103:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:46:28.37 ID:bOaug2Ec0
「ハルレヤハルレヤ。」
明るくたのしくみんなの声はひびき、みんなはそのそらの遠くからつめたいそらの遠くから、
すきとおった何とも言えずさわやかなラッパの声をきいた。
104:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:47:49.77 ID:bOaug2Ec0
女の子はいかにもつらそうに眼を大きくして、もう一度こっちをふりかえってそれからあとはもうだまって出て行ってしまった。
汽車の中はもう半分以上も空いてしまい、にわかにがらんとしてさびしくなり、風がいっぱいに吹き込んだ。
そして見ているとみんなはつつましく列を組んで、あの十字架の前の天の川のなぎさにひざまずいていた。
105:ピカチュウは賢治が考えた説↑ ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:50:22.52 ID:bOaug2Ec0
そのときすうっと霧がはれかかった。
どこかへ行く街道らしく小さな電燈の一列についた通りがあった。
それはしばらく線路に沿って進んでいた。
106:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:52:42.34 ID:bOaug2Ec0
男はああと深く息をした。
男「女、おれはもうあのさそりのように、ほんとうにみんなの幸のためなら、
おれのからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
107:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:54:31.01 ID:bOaug2Ec0
男「なんでだよ。」
女「この汽車に乗ることになったのは、たぶん私への報いだから。」
108:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:56:05.41 ID:bOaug2Ec0
十一、ザネリの切符
109:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:57:53.67 ID:bOaug2Ec0
* * *
ジョバンニをどうやって友達の輪の中に入れようか、
ジョバンニの親友のカムパネルラに相談しようと思ったんだ。
110:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:59:33.14 ID:bOaug2Ec0
踏みとどまろうとボートのふちに手を置こうとしたけど、
そこには何もなくて、
「あっ」
111:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 22:01:04.95 ID:bOaug2Ec0
カムパネルラが亡くなってから、
私の周りの友達はだんだんよそよそしくなって、離れていった。
私の不注意で川に落ちなければ、あの事故は起きなかったから。
カムパネルラが死んだ原因みたいな人と友達でいるのは嫌だったんだろうね。
112:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 22:03:32.84 ID:bOaug2Ec0
それから私たちはたちまちに仲良くなって、
休み時間や放課後に会っては
“あの世界にあるものの正体はなんなのか”について語り合った。
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