過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/19(水) 00:17:42.54 ID:rzqgzBqc0
騎士「カ〜ッ! やっぱ酒は最高だな! 早くもつまみが欲しくなってきたぜ」
女騎士「騎士、それだけ聞いてるとおっさんにしか見えないわよ。というより、なんというかホント少し性格変わったわね」
騎士「そうか? まあ、細かいことは別にいいじゃねえか。色々あったんだし多少なりとも性格は変わるだろ。そういうお前だって最初に会った時に比べたら堅さがだいぶ取れた気がするけどな。まあ、何がきっかけかは言わんでおくが」
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2012/12/19(水) 00:18:49.06 ID:rzqgzBqc0
男「違うよ。僕と女騎士はそんな関係じゃない」
その言葉に三人の間の空気が一瞬静まり返る。それに気がついて男が慌てて言葉を訂正する。
男「あ、いや。違うんだ、そういうことじゃなくて……。僕は、僕は女騎士にはもっとふさわしい相手がいると思っている。あんな状況だったし、ああいうことになったことには後悔していないけど。
以下略
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2012/12/19(水) 00:47:44.83 ID:rzqgzBqc0
男「とりあえずその話はこれで終わろうか。ほら、食事がきたよ」
男がそう言うと彼らの元に注文した料理が届けられた。
騎士「お〜きたきた。待ってたぜ、肉だ肉。腹減ってるし早速食べさせてもらうかね」
以下略
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2012/12/19(水) 00:49:00.38 ID:rzqgzBqc0
男(……やっぱり、あの子気になるな)
今の時勢、戦争孤児など珍しくもない。前に訪れた街でも昼間見かけた少女のようなものはたくさんいた。ただ、あの少女だけは別だった。性別も、年も違うのになぜか気になる。そのことについて宿に帰ってきてからずっと答えを考え続けていた男だったが、本当に不意にその答えが脳裏に浮かび上がった。
男「ああ、そうか。あの子、妹に似ているんだ」
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2012/12/19(水) 01:13:09.99 ID:LcVHi+QKo
旧エルフに会うまで壊れてたのはわかるけどここまでとは…
女騎士が可哀相だな
874
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2012/12/19(水) 03:30:42.17 ID:rzqgzBqc0
>>873
そうですね、ここで一番の問題になるのは本人が異常さをあまり自覚できていないことなんですよね。他人に指摘されれば気づけたりするのですが、自分だと案外気がつけないという点が怖い点ですね。
女騎士は可愛そうだと思いますが、本人もある程度諦めてしまっている部分があるので……。
エルフと男が一緒に生活している時点ではもう男の幸せが確認できればいいと思っている感じですかね。好意を持っていないわけではないんですがね。
875
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2012/12/19(水) 03:32:48.04 ID:rzqgzBqc0
暗闇に染まる街中を男は一人駆け回った。暗い路地裏、食事場の店裏、寒さを凌げそうな橋の下。行き場をなくした人間が行きそうだと思うところを手当たり次第に探した。だが、一向に少女は見つからない。
男「……どこだ、どこにいる?」
既に人が寄り付かないところはあらかた探し終えた。あの格好だ、普通の人であれば哀れみこそすれ関わろうとはしないはず。まして、周りに対して拒絶の姿勢を示している少女であれば自ら進んで他者と関わるような真似もしないだろう。
以下略
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2012/12/19(水) 03:33:47.50 ID:rzqgzBqc0
それを見た瞬間、男の中に猛烈な庇護欲が湧き上がった。それは、かつて妹の面倒を自ら進んでみていた頃と同じような家族に対する情愛であった。
今まで長い間ずっと忘れられていたそれは、覚醒と共に溜まりに溜まっていた欲求を男の体の隅ずみまで満たした。もういないはずの妹と少女に姿を重ね、妹にできなかった全てを少女にはしてやりたいと思った。そう、男は目の前にいる少女の幸せを第一に考えたのだ。
そうして、男はゆっくりと少女に近づいた。だが、自分に近づいてくる存在に気がついた少女は遠く、明るい世界への羨望を即座に心の奥底へと隠すと再び敵意をより色濃くし、男をキッと睨みつけた。
だが、男はそれでもなお少女に向かって突き進んだ。かつて、自分に優しい言葉を投げかけてくれた全ての人を拒絶していた自分を救ってくれた女隊長と同じように。
以下略
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2012/12/19(水) 03:34:33.25 ID:rzqgzBqc0
本当ならば叫び出したいほどの痛みであるにも関わらず、男はそれをグッと堪え、少女をなだめた。だが、それでも少女は先ほどよりも強く、強く男の手を噛み続けた。
少女の気が収まるまで必死に苦痛に耐える男。痛みのせいか、顔からは脂汗が滲んでいた。
そして、そんな男の態度に少女も疑問を抱いたのか、手を噛む力がほんのわずかに弱まった。
どうしてこの男性は逃げ出さないのだろう?
どうしてこんなにも優しく自分を包み込もうとしてくれているのだろう?
以下略
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2012/12/19(水) 03:35:11.77 ID:rzqgzBqc0
少女「うっ……ううっ……うぇっ……うぇぇっ」
怒りはまだ表していたものの、その瞳からポロポロと涙がこぼれ始めたのだ。そして、それは徐々に敵意を収めることにもなり、男の手に噛み付いていた少女の歯が少しずつ肉から離れていく。
そして、口を男の手から離し、自分を抱きとめる青年の顔を見た瞬間、それまで我慢していたものが限界に達したのか少女は嗚咽を漏らしながら思いっきり泣いた。
以下略
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