15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:14:58.19 ID:NZSihzP+o
次に、体を拘束されている状況をいかにして覆すか、ということだけど……。これがなかなかに難しそうだ。
涼は手術台のようなものと言っていたが、その言葉で想像する平面的なものとはちょっと違うようだ。
というのは、男が衣服を切り裂いていくために操作して台が動いたためにわかったのだが、この台は脚部と腕部が独立して動くようなのだ。
つまり、体にかなりフィットして、私の意思とは無関係に動かせるようになっているわけ。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:15:53.42 ID:NZSihzP+o
覚えていられたのは、執拗に唾を塗り込める舌で体中が穢されたこと、膚と秘所にぬめぬめしたなにか――潤滑液だろう――をぬりたくられたこと、
全ての場所が指でなぞられ、開かれ、見つめられたこと、そして、体を割り裂くような痛み。
「ぐぅ……」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:17:06.91 ID:NZSihzP+o
「あ、あ……あ……」
声が出ない。意識が定まらない。鼓動がいままで以上に跳ね上がる。
眼鏡などかけていなくとも、見紛うはずがない、その顔。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:19:11.25 ID:NZSihzP+o
――4日目
「ん……」
目を醒まし、そして、淡く光る天井を見つめて、これまでのことが夢でなかったことを確認する。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:20:10.39 ID:NZSihzP+o
憎んでいる。
そうだ、涼は私を憎んでいる。
私だけではなく、石川社長やまなみさんや……彼を女装アイドルという不本意な立場に追い込んだ全てを。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:21:20.90 ID:NZSihzP+o
『ゆるひ、ゆるひぐぎゅぎゅぎゅぎゅ』
人の上げるものとはとても思えない、絞め殺される動物のような苦鳴が響く。画面の中では、見知った顔が歪んでいた。
まん丸に目を見開き、涙を流し、小刻みに震えるその姿は、岡本まなみ。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:22:51.18 ID:NZSihzP+o
「続き、見ないでいいの? まだまだだよ?」
そう言いながらも、涼は手に持っていたリモコンを操作して、モニターの電源を落とした。
「結局、この後、歯を全部折り取ってね。三日後に見に来たら死んでたよ。失血か窒息が原因かな」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:23:36.03 ID:NZSihzP+o
『律子姉ちゃん』
スピーカーから私を呼ぶ声がする。
腕を顔から外し、首だけを持ち上げる。すると、隣の部屋からこちらを見る涼と目があった。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:25:05.19 ID:NZSihzP+o
――10日目
この長方形の部屋には、本当にわずかなものしかない。
長辺の壁面は一方が涼の部屋につながる透明な壁で、もう一方にはモニターと拘束用の磔台。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:26:01.01 ID:NZSihzP+o
『律子姉ちゃんが僕を拒絶しようとするからだよ』
ぽちゃぽちゃとペットボトルを揺らしながら、彼は嘲弄する。だが、そこで、涼は小首を傾げた。
『このところは従順だったのに、どうしたの?』
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/24(金) 20:26:57.81 ID:NZSihzP+o
「ね、律子姉ちゃん」
涼はしばらく私を見つめていたが、額に浮かんだ汗を拭ってから、声をかけてきた。
「律子姉ちゃん、僕を説得したりしないよね。なんで?」
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