135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2012/09/13(木) 23:44:05.57 ID:UgMRWwDko
その土曜日の午後、僕はナオのピアノ教室の前で彼女を待っていた。それはクリスマス
明けの二十六日の土曜日のことだった。クリスマスには陰鬱な曇り空だった天気は、どう
いう空の気まぐれかその日はちらほらと雪が振り出していた。
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2012/09/13(木) 23:45:04.67 ID:UgMRWwDko
そういうわけで僕は、クリスマス明けの登校中に勇気を振り絞ってナオを誘った。ピア
ノ教室が終った後に兄友と女さんと四人で遊びに行かないかと。
兄友と女さんが言うようにナオが僕にクリスマスに誘われなくてがっかりしたのかどう
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/13(木) 23:45:55.22 ID:UgMRWwDko
僕はちょうどピアノ教室が終る時間に教室の前に着いた。その建物の正面で待っている
のは目立ちすぎだと思ったけど、これはナオとの約束だった。
落ち着かない気持ちが次第につのって行く。結構胃が痛い感じだった。
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/13(木) 23:47:30.74 ID:UgMRWwDko
僕がナオに話しかけようとしたとき、それまでナオの背後に隠れていた小柄な女の子が
目に入った。僕と目が合ったその女の子はにっこりと笑った。
「こんにちは」
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/09/13(木) 23:47:59.92 ID:UgMRWwDko
短いけど今日はここまで
また投下します
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/14(金) 00:19:45.88 ID:OSIuu3lHo
乙
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/14(金) 14:56:35.78 ID:/JARWgS8o
なんかもう一悶着ある感じかな
乙
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/16(日) 00:49:45.35 ID:g/BzIvsyo
ユキにさよならを言って駅の方に歩き出した僕たちだったけど、いつのまにかナオの手
は抱き付いていた僕の腕から離れ僕たちは手を握り合うこともなく微妙な距離を保ったま
ま歩いていた。
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/16(日) 00:50:47.87 ID:g/BzIvsyo
僕は足を早めた。これで終るなら終わるだけのことだ。僕は確かにナオに惹かれていた
し彼女と付き合えて嬉しかったけど自分のポリシーを曲げてまでナオの機嫌を取る気はな
かった。
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/16(日) 00:51:53.49 ID:g/BzIvsyo
「嫌な態度しちゃってごめんなさい。あたしが悪いのに」
僕はこの時ほっとした。それまで僕を縛っていた頑な思いが解きほぐされていくようだ
った。
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/16(日) 00:53:11.74 ID:g/BzIvsyo
兄友と女さんとの待ち合わせ場所は隣駅の駅前のカラオケだった。いろいろと揉めたせ
いで余裕があったはずの待ち合わせ時間にぎりぎりなタイミングになってしまった。
仲直りしてからのナオは電車の中でいつもより僕に密着しているようだった。
1002Res/1204.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。