10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 19:54:18.18 ID:NZSihzP+o
ちと休憩。
20分ほどしたら、また投下再開します。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/24(金) 20:04:33.97 ID:AP9dJUPCo
またえらく重そうな…
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:12:32.73 ID:NZSihzP+o
だが、自己犠牲の言説を唱えながらも、その裏にもっと切実なものがあることも、私は知っていた。
涼は、男だ。
そして、女性二人を捕らえたと思い込んでいる相手に、その事実が知れたらどうなるか。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:13:12.17 ID:NZSihzP+o
『たいしたことではない。別室に行ってもらっただけのことだ』
返事は、さっきまでとは違って聞こえた。これまでのスピーカーより随分小さく、そして、近い。
ボイスチェンジャーから直に出ている音だ。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:14:06.29 ID:NZSihzP+o
犯人の言うことを信じる他ない私は、奴を思う存分楽しませてやるために、ひたすら怯えた様子を見せた。
演技などしてみせる必要はない。実際に、私は恐れ戦き、やがてくる運命を嘆いていたのだから。
鋏をかしゃんかしゃん鳴らしながら、犯人は私の衣服を切り裂いていく。
脱がすのではなく、わざわざ鋏で切る行為が、相手の嗜好に基づくものなのか、私を台に縛り付けているという実際的理由からなのかはよくわからない。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:14:58.19 ID:NZSihzP+o
次に、体を拘束されている状況をいかにして覆すか、ということだけど……。これがなかなかに難しそうだ。
涼は手術台のようなものと言っていたが、その言葉で想像する平面的なものとはちょっと違うようだ。
というのは、男が衣服を切り裂いていくために操作して台が動いたためにわかったのだが、この台は脚部と腕部が独立して動くようなのだ。
つまり、体にかなりフィットして、私の意思とは無関係に動かせるようになっているわけ。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:15:53.42 ID:NZSihzP+o
覚えていられたのは、執拗に唾を塗り込める舌で体中が穢されたこと、膚と秘所にぬめぬめしたなにか――潤滑液だろう――をぬりたくられたこと、
全ての場所が指でなぞられ、開かれ、見つめられたこと、そして、体を割り裂くような痛み。
「ぐぅ……」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:17:06.91 ID:NZSihzP+o
「あ、あ……あ……」
声が出ない。意識が定まらない。鼓動がいままで以上に跳ね上がる。
眼鏡などかけていなくとも、見紛うはずがない、その顔。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:19:11.25 ID:NZSihzP+o
――4日目
「ん……」
目を醒まし、そして、淡く光る天井を見つめて、これまでのことが夢でなかったことを確認する。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:20:10.39 ID:NZSihzP+o
憎んでいる。
そうだ、涼は私を憎んでいる。
私だけではなく、石川社長やまなみさんや……彼を女装アイドルという不本意な立場に追い込んだ全てを。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:21:20.90 ID:NZSihzP+o
『ゆるひ、ゆるひぐぎゅぎゅぎゅぎゅ』
人の上げるものとはとても思えない、絞め殺される動物のような苦鳴が響く。画面の中では、見知った顔が歪んでいた。
まん丸に目を見開き、涙を流し、小刻みに震えるその姿は、岡本まなみ。
45Res/48.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。