんとした臭いを放ちながら、
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2012/08/06(月) 22:08:05.70 ID:4DOG5YTr0
そして合宿当日、泉美はかねてから不審を抱いていた見崎鳴を糾弾した。
見崎の協調性のなさには私も苛立っていたため、
泉美の意見には激しく同意である。小椋も同様に頷いた。
その小椋から、榊原と勅使河原が望月と一緒に、災厄を止める手がかりを
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