過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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69: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:47:44.83 ID:WjAemYY10
放課後まで杏子とゲーセンで時間を潰した二人は、不思議なまでに意気投合した。ダンスゲームを華麗にプレイする杏子に遅れをとるネミッサは若干ムキになって挑む。そんな彼女を杏子は軽くあしらう。ビデオゲームよりも体を動かすほうがお互い好みのようで、仲良く喧嘩しながら遊びまくっていた。
時間になり学校前で待ち合わせる。ネミッサは最近ここで待ち伏せることが多くなったように思う。二人ゲームセンターの景品のお菓子を食べていると、学校からマミがでてきた。

「あ、きたきた。おーい、マミちゃ〜ん」

以下略



70: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:48:17.27 ID:WjAemYY10
「……いい加減にして……」

ボソリという声に、ネミッサの背筋が凍り付く。頼もしくもあり、恐ろしくもあるマミが戻ってきた形だ。ネミッサを押しのけ杏子の前に立つ。よく、守る姿を母猫に例えることがあるが、マミのそれは子連れの母熊に似た威圧感を見せていた。魔法少女に変身してもない、両手をだらんと下げているのにもかかわらず、吹き出す威圧感は杏子を圧す。だが、杏子もひるまない。

「へっ、簡単に行くとは思ってないけどよ、あんたの弟子だった頃よりあたしも強くなってんだ」
以下略



71: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:49:49.07 ID:WjAemYY10
マミとネミッサは帰り道、さやかの話をし続けた。学校で話をした限りではもう契約を決めたようだ。マミも説得を試みたようだが、残念ながら上手く行かなかった。そんな思いからマミは元気が無い。時間的にはそろそろ契約してしまっていると思い、二人とも暗澹とした気分でしか無かった。

「マミちゃんでも無理か」

確かに、『危険なほど自分の意志の強さの証になる』のなら危険度からの説得は無理。叶えたい願いが現代医学で叶えられないのだからその面の説得も無理。加えて、彼女の正義感には街のほかにまどかのことまで入っている。誰がしたところで難しい。
以下略



72: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:50:28.80 ID:WjAemYY10
その翌日からは、魔法少女になるためのさやかの指導が始まる。世話好きなマミは嬉しそうに説明していた。嬉しいという晴れの表現が望ましいとはいえないが、少なくともマミはさやかを死なせないため、正義の味方にする努力を望んでいた。戦い方は遠距離近距離と違うが、魔力の使い方や心構え、魔女への対応などを指導する。
ネミッサは指導から外れている。魔法のシステムやら戦い方が違いすぎる。そもそもソウルジェムがないのだから仕方ない。

「気に入らないの?」

以下略



73: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:52:19.30 ID:WjAemYY10
さやかの教育を外れたネミッサは、終日天海市にいた。さやかのことはマミに任せるしか無い。可能であればさやかを杏子から守りたかったが、頼って欲しいというマミの願いに応じることにした。自分には自分にできることがある。そう信じて。幾つも訪問先をめぐり情報や武器を回収するとその晩遅く帰宅した。
頼んでいくらも日数も立っていないのにかなりの収穫があった。特に、研究や情報は非常に多くの話や資料が集められた。あのサマナーの相棒というだけでこれだけの人が自分に力を貸してくれる。

(私は頼っていいんだ。マミちゃんだけじゃない。みんなに、ホムラちゃんに)

以下略



74: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:52:46.76 ID:WjAemYY10
契約の詳細を知らせずゾンビにさせられたことを激昂する杏子、呆然とするマミ。その横で、ほむらが回収したソウルジェムにより息を吹き返したさやか。
そして、真っ青な顔で立ち尽くすまどか。
ネミッサの心は嵐だ。事実を知っているほむらや、強靭な精神力でねじ伏せる杏子はいい。なりたてのさやかやマミはどういった反応を示すか全く予想がつかない。特に、QBを家族のように思っていたマミの心理状態が恐ろしい。長年に渡って騙されていたことを知り混乱しているかもしれない。
元々、信条の合わないさやかと杏子の殺し合いの場としてここに集まったはずではあるが、全員があまりの衝撃により戦うことができなくなってしまった。まどかはさやかを抱きかかえ、心もとない足取りで帰る。一方マミはその場にしゃがみ込み立ち上がれない。

