83:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:41:35.31 ID:bOaug2Ec0
そしてちらっと大きなとうもろこしの木を見た。
その葉はぐるぐるに縮れ葉の下にはもう美しい緑いろの大きな苞が赤い毛を吐いて真珠のような実もちらっと見えたのだった。
それはだんだん数を増して来て、もういまは列のように崖と線路との間にならび、
84:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:44:16.68 ID:bOaug2Ec0
そしてまったくその振子の音のたえまを遠くの遠くの野原のはてから、かすかなかすかな旋律が糸のように流れて来るのだった。
「新世界交響楽だわ。」
85:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:46:07.38 ID:bOaug2Ec0
「ええ、ええ、もうこの辺はひどい高原ですから。」
うしろの方で誰かとしよりらしい人のいま眼がさめたという風ではきはき談している声がして、男はやっと頭をひっこめた。
86:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:47:51.86 ID:bOaug2Ec0
突然とうもろこしがなくなって巨きな黒い野原がいっぱいにひらけた。
新世界交響楽はいよいよはっきり地平線のはてから湧き、そのまっ黒な野原のなかを一人のインデアンが、
白い鳥の羽根を頭につけたくさんの石を腕と胸にかざり、小さな弓に矢を番えて一目散に汽車を追って来るのだった。
87:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:49:38.79 ID:bOaug2Ec0
まったくインデアンは半分は踊っているようだった。
第一かけるにしても足のふみようがもっと上手くとれば本気にもなれそうだった。
にわかにくっきり白いその羽根は前の方へ倒れるようになり、インデアンはぴたっと立ちどまってすばやく弓を空にひいた。
88:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:51:17.75 ID:bOaug2Ec0
こっち側の窓を見ると汽車はほんとうに高い高い崖の上を走っていて、
その谷の底には川がやっぱり幅ひろく明るく流れていたのだ。
「ええ、もうこの辺から下りです。
89:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 20:52:30.57 ID:bOaug2Ec0
汽車が小さな小屋の前を通ってその前にしょんぼりひとりの子供が立ってこっちを見ているときなどは、思わずおおいと叫んで励ました。
どんどんどんどん汽車は走って行った。
90:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:17:09.99 ID:bOaug2Ec0
男「あれ何の旗だろうな。」
男がやっとものを言った。
91:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:18:11.92 ID:bOaug2Ec0
男「空の工兵大隊だ。いまの見たか、
ますやなにかがまるでこんなになってはねあげられたな。
おれこんな愉快な旅はしたことない。いいなあ。」
92:みの ◆hetalol7Bc[sage]
2012/08/28(火) 21:19:02.12 ID:bOaug2Ec0
男「双子のお星さまのお宮って何だ?」
「あたし前になんべんもお母さんから聴いたわ。ちゃんと小さな水晶のお宮で二つならんでいるからきっとそうだわ。」
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