以下略



75: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:54:06.69 ID:WjAemYY10
震えるマミの体を抱き、部屋まで運んでいく。真実の重みとQBの裏切り。その心の痛手はネミッサの理解できるものではなかった。出会ってからずっとマミを泣かせているように思えて、ネミッサは息が苦しい。突き飛ばされるかとも思ったが、その手はしっかりとネミッサの服を握りしめ離す様子はなかった。

「ごめんなさい……ネミッサ」

「いいのよ、アタシも一日空けてゴメン」
以下略



76: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:54:45.99 ID:WjAemYY10
マミはショックと闘いつつも、さやかの指導を行っていた。
ネミッサは天海市とマミの部屋、あるいはほむらの部屋を往復し、来るべき災禍の準備を進めていた。魔法少女でない自分が来ることを快く思っていない人物がいたため、パトロールに行くよりはと積極的に準備を行なっていた。
ようやく立ち直ったマミとともに、まどかとほむらに出会う。まとまった資料を元にほむらと相談を行うためだ。丁度パトロールの時間に合わせたのだが、意外な人物がいた。杏子である。なんでもこの間のいざこざから、グリーフ・シードをさやかから譲り受けることで決着したのだが、新人のさやかは手持ちがない。そのため、訓練と称し杏子の目の前で魔女を倒し、そのグリーフ・シードを渡した。
だが、そのためにさやかは杏子ですら背筋の凍る戦法をとった。

以下略



77: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:56:35.27 ID:WjAemYY10
放課後、校門前からやや離れた物陰でにネミッサは立つ。マミをまつ銀髪のネミッサは名物のようなものだった。だがその表情にいつもの朗らかさがないため、周囲に威圧感を撒き散らしていた。ほむらたちより先に下校したマミはその表情に不安を覚えた。何かするのではないかと思うと、気が気ではなかった
ほむらとまどかに連れられ、松葉杖の上条とそれを支える仁美が現れる。仲睦まじい姿に告白が実ったことを察したネミッサは、迷うこと無く真っ直ぐ二人に近づく。慌ててマミがそれを追う。

「カミジョー、ヒトミちゃん。単刀直入に聞くわ。サヤカちゃんの行き先に心当たりない?」

以下略



78: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:57:25.47 ID:WjAemYY10
「アンタは、『カミジョーへの告白を一日待つ』とか言って、サヤカちゃん追い詰めたらしいわね。どう? 親友追い詰めて幼馴染も奪った気分は」

「止めて! 仁美ちゃんも苦しかったんだよ! だから、あんなことになって」

「苦しかったらなにしてもいいのか! 相手の事情も気にせず追い詰めていいのか! それがいいならアタシが何やったっていいはずだっっ!」
以下略



79: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 22:00:56.78 ID:WjAemYY10
ネミッサを追いかけ、マミが近寄る。先のネミッサの暴走により、さやかが戻った時の二人の態度がどうなるであろうか。さやかをなじるか、逆によそよそしくなるか。見当がつかない。
また、まどかがすっかり悲しんでしまい、ほむらが怒るであろうことは想像に難くない。まさに彼女が行ったことはただの暴走であり、暴挙だ。
だが、同時にネミッサの気持ちもわからなくはない。ネミッサはマミに看病してもらった恩を忘れてはいない。それはそもそもマミを庇っての怪我であるのだから、ネミッサが恩義に感じることではない。にも関わらずネミッサは恩として返した。彼女の情に厚い心の現れだ。そんな彼女が、幼馴染の支えをまるで気づかない、あるいはそのフリをしていることが許せなかった。
何気ない会話でいうことは、ネミッサはしきりにマミやほむら、さやかにまどかを褒めるのだ。可愛いから始まり、優しい、楽しい、守りたいなどなど。それを面と向かって言われるマミは赤面してしまう。堪ったものではない。
だからマミは思う。ネミッサは悪い子ではない。その証拠に、あんなに泣いているではないか。
以下略



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